宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

【重要】安倍首相、インド洋での給油活動「継続できなければ職を賭す」

2007年09月10日 13時58分00秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 第168回臨時国会召集を前日にひかえて、安倍晋三首相が極めて重要な発言をしました。主権者(有権者)にとって、総理のこの記者会見での発言(=国民との約束)は少なくとも11月1日まで、けっして忘れてはいけないものだと思います。

給油、継続できなければ退陣 安倍首相「職を賭す」(朝日新聞) - goo ニュース

 安倍首相は9日、シドニーでの記者会見で、自衛隊の給油活動について「国際社会から高く評価、期待されている」として、「継続のための法案を提出し、成立を果たしていかなければいけない」と強調した。
 「活動が継続できなければ内閣総辞職する覚悟か」との質問に、「あらゆるすべての力を振り絞って職責を果たしていかなければならない」と答えた後、数秒考え、次のひと言を加えた。「当然、私は職責にしがみつくということはありません」


 これは11月2日の時点で、アフガニスタン周辺のインド洋で米軍などへの海上自衛隊の給油活動ができなかったら、首相を辞めるという意味に他なりません。

  まあ、この発言の真意をあれこれ考えてみましたが、どうもはっきりしませんので、今回は下町の太陽の考えは書きません。
 ただ、10日発売の夕刊フジ2面(2007年9月11日付B版)に興味深い見方がありましたので、ご紹介します。
 政治アナリスト・伊藤惇夫氏の話「民主党にしてみれば、安倍首相で総選挙をしたいわけだから、ポスト安倍次第ではあるが、総辞職されたら困ってしまう。『辞めるぞ』というのは、民主党に対する脅し、ブラフになる。そういう意味では『オレで総選挙したかったら法案を通せ』という開き直りともいえる」
 この見方は面白いですね。とはいえ、ほかの見方もできるでしょう。いずれにしろ、この発言に対する答えは2ヶ月以内に答えはでます。

【追記9月10日午後23時】
 首相官邸ウェブサイトで、記者会見の全文を確認したのですが、よく読むと、「総辞職」とは言っていませんね!?
記者の「先ほどのインド洋での給油活動の継続の関連でお伺いするが、先ほど総理は継続に全力を挙げて取り組むと、職を賭して取り組んでいくと仰ったが、これは継続が叶わなかった場合には、内閣総辞職するという覚悟で臨むと、そういうふうに理解してよいか?」と質問しました。これに対して安倍首相は
 「私が申し上げたのは、継続を可能にするためには、あらゆる努力を払わなければいけないということである。私の責任において、職責において、あらゆる全ての力を振り絞って、職責を果たしていかなければならないと考えている。当然、私は、私の職責にしがみつくということはない」
 これは内閣総辞職を意味していないですね。ただ、新聞社や通信社など報道機関が「内閣総辞職」と受け取らざるを得ないと思います。読売新聞夕刊1面(朝刊は休刊)は、「内閣総辞職」を少し打ち消す小見出しを付けていました。


【11月1日まで絶対保存します! 安倍総理のAPEC首脳会議における内外記者会見・全文】(色・ゴチック部分は下町の太陽)

http://www.kantei.go.jp/jp/abespeech/2007/09/09press.html [テキスト版・首相官邸website]
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg1372.html[動画版・政府インターネットTVwebsite]

