前のエントリー野党時代のガソリン値下げ隊を謝罪 与党になったアニキ・安住淳さんの下の方に書きましたが、やはり意義深いと思うので、エントリーを独立させました。
2010年7月11日、私たち日本国民は「衆参ねじれ」という直近の民意を示しました。その熟議の国会で、最大の成果、国民の勝利ではないでしょうか。
政府・財務省は、相続税の基礎控除額を「5000万円+法定相続人×1000万円」から「3000万円+法定相続人×600万円」に引き下げ、課税対象を推定で人口(お亡くなりになった方の人数)と比べて4%から6%へ課税対象者を広げたうえで、税率を50%から55%に引きあげる平成23年度税制改正をめざしていましたが、18日、衆議院において廃案になることが確実になりました。また来年度税制改正要望にも入らない見込みとなり、平成25年度以降への先送りが確実となりました。
内閣は2011年1月25日に衆議院に「所得税法等の一部を改正する法律案」(177閣法2号)を提出し、議院運営委員会は2月15日に財務金融委員会に付託しました。しかし、衆参ねじれを楯に抵抗野党となった自民党の後藤田正純・筆頭理事が審議になかなか応じず、予算が参院に送付済みの3月から審議を再開したところ、東日本大震災が発生し、審議がストップ。
ここで、新年度入りを目前にして、民主党の藤井裕久、自民党の野田毅、公明党の斉藤鉄夫の各税調会長が民公自3党の修正協議に乗りだし、野田さんが新年度の暫定つなぎ法となる「国民生活などの混乱を回避するための租税特別措置法などの改正案」(177衆法4号)を提出し、3月31日に成立しました。
これは3ヶ月間のつなぎ法ですので、内閣は6月10日、新法として「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法などの改正案」(177閣法82号)を衆議院に提出しました。この法案は第177通常国会の会期末(結果として延長)だった6月22日に成立しました。その後も内閣は国会の承諾を得て、「177閣法2号」の名前を修正し「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法などの改正案」として成立を図ってきました。しかし、3党協議の結果、2011年11月18日の衆院財金委員会で与党側筆頭理事が修正案を提出し、「改正法案から、所得税法・相続税法・租税特別措置法に関する条文を削除し、法人税・国税通則法の改正に関する条文のみとする」と語りました。
これにより、相続税増税部分が今国会中の会期内で成立することは絶望的になり、廃案が確実です。
元々、議会(Parliament)は、はじめは高級裁判所、次に国王が財政難で陪臣に請求せざるを得なくなった租税に対して承認あるいは拒否する権限を持つようになり、13世紀のヘンリー3世の時代から、貴族と庶民代表の合同集会として成立したのが始まりです。だから、代表無くして課税無し、税とはすなわち政治なりという言葉が出るようになりました。それから、600年後に日本でも議会(帝国議会、国会、Diet)が成立しますが、このときも官選首長による、地租あらため固定資産税に対して各地で断続的におきた地租改正一揆が、板垣退助率いる「自由党」などによる自由民権運動を大きく押し進めました。
今回の相続増税法案は、相続税の納税者が、国民100人辺り4人とされてきたのが、6人へと大幅拡大するものでした。しかし、「衆参ねじれ」という私たちの直近の民意がそれを食い止めたことになります。考えようによっては、資産のデフレ基調が続き、言及するのは心苦しいですが大震災もありましたので、実質的には減税基調というとらえ方もできます。民主党税調は平成24年度の税制改正で、政策調査会の厚労部門会議が重点要望している「医業継続にかかる相続税・贈与税の納税猶予の創設」は検討していますが、国会の意思にもとづく相続増税すえおきに関しては尊重する構えで、相続増税は平成25年度(2013年度)以降に先送りされる見通しです。
今回の相続増税廃案は、衆参ねじれにより発言力を回復した自民党の考えが、政権政党に反映されたものだと思われます。
官僚や各種団体がイチバンの政治から、一人一人の有権者がイチバンの政治へ。政権交代のその先にある、政治を国民の手に取り戻す動きは、まだ始まったばかりです。
◇
すでに今週、毎日新聞が次のような記事にしていました。
相続税:政府税調、増税見送り検討 - 毎日jp(毎日新聞)
政府税調は15日、未成立の11年度税制改正法案に盛り込まれていた相続税増税などについて、12年度でも改正を見送る検討に入った。野党の反発が強いため。消費税の増税論議を優先し、増税項目を絞り込む必要があると判断した。一方、公明党が賛成する地球温暖化対策税(温対税)創設は、12年度改正での実現を目指す。
11年度改正では、法人税の実効税率引き下げや相続税増税などを盛り込んだが、自民などが反対。このうち、東日本大震災の復興財源に関わる法人減税は野党が了承したため、相続税増税など残りの項目はひとまず税制改正法案から削除することを決めていた。
それでも、相続増税などの成立は12年度でも困難との見方を強め、税と社会保障の一体改革に伴う税制抜本改革で改めて議論する戦略に転じた。
また、民主党税調は、12年度税制改正で総務省が要望した固定資産税と都市計画税を軽減している特例措置の見直しについて、見送る方向で検討に入った。13年度以降の税制改正で改めて検討する。
総務省や全国の市町村会などは、地価下落などで税収が落ち込むとして、特例措置の縮小による税収確保を主張するが、景気への配慮から存続を求める声も根強く、意見集約は難しいとの見方が強まった。【小倉祥徳】
毎日新聞 2011年11月16日 東京朝刊
◇
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[写真]決算委員であることに誇りを持ち、エネルギー特会(電源特会)の原発立地の「周辺地域整備資金」を取り上げてきた又市征治・参院議員。
