宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【法案】「袴田さんの事案」で無罪が完全確定「刑訴法再審編改正」に向けて法務省に突き上げ強まる「保護司法」の見直しに加えて「刑事訴訟デジタル法案」「区分所有法改正案」いまだ国会提出ならず

2024年10月10日 22時47分26秒 | 【法案】今後提出される法案
[写真]法務省と永田町の循環バス、ことしの通常国会中に、宮崎信行撮影。

 静岡県警のでっち上げ捜査をきっかけに死刑の濡れ衣を着せられた「袴田さんの事案」で、刑事訴訟法再審編に基づく判決がきょう確定し、無罪になりました。今後も国家賠償や、議員立法である「通称・免田法」にもとづく年金遡り受給などがあります。

 刑事訴訟法の第4編「再審」に関して、検察の情報公開、検察の上訴権の制限など改正に関する、法務省・検察庁に対する突き上げが強くなりそうです。

 きのうの石破内閣の解散による第50回衆院選後の法務省は課題山積となりました。まず、ことし2月の法制審総会は、(1)離婚後共同親権(離婚及びこれに関連する家族法制の見直しに関する諮問第113号について )、(2)刑事訴訟デジタル法(情報通信技術の進展等に対応するための刑事法の整備に関する諮問第122号について )、(3)区分所有法の見直しーーの3つを決定しました。ところが、離婚後共同親権の改正民法が国会に提出され成立しましたが、刑事訴訟法改正案と区分所有法改正案は、8か月立った現在も法案そのものが提出されていません。さらにこの法制審では「遺言制度の見直し」「成年後見制度の見直し」のプロセス加速も決まりました。

 このうち刑事訴訟デジタル化をめぐっては、今でも県警本部から最も遠い警察署では、裁判所に捜査令状・逮捕令状をとりに行くのが半日以上の仕事となっており、現場のニーズは高いとされています。

 さらに、いたましい保護司殺害事件を受けた、保護司法改正に関しても当事者の勉強会が中間とりまとめを決めましたので、保護司法改正案の作成もなされることになります。

 法案作成が多い「刑事局参事官室」「民事局参事官室」だけでなく、出入国管理庁次長の珍答弁続出、「副大臣がなぜ来ないか」と聞かれた政府参考人登録されていない大臣官房職員が閣僚答弁席で答弁しそうになるなど、法務省は混乱が続いています。ことしの大混乱の主役たちは全員が検察官採用とみられます。中には、本省勤務で刑法の改正を始めてやってみたい検察官もいるでしょうが、疲れ果てて忙殺された刑事局と、法制執務になれていない保護局などの構造的な問題があります。

 その一方、刑事局職員は筆者の取材電話に対して、「法務省は他府省庁に比べて遅いんですよね」との指摘に、「え、そうなんですか、すいません」として速やかにコールバックで回答してくれる誠実さもありますから、組織の体質改善の余地はあるでしょう。

 そしてなにより問題なのは、身柄を逮捕され10日間拘留された後、刑事訴訟法の「不起訴」の決定について、マスコミに対して検察官が理由を明かさないことです。10年前は違いました。検察官起訴便宜主義は、世界でもG7でも、日本だけの恥ずべき法制です。検察官たちも「判検交流」なんかやめて、先進国及び途上国の双方に海外旅行して勉強して来いといいたいです。

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連綿と続く我が人生の記録としてそれからの大縄跳びの内側から)港北区全域の神奈川7区で大野拓夫さん出馬へ、無所属・大野トモイ市議の夫

2024年10月10日 22時18分32秒 | 第50回衆院選(2024年10月27日)
[写真]神奈川7区の大野拓夫立候補予定者(左)、中央は妻の大野トモイ氏(現・横浜市議)、右は筆者・宮崎信行、今から8年前の2016年4月2日、東京の中央線の「三鷹駅」などが最寄りの「ICU国際基督教大学」構内で。

 野党一本化が破綻し、野党候補が880人超の大乱立となる第50回衆院選は、300選挙区(289小選挙区と11比例地域ブロック)構図がバラバラです。当ニュースサイト主宰の宮崎信行も、たまには自分でビラを配りたいと4年に1回、専ら応援している大野トモイ(大野知意)横浜市議の夫、大野拓夫さんが出馬することを決めました。神奈川7区は今回から「人口増の港北区のみ」に区割りが絞られ、横浜市議選(港北区は定数8)と全く同じ区割りとなりました。大野拓夫候補予定者は「少しでもまともな政治をつくるために挑戦したい」と意気込んでいます。

