渡辺恒雄の後継者、宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「余命半年からの人生」参議院議員・山本孝史さん(3) ゆき夫人

2007年09月22日 00時52分37秒 | その他

孝史へ、山本ゆき

友人が私に言いました。

胸に病を抱える人は、胸に悲しみを長く抱えてきた人だ」と。

 悲しみでぽっかり空いた胸の空洞に、がんが宿ったということなのでしょうか。孝史の胸の真ん中の胸腺に宿ったがんは、7歳でトラックに命を奪われた兄の無念さ交通遺児母子家庭の支援活動あしなが活動で出会った多くの子どもたちと母親の悲しみと苦悩、国会内で先頭に立って真相解明に取り組んだ、薬害エイズの被害者の悔しさの塊なのでしょうか。

 国に裏切られ、医師に人間扱いされなかった薬害エイズ事件の被害者たちの苦しみ、絶望を思い、絶対に許せないと、膨大な資料を読み込んでいましたね。そして、まだ「未公開ファイル」があることや、加熱製剤の発売後も非加熱製剤が販売されていたことをも突き止めました。この薬害エイズから孝史の国会での「いのちの政策」が始まりましたね。

 13年間の国会活動で取り組んだのは、年金、医療、介護の社会保障制度をメインに、臓器移植、自殺対策、難病対策、被爆者支援、障がい者支援、中国残留孤児支援、ホームレス対策、交通事故問題、そしてがん対策などいのちを守る政策でした。

 一昨年の12月にがんが見つかってから1年半、抗がん剤治療を受けながら、時には健康な時以上に、国会で仕事をしていましたね。「命を削る」とは、このことかと何度はらはらしたことでしょう。孝史の訴えが実って、がん対策基本法も制定され、国のがん対策も少しずつ前進していくように思えます。

 国が、がん対策に向け動き始めたのはいいのですが、自分の身体をあまり顧みなかった孝史にとうとう「ドクターストップ」がかかりました。

 5月下旬の治療日。体力消耗が激しく、主治医に「危機的状況」と言われ、もう抗がん剤の治療はできないと通告されました。それを機に、やっとあなたは自分の身体を思いやり、自分のいのちを見つめるようになりましたね。

それでも、6月12日に、厚生労働委員会で質問に立ちました。疼痛緩和のための医療用麻薬メサドンの早期承認を求め、厚労省から積極的に取り組むとの回答を得ました。今、使われているモルヒネなどの十分の一の値段で、海外では広く使われている薬です。これが承認されたら、痛み止め薬の選択肢が増えて、喜ぶ患者さんがたくさんおられるでしょう。痛みさえコントロールできたら、普通の生活が送れるがん患者さんはたくさんいます。本当にいい仕事をしましたね。

 「年金の山本」の存在を示した、年金記録消失問題に関する質問では「わかりやすくて聞き入ってしまった」と、委員会室で写真を撮っていた記者さん。その話を聞いて、「そういうことばの一つひとつが励ましになるよ」と孝史は嬉しそうでした。

でも、今は、体力を回復させる――それ以上の仕事はありません。

時間がない、今やらねばもうできなくなる」との思いに駆り立てられていたような日々。自分の人生を完結させようとしていたようにも思えます。

孝史の人生はまだまだ進行形です。いのちのバトンも持ったままです。渡す相手もまだ見つかっていません。ちょっと動くと心臓がバグバグ鼓動して苦しそうだけれど、酸素吸入だってあるし、抗がん剤の副作用にも悩まされるけれど、孝史は元気です。

孝史の願い――「僕は、治らないと医者から言われたけれど、治りたい。生きたい。生きて仕事がしたい。標準治療のあとは緩和ケアだけの日本のがん医療を変えていきたい」

孝史とえにし(縁)を結んだ人たちが、孝史の想いに共感し活動してくれています。あなたのメッセージを全国の人たちに伝える手伝いをしてくれています。もう、一人で頑張ろうとしないでください。私にも長く伴走させてくださいね。

2007
615日記

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http://www.ytakashi.net/CONTENTS/0.cancer/070617shuki.pdf

から要約して掲載させて頂きました。



山本孝史、ゆきご夫妻です。(結婚式をあげた思い出の明治神宮前で)
―山本たかし公式ウェブサイトから―

【参考】1993年、日本新党で初当選組の同期生、河村たかし衆院議員(民主党、愛知1区)のウェブサイト内「山本孝史さんを応援して欲しい」
http://takashi-kawamura.com/2007sangiin/index.htm
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「オレ、河村の推薦人になっていいから」もう2年前になる民主党代表選挙。