日本国憲法第90条に定める「会計検査院」は2011年11月8日、平成22年度の決算検査報告書を、野田佳彦・内閣総理大臣に提出しました。
この中で、新聞報道によると、「数年前から調べていた」というエネルギー対策特別会計の電源開発促進勘定の原発立地自治体に対する「周辺地域整備資金」について、657億円がムダ(縮減可能)だ、と指摘しました。そもそも、このお金は経産省が「原発の新規着工の時期が仮に重なると、地元自治体への交付金が不足することを防ぐために積み立てたお金」ということで、要するに経産官僚が天下りするための預金のようなものだったようです。
決算検査報告書をひもとくと、検査院は平成13年度(2001年度)に検査し、平成16年度(2004年度)にもそのフォローアップをしていたようです。検査院は霞が関で疎んじられる傾向があり、マスコミも朝日新聞を除くと、あまり検査院を重視していない傾向があります。2001年度というと、1997年末の小沢一郎氏による新進党解党の次の総選挙があった時期なので、小沢氏が新進党を解党していなければ、政権交代して、福島原発が爆発することもなかったかもしれないなあと感じました。
なお、このムダとされた657億円ですが、その次年度(すなわち今年度)の第1次補正予算で、菅直人内閣(野田佳彦財務相)が500億円の減額補正をしています。これは一般会計から繰り出し、エネ特会に繰り入れる予定のお金を500億円減額したモノです。ですから、平成23年度一般会計は500億円分、自由なお金を得たという格好になりますが、あまりにも遅すぎました。
国会法105条は「各議院または各議院の委員会は、審査または調査のため必要があるときは、会計検査院に対し、特定の事項について会計検査を行い、その結果を報告するよう求めることができる」としています。一方の会計検査院も、「会計検査院は要請に係る検査を着実に実施しその結果を国会に報告しているところである」としています。会計検査院法は「会計検査の機能の強化と活用を図り、もって国会における決算審査の充実に資するために、国会および内閣への随時の報告」が可能だと定めています。
参議院の決算委員会では、冒頭の写真にあげた又市征治さんが「私は初当選以来、ずっと決算委員会に所属している」と胸を張ることがよくあります。その姿には、あたかも「衆議院なにするものぞ」「参議院でも予算委員は利権屋や目立ち屋だ」と言いたげな、決算委員としての矜持を感じます。
実際、「周辺地域整備資金」にして、国会議事録データベースで又市さんが参院議員になった第152臨時国会から今国会までで調べると、 第165秋の臨時国会の初日(平成18年11月15日)、第166通常国会の9号(平成19年5月21日)、第177通常国会の9号(平成23年5月30日)と継続して質問しています。この間、「周辺地域整備資金」でヒットする議事録は28本で、そのうち3本が又市さんになりますから、勘所の良い決算審査をしていたことが分かります。 ただ、参・決算委は地味で、「3・11」前に、反映できなかったことは残念です。
又市質問よりも前に、第162回通常国会の衆・経済産業委員会(平成17年4月8日)には、野党・民主党の細野豪志さんが質問していますが、「周辺地域整備資金ということでございますが、これはどうなんですか、財務省としてこれでいいというふうに判断されているのかどうか、お答えをいただきたいと思います」と、まだばくぜんとした質問になっています。このころは、民主党を代表する議員(名古屋市長に転出)の政策秘書が特別会計に詳しく出版もしており、民主党内で特別会計発掘作業が盛んでした。今となればほろ苦い夏休みのスイート・メモリーに見えますが、大人(政権党)になってから生きています。
このほか、私が平成21年度(2009年度)第1次補正予算(麻生パクリ・ピンハネ補正)で「お前は蒋介石か! 自民党が46基金(4・3兆円)を疎開させる」と批判していた一連のリーマン・ショック後の都道府県の基金ですが、約2500の基金に総額約2兆円のお金が使われず余っているようです。
マスコミも、例えば京都支局や舞鶴支局の記者なら、http://www.jbaudit.go.jp/report/new/summary22/pdf/fy22_futo_03.pdfのページをざっと見ただけでも、京都府宮津市が「地域情報通信技術利活用推進交付金」を受け取りながら、計画がずさんで、モバイル端末が全く配布されず、構築したシステムが事業期間内に稼働していなかったのにそのシステムの保守費を交付対象事業費として国に新政していたなどという検査結果が載っています。警察担当から行政担当になって、なかなか記事が出せない人は、検査院の検査報告書は「ネタの宝庫」ですし、記事にするうえでは、イチイチ会計検査院の名を出す必要もないのですから、ドンドン活用すれば、いっぱい記事が書けます。
【出先機関がない会計検査院、震災後は実地検査を中心→総務省管区行政評価局を廃止し、検査院の出先機関に衣替えすべきだ】
平成23年度一般会計予算書(当初)の「会計検査院所管平成23 年度政府職員予算定員及び俸給額表」によると、会計検査院の職員は1276人。報道では、2010年度は約2900カ所の実地検査をし、約3800の自治体・団体を検査しました。3月11日の大震災以降は止めたそうです。会計検査院には出先機関(地方支分局)がありません。ですから、出張につぐ出張の連続。そのなかで「東大の柏市の運動場は利用率が低く有効活用が必要で154億円のムダがある」と指摘する。「全国のおいしい物が食べられてイイネ」と声をかけている余裕はありません。
それに引き換え、総務省の管区行政評価局には1037人の職員がおり、本省にも約250人います。ほぼ会計検査院と同じ人数がいるわけですが、総務省の管区行政評価局が何か国益・国民益に資したことがあるでしょうか。出先機関改革のためにも、総務省管区行政評価局はそれ自体がムダなので、会計検査院の出先機関に衣替えしたり、内閣府行政刷新会議事務局、総務省統計局に移籍させるべき。そのぐらいのことができないと、民主党政権は何もできません。