【安倍総理冒頭発言】
 今回のAPEC首脳会議では、気候変動とエネルギー安全保障について、地球環境の将来やエネルギー資源の有効性を考慮した上で、どうすれば世界全体の繁栄が確保できるかという視点から、突っ込んだ議論を行った。
 私からは、「美しい星50」の構想を説明し、発展著しいアジア太平洋地域で、気候変動問題が重要であること、そして日本が省エネルギー技術などで貢献することを強調した。そして、各国首脳から理解と評価を得ることができた。首脳宣言は、「美しい星50」を反映をしている。また、エネルギー効率の向上、森林面積の増加についての数値目標を含む内容となった。今回の成果は、北海道洞爺湖サミットにつながる進展であると考えている。
 今回の会議では、WTOドーハ・ラウンド交渉についても、首脳間の認識を特別の文書としてまとめることができた。
 個別の会談については、基本的価値と戦略的利益を共有する日米豪において、初めての首脳会談を行った。この会合においては、地域の平和と安定のため、三カ国の連携の重要性を確認するとともに、米豪両国首脳から、テロとの闘いについて、日本の貢献に対して高い評価、謝意が表明された。私からは、日本として、テロとの闘いを継続していく意志について説明をした。これは、ブッシュ大統領との日米首脳会談においても、説明をしたところである。国会の状況は大変厳しいが、このように国際的な公約となった以上、私には大きな責任がある。テロとの闘い、現在行っている自衛隊の補給活動を継続させるためには、あらゆる努力を行わなければならない、このように決意をしているところである。民主党をはじめ、野党の皆様のご理解をいただくために、職を賭して取り組んでいく考えである。
 二国間会談については、ブッシュ米大統領、プーチン露大統領、ハワード豪首相、そしてカルデロン墨大統領と個別に会談を行った。二国間の関係について、また、国際的な情勢について協議を行った。
 最後に、今回、オーストラリア政府そして国民の皆様から、大変暖かい歓迎をいただき、この美しいシドニーの地で歓待をいただいたことに感謝を申し上げたい。

【質疑応答】
(質問)
 ブッシュ大統領に対して、インド洋での給油活動を継続するためには最大限の努力をすると伝えられたが、明日からの臨時国会では、テロ対策特措法を延長する法案を提出するか、それとも初めから新たな法案を提出するのか。また、場合によっては、法案の提出前でも、民主党などと党首会談を行う用意はあるのか。

(安倍総理)
 9・11同時多発テロにおいては、24名の日本人の尊い命が奪われた訳である。このことを忘れてはならない。「テロとの闘い」について、国際社会が今、連携して取り組んでいる。今後ともテロを許してはならない。その中において、国際貢献を果たしていくということは、私の主張する外交の根幹の一つであり、何としてもこの活動は継続をしていかなければいけないと考えている。
 国際社会から高い評価、そして期待されている自衛隊の補給活動を継続していくための法案をこの国会に提出をしなければならない。そして提出をした以上、成立を何とか果たしていかなければなりません。
 提出をするにあたって、まず、民主党をはじめ、野党、特に民主党の皆様のご理解を得るために、私はあらゆる最大限の努力を払わなければならないと考えている。そのために、全力を尽くしていく、職を賭していくという考えで臨んで理解を求めていかなければならないと思う。小沢党首との党首会談についてもなるべく早い段階でお願いしたいと思っている。

(質問)
 総理は、引き続き日豪EPAにコミットされているか。今回のハワード豪首相との会談を通じ、何らかの進展を得ることが出来たか。

(安倍総理)
 日豪両国は、まず、豪州は日本にとって、鉄鉱石あるいは石炭、食料等、重要な資源の供給国であり、また豪州にとって日本は、最大の貿易相手国、そして、基本的な価値を共有する両国であります。両国がしっかりと連携を強化していくことは、両国の未来にとって、大変重要なことであり、地域の発展にも資すると考える。今までもEPAを結んだ国々との貿易投資が飛躍的に増大している。日豪においても、EPAを結ぶことにより、両国の関係はもとより、両国それぞれが経済を発展させていくことにつながっていくことを確信している。
 EPAについては、ハワード豪首相との間で、交渉については、お互いのセンシティビティーに配慮しつつ、特に、日本にとっての農業の重要性を踏まえながら、建設的な議論を行いたいと確認したところである。

(質問)
 先ほどのインド洋での給油活動の継続の関連でお伺いするが、先ほど総理は継続に全力を挙げて取り組むと、職を賭して取り組んでいくと仰ったが、これは継続が叶わなかった場合には、内閣総辞職するという覚悟で臨むと、そういうふうに理解してよいか。

(安倍総理)
 私が申し上げたのは、継続を可能にするためには、あらゆる努力を払わなければいけないということである。私の責任において、職責において、あらゆる全ての力を振り絞って、職責を果たしていかなければならないと考えている。当然、私は、私の職責にしがみつくということはない。

(質問)
 本日、安倍総理はハワード豪首相と日豪安全保障協力について協議されたと承知している。この分野において、豪州が日本と協力できる具体的な例は何か、また、自衛隊が共同訓練のために豪州を訪問する予定はあるか。訪問する場合、いかなる時期に、どの程度の規模の自衛隊員が参加するのか。