山本孝史氏は衆議院の河村たかし議員会館事務所をやおら訪ねて自分からこう話してくれた。

結果代表戦立候補に必要な20名の推薦人があと2名集められず、断腸の極み立候補できず

にならんだけれど、河村たかしにとっては宝石のような18人推薦人の一人になってくれたのが

山本孝史だった。

 日本新党で初当選の同期の桜。その縁あってかもしれないが、

河村たかしの事務所をわざわざ訪ねてくれて自分から河村たかしの推薦人になると切り出して

くれたのは山本孝史氏ただ一人だ。

 本当にそうできることではない。

 今回は地元の縁あって愛知では三輪信昭氏を応援しているが、

もしこのホームページを見てくれた人がいたら是非、山本孝史氏を熱烈支援して欲しい。

 ガンを患い、つらいと思う。

 しかし、河村たかしの代表選推薦人に自らなると言ってくれたのは山本氏ただ一人。

もし党内出世を考えたらそうできることではない。

金も無く2世でもなく総理をねらうと公言する河村たかしを推薦する。

きっと山本孝史氏は飛びぬけて心の暖かい男に違いない。

早く元気になって参議院議員として目茶苦茶人情味のある政治をやって欲しい。

河村たかし

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「余命半年からの人生」参議院議員・山本孝史さん(2)

2007年09月22日 00時48分59秒 | その他

いろんな動きの接点

昨年の5月22日、(略)参議院本会議場で「自分もがん患者である」ことを公表し、がん対策基本法の早期成立を訴えました。「政治家が病気を告白するのは、政治生命の危機」と言われましたが、僕にはそんなことは関係ありません。この機会を逃すと、がん対策基本法の成立はずっと遅れるという自分なりの見通しと、がん対策基本法の成立によって、がん医療や、さらには日本の医療水準が向上し、「救えるいのちは救うべき」と普段から思っていたことが実現すると思ったからに過ぎません。

そして、多くの方の熱意と行動が寄り集まって、がん対策基本法は異例のスピードで成立しました。やはりここでも、見えない力を感じます。

がん患者の視点(略)

がん患者イコール、リタイアではない


身体が辛いときは、「もう無理をしなくてもいいじゃないか」という声が聞こえて、リタイアしたいと思うこともあります。
しかし、当事者が動かねば行政は全く動かないことを、大学3年の時、「大阪交通遺児を励ます会」を結成し、それからの25年間かかわった交通遺児母子家庭への支援運動で痛感しています

当事者自身の訴える力に勝るものはありません病を抱えた当事者が、病気と闘いながら理不尽な行政とも闘わなければならないのは、政治の怠慢以外のなにものでもありません。(略)

自殺も減らせる

8年連続で3万人を超えている自殺者も、救えるはずの命です。自死遺児の支援を行っているあしなが育英会の玉井義臣会長から、「自殺を個人的問題としている間は、自殺者は減らない。社会問題として捉えなければならない」と教わりました。党内での勉強会を重ね、自殺予防に取り組む市民団体とも連携しながら、「自殺対策基本法」に取り組みました。

昨年の5月22日の参院本会議で、がん対策基本法と同時に自殺対策基本法の成立も訴え、成立にこぎつけました。(略)

民主主義を守りたい

もう一つ、僕は民主主義を守りたいと心から思っています。命を守るためです。お国のためにといって命を散らさねばならない状況を再び作り出してはなりません。今の、数の力で突き進む政治や歴史を語り継ぐことを軽視する社会を見ていると、戦後60年以上を経た日本に民主主義は育たなかったと思わざるをえません。

利他主義の薄さが、日本社会での民間活動の弱さにもつながっています。絶望感が強くなります。でも、何かやらないと、何も動かないことも事実です。

民主主義を守ること――これも僕に課せられた仕事です。

いのちを見つめ、大切にする「いのちの政策」。

それを、やれるところまで、やります。

僕は、与えられた命を生き抜きます。

抗がん剤治療で生み出された時間を何に使うのか。残された人生の貴重な1ページ、1ページに何を書き込むのか。(略)

健康であったらと悔しく思うことも度々ですが、がんにならなければ、いまのような仕事ぶりも、生活もありません。治療を続けていますし、少しずつ体力を回復し、良くなることを信じて日々生活しています。

「進行がん患者でもできることはたくさんある」、「いい仕事がいっぱいできる」というメッセージを、進行がん患者難病患者障がい者虚弱な高齢者など、国の政策や社会から「役に立たない。お荷物だ」と見なされがちな人たちに代わって、社会に届けたいと思っています。(略)

僕は、自らの人生を生き抜きます。
2007615日記

参議院議員・山本孝史さんのメッセージ(3)ゆき夫人へ続く

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「余命半年からの人生」参議院議員・山本孝史さん(1)