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【2011年11月18日(金) 衆院財務金融委員会】
精神力の王様、頼れるアニキ、大蔵大臣(財務大臣に改称)の安住淳さんが、「ガソリン値下げ隊」を謝罪しました。
第3次補正はすでに参院で次回(21日)しめくくり総括質疑、成立が見通されていますが、歳入の98%の裏付けとなる「復興財源確保法案」(179閣法4号)とちぎっては投げで2回ずつ成立し、残り(法人税・相続税など)が滞留している「所得税など国税の改正法案」(177閣法2号)を初めて審議しました。
自民党の村田吉隆さん(岡山5区が地盤)が登場。
財務省勤めとして、あるいは国務大臣(第3次小泉内閣の国家公安委員長・防災担当大臣)として先輩の村田さんは「本来、歳入法案というのは、予算(案)と一体で通すモノなんですよね。これが(2009年の自民党)福田内閣のことから、例の(野党・民主党の)ガソリン値下げ隊のころから崩れだしたんですよね」と指摘しました。
実はこのころ、村田さんは与党・自民党の国会対策委員長代理、アニキは野党・民主党の国対委員長代理でした。アニキは、小沢一郎代表・鳩山由紀夫幹事長・山岡賢次国対委員長の体制下で、野党第1党の国対委員長代理として、ガソリン値下げ隊を指導し、政権交代の立て役者となりました。民主党の青春であり、憲政の隆盛であり、胸を張るべきことです。
しかし、村田さんは「衆参ねじれという構造もありますが、民主党政権になったら、一緒に通そうという気迫が足りず、これが民主党に内在する問題だと思います」と鋭く指摘しました。私も同感です。
安住大蔵大臣もといアニキは「(国対委員長代理だった)野党のときも(国対委員長だった)与党のときも、私は渦中にいました。言い訳がましいことは言いたくないのですが、一体的に(参院に)送るというのが本来あるべき姿で、お互いがいがみ合って、(平成23年度の特例公債法案が)8月までいったのは苦しかったです。とはいえ、これからはお互いがどちらかが政権を担うかは分からないわけです。私も、野党時代のガソリン値下げ隊は反省をいたしております。(村田)先生とは、(衆院の)議運(や党の国対)の中で一生にやってきた仲ですが、今となっては反省をいたしております」と答弁しました。
私は、ガソリン値下げ隊は間違いではないと思いますが、しかし、与党は頭を下げるのが仕事です。また、民主党は結党以来、野党第1党ないし与党第1党に常におり、英国流にいえば「フロントベンチ」に座り続けていますが、すべて年度内に予算を成立させています。だから、細川・羽田内閣の鬼門となった予算の年度内成立が与党になってからの2回ともすんなりできているのかなとは思っています。その辺、やはり野党時代の振るまいが与党になってから問われる時代になります。とくに野党時代はどうしても当選者が減りますから、与党になって返り咲いたり初当選した議員は謙虚になるべきだと考えます。
[画像]第171通常国会の予算委員会で菅直人筆頭理事に取り押さえられた自民党の村田吉隆・国対委員長代理(当時)、2009年1月、テレ朝さん動画からキャプチャ、トリミングさせていいただいたニュース画像。
上の写真のように、村田さんも平成20年度第2次補正予算(麻生・定額給付金補正)の強行採決時に、カメラで写真を撮って、菅直人筆頭理事に取り押さえられたことがあります。このとき、村田さんは「写真をとってブログに載せるため」と説明していましたが、実際には、強行採決の混乱の際に、野党・民主党議員の抵抗を撮影して、懲罰動議を出そうとしていたのが本心ということで間違いないでしょう。
その村田さんも「国会の生産性が問われています。私たちも真摯に修正協議に応じていきたいが、もう少し、与党から野党への提案というものがあっていいと思いますよ」とアニキにアドバイスしました。
【相続税の増税は今年度は見送りか?】
なお、この後、寺田学・衆院財金委与党側筆頭理事が、「所得税など国税改革法案」の修正案を提出しました。このなかで、法案から、所得税法、相続税法、租税特別措置法に関する部分(税制改正)を削除して、法人税と国税通則法の(改正を定めた)部分のみ生かすとしました。これにより、相続税の基礎控除額を下げ税率を50%から55%に引き上げる税制改正は今国会中の成立が難しくなったと考えられ、通常国会冒頭の改正も現実的ではなく、来年度税制改正に先送りになったと考えられると思われます。
また、復興財源確保法案について寺田さんは、復興債の償還の道筋の明確化について「平成49年度までの増税」に修正することにし、閣法の「10年間で償還」を民公自3党合意の「25年で償還」に直しました。葉たばこ農家を支持者にかかえる自民党に配慮した「たばこ税の増税」部分も削除することを修正案に盛り込みました。きょうはこの修正案の提出をもって、散会しました。
これに先立つ審議の中で、民主党の菅川洋(すげかわ・ひろし)さん=広島1区比例、当選1回、税理士=が「納税者権利憲章の規定が今年度の法案から外れたのは残念だ」と述べ、「付則に記載してもらったが、他国に対して誇れる税制先進国にしたい」との志を述べました。これに対して、財務副大臣の五十嵐文彦さんは「野党からの要求で納税者権利憲章を削除したが、付則で、その内容は担保している」と答弁。この後、菅川さん法人税法34条の「役員給与の損金算定」に関する質問について、安住財務大臣が「その件は税理士会からご要望をいただいているが、なかなか難しい」と斬新な答弁。ものすごい勢いで国会新時代が到来していることを感じさせました。さすがアニキ。TPPに関して、「世界史年表と世界史地図を揃えなきゃ」とブログに書く議員も出てきて、今さら遅いのか、知ったかぶりよりマシなのか第46回衆院選の結果をみないと分かりませんが、とにもかくにも、アニキのように、頑丈じゃないといけないね。
どんな国難でも、どんなに先行き不透明で不安でも、アニキがいれば、心配ご無用!!!
