宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【選挙兼ねて】立憲女性、宮城県議選でも続々トップ当選で、泉健太代表「選挙カー使える時間の制限」語るも珍しく思い付きだったから党ホームページから落ちる

2023年10月27日 23時49分27秒 | 大縄跳びの内側から
 泉健太代表はきょう金曜日、2023年10月27日、定例記者会見を開きました。

 「増税メガネ」で潮目が変わったとの指摘があり、直近の宮城県議選も公認・推薦は全勝で、候補者擁立に自信を見せました。

 ただ、「既に統一地方選挙で、選挙に受かった女性議員とかもですね話をしてるんですが、やっぱり選挙運動そのものが、男性優位、男性前提。12時間マラソン演説をしましたと普段からアピールをする人がいるわけですが、男性は家で12時間家事はやってますか、育児をやってますかっていう話になった。それは家事育児をやってるなとすれば、そんなことはできませんから」と懇談の成果をあげました。

 そのうえで「朝8時から選挙カーがスタートして、夜8時まで選挙カーが動いていると思うんですね。これ果たして本当に有権者が求めているか」とし、「10時から6時ぐらいまでで十分じゃないかというふうにも考えたりしますよね」「参入障壁になっているような政治の文化を変えていく必要はあるだろうな」「これから様々な仲間とともに議論したり変えられるところは変えていく」と語りました。

 これについて、現地取材した筆者が質問で「朝8時から夜8時までは公職選挙法の本則に書き込まれているので、法改正が必要となる」と指摘しました。

 公選法の第140条の2は「何人も、選挙運動のため、連呼行為をすることができない。ただし、演説会場及び街頭演説(演説を含む。)の場所においてする場合並びに午前八時から午後八時までの間に限り、次条の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上においてする場合は、この限りでない」と定めています。

 代表は「なぜそういうルールになったのかということも含めて、実は議員たちも、実際にあまり知らないまま、今そうなってるからそうしている」と語りました。

 泉さんにしては珍しいのですが、基本的に、思い付きの発言だったと思われます。そのためか、党公式ホームページは、冒頭発言はほとんど紹介されますが、この部分は役員室の判断で落としたようです。

 泉さんは、都市部で使わない候補者がいるとしました。足立区議選では女性新人(都議選出馬歴あり)が選挙カーを使わず当選しましたが、メルカリ不正転売を警視庁内の他の署の生活安全課から指摘され、辞任しました。

 さて、選挙カーですが、最近はありませんが、夜8時を過ぎたら、マイクを切ったまま、9時半ごろまで手を振っていたことはありました。選挙カーの看板の照明ですが、30年ほど前に開発されたもの。9時半ごろまで、季節によっては窓を全開にして、白い手袋を伸ばしたまま、看板の候補者名に気づいて手を振る有権者に地声で応じることはありました。最有力の自民新人でもやっていました。遊説日程も、事務所からやや遠いところで夜8時を迎えるようなつくっていたこともあったと思います。

 これは一対一の競争や、スタッフの微減のなか、そこまでやる必要はないということで、見かけなくなったと考えます。

 2017年10月の「枝野りっけん」で国政復帰を果たした議員は「あのときから明確に女性のボランティアが増え、自分は連続当選している。なので、泉健太代表・岡田克也幹事長が、当時のりっけんにいなかったから知らないのは当然とはいえ、もう少し、当時の雰囲気をヒアリングしてほしい」と語っています。泉さんもある程度意識して、2019年ないし2023年初当選の女性の地方議員の声を聞いているのだと思います。

 私も今年驚いたのは、女性地方議員とママ友4人で、朝の駅頭をしてから、全員で市役所に向かい、午前10時からの本会議を傍聴したというエピソード。ベテランもそういう事例は初めて聞いたとのことです。それを毎日やって、小選挙区に勝つ段階まで引き上げる道筋はありませんが、「すべての人に居場所と出番を」の枝野りっけんの政治文化が、宮城県議選の選挙結果につながった印象です。

 以上です。
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立憲政調会長「増税メガネと呼ばれるのが嫌で、減税を言い出したのか」首相否定せず、自民政調会長「来年度に減税を実施なら、防衛増税はできない」実質半年ぶりの衆議院予算委員会

2023年10月27日 17時44分01秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]小野寺五典・予算委員長、きょねん6月、仙台市で、宮崎信行撮影。

 衆議院予算委員会は、この半年間で2回目の審議となりました。前回は5月24日の広島サミット集中審議。全閣僚出席の質疑は半年以上ぶりになります。きょうは内容が盛りだくさんでした。そして、1か月後に補正予算案の審議で再び基本的質疑が行われます。