2007年09月22日 00時45分44秒 | その他

 自民党総裁選挙が続く中、僕は今日は、何を記事にしようかと考えました。21日付朝日新聞には、来年の通常国会まで重要となりそうな記事がいっぱいありました。
 さて、何から取り上げようか。そう考えていたら、ふと、民主党参院議員(全国比例)山本孝史さんのことが頭をよぎりました。

 今回は山本さんの公式ウェブサイト、「参議院議員・山本たかしです」
http://www.ytakashi.net
から、山本さんとその奥さんの手記をご紹介します。
 gooシステムの都合と多くの方に目を通してほしいという気持ちから、心苦しいのですが、要約させていただき、3回に分けます。全文を読みたい方はぜひ、上記URLをクリックしてください。

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いのちをかけて、いのちを守る。

山本たかし

「余命半年からの人生。がんイコール、リタイアではない」

夫・山本たかしにがんが見つかってから1年半になろうとしています。「治療しなければ余命半年」の宣告を受けての闘病と国会議員としての活動の日々。その間、感じたことわかったことなどを夫が手記にしました。

一人でも多くの方に読んでいただき、山本たかしの「いのちのメッセージ」を受けとめていただけたら幸甚です。

2007617

山 本 ゆ き

がん患者としての日々、その想い

朝、目覚めると

今日も、一日分の命をいただいた」と思うようになりました。
 
健康な時と違って、パッとは起き上がれません。目を開けたり、眠りに戻ったり、しばらく行きつ戻りつしながら、頭と身体を眠りの世界から現実に呼び戻します。激しく咳き込むこともあります。胸腺から肺に散らばったがんのためです。一日に二回飲む痛み止めの薬を飲み、妻の作る人参&りんごのフレッシュジュースを飲んで、身体がようやく動き始めます。

こんな身体でこれから先、国会の仕事ができるのか。でも、自分でなければできない仕事があるぞ」。こんな自問自答を繰り返しています。でも不思議なことに、今日の予定を確認して、「今日は、この仕事をしよう」と決めると、徐々に気力が出てくるのです。

僕のがん

 
僕のがんは最初、胸の真ん中の肋骨の後ろ側にある胸腺にできて、そこから肺と肝臓に転移しました。自覚症状がまったくないまま、一昨年末に見つかった時、すでにその状態でした。がんの進行度を表す「期」では第4期、その先がありませんので、世間では「末期がん」と呼ばれています。もっとも、4期であっても治らないわけではありません。また「末期」の時間は、いくらでも延びていきますので、「末期」という表現も正しくはありません。とは言いながらも、極めて厳しい状況から治療が始まりました。(略)


がんでも働き続ける、国会議員としての想い

がんだからこそ、僕だからこそ

がん発見時に、余命半年と宣告されましたが、治療のおかげで1年半生きてきました。単に病院のベッドで天井を見つめているだけの延命ではありません。

がんと共存しながら、今の僕だからこそ以前にもまして、命を守るための仕事ができる、僕にしかできない仕事があると思っています。そして、がん患者の国会議員として、がん対策基本法の成立を後押しし、協議会を傍聴し、国会質疑に臨んできました。新たに得た患者の視点を加えて、医療政策を検証し、社会に改善を訴えることもできたと思っています。

見えない力に導かれて「いのちを守る」

僕は、運命というものを感じます。国会議員になったのも、そして、命をないがしろにするような国の政策に歯止めをかけ、薬害や自殺などの予防対策を樹立するような仕事が自分の手元にまわってくるのも、何か見えない力で、「これは山本さん、あなたの仕事です」と言われているような気がします。

命を守るのは政治家の仕事です。救えるのに救えなかった命、助けられるのに助けられなかった命がいっぱいあります。交通事故、薬害、自殺、難病、十分に治療を受けられずにこの世を去ったがん患者たち。いずれも政治の出番です。

がん患者となったのも、しかも治療が難しい進行がん患者となったのも、僕に「いのちを守る」役割が与えられているからだと、今は思っています。

参議院議員・山本孝史さんのメッセージ(2)へ続く

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国連安保理決議についての雑感

2007年09月21日 01時31分51秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦
国連安保理、海自参加の対テロ戦に謝意示す決議採択(朝日新聞) - goo ニュース

 結論から述べますと、この国連安保理決議は、臨時国会でのテロ特措法の審議にはほとんど影響がないと思います。

 最近では国連安保理決議の新規採択は膨大になっています。ロシアは常任理事国ですから、仮に反対票を投じていたら「拒否権発動」になり、14:1でもこの決議案は否決されていました。
 ロシアの棄権は大国の主導権争いによるもので、ロシアの国連大使が記者会見で述べた「ある一国(=日本)に対する不快感」も限定的なものではないかと推測します。
 ただ、ブログというのは「ウェブ(web)」上の「履歴(log)」という意味ですから、10月1日(ごろ)からの国会論戦を前に、履歴として、この記事を残して置こうと思います。