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[画像]公明党参院幹事長の木庭健太郎さん、2011年11月14日、参院沖縄および北方問題特別委、参議院インターネット審議中継から。
【2011年11月14日(月)参議院・沖縄及び北方問題に関する特別委員会】
衆参には、「沖縄・北方特別委」が設置されています。政府の重視姿勢は変わりませんが、逆に法制度がしっかりできているので、このところは新しい法案が提出されず、やや開店休業の感があります。
参院の沖縄北方特別委(委員長は自民党の岸信夫さん)は14日、一般質疑を行いました。公明党参院幹事長の木庭健太郎さん(コバケン)が質問に立ちました。答弁者は、総務大臣(兼)沖縄および北方担当大臣である川端達夫さん(衆院滋賀1区)。ちなみに橋本行革後に、「総務大臣(兼)内閣府沖縄担当大臣」、橋本行革前に「自治大臣(兼)総理府沖縄担当大臣」は例がないでしょう。これは、民主党マニフェストにある「地方一括交付金」を、内閣府沖縄振興局から沖縄県庁に渡し切る制度を平成24年度(2012年度)当初予算から新しい予算コードで創設するためのシフトでしょう。
この私の推測からすると、コバケンの冒頭の質問は私の考えに沿うモノでした。
コバケン
「私ども公明党も新たな沖縄振興策を検討するとき、重点になるのは、沖縄振興一括交付金の創設だと思っています。これを創設することは内閣府としても確認しているいうことで、やはり(沖縄県庁が)主体的に振興計画を策定し、その権限と責任のもとに施策をやろうとすれば、そういったもの(お金)が担保になるんだと思います。しかし、この一括交付金が沖縄(県)のみで他の地域(自治体)に先駆けてやるとなるならば、沖縄県が責任を持って使うことができるか、きちんと説明できることが必要になる。つまり、自由度の高い沖縄一括交付金となると、国の説明責任、県の説明責任はどうなるのか」。
このコバケンの質問は、あくまでも地方一括交付金を沖縄県庁で先がけてやるんだ、という意識がハッキリ出ています。これに対する川端大臣の答弁。
「沖縄に関してより“深掘り”したかたちで一括交付金を創設したいのは、沖縄の置かれている地理的、歴史的、社会的背景のなかで、沖縄が大変厳しい状況にあるなかで、とくに沖縄をしっかりと振興させるのは国の責務です」
[写真]総務大臣(兼)沖縄・北方相の川端達夫さん。
これでは、46都道府県は完全に分離した沖縄振興策であり、旧総理府沖縄開発庁長官時代と考えが変わっていません。沖縄の経済水準は低く、「本土並み」に引きあげるのが長年の政府の仕事でしたが、コールセンターなどの振興策で、沖縄経済は全国的にも有数の人口、生産、消費の伸びを見せています。失業率は厳しいですが、人口は伸びており、沖縄は今やトップランナーの感もあり、川端さんの考えは明らかに時代錯誤です。そして、
「沖縄(県)が主体となって計画を立てて頂きたい、しかし、それは国と一定の協議をするなかで、国としても責任を負いたい。そして、使い道は目的に沿って使われたということが証明されなければならない」としました。これでは、政府と沖縄(県庁)との「ヒモ(紐)」をこれからも維持したいという考えであり、それなら今までの施策で十分です。
コバケンは、内閣府沖縄振興局の積み上げた数字が2307億円だとして、沖縄県の仲井眞弘多知事(や民主党の岡田克也最高顧問)らが求めている「3000億円」が当初予算の見積もり(概算要求)で、予算コードの新設だけ求めて金額が空白の「事項要求」となっている理由を質しました。そのうえで、コバケンは「自由度のあるものについては、金額もある程度しっかりしたものを出すべきです。大きな枠組みを一気にやるということもあると思いますよ」と述べました。
なんだか、コバケンの方が、民主党マニフェストに沿ったことを言っています。
園田康博・内閣府政務官(民主党衆院岐阜3区)は「全国的な地方一括交付金改革のなかで、沖縄の特殊性も踏まえ、深掘りしていきたい」と半分分かっていて、半分分かっていない、いかにも「中間管理職」という答弁。
コバケンは「川端大臣ね、その辺のところをしっかりと見ておいてもらわないと。やはり官僚の人たちは今までの流れを踏襲したい(紐付き補助金を継続したい)という考えもあるわけですよ」と示唆します。さらに「新しいものをやるんだから、例えば、沖縄(県)の要求する3000億円をボーンっとやってみろ、という考え方もあると思いますよ」
川端大臣は、「自由度が100%で、3000億円を一気に使うとなると、どのように使われるかということで、今までの(内閣府沖縄総合事務局の)施策とのジレンマとの整合性が問われます」としました。
川端さんは、このひも付き補助金を引っこ抜く、ついては、内閣府地域自主戦略交付金のスキをついて、内閣府の予算を一括交付金にしてしまうという「桶狭間」を理解できていないようです。これは官僚に洗脳されているからでしょう。とはいえ、冒頭の「沖縄は特殊」発言もいただけません。そうではなくて、地方分権(地域主権)改革の話なんです。
コバケンは、「内閣府の沖縄振興局の権限を沖縄県(庁)に移行していくという考えもあるようでございます」として、「沖縄県内で完結する事務については、基本的に沖縄総合事務局から県に移譲すべきだと考えている」とビミョーなところに迫ります。そのうえで、「国と県のパイプ役も必要だ」と現実的な指摘もし、園田政務官は「(国家公務員である沖縄総合事務局の)職員の雇用も含めて幅広い観点から取り組みたい」と述べました。
先日の政府・東電統合会見で、園田政務官がバッシングにあいましたが、園田政務官はバランス良く、沖縄県庁と霞が関を調整している感じでした。一方で、川端さんは「外国人観光客は思ったより伸びていない」「コールセンターなど情報産業は伸びている」とあまり関係ない答弁が続き、残念でした。
今の一般会計で3000億円は大きいですが、この一気にボーンと3000億円を強行突破することで、地方分権(地域主権)は大きな弾みがつくと感じます。また、遅ればせながら、骨抜きにされた2009マニフェストを少しだけ、47都道府県中1県だけですが、実現することができると考えます。
川端さんは誰のおかげで再入閣できたと思っているんですか。初入閣の文部科学大臣では長広舌とは言え安定した答弁で、マニフェスト4kのうち「高校授業料無償化」の実現に成功しました。ここは死ぬ気でやってください。どうも分かっていないようなんですが、桶狭間なんですよ。園田政務官は勘所を理解しているようですから、官僚抜きの政治家同士で話し合い、熱田神宮で整列して政府原案決定までの残り1ヶ月死ぬ気でやってください。3000億円をボーンッとやってみろ!