(安倍総理)
 オーストラリアと我が国は、アジア太平洋地域の平和と安定を考える上において、不可欠なパートナーであると思う。その上において、安全保障協力に関する、日豪の共同宣言を発したわけである。そして、「2+2」の会合を行った。日豪の安全保障協力関係は、近年、急速に緊密化していると言っていい。本日合意した行動計画は、実務的な安全保障協力を更に前進させるものである。これを着実にフォローアップしていかなければならないと思う。共同訓練の規模等々、その実施については、答える材料をもっていないが、いずれにせよ、日豪で安全保障の協力を進めていくことは、地域の安定、そして平和にも大きく貢献している。それは、日豪両国の共通の認識であると思う。

(質問)
 世界経済の不安定要因になっているアメリカのサブ・プライム・ローンが、日本及び世界経済に与えている深刻な影響をどのように捉えているか。日本政府や日本銀行が、どのように対処していくべきか。

(安倍総理)
 我が国の経済は、大局的には、息の長い回復を続けていると考えている。今後とも、海外の市場動向も含めて、様々な経済指標に注意を払っていく必要があると考えている。
 今回のAPEC会合においても、ご質問の点について、どう判断しているかということについて、過剰な反応をしてはいけないという判断もあったようである。
 日本銀行の個々の金融政策については、私から口を挟むことは差し控えたいと思うが、ただ、これまでも各国の中央銀行において、適切な対応をとってきていると考えており、今後共、それを期待したいと思っている。

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理解に苦しむ参院民主党・輿石会長 予算委員長は自民

2007年09月07日 22時39分51秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 予算委員会は国会の最大の華であり、基本的質疑や証人喚問を中心にNHKでも放送されます。

 参院の構成(議席数)は通常国会でもほとんど変わらないわけですから、再び予算委員長ポストを要求するわけにもいかないでしょう。

 読売新聞の記事では、小沢一郎代表を初めとする衆院側とも合意しているとされています。

 民主党は政策は得意ですが、「けんか」は苦手なようです。「けんか」が上手くなくては政権は取れません。今回のケースはどうでしょうか。

参院予算委員長は自民が確保、民主は外交防衛など獲得へ(読売新聞) - goo ニュース

 第168臨時会では、民主党は参院予算委員長よりも、外交防衛委員長の方が重要です。テロ特措法が最大のカギを握る国会であり、予算案の審議は来年の通常国会になります。
 しかし、予算委員会は国会の最大の華であり、基本的質疑や証人喚問を中心にNHKでも放送されます。 参院の構成(議席数)は通常国会でもほとんど変わらないわけですから、再び予算委員長ポストを要求するわけにもいかないでしょう。
 この読売新聞の記事では、小沢一郎代表を初めとする衆院側とも合意しているとされています。
 1998年の金融国会などもそうでしたが、民主党は政策は得意ですが、けんかは苦手なようです。けんかが上手くなくては政権は取れません。今回のケースはどうでしょうか。

(上記の読売からの引用です)

  自民、民主両党の参院国会対策委員長は7日、国会内で参院常任委員長ポストの配分問題を巡って断続的に協議し、焦点となっていた予算委員長ポストは、自民党がこれまで通り確保することで合意した。
 民主党は、テロ対策特別措置法の延長問題で論戦の舞台となる外交防衛、年金問題を扱う厚生労働などの主要委員長ポストを獲得する。  同日の協議で、自民党の鈴木政二参院国対委員長は「予算委員長以外のポストはすべて民主党の要求に対応したい」と提案した。これを受け、民主党の輿石参院議員会長ら参院執行部が小沢代表ら衆院側と協議した結果、自民党の提案を受け入れることを決めた。
 自民党は予算、文部科学の2ポストを維持、内閣、国土交通などを民主党から譲り受けた。民主党は外交防衛、厚生労働、農林水産、経済産業、決算、総務の各委員長ポストを自民党から奪取した。 (引用終わり)


【追記(2007年9月8日)】

 マッタク不可解な参院民主党です。軟弱すぎます。「あり得ない」といっていいくらい意味不明な輿石東・参院議員会長(山梨選挙区)の対応です。猛暑の中、第21回参院選に勝利した同僚や支持者が必死で作った「貯金」の3分の1をみすみす自民党に渡した・・・というような印象です。「政治とカネ」に限らず、さまざまな問題で証人喚問ができる予算委員長をみすみす自民党に渡してどうするのでしょうか?