  国連ホームページで全文を読めます。以下のアドレスをクリックしてください。(メディア向け速報で、公式記録ではありません)。 http://www.un.org/News/Press/docs/2007/sc9122.doc.htm

 追伸 くどいですが、早く国会傍聴記を書きたい! 7月29日の参院選後、安倍総理の所信表明演説だけで、「論戦」はまだ1日たりともありません。もう、何とかしろよ、馬鹿政治家!(あっ言っちゃった・・・まあいいや)。
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テロ特措法のカギを握る民主党幹部

2007年09月18日 13時45分31秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

アフガンメディア、民主の「黄門様」直撃(朝日新聞)
2007年9月6日(木)22:49

 「もっとわが国も積極的な協力をしたい」。民主党の「黄門様」の愛称で知られる渡部恒三・同党最高顧問は6日、国会内でアフガニスタンの新聞の取材を受け、同国支援への協力姿勢をしきりに強調した。
 小沢代表は同国での対テロ作戦を支援するテロ対策特別措置法の延長に反対しているが、記者は渡部氏に復興支援への関与を引き続き求めた。ただ、渡部氏は「臨時国会で議論する。私がどっちがどうとは言えない」と静観の姿勢を示した。
アフガンメディア、民主の「黄門様」直撃(朝日新聞) - goo ニュース

 国会論戦は休戦中。しかたがないので、自民党総裁選挙の福田康夫、麻生太郎候補の街頭演説でも聴きに脚を運ぼうかと思ったら、「二人とも議員会館で党所属の全国会議員にあいさつ周り」とお昼のNHKニュース。しかたがないので、12日たってしまいましたが、この記事について書きたいと思います。

 渡部恒三さん(福島4区)が日本アフガニスタン友好議員連盟会長だったことは初めて知りました。こういうのって外交・安全保障とどう関係があるのか?と思う向きもあるでしょうが、私は大いに関係があると思います。
 国際政治学・安全保障論に「信頼醸成措置」という言葉があります。英語ではConfidence Buillding Measures、頭文字を取って、「CBM」ないしは「CBMs」などと言います。この「CBMs」の複数形を意味する「」(スモール・エス)がミソです。

 二国間外交にしろ、多国間外交にしろ、首脳会談だけでは意味がないということに異論をとなえる方はいないでしょう。駐在外交官が食事会を開いて情報交換。経済使節団が訪問してビジネス交流。民間人による文化交流。学生訪問団や相互の交換留学制度などがあれば、その友好関係は半世紀を超えるものになるでしょう。

 安倍晋三政権の功績として、日韓外交の改善を挙げる人が多いです。なぜ、日韓外交は改善したのか。日本から韓国への年間の観光客が以前に比べて1・5倍に増えたことも複数の理由の一つです。特に40~60歳代の女性の団体客が飛躍的に伸びました。

 その要因は何でしょうか? そうです「ヨン様」です! ペ・ヨンジュンさんをはじめとする韓国俳優たちの人気が韓国への関心を高め、観光というか、人的交流というか、とにかく日韓関係を大きく改善させたわけです。「微笑みの貴公子」ヨン様は「平和の貴公子」だったのです。このことを、「ヨン様ブーム」に「何だよ、チッ!」と舌打ちした、日本のステキなおじさまも素直に認めましょう。

 「民主党の黄門様」の話が「ヨン様」の話になってしまいましたが、つまるところ、外交は首相、外相、外交官の独占物ではない。
 インド洋海上自衛隊パキスタン軍艦船に無料でガソリンを提供することは、アフガニスタン国民と日本国民のCBMsの「」(スモール・エス)の一つといえるのでしょう。日本・アフガニスタンの友好関係にとって、アフガニスタンが平和であることは絶対的な条件です。でもそれに至る方策には、絶対的な一つの条件があるわけでなく、いろいろな条件があります。恒三さんが、アフガニスタンの新聞に「支援への協力姿勢をしきりに強調した」――それも「」(スモール・エス)です。

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「タイム」の表紙になりました

2007年09月16日 13時45分35秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 アメリカ発行部数最大(550万部)のニュース週刊誌「タイム(TIME)」の最新号の表紙は安倍晋三さんです。アジア版・2007年9月24日号です。私はこの雑誌を定期購読していて、最近、日本に関するページが他のアジア諸国と比べて減っているような感じがしていて「日本への関心が薄れてきたのかな」と嘆いていたのですが、久々の日本人登場です。

 表紙には「安倍首相の後継者――若きボクサーに敗北のタオルが投げ込まれた。日本が必要とするリーダーシップを発揮できるのは誰?」と書かれています。 原文は“After Abe--The young champion throws in the towel.Who will give Japan the leadership it needs?”