当ブログ内関連エントリのご紹介
【用語解説】「沖縄振興一括交付金」は“普天間”とまったく無関係
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[写真]公明党の佐藤茂樹・衆院議員(現在は比例単独近畿ブロック)。
さあいよいよ、来夏の第46回衆院選に向けて、公明党が2011年11月17日の中央幹事会で、小選挙区の第1次公認8候補(予定者)を決定しました。なお、兵庫8区も近く公認を発表する予定。
このうち、第44回衆院選で当時の連立与党パートナーの小泉純一郎・自民党総裁(首相)が公明党の度重なる応援要請を無視して選挙区入りしなかった影響から議席を失った沖縄1区は、第45回衆院選に引き続き候補者を擁立しない方針。
北海道10区(空知総合振興局、留萌など)には、比例北海道ブロック単独の1期生で、道議会議員3期の実績がある稲津久(いなつ・ひさし)さん=53歳=を擁立し、現職の民主党の衆院議院運営委員長の小平忠正さんの強固な地盤と激突します。
支持母体となる創価学会の関西地区での広宣流布(広布)発祥の地になる大阪市西成区のほか、大正区・住之江区・住吉区がある大阪3区には、大阪府本部代表の佐藤茂樹さんが挑戦。当選6回生の52歳で、細川内閣では8党派の若手エースによる横串組織だった「いしずえ会」(岡田克也事務局長)に属し、防衛専門議員として同じ近畿ブロックの前原誠司さんとも仲が良く、民主党とのパイプもあり、公明党の両にらみ(自民党、民主党)戦術の一方の柱になりそうです。この選挙区の現職は、小沢グループとして政治資金収支報告書の虚偽記載が発覚したことで、民主党を離党し、現在は国民新党に身を寄せている中島正純氏で、民主党は候補者を擁立せず、実質的に佐藤さんを精神的に支持することになりそうです。ぜひ、佐藤さんにはがんばってほしいです。
東京12区には、太田昭宏前代表=66歳=が立候補し、小沢グループの青木愛・衆院消費者問題に関する特別委員長に雪辱をねらいます。
神奈川6区は、当選5回生の上田勇(うえだ・いさむ)さんが再挑戦します。現在は民主党の池田元久さんが議席を持っています。
大阪3区には前述の佐藤茂樹さん。
大阪5区と大阪6区にはともに現在36歳の新人(役職はともに公明党青年局次長)を擁立します。このうち、大阪5区(大阪市此花区、西淀川区、淀川区、東淀川区)では、創価大学法学部卒の弁護士、国重徹(くにしげ・とおる)さん。現職は民主党の稲見哲男さんです。
大阪6区(大阪市旭区、鶴見区、守口市、門真市)には東大工学部卒で元文部科学副大臣秘書官の伊佐進一(いさ・しんいち)さんで、現職は小沢グループの村上史好さん。
大阪16区には、8候補(予定者)の中で唯一の閣僚(国土交通大臣)経験者になる北側一雄さん。
兵庫2区(神戸市兵庫区、北区、長田区)には力のある元財務副大臣の赤羽一嘉(あかば・かずよし)さんが立候補する予定で、現職は民主党の向山好一(むこやま・こういち)さん。
8人のうち、新進党勢は5人となり、世代交代の歯車が進んでいることを感じさせます。また、小選挙区立候補者のなかで、新進党解党後に自由党(小沢一郎党首)を経由して公明党(New Komeito)再結成に参加した「汚い経歴」を持つ谷口隆義さんは引退することになりました。ただ、谷口さんの名前は平成21年の公明党本部の収支報告書の「監査意見書」に公認会計士として署名・捺印しているので、うまくやっているようです。このほか、医師の福島豊さんも引退するようです。
【追記 2011年11月24日(木) 午後5時】
公明党は、2011年11月24日の中央幹事会で、兵庫8区の候補予定者として元国土交通省課長補佐の中野洋昌さん(33)を公認しました。現職は新党日本公認で、与党系会派「国民新党・新党日本」の田中康夫・衆院議員。
公明党の小選挙区の立候補予定者は9人となり、2009年第45回政権交代選挙の8人(全敗)を上回り、2005年第44回小泉郵政選挙の人(8勝1敗)と同じ水準になりました。
なお初投稿時(2011年11月18日)のタイトルの「8小選挙区」を「9小選挙区」に改めました。
【追記おわり】
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【2011年11月16日(水)17日(木) 衆院決算行政監視委員会行政監視小委員会】
衆院決算行政監視委員会(委員長=自民党の新藤義孝さん)は、きのう(16日)ときょう(17日)、行政監視小委員会を開き、「国会での事業仕分け」をやりました。新しい試みとして、国会改革、与野党協調の試金石として、評価したいとは考えます。私も当ブログで、「事業仕分け」は国会内でできないものかと言ってきました。
しかし、手放しでは褒められません。きょうは2011年11月17日ですから、平成23年であり、参院予算委員会では平成23年度第3次補正予算(案)の一般質疑が行われました。また、財務省では平成24年度当初予算政府原案の査定作業(刈り込み)が進んでおり、またこれに先立ち、平成23年度第4次補正予算案も編成される見通しです。