 「テロ特措法の対案」「年金流用禁止法案」は参院先議で提出するのですから、委員長が自民党であっても多数決で可決し、衆院に送付できるわけです。ですから外交防衛委員会厚生労働委員会はだれが委員長を務めても、民主党が優位に国会審議を進めることができるわけです。

 委員長が民主党案の採決を職権で抵抗しても、民主党が委員長解任動議を提出すれば、採決の結果、過半数で成立→民主党委員が議事を進める・・・ということで済むわけです。

 一方、参院予算委員長を民主党をとれば、証人喚問などで、政治資金に問題がある遠藤武彦前農相(山形2区)や偽装請負の問題がある御手洗富士夫日本経団連会長などはビビりまくります。
 公法人(特殊法人)などの国会同意人事に関しても、参考人招致をして話を聞くことにすれば、首相官邸など政府・与党も対応が慎重になりますし、民主党により配慮した国会運営が必要になります。

 民主党国会対策委員会の中での衆参の足並みの乱れ。これは第168臨時国会において、民主党の致命的なミスになるのではないでしょうか?
 日刊スポーツが踏み込んで書いていますので、要約します。全文はlink先か紙面でお読みください。

「民主党が予算委員長で衆参足並み乱れる」

 民主党は7日、与野党が逆転した参院の予算委員長ポストをめぐり早くも衆院と参院の足並みが乱れた。小沢一郎代表は証人喚問など疑惑追及の場となる予算委員会で主導権を握るため委員長獲得に固執したが、参院議員会長の輿石東代表代行は与党との融和を優先し最終的に自民党にポストを譲る形となった。

 民主党は衆参両院が一体となって安倍政権を追い込む戦略を描いていたが、臨時国会を前に連携不安が表面化、与党にとっては「付け入るすき」を見いだした格好だ。

 ところがふたを開けてみれば予算委員長はこれまで通り自民党で決着。輿石氏は会見で「選挙をやれば取れるが、衆院で同じことをされる。最終的に予算以外の希望する委員長を取れる」と“実利”を強調した。ただ輿石氏は自民党の青木幹雄前参院議員会長との関係が深いとされており、民主党の衆院側からは「談合か」との見方も出かねない。

 山岡賢次国対委員長は「最終的には小沢氏も了承し、輿石氏に一任していた。参院議員会長の判断だ」と述べた。関係者によると、報告を受けた小沢氏は厳しい表情だったという。衆院側の党幹部は「党内融和のためだ。仕方がない」とつぶやいた。

[2007年9月7日22時34分]


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農水省、大臣だけでなく、事務次官までやめてどうするんだ!

2007年09月07日 16時55分58秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

農水事務次官、退任へ 混乱で引責の見方も(朝日新聞) - goo ニュース

 大臣がこれだけかわるからと言って、事務方トップの事務次官までかわってどうするんですか!農政はどれだけ混乱しているんでしょうか。あきれます。
(写真は記者会見する農水省の小林芳雄前事務次官(左)と白須敏朗新事務次官=7日午後0時12分gooニュース-共同通信)

 この退任する小林芳雄農林水産(農水)事務次官ですが、若林正俊農相(農林水産大臣)と同じ、長野県出身東大法学部卒なんですね。この辺で何かあるのでしょうか? 同じ出身となると、意外とウマが合わないということもあるのかもしれませんが・・・

 ところで農水省と東大法学部というと、面白いデータがあります。2006年度採用の農水省キャリア組は東大法学部卒がゼロだったのです。 

(AERA:2007年07月30日号)から。

 2005年の夏、農林水産省の人事担当者に衝撃が走った。06年度入省予定の内々定者に、東大法学部の学生が1人もいなかったのだ。表向きには、「出身大学にこだわらず、人物本位で採用した結果」と説明したが、ある幹部は、「採用したかった学生の多くが、新しく始まった法科大学院(ロースクール)への進学や、外資系企業などへの就職を選んだ」と打ち明ける。

 東大法学部の学生は農水省の一連のトラブルを見越していたのでしょうか。

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長妻年金相が誕生 民主党NC閣僚決定 防衛相は浅尾さん

2007年09月05日 11時21分49秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 第3次小沢一郎内閣の組閣が終わり5日、発表されました。気が早い?民主党次の内閣(NC)の話です。(写真は浅尾慶一郎ネクスト防衛相、民主党本部ウェブサイトから)