 この記事を読んでいて、デクライン(decline)という言葉が頻りに出てくることが気になりました。出生数のデクライン、株価のデクライン・・・デクラインにはいろいろな語義があり、グランドコンサイス英和辞典(三省堂)には「衰退、下落、下り坂」などが載っています。

 こうして写真で振り返ってみると、わずか1年の政権でもいろいろなことがあったんですね。衆院補選では二世候補を擁立して2勝0敗、中国の温家宝首相が来日、閣僚の自殺、参院選、そして退陣表明・・・


 権力の座から去る者の孤独を表現した上手い構図の写真です。

 おつかれさまでした。

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自民党臨時総裁選に、福田、麻生の両ベテラン

2007年09月15日 23時49分37秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

  安倍晋三首相の辞意表明に伴う第22代自由民主党総裁選挙は15日午前、党本部で立候補を受け付けました。立候補者は福田康夫衆院議員(71歳、群馬4区)と麻生太郎衆院議員(66歳、福岡8区)の2人だけで、両氏の一騎打ちとなりました。再来週の24日(祝日)に衆参国会議員と県連代表3人ずつによる投票で新総裁を選出します。安倍総裁選出時と同様、党大会は開催しません。

 福田康夫さんは福田赳夫元首相・蔵相の長男で、森・小泉内閣の官房長官を務めました。

 麻生太郎さんは吉田茂元首相・外相の長女、麻生和子さんと麻生太賀吉元衆院議員の長男。経済企画庁長官、総務相、外相を務めました。実妹は三笠宮寛仁親王のお妃である三笠宮寛仁親王妃信子さま。

 第22代総裁の任期は2009年9月までで、偶然ですが、現在の衆院議員の任期と同じです。

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【週刊現代入手しました】安倍首相、3億円の相続税脱税か? 財務省「この通りなら脱税ですね」

2007年09月15日 01時58分15秒 | 不祥事

 安倍晋三首相の突然の退陣表明の一因とされる記事が15日(土)発売の「週刊現代9月29日号」に掲載されますが、下町の太陽は同誌を入手し、当該記事を読みましたので概要をお知らせします。

  見出しは「緊急ワイド 史上最低の「無責任な官邸」全真相 本紙が追い詰めた 安倍晋三首相「相続税3億円脱税 疑惑」。執筆者はジャーナリスト高瀬真実と本紙取材班です。(26ページから4ページ半にわたり掲載)=定価は350円、発行元は講談社です。

 この「脱税(?)」のトリックは、ものすごく手が込んだ複雑なものですから、「週刊現代」で読んでください。概要を簡単に紹介します。
 安倍晋太郎さんが66個持っていた“安倍君を応援する会”におカネを寄付→晋太郎さんが亡くなった→“安倍君を応援する会”安倍晋三さんが引き継いだ→66個を44個にリストラした→その過程で合計1億8522万円が行方不明になったと週刊現代は言及しています。
 この「消えた寄付金」も含めて、晋太郎→団体→晋三の流れで6億円のおカネが流れており、これは3億円の相続税脱税になるのではないか、というのが週刊現代が提起した疑惑のおおまかな趣旨です。




 私が注目したのは以下のくだりです。(29ページを抜粋しながら引用)  

 財務省
主税局相続税担当の幹部に、連結収支報告書の数字を示しながら聞いた。
「(記者)政治団体を通じた巨額 の資産相続に違法性はないのか?」
 連結収支報告書の数字を見比べて(財務省幹部は)きっぱり言った。

「この通りなら脱税ですね」

 税法上は相続税の脱税の時効は最大で7年。(安倍)首相が罪に問われることはない。しかし、これまで1億円以上の脱税は、政治家でも逮捕されてきた。重大な犯罪であることに変わりはない。
 主税局幹部は個人的な意見と断った上で、「本来は、(財務省の外局である)国税庁がきちんとみつけておく問題 ですが、時効になった今は、税法上の徴税はできません。
 