ところが、衆院決算行政監視委員会は、ナント!第176国会(昨年の秋の臨時国会)に提出した平成21年度決算(案)をいまだに、是認(認定)していないのです。
今国会の衆議院の議案ページをご覧下さい。
すでに、会計検査院や財務省は、平成22年度決算(案)を国会に提出しています。法律上は通常国会となっていますが、最近は会計検査院が出先機関がないのに、がんばっていて、秋の臨時国会に提出しています。出先機関がないにもかかわらず検査院はがんばっています。
民間企業の社長さんやサラリーマン、あるいは投資家の人ならば「いまだに平成21年度の決算を認定していないような国会・政府は“上場廃止”だ」と起こるでしょう。そして「政治は遅れている、我々民間では考えられない」と言うでしょうが、ところが、地方議会だって、すでに昨年度の決算審査は終え、来年度予算の査定に生かしています。
例えば、ネットを拾ったところでは、栗山町議会は平成23年9月13日に平成22年度決算を認定しています(動画:一般会計の決算のシーン)。調布市議会は、10月17日に平成22年度の一般会計の決算を賛成少数で「不認定」としています。ここは共産党系の市長のはずですから、「不認定」となったようですが、議会として審査のうえ、一つの結論を出しているわけですから、平成21年度の採決すらできていない国会とはまったく違います。横浜市議会は、決算第1特別委員会、決算第2特別委員会を設けて審査し、10月28日に本会議で採決しています(横浜市議会の日程表)。横浜市の平成22年度は7次にわたって補正され、一般会計総額は1・4兆円、一般会計と特別会計と公営企業会計の総額は3・1兆円です。高秀秀信市長時代から、各会計間の繰り入れと繰り出しの重複分をならした「純計」を発表しており、純計総額は2・4兆円となりました。
衆議院で平成21年度決算の審査をしていないのに、参議院で平成23年度第3次補正予算(案)を審議し、財務省が平成24年度予算案を作成しています。Plan→Do→See→CheckのPDSCサイクルがぐっちゃぐちゃ。
だから、誰が総理をやっても、うまくいかないのです!
できないんなら、丸ごと自治体に分権すべきです。
決算行政監視委員長は、民主党が野党時代は川端達夫さん、枝野幸男さんらが委員長を務め、総括質疑はNHK中継されるので、民主党議員が第1委員室の委員長席にすわる数少ない機会でした。政権交代後は、同じく野党の自民党が委員長となり、今村雅弘さん、新藤義孝さんら閣僚経験がない「適齢期」の人が委員長を務めています。しかし、前任の大村秀章委員長は仕事を途中で投げ出して、知事選に出馬してしまいました。
平成21年度決算は、麻生自民党内閣が当初予算を編成し、4月に14・5兆円の第1次補正(都道府県や外郭団体への基金創設など)をし、10月に鳩山民主党内閣が第2次補正したというとても難しい予算です。前年度の決算審査に関しては、参院事務局などが海外の事例を調べ、政権交代により、前政権の予算・決算を今の政権が答弁する方法について研究したようです。
しかし、平成21年度決算が審査未了で、平成22年度決算が提出されているのに、付託もされていないのに、「憲政史上初の国会事業仕分け」じゃないだろという気がします。自民党の河野太郎さん、平将明さん、公明党の遠山清彦さんらは良いのですが、民主党が岡島一正(氏、千葉3区=市原市、千葉市緑区)、黒田雄(氏、千葉市花見川区、習志野市、八千代市)、熊谷貞俊(氏、近畿比例単独)ら小沢グループが多いのも問題です。階猛(氏)は岩手1区でまだ良いのかも知れませんが、彼ら小沢グループは追い込まれたから、こういうところに活路を見いだそうとしているのでしょう。しかし平成21年度決算すらしていないのに、2番煎じの仕分けなどいかにも小沢グループが飛びつきそうな話で、自民党のエース格である議員は、あまりこういう筋の悪い人間と付き合うべきではありません。
ただ、国民健康保健連合会(国保連)の計数計算だか何かが民間に開放されていないというような話で、「なぜ労災は開放されているのに、国保連は役所だけでやっているのか」という趣旨の質問をした民主党の岡田康裕さんは鋭いし、第46回衆院選後も残ってほしい人材だと考えます。
このように、全体として、今回の試みは認められませんが、とりあえず、「システム」として今回の議事録は、理事会での協議も含めて残しておいてほしいと考えます。仕分けは国会でやるべきです。
また、マスコミ、国民のみなさんも、平成21年度(22年度も含めて)決算ができていないのに、このようなパフォーマンスをすることを厳しく見てほしいと思います。民主党閣僚がなかなか、決算審査に出席できないなら、土曜日、日曜日にやればいいだけの話です。
話は変わりますが、オリンパスには、「オリンパス労組」はないんでしょうか? 4万人の会社ですから、こういうときに労組が出て来ないというところに、日本型資本主義の閉鎖性を感じます。損をするのは、自分自身です。
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岡田克也さんが心の余裕を取り戻したようです。いや、元々余裕を維持していたのでしょうか?