 これには、およそ2年前、トモイ市議が立憲民主党幹事長特別補佐の中谷一馬前議員(2期)から同党の公認上申を外されたことから、トモイ市議の「票田」を守りたい思惑が透けてみえます。

 本邦初公開の8年前の写真は、陣営内で結婚式に招かれた人、そうでない人も分断をさそわないよう公開していませんでしたが、新郎より新婦に年齢の近い新婦友人の立場の独身男性の私。新郎新婦恩人の菅直人総理大臣夫妻に加えて、出会いのきっかけの総理夫妻の長男、菅源太郎さん(現・市議)が友人たちと別の丸テーブルを囲み、その後、新郎上司(当時)であり、その翌年の旧立憲民主党の結党にかかせない役回りを果たすことになる橘民義・会社経営者(元県議)も含めた50人ほど。多摩左翼界のオールスター勢揃いに同じ立場で列席し、まさに私にとっても日大二中・高入学以来の「中央線リベラル」の経験の結晶ともいえるイベント。実は、選挙にまた出るとは思っていなかったのですが、そのときも、意識高い系の生徒会役員時代の先輩からも私が亡父からの相続・事業承継に忙殺されていた時期とはいえ「そこまでの関係なら、宮崎君はビラのまき方を知っているんだから、横浜まで行って労働力の提供をしなきゃだめよ」と助言されることにつながりました。

 さはさりながら、12日間で289小選挙区の第50回衆院選で、港北区で私ができることは極めて限られています。たぶん現地いけないですし、出張取材帰りに新横浜途中下車もままならない。

 拓夫さんが選挙に出るのは、私が知る限り、4回目、国政で2回目だと思います。トモイ市議は「マイクを持ちたい人は、来てほしい」としています。

 神奈川7区には、無所属新人男性の大野さん、自民前職の鈴木さん、立憲前職の中谷さん、維新新人の宗像さんの4名が準備しています。

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参議院岩手補選スタート、小川淳也・立憲幹事長「安保法制きっかけ野党一本化でお譲したのは地元・香川」とし選挙後も野党第一党中心だとお願いベース

2024年10月10日 19時02分52秒 | 第50回衆院選(2024年10月27日)
 解散から一夜明け、来週火曜日の公示に向けた「前哨戦」がきょうからスタートしました。石破茂首相は未明に初外遊に飛んでいます。秘書給与搾取の広瀬前議員の補欠を選ぶ参議院岩手。意外にも候補者乱立。本命視される立憲元職男性の木戸口さん、参政党新人の吉田さん、諸派の小田々さん、政治団体「幸福実現党」の松島さん、無所属の女性で元市議の田中さんの5名が立候補しました。参院選は広いので17日間。投票日は27日に衆院とダブルなので、全国への影響は全くありません。

 自公過半数割れとなると、前回比61議席減となります。私の手元の試算では、首都圏の1都3県で、自公の小選挙区勝ち上がりが半減しないと届かない数字だと思います。

 前回の2日目、私は香川1区で小川淳也候補の「青空対話集会」などを取材しました。きょうは、前哨戦初日に、小川幹事長として東京11区の成増で、「青空対話集会」を開きました。まだ先が長いので、筆者は同党公式ライブで取材しました。

 質問は次のような内容でした。

 (1)高市早苗さんが自民党総裁になったと仮定しての政策の違いとジェンダー平等としての愛子天皇の実現
(2)気候変動にかかわる仕事をしているが争点になっていない
(3)自民党が前回以上に情勢が悪いのに野党一本化は後退している
(4)映画を見て小川さんのファンで代表選有楽町街宣にも参加したが、この選挙区では前回の選挙でときわ台のロータリーは共産党が街宣し、立憲の候補は暗い商店街を練り歩いていたから落選したのではないか
(5)能登の地震は阪神、東日本と比べて政府の動きが鈍いと思うがその理由と仮に立憲政権になったときの対応
(6)自分(男性)は選択的夫婦別姓を実現しようと長年入籍しなかったが終活のために昨年入籍したが相続法制などで未入籍期間に関する不都合がある
(7)都知事選の結果にいまだに納得していないがその総括
(8)私は市民団体の代表だがこちらの候補予定者は誘えば会合に出て来てくれるが自分は少数政党とも連携しており小選挙区の見直しも含めた多党制を長期的に検討してほしい
(9)海外に住んでいるときに外国籍の土地購入の禁止があったので日本でも禁止・規制してほしい