しかし、財政の窮状を行政の長として考えて、ぜひ時効の 利益を放棄して、自発的に納税して頂きたいですね




 国会再開後の安倍晋三首相の証人喚問も現実味を帯びてきたと言えるでしょう。

 女性を中心に「安倍さんがかわいそう」などという人がいますが、安倍さんは戦後最低の首相です。リーダーシップの無さを加えれば東条英機首相以下です。(東条は当初は陸軍内で力が弱かったのに、総理になってから、力をつけました)。下町弁でしゃべらせてもらえれば、安倍さんをテレビで見て「かわいそう」なんて言ってる奴らの今後の人生の方がさあ、一番かわいそうっちゅうもんだと思うよ。(下町弁を不愉快に感じた方ごめんなさい)

 結局、福田康夫さんか麻生太郎さんかではなく、自民党政権では同じようなことが続くでしょう。福田康夫さんが内閣総理大臣になれば、私の出身、早大政経学部から初の総理誕生ですが、予算を成立させたらさっさと衆院を解散してください。

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民主党、年金保険料流用禁止法案を参院先議で提出

2007年09月14日 23時36分13秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

年金保険料流用禁止法案、民主が参院に提出(読売新聞) - goo ニュース

このエントリーは民主党本部のウェブサイトを参考に作成しました。
http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=11797

【民主党、年金流用禁止法案を参院先議で国会に提出】

  自民党総裁選のため国会が休会状態になっている9月14日、民主党は「年金流用禁止法案」を参院に提出しました。7月の第21回参院選の圧勝を受けて、第167臨時国会にも提出していましたが、同国会は4日間の会期でしたので、審議されることなく廃案となっていました。

 これまで国民が掛けた年金保険料は、社会保険庁が広報活動などの事務費にも使っていました。民主党案は年金の保険料は年金受給者への年金給付にしか充てられないことにします

 直嶋正行政調会長(参院全国比例)、福山哲郎会長代理(京都選挙区)、大塚耕平副会長(愛知選挙区)、蓮舫・民主党ネクスト年金担当副大臣(東京選挙区)の4人の参院議員が記者会見しました。(ちなみに長妻昭ネクスト年金担当大臣は衆院議員です)。

 直嶋政調会長は「年金保険料を年金給付以外に流用する制度は廃止するという参院選での国民との約束(政権公約)をできるだけ早く実現する」との考えを説明。通常国会で政府与党が強行採決した法律によって、年金事務費に保険料を使う仕組みが恒久化されたとして、過去の「グリーンピア」などのハコモノ事業や年金記録漏れ事件などを挙げ、「(現状の年金制度は)運用面で国民の皆さんの信頼を失っている」と指摘しました。

【国民皆年金は日本の宝、年金ダムからの横流しを許すな】

 下町の太陽はこの法案は至極当然の法案だと思います。我が国は世界に誇る「国民皆年金」制度を持つ国家です。異論を挟む方もいるでしょうが、「国民皆年金のダム」には穴こそ空いているけれども、決壊はしていません。その国民皆年金を保証するのは政府の役目ですから、広報や強制徴収など最低限の予算は政府の一個目の財布である一般会計から出すのは当然のことです。

 郵便貯金には長年にわたって政府保証をしていながら(10月1日以降は郵政民営化に伴い、政府保証はなくなり、銀行・信用金庫同様に預金保険制度(いわゆるペイオフ)の対象になります)、年金ダムには穴が空いているのを見過ごし、ダムの水を特別会計ダムに横流ししてきた自民党政権の態度は、ハッキリ言って「犯罪」だったと思います。


【参考】 下のエントリー(記事)もあわせてご覧ください。

「野党、年金流用禁止法案と郵政民営化凍結法案を参院に提出」
2007-08-10 07:37:51 | 第167臨時会(2007年8月)
http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/72b427187012ddaf01d101264ee4ab86

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感謝! 感謝! 感謝!

2007年09月14日 00時01分25秒 | その他

 連日のアクセス、ありがとうございます。
 まだまだ赤ん坊の「国会傍聴記by下町の太陽・宮崎信行」ですが、[goo]の分析では、日々100人前後の方に300ページほどご覧いただいているようです。携帯電話からのアクセスもじわり増えているようだとの分析ももらいました。
 8月4日に始めてから1ヶ月半。これだけご覧いただいていることは励みになります。
 しばらく自民党内部での密室政治が続きますので、記者クラブに所属していない下町に太陽には特段の情報がございません。
 9月25日ごろから国会は再開すると予想しています。引き続きご愛読お願いします。

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早く国会傍聴記を書かせてくれ!参院選から1ヶ月半・・・

2007年09月12日 23時51分59秒 | 第167臨時会(2007年8月)江田議長選出

 8月6日に始めた「国会傍聴記」ですが、いったい何時になったら、与野党の政策論争を書けるんでしょうか?もう参院選から1ヶ月半も経っているのに。 TVで見たところ、小泉チルドレン、津島派などが総裁選に向けて断続的に会合を開いているとのこと。もういい加減にしろ!