 NCに関して、「そもそも論」を書かせてください。

○日本はもともと二大政党制だった

 私たちの国は、イギリス型議会制民主政治を模範としています。日本は大正から昭和初期まで「二大政党制」でした。このことを知らない人はあまりにも多いです。立憲政友会(政友会)系と立憲民政党(民政党)系の政党が交代で政権を担っていた時代があったんです。(党名は度々変わっています)。

 西園寺公望(さいおんじ・きんもち)という元老(元首相)が昭和天皇に「次は民政党にやらせましょう」と助言する形でした。
 若き日の昭和天皇は、大陸での軍の行為に憤り、田中義一首相を叱ったところ、田中義一内閣は総辞職し、英国型の君主制ではそのようなことをしてはいけないと西園寺に叱られたことがあると述懐しています(「昭和天皇独白録」文春文庫)。

 英国のシャドウ・キャビネットの大臣は、週2回開かれる庶民院の党首討論でも「現在の大臣」と同じ席で向かい合います。日本でもNC大臣は「警護官(SP)が付かない大臣」と考えるべきだと思います。英国では与党(現在は労働党)に対して野党第一党(現在は保守党)は「女王陛下の反対党」として、国(女王)のための「バックアップ政党として位置づけられています。
 そういえばトニー・ブレア首相が党首討論で「これで終わりです。敵も味方もごきげんよう。ご多幸を祈ります」と語って5期(うち3期は首相として)務めた庶民院を「敵も味方も」立ち上がって拍手する中、さっそうと去っていった姿は感動的でした。(日本の政治にはこういう感動ってないですねえ)。
 英議会の中継もインターネットで見られますので、いずれまたご紹介します。

 日本の二大政党制は対米開戦の直前、近衛文麿元首相による「大政翼賛会」の結党(結成)で幕を閉じました。その孫の細川護煕さんが日本新党を結党したのは、祖父が日本の近代を振り出しに戻したことへの償いだったのかもしれませんね。

 さてさて。

 直嶋正行政調会長は民主党の次の内閣の顔ぶれを固め、小沢一郎代表が発表しました。新設の年金担当相には長妻昭政調会長代理(比例東京)を起用。
 テロ対策特別措置法(テロ特措法)の審議で注目される防衛相は浅尾慶一郎(参院神奈川選挙区)が入閣します。英語が得意で、金融に詳しいので、世界の流れをつかみやすいでしょう。民主党はテロ特措法の対案を参院に先に(参院先議)で提出するでしょうから、参院で浅尾NC防衛相が趣旨説明や答弁など審議の先頭に立つことになります。
外相には鉢呂吉雄さん(北海道4区)。ロシア通でも知られます。

 ■第3次小沢『次の内閣』閣僚名簿 ()内は副大臣
ネクスト総理大臣     小沢一郎
ネクスト副総理大臣    菅直人、輿石 東
ネクスト国務大臣     鳩山由紀夫
ネクスト官房長官     直嶋正行
ネクスト総務大臣     原口一博  (黄川田徹、内藤正光)
ネクスト外務大臣     鉢呂吉雄  (武正公一、犬塚直史)
ネクスト防衛大臣     浅尾慶一郎 (山口壯、藤田幸久)
ネクスト内閣府担当大臣  松井孝治 (吉良州司、山根隆治)
ネクスト財務大臣     中川正春 (松野頼久、辻泰弘)
ネクスト金融担当大臣
 (経済財政担当)    大畠章宏  (平岡秀夫、大久保勉)
ネクスト厚生労働大臣   山田正彦  (山井和則、 谷博之)
ネクスト年金担当大臣   長妻昭   (蓮舫)
ネクスト経済産業大臣   増子輝彦  (大島敦、藤原正司)
ネクスト法務大臣     細川律夫  (加藤公一、松岡徹)
ネクスト文部科学大臣   小宮山洋子 (牧義夫、林久美子)
ネクスト子ども・男女
  共同参画担当大臣   神本美恵子 (西村智奈美、嶋田智哉子)
ネクスト農林水産大臣   筒井信隆  (細野豪志、主濱了)
ネクスト国土交通大臣   長浜博行  (後藤斎、大江康弘)
ネクスト環境大臣     岡崎トミ子 (伴野豊、ツルネンマルテイ)
ネクスト官房副長官    長妻昭(年金担当大臣兼務)
    同        福山哲郎


