ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【衆法】120日間の夏休みの宿題、立憲3法案は召集初日提出が確定、岸田経済対策は11月2日か

2023年10月19日 18時36分08秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]2023年7月11日の岡田克也立憲民主党幹事長の記者会見。

 国会は120日ぶりにあす召集されます。

 夏休みが120日連続である仕事というのは、国会議員と遠洋漁業漁師くらいではないでしょうか。

 この間、自民党女性局のフランス研修で、松川るい女性局が大阪府連に最近入党したベテラン女性地方議員らとおどけたポーズをX(旧ツイッター)に投稿。「エフェル姉さん」「松川ルイ16世」などと揶揄され、局長を更迭されました。

 野党議員もコロナ禍明けということで、SNSに投稿せずとも海外に。院の派遣は欧州が多かったようです。参院から初めて派遣された当選1回生は、なぜか党首のSPに挨拶するなどテンションをあげていたので、成果もあげたでしょう。超党派議連でポケットマネーで国際会議に参加しようとした議員は「団員の上川陽子先生がスイートルームがあるワンフロアを借り切るので、一人当たりの参加費が高くなります」とのことで、地元活動を優先しました。

 120日間に、泉健太立憲代表、長妻昭政調会長、岡田克也幹事長らは、3つの法案を「臨時国会初日に提出したい」と記者会見で語りました。

 (1)「旧統一教会財産保全法案」
 (2)「保険証廃止延期法案」
 (3)「政治資金世襲制限法案」

 となります。この3法案が、あす召集初日の午前9時過ぎから、衆議院事務総長に提出するはこびが確定しました。3回の手交に同席する立憲民主党衆参議員は、延べで25議員程度になり、同党国会議員の5分の1近くが議員立法の提出から、秋の臨時国会をスタートさせることになります。

 細田博之議長が海江田万里副議長に辞表を提出。本会議で額賀福志郎さんを選出するため、情勢の確認が必要となっていました。

 他の野党も、額賀議長選出後に、複数の衆法を提出します。

 「今の健康保険証を残します」としたポスターを発表した岡田さんの会見は、閉会から25日後でした。猛暑もあり、はるか遠い昔のように感じます。

 そして何よりも、この120日間で、「ジャニーズ事務所」がなくなりました。東山さんらが記者会見でメガネをかけていたことが話題となり、そこから類焼して岸田さんは「増税メガネ」と呼ばれることになり、気にしているようです。権力の中枢のセンセイ方は、自分たちよりジャニーズの方が社会的影響力が強いことを忘れていたのかもしれません。省のポスターを発注すれば出てくれる下請けのように思っていたのでしょう。

 国会は来週の火曜日から木曜日だ代表質問という異例の展開となり、引き続き、通告日ゼロで、金曜日に衆議院予算委員会基本的質疑になりそうです。10月27日(金)と30日(月)が衆・予算委、31日(火)と11月1日(水)が参・予算委となりそうです。

 そのため「新たな経済対策」の臨時閣議決定が、公約の「月内」ではなく、11月2日(木)にずれ込みそうです。

 なんと次元が低い内閣でしょうか。

 連日のテレビショーと国会待機になることから、政権の緊張の糸が、主流も傍流も、ぷっつり切れる気配すら感じさせます。

 結党3年以上、政治とカネの問題が一つも出ていない「スキャンダル処女」の立憲は、衆議院の審議では「解散弄び解散」の政治姿勢も問いただすことになりそうです。

 以上です。
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「ライドシェア」を岸田首相が所信表明演説する見通しながら盛山正仁文科相(岸田派)がタクシー議連に出席して「認められない」と発言か

2023年10月19日 05時56分15秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
 あすから始まる第212回臨時国会で、週明け月曜日(23日)の岸田文雄首相の所信表明演説に「ライドシェアの解禁の検討」が入る見通しとなりましたが、初入閣の盛山正仁文部科学大臣が、おとといの「タクシー・ハイヤー議連」に参加し、「安易なライドシェアを認めるわけにはいかない」と発言していたことが分かりました。朝日新聞が報じました。

 ライドシェアの解禁は、菅前首相がおしています。

 盛山さんは、義兄弟の田村憲久政調会長代行とともに「宏池会」所属で、閣内不一致どころか、派内不一致ともいえそうです。所信表明演説の内容をリークしているのが、官邸官僚か、村井英樹官房副長官か分かりませんが、官邸内の検討作業を知らなかったとはいえ、大臣が所管外の議連に出て意見を述べた行為そのものの正当性が、予算委員会で問われる可能性もあります。

 大臣が、県連の会合や、次期総裁選を踏まえた勉強会などにでるのは、「政務」ですので問題はありません。盛山さんとしては、ケイリン以外にに大きなスポンサーを持たない宏池会よりも、出身の運輸省(現在の国土交通省の物流・自動車局など)所管が大事だということでしょう。

 盛山氏は、当選1回のときに属していた、財務金融委員会で、強行採決を前に、記者・傍聴者が増えだし立ち見で鈴なりになったころ、後ろを振りかえってびっくり仰天した表情を浮かべたことがありました。同期の小泉チルドレンたちは鈍感でした。国会情勢や世論の反発を頭に入れていれば、採決に近づくと緊迫することは分かりそうな法案でしたが、後ろを振り返って目で確認するのは良いことだとしても、鈍感を装えないのは、あまり政治家向きの人ではないのかもしれません。

 以上です。
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【閣条】「TPPへの英国加入に関する議定書」の条約承認を求めるの件が第212回臨時国会に提出

2023年10月19日 05時36分47秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]在日英国大使館、皇居の「半蔵門」を出てすぐで、最も皇居から近い大使館と思われる、宮崎信行撮影。

 TPP環太平洋パートナーシップ協定に、英国が加入するとしたことし7月の条約について、あすからの第212回臨時国会に、「承認を求めるの件」(212閣条おそらく1号)が提出されることになりました。

 英国のリズ・トラス前首相(前保守党党首)が国際貿易大臣のころに、自分の天下取りも含めて、茂木敏充大臣(当時)とタフなネゴシエーションをしていた印象があります。

 衆議院外務委員会と参議院外交防衛委員会で審議されることになります。木原稔防衛大臣の佐世保でのハコの集会での不適切な選挙応援発言の撤回や訪米でのトマホーク前倒しとからめた質疑になるかもしれませんが、会期内での両院承認は確実とみられます。

 以上です。



 
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