宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

あす午前、自民・国民の幹事長・国対委員長会談 政策協議開始へ 1月に梯子を外されたトリガーではなく、基礎控除178万円が軸か

2024年10月30日 13時46分23秒 | 214臨時215特別216臨時石破熟議
[写真]国民民主党の榛葉賀津也幹事長(左)と古川元久国対委員長(右)、4年前の2020年、都内で、宮崎信行撮影、中央は引退した小林正夫さん。

 国民民主党はあす(2024年10月31日)午前、自民党と国民民主党の幹事長・国対委員長会談を開催すると発表しました。

 両党と公明党は、きょねん12月28日に、渡海紀三朗・大塚耕平・高木陽介の3政調会長が会談して、「トリガー条項凍結解除の自公国3党実務者協議会」の設置で一致。ことし1月12日に、片山さつき・木原誠二・杉久武・磯崎哲史の3党4議員の協議会を始めました。ところが、わずか1カ月足らずで協議は終了し、玉木国民は完全に梯子を外されました。

 このうち、大塚さん、高木さんは国会を去っています。

 今回、自公過半数割れ、国民4倍増となり、10カ月ぶりに政策協議を再開することになりました。トリガーではなく、所得税の基礎控除を、年178万円に引き上げる政策を、早ければことし分から反映させる税制改正法案を年内にまとめるよう迫ることが軸になるのではないかと考えられます。

[写真]トリガー条項凍結解除の実務者協議会の設置を決めた、自公国政調会長会談、きょねん12月28日、国会内で、宮崎信行撮影。

[写真]トリガー条項凍結解除の実務者協議会の初会合、ことし1月12日、国会内で、宮崎信行撮影。

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決選投票で「玉木」は先例により無効にカウントされるため「第2次石破内閣」当選が濃厚に「第1次玉木内閣」の可能性も「第2次野田内閣」は163票どまりか

2024年10月30日 06時49分45秒 | 214臨時215特別216臨時石破熟議
[写真]玉木雄一郎・国民民主党代表、4年前の2020年秋、東京・永田町の「全国町村会館」で、宮崎信行撮影。

 玉木雄一郎国民民主党代表は、おととい月曜日夜のBS番組ときのう火曜日の定例記者会見で「決選投票でも玉木雄一郎と書く」と明言しました。

 衆議院規則18条を補う「衆議院先例集」では「決選投票の場合に、決選投票を行うべき二人以外の氏名を記載したものは当然無効であるので議長がその無効を宣告する」としています。

 筆者のシミュレーションでは衆の第1回は「石破221 野田151 馬場38 玉木28 山本9 田村8 吉良4 神谷3 河村3」となります。決選では「石破227 野田163 無効75」となります。

 このため、第2次石破内閣が当選する可能性が8割となりました。「第1次玉木雄一郎内閣」もありえますが、28議席しかありません。第2次石破少数与党内閣となります。

 なお、国会というものは、「委員長の報告は否決であります」となっても本会議で賛成多数なら、すべての議案は可決となります。が、議院運営委員会の理事会や委員会が、そもそも「議長が委員会に付託すること」を否決することもありますので、政局は、衆参与野党の実力者の思惑と実行力、議運の顔ぶれ次第で不安定の度が左右されます。

 11月11日(月)召集で14日(木)閉会。第2次石破内閣は14日に「地方創生交付金2000億円」など「秋の経済対策」(岸田さんの6月発言)を決定し、半月後に「第1次補正予算案」を策定する見通し。いったん政治休戦的になり、予算委員会の後、3月上旬の衆議院本会議で様々な理由で賛成表を投じる勢力が出そう。参院選前に野党が提出する内閣不信任決議案の採決を前に、麻生太郎最高顧問(長男世襲観測と違い本人が15選)の考えで自民党内が割れることが予想されます。

 政局は大流動的となります。なお、国会で処理すべき法案課題としては人事院勧告、半島振興法、年次税制改革、年金3号・在職老齢年金、刑事訴訟デジタル、森林環境税による経営の県代行の拡充、土地改良組合法など小粒にとどまり、これだけは「黄金の3年間の遺産」を与野党が貰えそうです。

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【挨拶全文つき】立憲小川幹事長が火曜夜という異例の早期に「1期生オリエンテーション」を開催、特別国会まで地元のお礼回りを優先するよう指示、フェアな扱い念頭か

2024年10月30日 06時42分23秒 | 第50回衆院選(2024年10月27日)
[写真]「当面の活動等に関する初当選議員向け説明会」にのぞむ立憲民主党の小川淳也幹事長、大串博志、辻元清美両代表代行ら3名と、オンラインで聞き入る初当選議員39名近くら、同党本部で、ゆうべ2024年10月29日(火)夜、宮崎信行撮影。

 立憲民主党は小川淳也幹事長=実質無派閥=がきのう「当面の活動等に関する初当選議員向け説明会」をオンラインで開き「新人議員39名もお迎えするのは(前身の別の法人格の政党による)2009年以来だ」とし断定的ではないが11月11日に特別国会が召集される可能性を明示。それまでは上京は控えて地元のあいさつ回りをするようオンラインで指示し、所属委員会と議員宿舎のてはずについて党でサポートするとしました。「オリエンテーション」を開いた党は同党が最速とみられます。