追伸:「国会傍聴記by下町の太陽」が「gooブログランキング」で642位(850141ブログ中)に初登場しました。これからもよろしくお願いします。

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鴨下環境相、資金団体「借入金800万円」説明できず

2007年09月05日 10時17分01秒 | 不祥事

 鴨下一郎環境相(写真は首相官邸HP)の資金管理団体に関して読売のスクープです。今後の推移を見守りましょう。

 鴨下さん、下町の人です。
 この人医者だし、土地持ちで、学校法人持っています。

 セレブです。足立区で北野武を超えるセレブはこの人でしょう。

 閣僚辞任にまではいかないかなあという気がします。とはいえ、ずさんですね。とりあえず、頭には入れておきましょう。

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 鴨下環境相、資金団体「借入金800万円」説明できず(読売新聞) - goo ニュース
 鴨下一郎環境相(58)(衆院東京13区)の資金管理団体が8年間にわたり、政治資金収支報告書に1000万円と記載し続けてきた借入金が、借入時の収支報告書では200万円しか記載されていなかったことが、読売新聞の調べで分かった。
 差額の800万円について、鴨下氏の事務所は「借入金額を裏付ける書類が残っておらず、分からない」としており、明確に説明できていない。鴨下氏本人は「ずさんと言われれば、甘んじて受けなければならない。反省している」と話している。
 政治資金規正法では、政治資金の透明性を確保し、政治活動の公正さを検証できるようにするため、政治団体の収入や支出だけでなく、所有不動産や負債など資産の記載を義務付けている。借入金は、借りた年に収支報告書の「収入」欄に記載し、100万円以上の残高や借入時期を「資産等」欄に書かなければならない。返済すれば、「支出」欄に記載の必要がある。  鴨下氏の資金管理団体(現・政策パラダイム研究会)の1998~2005年の収支報告書の「資産等」には、96年8月に同団体が鴨下氏個人から借りたとする1000万円が記載され続けている。ところが、96年の収支報告書の「収入」に記載されている借入金は、200万円だけだった。

 鴨下事務所は当初、読売新聞の取材に対し、最近の収支報告書の記載に沿って「96年の借入金も1000万円だった可能性が高い」としていた。しかし、96年の収支報告書に書かれていた200万円との差額800万円は、どこにも記載がなく、支出の時期も使途も書かれていない。

 同事務所は4日になって、「確たる証拠は手元にないが、使途不明金はありえず、当時の借入金は200万円だった可能性が高い」として、収支報告書の借入金額を1000万円から200万円に訂正する意向を示した。だが、200万円が事実なら、鴨下氏からの借入金は8年間にわたり、実際より800万円も多く記載されていたことになる。

 鴨下氏が衆院議長に提出した資産等報告書によると、鴨下氏の貸付金残高は00年6月に820万円、03年11月と05年9月はゼロとなっている。資金管理団体の借入金が1000万円でも200万円であっても、収支報告書の記載とは大きく食い違っている。  鴨下氏は4日の取材に「ずさんというそしりは甘んじて受ける。申し訳ない。根拠が十分ではないが、質問には精いっぱい答えているつもりだ」と話した。

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「日本政治は危機的状態」 団塊ジュニアの意見

2007年09月05日 01時04分23秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦
 「ここまで日本政治がめちゃくちゃになった記憶がない」 

 下町の太陽は、遠藤農相辞任を受け、団塊ジャニアに電話、メールで意見交換しましたが、ここまで日本政治がめちゃくちゃになった記憶がないという考えで一致しました。
多様な価値観を持つ団塊ジャニアでは異例です。

 ※団塊ジュニアとは、1971年~1974年生まれのことです。1学年につき、200万人以上います。50%弱が三大都市圏(東京、名古屋、大阪)生まれ、大学進学率は子どもが多すぎて50%未満です。また、「団塊の世代」の両親を持つ人は意外にも50%以下ですので、価値観が多様です。「三浦展・『難民世代―団塊ジュニア下流化白書』 (NHK出版)」
 キーワードは「ファミコン」「ひょうきん族」「オイルショック」「受験戦争」「バブル崩壊」「就職氷河期」といったところでしょうか。 ステレオタイプも含めて・・・
 下町の太陽はご多分に漏れず、「受験戦争」に「出兵」しました。何とか勝ったかもしれませんが、それが「=幸せ}でないことに気付いたのは、23歳のときでした。人は皆、そうでしょうが、僕も「青い鳥」を探し続けることになりそうです。
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かなりヤバイ自民党