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安倍首相が退陣正式表明

2007年09月12日 14時44分47秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

【2007年9月12日安倍首相記者会見(首相官邸)】

 安倍晋三首相の記者会見が終わりました。本来は7月29日参院選開票日に内閣退陣を表明すべきでした。

 私が日経新聞記者として総理番を担当した橋本龍太郎さんは、怒ると恐い人でした。しかし、政策に関して、よく準備して質問を投げかけると丁寧に答えてくれました。日本の民主政治の原理原則である「憲政の常道」を大事にした政治家でした。

 だから、第18回参院選での自民党大敗・民主党圧勝のその当日に退陣を表明したのだと思います。後に自民党総裁選挙に再チャレンジしましたので、首相としてやりたいことは残っていたはずです。「橋本6大改革」は中央省庁再編しか実現しませんでした。公約達成率はわずか16・6% に終わったという表現も出来るでしょう。悔しかったでしょう。憲法の規定からすれば、参院選で負けても、総理大臣を続けられます。それでも守らなければいけないのが憲政の常道です。

 所信表明演説を終え、代表質問を受ける前に首相が辞めたのは歴史上初めてのことだと思います。

 虚心坦懐、さっぱりとするのなら、衆院解散→総選挙が一番手っ取り早いです。安倍晋三首相(52)が最後の記者会見でも口にした「戦後レジーム(体制)からの脱却」。それはすなわち、安倍さんと同い年の自民党がいったん政権から離れ、野党になることにほかならない、と私は考えます。

 安倍晋三さんは馬鹿です。私は昨年、小泉政権時代の安倍官房長官の答弁を聞いて、そのことを確信しました。具体的にどの答弁かは、質問を受ければ、はっきり示します。馬鹿を首相にしたのは自民党国会議員です任期満了に伴う党首選挙にもかかわらず、党大会を開かず、国会議員だけで決めたのです。世界の民主主義政党でこのような暴挙に出る政党を私は知りません。既に1年前から今日の結果は目に見えていたのです

 現在、今夜の晩ご飯は食べられそうだけど、明日の晩ご飯のめどはつかないなあ、という方もいらっしゃると思います。もう少し、あきらめないでください。日本の夜明けはもうすぐです、きっと。

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安倍晋三内閣が総辞職へ 後継首相は麻生太郎氏有力

2007年09月12日 13時20分35秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦
安倍首相が退陣の意向、与党幹部に伝える(読売新聞) - goo ニュース

 安倍晋三首相(自民党総裁=衆院山口4区)は9月12日午後2時から記者会見し、内閣総理大臣を辞任(内閣総辞職)することを発表することになりました。自民党代議士会で麻生太郎(衆院福岡8区)幹事長が表明しました(NHK報道)。
 7月29日の参院選挙の大敗北を受け、「憲政の常道」から退陣(内閣総辞職)を表明すると思っていたのですが、「改革を継続するのが私の使命」などと語り、政権居座りを表明しました。
 内閣改造後は、遠藤武彦農相の関係団体補助金不正受給問題に関して、与謝野馨・内閣官房長官(東京1区)と麻生太郎自民党幹事長のラインで辞任を決め、辞表を提出させるなど、影響力が急激に悪化していました。
 11月1日に期限切れとなる「テロ対策特別措置法」などに関して国会運営が困難を極め、小沢一郎民主党代表との「党首会談」(国会外での裏取引)を申し入れましたが、断られ、政権が座礁することがほぼ確実になったことが辞任のきっかけだと思います。インド洋での海上自衛隊の米軍、パキスタン軍などでの海の上での給油活動を継続するため、同法の継続(or新法の制定)をブッシュ米大統領などに約束し、「国際公約」としてしまったものの、国際世論以前に国内世論の反発を受け、最終的に決断したものとみられます。
 午後2時から記者会見です。
 後継首相は自民党内から選ばれるものと思われ、麻生太郎前外相(福岡8区)が両院議員総会で新総裁、新首相になると予想されます。
 

安倍首相が辞任の意向とNHKが報道(gooニュース) - goo ニュース
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【速報】安倍首相が辞意

2007年09月12日 13時03分08秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦
 NHKなどによると、首相官邸は民主党に12日午後1時開会予定だった衆議院本会議の開会を延期するよう申し入れました。理由として、「安倍晋三首相が辞任する意向を持っている」からだと民主党国対委員会に伝えたと、民主党国対幹部が話したそうです。麻生太郎自民党幹事長も「(首相の辞意を)聞いている」と答えたようで、自民党幹部が集まって対応を協議しているそうです。