 ーーという質問が出ました。なお、「裏金」について直接質問はありませんが、これに先立つ演説では反応はありました。賃上げ・物価高の質問はありませんでした。

 小川さんは野党一本化で次のように発言しました。

 小川さんは「野党共闘というのは実は、きっかけは2015年、亡くなった安倍さんが安保法制を無理やり仕掛けたことが一つの大きなきっかけでした。そしてそれまで共産党さん含めて、なかなか野党は独自路線だったんですがみんなで協力しようじゃないかという機運が盛り上がり、そして翌2016年の参議院選挙で全1人区で一本化するということに成功し、その前は1人区で2つしか勝てなかったのが、そのときは11個勝ったんですね。当時共産党さんにお譲りをした選挙区はなんと私の地元香川だったんです。当時私の支持者からは、とっても叱られました。もうポスター外してくれ、献金やめた。ものすごく叱られました。でも、信念というか確信を当時持ってました。それは、野党に当然いろんな所があるんですが、とにかくみんなで一本化して、少なくとも選挙区調整ちゃんとやらないと自民党と公明党は必ず一本化してきますからね。自民党と公明党が両方立てる選挙区ないじゃないですか。やっぱり野党が、お互いに譲り合って、しかもそれが何のためかなんです。私はこれから野党に今一番足りなくてこれから絶対必要だと思っているのは、政権への執念なんです。なんだか正しいことを言ってるとか、自分たちの考え、気持ちいいこと言ってる、それじゃ駄目なんです。何としても政権にたどり着いてそして社会の矛盾不条理を解消し、少しでも国民とともに前に進むんだという決意なり執念がないと話し合いのよすがが生まれないんですね。取っ掛かりが生まれないんです。そこから始めてお互いに理解し合ったり譲り合ったりという機運が生まれていくわけです。したがって、あれから8年。途中、紆余曲折いろいろありました。うまくいったこともあれば、そうでないこともある。そして今回に関して申し上げますと、みんなで一生懸命努力してます。ものすごく汗をかき、誠意を尽くし、まだ新体制ができて2週間ですが、みんなで努力してます。ただ状況が簡単じゃない容易じゃない極めて複雑に絡み合ってるそのことは率直に認めた上で、いずれと言えばいいのか直ちにと言えばいいのか、早急にと言えばいいのか、必ず野党が協調協力できる体制というのは、もう1回作り直していきたいと固く心に誓っています。そして今回も努力します」と、来週火曜日まで一本化の調整をするとしました。

 が、小川さんは続けて「しかし公示まで1週間、今回仮にですけど、答えを仮に出すに及ばなかった場合、何としてもお願いしたいのは、受け皿の骨格は野党第1党ですから。自民党が駄目だとがっかりしたときに、その受け皿の主体になるべきは野党第一党ですからそれは野党が好き、この野党がいい。いろいろあるでしょう。いろいろあるでしょうがどうぞ選挙が始まったら、阿久津さんに立憲民主党に集中をお願いしたい。野党第一党に有権者の側からも声を上げていただきたいんですが、野党がんばれとみんなで力を合わせようと独自の主張に埋もれちゃ駄目だとそういう声を有権者の側から上げていただくためにも、ぜひ阿久津さんに、そして立憲民主党に投票周知を選挙が始まったら大いに呼びかけていきたいと思っていますのでどうぞ皆様よろしくお願い申し上げます」と述べました。

 一本化は難しいとしつつも、公示後や選挙後には立憲民主党に集約させてほしいと「お願いベース」で語りました。

 東京11区(板橋区の大部分)には、連続9戦全勝の無所属前職の下村さん、立憲元職の阿久津さん、維新新人の大豆生田さん、共産の伊波さんの4人が立候補する見通しです。

 2016年の「岡田克也代表・枝野幸男幹事長」時代の参院選で、香川選挙区だけで共産党公認の田辺健一さんが立ちました。それから3度目の衆院選で、小川さんは香川1区で初めて共産公認が立ち、田辺さんと競うことになります。自民、維新、参政も含めて5人立候補する見通しです。

 過去1年間党の常任幹事会に出席した姿が確認できない野田代表・小川幹事長が公示直前まで一本化調整するとしているのは、無理だという声が強まっています。

 今回の選挙は1200人を超える大乱戦が避けらない見通しとなり、全国的な対決の構図は描きづらいとみられます。


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