民主党の岡田最高顧問はことし8月まで、幹事長として毎週月曜日、木曜日の午後4時(めど)に定例記者会見をしていました。その中で、ひとつ、私がとても気になっていたことがありました。
それは今年はどこの球団を応援するかということです。
例えば、2009年4月18日のブログでは
「私は(略)この時期にどこを応援しようか決めることにしています。特に固定した球団というのはないのですが、1年間楽しめるところを選んで応援することを私のモットーにしています」
「いろいろ考えたのですが、今年も楽天を応援しようかなと思っています」
「ピッチャーの田中投手、マー君も、岩隈投手と並んで素晴らしいピッチャーに成長しそうですし、何よりあまりお金をかけないで頑張っているところが、大変好感が持てるわけです」
このときは、岡田さんは野党・民主党副代表、要するにヒラ議員でした。
そして その年の10月19日。このときは外務大臣という重荷を背負っていたわけですが、
「プロ野球の楽天が、クライマックス・シリーズへの出場権を得ることになりました」
「連敗が続いて絶望的な状況のときもありました。しかし、野村監督のもと、無名の選手が非常に多いなかで、しっかり力をつけて頑張り、クライマックス・シリーズ出場まで決めたことは、私にとりましても大きな喜びです」
そしてブラウン監督にかわった昨年は、4月30日のブログで「今年は、最初からつまずいて、どうしようかなと思っていました。別に、最近少し調子が上がってきたというわけではありませんが、しかし、やはり楽天の安定した先発陣、マー君や岩隈投手は、やはり魅力がありますし、そもそも、非常に弱いチームが野村前監督のもとで再生されて、そして、今回指導者が代わって、どうなるのかも非常に関心があるので、今年も引き続き楽天を応援しようと決めたところです」。
ただ、いくら3位以内でクライマックスシリーズとはいえ、かなりこの時点で楽天は厳しい情勢でした。そして、その明晰にその分析ができているのに、「最初からつまずいて、どうしようかな」としながら筋を通すところに、1度目の幹事長時代に菅直人代表の民由合併をやめさせなかったり、、2度目の幹事長時代に解散前なのに、鳩山由紀夫代表の「最低でも県外」発言をたしなめなかったところにもつながっているような気がします。結局、昨年は楽天は最下位でした。
そして、今年はここまでどの球団を応援しているのか明言がありませんでした。これは3月11日に東日本大震災があったからです。その後、5月の大型連休前後になってもブログでの明言がないので、岡田さんが心の余裕を失っているのではないかと思っていました。記者会見で私が聞いてみようかと考えましたが、3・11から8月までの震災国会中には、とても聞ける雰囲気や間(ま)がありませんでした。
ことしは無いのかなと思ったら、きのう2011年11月16日付のブログで発表がありました。
[岡田かつやTALK-ABOUTから引用はじめ]
楽天イーグルス-来年こそは気迫を持って戦い結果を出して
プロ野球の日本シリーズが行われていますが、私的には、もうシーズンは終わりました。
今年も、パ・リーグはいつも通り楽天を応援しました。東日本大震災のあとだけに、大いに活躍してくれることを期待し、元大リーガーの補強もあったので、優勝もあるのではと期待しましたが、全くの期待外れでした。正直言って、途中から全く関心をなくしてしまいました。
来年こそは、星野監督のもとでしっかりと頑張ってもらいたいと思います。
しかし、そういう中で唯一の希望は、マー君こと田中将大投手が沢村賞を取ったこと、そして、その前提となる素晴らしい成績を収めたことです。気迫あふれるピッチングをしてくれました。被災者の皆さんにも大変な勇気を与えたと思います。
来年こそは、気迫を持って戦い、結果を出してもらいたいと思います。もう1年だけ、楽天を応援してみようと思います。
[引用おわり]
たしかに、震災後の希望の星として期待された楽天イーグルスも、ちょっと後半戦は気迫に欠けていた面が見られ、5位となりました。そして、岡田さんは相変わらず田中将大投手に目を付け、その成長を見守っている感があります。岡田さんの尊敬する人物は「織田信長」で、座右の銘は「大器晩成」ですが、傑出した人物に好感を持つというところがあるようです。あまり「多数派」は苦手なんでしょう。例えば、除籍後も、横粂勝仁・衆議院議員(30)について「気になっている」と発言しています。
「途中から全く関心をなくした」としていますので、プロ野球開幕の4月ころは、野球も見ていたのでしょう。岡田さんは与党幹事長としてたびたび官邸を訪問して情報を共有しており、また住民票も東京のマンションに移しています。奥さんは医師免許を持っています。そして、資源エネルギー庁勤務の経験もあります。例えば、3月14日(月)の幹事長会見では「少なくとも今回、塩水を注入した原発などは簡単には復旧できないわけですので」と述べています。ホームページの議事録では「海水を注入した」と直してありますが、今ビデオで再確認しましたが、「塩水を注入」と言っています。このころに政治家や官僚、テレビ報道などは「海水注入」という言葉を繰り返しており、「塩水注入」という言葉を使ったのは岡田さんだけで、一般的用語にするため議事録は「海水」にしたのでしょう。原子力に詳しいことをうかがわせました。ただ、衆院議員になってからの20年間は、厚生、防衛、外務、環境、あるいは通商分野に興味が強く、資源エネルギーの方はあまり担当していませんから、「私も使用済み核燃料プールがあんなに原子炉の近くにあるとは知らなかったんです」と反省の弁を述べています。岡田さんは3人のお子さんを大学卒業まで育て上げていますから、今、子育て中のママさんとは環境が違います。ただ、少なくとも、私は、岡田さんがああやっているのだから、大丈夫なんだろうな、と思っています。
岡田さんは、「日本シリーズが行われていますが、私的には、もうシーズンは終わりました」としています。今年の日本シリーズには、福岡ソフトバンクホークスが今の球団名になってから初めて出場しているほか、落合監督の退任が決まっている中日ドラゴンズが出ています。ところで、岡田さんの実弟は中日新聞社(東京新聞)の編集局部長ですから、中日グループの幹部社員です。また、岡田さんのお父さんが事実上創業し、お兄さんが社長を務める「イオン」は戦後最初に四日市で新聞チラシを出した会社ですから、中日新聞社に対してはある程度の影響力(トヨタ自動車ほどではないが)あります。でも、「私的には日本シリーズが終わった」。金持ちも楽じゃないですが、岡田克也さんの2011年は、大きな政治家としてのステップになったことは間違いありません。岡田さんが心の余裕を取り戻したと言うより、岡田さんはずっと心に余裕があったようですが、国民の心持ちをいろいろと見ていたのだと考えます。