(写真は首相官邸公式ホームページの「安倍総理プロフィール」から)http://www.kantei.go.jp/jp/abeprofile/index.html


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安倍首相は「続投」に意気揚々 所信表明で「総辞職」にはふれず

2007年09月10日 15時49分38秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 第168回臨時国会が10日(月)、始まりました!「国会傍聴記」もいよいよ本格スタートです!
 これから11月10日(土)までの62日間の会期中に、私たちがかつて見たことがないような光景、聞いたことがないような論戦が繰り広げられるでしょう。歴史の分水嶺です。不安を感じる方も多いでしょうが、一人一人が歴史の証人になるチャンスなんです。

■国会傍聴記 9月10日衆院本会議 総理所信表明演説
 まずは、安倍晋三首相所信表明演説が衆議院本会議場と参議院本会議場で1回ずつ行われました。忙しい人のためにかいつまんで言うと「特筆すべきことはない」20分弱の演説でした。が、いくつか思いついた点を上げてみますね。(衆参とも同じ内容ですが、私が聞いたのは衆院本会議です)。

 写真は共同通信、第168臨時国会で所信表明演説をする安倍首相=10日午後、衆院本会議場

【改革を止めてはならない→首相続投】

 まず参院選で大敗したにもかかわらず、安倍さんが引き続き政権を担当する理由を説明。この中で「戦後レジームからの脱却」「改革を止めてはならない」という選挙前からのキーワードを使いました。それは自民党が政権から離れるのが一番だと思うのですが。

 参院選惨敗の一因である中央と地方との地域格差の問題では「県境なき医師団」を提示しました。(たぶん初めて?)。

【日本人24名が亡くなった「9・11」→テロ特措法継続すべし】

 第168回臨時国会の与野党攻防の最大のカギは、「テロ対策特別措置法」(11月1日期限切れ)。約6年前の「9・11同時多発テロ」に対して同年11月にできた法律です。インド洋(アフガニスタン周辺)で自衛隊が米国などの軍への給油などの後方支援活動をする根拠となっている法律です。これを延長するか、新しい根拠法をつくらないと、自衛隊は給油活動をやめなければならず、総理はこれが継続できなければ内閣総辞職する考えを記者会見を示唆しました。
 所信表明では「総辞職」についてはふれず、「米国同時多発テロで24名もの日本人の尊い命が失われたことを忘れてはいけません」と語りました。米同時多発テロは日本にも他人事ではない。つまり、「ブッシュ大統領に頼まれたから、延長するんじゃないんだよ~~」という趣旨のメッセージです。この発言をどう解きほぐしていくかは、12日(水)~14日(金)の野党の代表質問に期待したいです。

  【「美しい国づくり」が出てこない!?】

 演説を聴いていて「あれっ?」と思いました。「美しい国」という言葉が出てこないのです。まるっきり、出てこないので、参院選惨敗で封印したのかと思いました。
 演説中、「世界一災害に強い国づくり」などあいまいな文言が並びました。(「災害に強い国づくり」って、国によって地理的条件が違うのに何をもって「世界一」というのでしょうか?)
 「主張する外交」という対外姿勢は就任時から変わらず、首相の1年間の外交方針からも評価できます。
 さて、演説の終わり、最後の最後までためて、「美しい国づくり」が出てきました。

 「私の目指す政治とは我が国をとりまく厳しい環境変化に対応しながら、日本が本来持っている今も生活の中に息づいている自立の精神、他者への思いやり、あたたかさといった価値を守り、伸ばしていくこと、そして国民ひとりひとりが日々の生活において真の豊かさ潤いを実感できるようにすることすなわち美しい国づくりを進めていくことであります」と語りました。
「すなわち」というのですから、これをひっくり返すと、

 美しい国づくりとは、(=)国民ひとりひとりが日々の生活において真の豊かさ潤いを実感できるようにすることである。


と定義できることになります。よく覚えておきたいものです。

【中川幹事長退任で重しが取れた?】

 このほか、選挙後の修正点としては、財政改革について、「2011年にプライマリーバランス(基礎的な財政の収入と支出)を黒字化するとの目標に向け、揺るぎない歳出・歳入一体改革の道を進みます」と語りました。ここは少し違っていました。「確実に黒字化する」(1月施政方針演説)→「黒字化するとの目標に向け」とハードルを下げています。
 ただ、「歳出歳入一体改革」(税金のムダを減らし、増税なども同時に行う)をハッキリ言った印象がありました。これは自民党幹事長だった中川秀直さんが「上げ潮路線」という景気回復を優先する経済・財政政策を進めていたことに対して、参院選惨敗の責任をとって中川さんが幹事長を辞めたことで重しが取れ、総理は持論をハッキリ言えるようになったのではないかと思いました。

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