2007年09月04日 23時52分57秒 | 不祥事

 自民小林温・参院議員(神奈川選挙区)が連座制の対象となる出納責任者(公設秘書)が公職選挙法(公選法)違反で起訴されたことを受けて、辞職しました。
 神奈川選挙区で次点で落選した公明党松あきら前議員(公明党公認)が繰り上げ当選します。
 遠藤武彦農相(山形2区)、坂本由紀子外務大臣政務官(静岡選挙区)が3日、辞職。大ベテランで森元首相の大学時代からの友人である玉澤徳一郎衆院議員(比例東北)は自民党離党。

 相次ぐスキャンダルで自民党は厳しい状況に追い込まれています。

 年内解散の可能性もじわり出てきたといえるでしょう。私も20年以上、日本政治を見てきましたが、今の日本政治は最低・最悪の状態です。
 私たちの生活も苦しくなってきています。
 「バブル」を知っている20代後半以上の世代には経済的に厳しさが身に染みます。新成人は「バブル」を知らない世代なので、そうは感じない人も多いようですが。
 なぜ生活が苦しいか? それは長年、日本の政治が悪かったからにほかなりません。そのことに気付いたり、有権者(主権者)として責任を認めたりすべきです。

政権交代=二大政党制」で「国民の生活が第一。」と思う方は・・・
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遠藤武彦農相更迭 安倍改造内閣早くもつまづく

2007年09月03日 20時03分03秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 遠藤武彦農相(衆院山形2区)が、衆院議員当選前からトップを務める置賜農業共済組合(山形県)の補助金詐取事件の責任をとって辞任しました。=写真は自民党本部

 ちなみに今年の農相は 松岡利勝(熊本3区)→若林正俊臨時代理(参院長野選挙区、環境相兼務)→赤城徳彦(茨城1区)→若林正俊(環境相兼務)→遠藤武彦(山形2区)→若林正俊 4人(延べ6人)が入れ替わり立ち替わり務めたわけです。

 若林さん大忙し。TVで見ると、疲れてます。

 農林水産省(農水省)は、WTO(世界貿易機関)におけるEPA(包括的経済協定)における農業分野での交渉があるわけです。これらへの対応は大幅に遅れるでしょう。

 ただし、下町の太陽は日本農業がWTOの枠組みに組み込まれることに危惧していますので、不幸中の幸いになればいいのですが。

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森田高参院議員が民主会派入り

2007年09月01日 08時43分10秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦
森田高参院議員が民主会派入り(写真は宮崎信行撮影)

 第21回参院選で富山選挙区で当選した森田高さんが8月31日、「民主党・新緑風会」に入会しました。参院選では民主党社民党国民新党野党三党の推薦を受けました。
富山県は国民新党代表綿貫民輔さん(衆院富山3区)と社民党幹事長又市征治さん(参院比例代表)のお膝元ですから、野党協力の象徴的な県です。

 森田さんは医師。「富山の薬売り」で有名な同県で、祖父の代からの開業医「森田医院」の御曹司としてそれなりの知名度がありました。が、本人は長く県外で勤務医を務めていました。森田医院は現在ないそうです。40歳若手医師に注目しましょう。同い年の自民党公認の現職(二世議員)との対決を制しました。
 私も参院選中に富山に取材に行きましたが、選挙事務所が広く、和気あいあいとした明るい雰囲気だったことが印象に残りました。

【追記】2007-09-04

 国民新党の綿貫民輔代表は2日(日)「NHK日曜討論」で、
参議院でも「民主党・国民新党・新党日本」の統一会派結成について、「国民新党だけでは法案提出はできない。一緒に歩調を合わせられるような大きな問題があれば、手法としてあり得るかもしれない」と述べ、将来の結成に含みを残した
 綿貫氏のお膝元である富山県選出の森田高参院議員の民主党会派入りは、統一会派結成に向けた動きである可能性がある。 

(参照記事)
時事通信)民主との統一会派に含み=国民新・綿貫代表 9月2日13時1分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070902-00000035-jij-pol
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