 首相と同じ派閥で、防衛に関するダブルトラックの役回りが予想されていた、小野寺五典さんが委員長になり、首相を助太刀し続けました。安倍さんに続き、岸田さんもよほど予算委員会が嫌いだと見受けられます。

 長妻昭さんは「私もメガネをかけている」としつつ「増税メガネと呼ばれているから、減税をしようとしたのか」と問い、岸田文雄首相は「いろいろな呼び方があるのだなと思っております」とし、否定しませんでした。

 防衛財源確保法は「5年で43兆円の閣議決定」のタイトルを法律内に落とし込んだうえで、令和5年の埋蔵金収入だけを具体化した、非常に無責任かつ、首相にとっては宿題が法定化されたことになります。

 自民党の萩生田公一政調会長は、ことし1月から特命委員長としてNTT株売却など、令和6年度以降の増税先送りを画策してきました。萩生田さんは「なぜ給付でなく減税なのか。来年から防衛増税というわけにはいかない」とし、首相は令和6年度の増税も先送りする意向を明示しました。

 自民党は神奈川県連が多く、牧島かれんさんは「河野太郎防災相当時に熊本地震本部長をつとめた」としマイナンバーカードでの避難所入りが効率的だとしました。小泉進次郎さんは「ライドシェアの解禁」を働きかけ、河野規制改革相は12月に中間とりまとめをするとしました。

 田村憲久さんは、介護、障害者福祉従事者の賃上げを求めました。

 公明党の高木陽介政調会長は、子育て施策の充実を求めました。

 同党の国重徹さんは、建設業への配慮をうながしました。

 立憲民主党は石川かおりさん、長妻さん、西村ちなみさん、後藤祐一さん、おおつき紅葉さん、米山隆一さんの打順として「パリテ」を実現しました。同党の前身政党は2016年にも西村さんら「5人全員の女性デー」をしましたが、テレビ入りがない日で、党内から当時の国対委員長に疑問符がつくことがありました。当時の委員長代理が安住淳さんですので、今回は見せ方に工夫したということでしょう。

 石川さんは、埼玉県議団自民党が撤回した自宅にこどもを一人にすると虐待ととられかねない条例案について、加藤鮎子・こども家庭庁大臣をせめました。

 西村さんは統一教会本部長として、財産保全法案の審議を要求。旧統一教会が自民党議員に「立憲の法案は憲法違反だ」とのファクスを送っているとし、岸田さんも事務所に届いていたことを確認したと答弁しました。さらに、木原防衛大臣、盛山文部科学大臣、伊藤環境大臣、鈴木総務大臣、松村国家公安委員長は、会合出席などの釈明が大臣としての答弁デビューとなってしまいました。

 盛山大臣は、旧統一教会の解散請求に関する手続きで「不開示文書だ」と答弁した内容を、西村さんが提出を求めると、小野寺委員長が「不開示文書だと答弁している」と付言。逢坂誠二・筆頭理事が「不開示かどうかを決めるのは大臣でない」と述べ、理事会協議事項になりました。

 後藤さんは武見敬三厚生労働大臣が、入閣後に政治資金パーティーを行ったと指摘。自由民主党東京都参議院選挙区第三支部から地方議員に献金していると指摘し、武見さんは「一緒に活動するため」の献金で、選挙の年だとの指摘にはその通りだとしました。

 新藤義孝さんは総務大臣兼地方分権相のころ、後藤さんから合計8つぐらいの立場の質問攻めにあい、答弁書を机にたたきつけて気色ばみ、さすがの後藤さんを両手で大臣をなだめるようなジェスチャーをしつつ、その場の雰囲気をとりなしたことがあります。きょうは「政経アクセス」の収支報告書で会合の収支があっていないと指摘し、コンパニオンを雇っていたとせめました。新藤さんはコンパニオンの言葉の意味合いが違うとしました。

 おおつき紅葉さんは、元フジテレビ正社員の報道局政治部記者出身ですが、旧ジャニーズ事務所の問題だとして、「日本版DBS法案」の早期提出と、立憲提出の「児童虐待防止法改正案」の審議を求めました。

 米山隆一さんは、2025年大阪・関西万博について、上振れ分の明細を、経済産業省が把握していないと質問しました。岸田文雄首相と自見はなこ万博相は後押しを続けると答弁しました。

【衆議院議院運営委員会 同日】
【参議院議院運営委員会 同日】
 「会計検査院検査官」に事務総長を充てる国会同意人事について、所信聴取、質疑、自由討議をしました。

 以上です。
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