[動画][写真]「当面の活動等に関する初当選議員向け説明会」にのぞむ立憲民主党の小川淳也幹事長ら3名と、オンラインで聞き入る初当選議員39名近くら、同党本部で、ゆうべ2024年10月29日(火)夜、宮崎信行撮影。

 小川幹事長は冒頭5分間、次のように語りました。全文。

 「総選挙の疲れも冷めやらぬ中かとは思いますが、できるだけ早くこういう形で皆様に党の責任ある立場として、いろいろとご報告なり、また今後のお導きといいますか、そのご説明もできたらともこの機会を設けさせていただきました。幹事長の小川淳也です。よろしくお願いいたします」
 「今日は選挙対策全般を取り仕切るられました代表代行選対委員長の大串博志さん、そして広報対策含めて陣頭指揮をとられた辻元清美さんの3名を主に、様々な皆様のご意見やご質問にもお答えをしながら、この国会議員としての最初の一歩を踏み出すにあたってのお手伝いをしっかりさせていただきたいと思っております。

 「二、三、お話させていただきます。まず15年ぶりの自公過半数割れという国会の状況を踏まえて、私ども全力で政権の構成やまた国会の構成にも各党との丁寧な協議に臨んでいる最中でございます。これもひとえに、初挑戦初当選の方もいらっしゃると思いますし、またこの間苦節浪人期間を経て、今般の初当選に繋がった皆様もいらっしゃるかと思いますが、全39名の初当選の皆様なくしては成し得ない一つの政治的な成果でございました。この間のご労苦ご努力に対して深く敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います」

 「そして今後、国会の召集日が11月11日ではないか、ここが軸ではないかということですので、なお、一定の時間がございます。いろいろな不安や期待に駆られているところかと思いますが、まずは丁寧にこの選挙戦を通して、お世話になった方々がたくさん、それぞれの地元にいらっしゃると思いますので、そこに対する丁寧なお礼の挨拶回りなど、しっかりとした事後活動これにまずは励んでいただきたいと思っております」

 「あわせて、所属委員会の検討や国会での議員宿舎への入居等、庶務的なこともこれからこようかと思いますので、こうしたことも含めて今日、いろいろと道行きをお示しできればと思っております」

 「最後に40名近い初当選の新人議員をお迎えするという。あとは、私どもとしては09年、今から15年前以来のことでもございまして、皆様が存分に活躍できるような、政治的政策的環境を整える幹部としての責任も感じているところです。同時に、初めて議員になられた皆様、そして地方議員としての経験はありながらも、国会議員として初めて活動を活躍される皆様におかれましては、いわゆる公人として、一挙手一投足が地元有権者のみならず、全国民から注視の対象になるということをゆめゆめくれぐれも日々、頭から離れる離すことなく、日々の検討も含めて、いろいろとご努力をいただきたいという点でございます。地元有権者への感謝、そしてそこで寄せられた期待、これに応えつつ、公人としての自覚を持って、地元活動国会活動に励んでいただくことが、今般の選挙の結果に対する私どもなりの有権者に対するしっかりとした恩返し、良い政策論議良い社会作りに繋げていくことを通して、この選挙でいただいた期待にみんなで応えていきたいと思うおります。どうぞ夢と希望を持って国会にお越しをいただきますように、またその準備期間の限られた日にちとはいえ、一日、一日を大事にしながら、その日を待ち望んでいただきますように、そして一緒に国会で戦いをしっかり、いい社会を作るために戦いを進めてまいりましょう。少々お時間をいただきましたが、そうした決意をもって今日この会を開催させていただいておりますので、どうぞ私どもの話に耳を傾けていただくと同時に、聞いてみたいこと、あるいは意見としておっしゃりたいことを遠慮なくお寄せいただきますようにお願いを申し上げまして、今日のご参加いただいたことのお礼と、そして喜び並びに歓迎のご挨拶にさせていただきたいと思います。皆さんこれから一緒に頑張りましょう。よろしくお願いします」

 2009年の際は、小沢一郎幹事長がホテルニューオータニで140名を超える1期生議員全員を招き「結党以来のごちそうを用意した」と全新人議員にビュッフェ形式の歓迎会(そうはいっても、会場代・酒代を含めても1人5000円程度と思われる)を開きました。が、一部の選抜した議員だけ事前に「地元の会合がある」と仲間に嘘をついて他のホテルに移動するよう指示。側近の佐藤公治議員の段取りで小沢さんが200万円を渡す非常に悪趣味な二次会を開きました。この際、小沢グループは情報に疎いので気づいていなかったのですが、200万円を渡した(法律に基づく政治団体から政治団体への寄付)山尾志桜里議員が小沢さんの書生経験者会会長に相当する元古参秘書と司法修習同期で、「東大卒で年食った修習生なかま」として頻繁に飲み会を催すほど親しく、「陸山会事件の真実」を知っていたため、翌夏の代表選で出陣式前夜に菅直人さんに寝返り小沢さんが代表選で落選する遠因となりました。

 小川さんは当時総務政務官とした多忙を極め、その経緯は知らないかもしれませんが、新人を平等に扱いたい意向がにじみ出ていました。

[写真]「当面の活動等に関する初当選議員向け説明会」にのぞむ立憲民主党の小川淳也幹事長ら3名と、オンラインで聞き入る初当選議員39名近くら、同党本部で、ゆうべ2024年10月29日(火)夜、宮崎信行撮影。

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