もちろん、「3・11」「東北」を風化させては、忘れてはいけません。
なお、当ブログとしては、応援する政治家に関しては、当分イチイチ考えなくて良いので楽だとホッとしています。
日本をあきらめない。岡田克也。
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さあいよいよ、アジア太平洋新時代の幕開けです。
80年前の大恐慌、関東大震災の後は、大東亜共栄圏という実態のない(ただし、満州国に関しては実態がありすぎ)ブロック経済化の肉付け作業、すなわち太平洋戦争で、ジリ貧、ドカ貧のすえ、主権を失った日本。
しかし、今はデモクラシーとグローバリゼーションとインターネットの時代。同じ失敗はありません。民主党の岡田克也最高顧問は昨年11月4日の記者会見で、「APEC(アジア太平洋経済協力会議)が横浜で開催されるということで、非常に大きな会議で、なかなか大変なんですね。(略)いままでは成功の歴史ですから、やはりアジア太平洋圏で、自由経済、自由市場というものを努力しながら作ってきたと。そして確かにAPECができて以来、アジア太平洋地域の経済発展というのは世界の中でも抜きん出ているので、そういう成功の上に立ってさらに歩みを進めていただきたいと思っています」としゃべっています。
歴史の教科書に載るでしょう、2011年11月12日・13日の「APEC USA 2011首脳会議」。今年1年間、アメリカが議長国だったので、「USA 2011」という表記にしたのでしょうが、太平洋の真ん中「ハワイ ホノルル」です。私たち日本人にとっても縁のある土地です。
昨年に続き、ことしも民族衣装は見送られたので、野田佳彦さんのアロハシャツ姿は残念ながら見られませんでしたが、集合写真では、オバマ米大統領とブルネイ・ダルサラーム国のボルキア国王陛下に挟まれ中央真ん中に収まりました。
玄葉光一郎外相は、ヒラリー・クリントン米国務長官と会談しました。冒頭、英語が堪能な玄葉さんがヒラリーさんにジョークを言って笑いが起こるシーンがありました。玄葉さんは、第146代外相にして、初めてのミッション系(キリスト教カトリック)大学卒業の外相です。上智大学法学部卒です。とはいえ、同じく聖心女子大学卒業の緒方貞子さんが国連難民高等弁務官(UNHCR)になったのは21年前ですから、いかに日本が人材活用システムができていない国かということがつくづく感じます。これではダメです。今後、国民は英語ができない政治家を首相、外相や、接遇の多い衆議院議長、参議院議長などに起用しないよう監視を強めるべきです。
玄葉光一郎外相とクリントン国務長官、2011年11月11日、米国ハワイ・ホノルル、外務省ホームページから。
英語文化(源はキリスト教文明)への深い理解があるから、玄葉さんのジョークは受けるんですね。これは東大法学部のガリ勉英語ではできません。外相会談の細かい事項は、官僚の通訳に任せて、もちろん、日本を代表している立場である以上、外交では独立国である以上、国語(日本語)を使うのが前提です。しかし、外交といっても、要は人と人とのつながりです。
玄葉外相の軽妙洒脱なトークで盛り上がるクリントン国務長官ら。右端は経産大臣の枝野幸男さん。2011年APEC閣僚会合、米国ハワイ・ホノルル、外務省ホームページから。
前専務理事のストロスカーン容疑者逮捕の後、IMF専務理事になったラガルドさんと、安住淳・財務大臣、2011年11月12日、ハワイ・ホノルル。財務省ホームページから。
野田首相、玄葉外相、安住財務大臣が日本を大きく前に進めました。TPP(環太平洋パートナーシップ条約)の交渉の事前協議に参加しました。これは国論を二分するどころから、家族も二分する問題です。たいてい、親は反対で、子は賛成でしょう。親は変化を避け、子は変化を求めます。大震災、大恐慌の後、大東亜共栄圏に踏み出した過去を教訓に、「程度問題」で日本を豊かにしていく。第一の開国のときの福井藩士・益田孝を知っていますでしょうか。彼は横浜の地で三井物産を創設し、初代社長になりましたが、直後に三井本家から出資金を全額引きあげられ、苦労しました。日本のコメを日本の船で欧州に輸出して大もうけしました。またミナト浜の仲間のために、「中外物価新報」を創刊しました。これが今の「日本経済新聞」です。私は日本経済新聞横浜支局記者を3年半務めましたが、例えば「サカタのタネ」の本社は横浜にあります。意外でしょうが歴史を考えれば当然です。横浜スタジアムは「日本最初の野球場の跡地」だし、日本最初のゴルフ場、日本最初のテニス場、日本最初の競馬場と「日本最初の~~」というありきたりな定番記事はカバンの中いっぱいにネタが詰まっていて、むしろ書ききれないのが悩みでした。でも簡単な話です。野球も、ゴルフも、テニスも、競馬もすべて太平洋(+大西洋)を渡って、横浜港から上陸したのですから、最初にプレーされたのが横浜なのは当たり前のことです。そして、対岸に羽田空港ができてからも、やはり貨物は船便が主流ですから、「横浜という街は、隣町である東京という街よりも、勤務時間は3分の1、収入は8割以上、可処分所得は同じぐらい、可処分時間は2倍(すべて当ブログ調べ)」というのんびりした豊かな街です。ワールドカップ以降少し失速しているようですが、住みやすい街です。TPPは良い、悪いではなく、程度問題です。ただ、「松岡洋右が国際連盟に脱退状を突き付けて会場から退場する」シーンを拍手喝采するようではいけません。外交交渉ですから、間接デモクラシーとして、信頼できる人間に任せましょう。とにかく、「松岡洋右は出すな」ということは、これは推進派、慎重派、反対派とも共通認識にしたいところです。
追伸。
鉢呂吉雄さんもよく頑張った!!
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[写真]須藤正彦・最高裁判所判事、裁判所ホームーページから。
まさに現代の大岡裁きと言えるでしょう。
最高裁判所・大法廷(裁判長=竹崎博允・最高裁判所長官)は2011年3月23日の判決(最大判)で、「1人別枠方式を採用した本件区割規程は憲法に違反し、本件選挙(小選挙区)は違法である」として、第45回衆院選は違法だとしました。そのうえで、原告(職業は弁護士)らが求めた「東京18区など合計8つの選挙区の選挙は無効だ」との請求は「事情判決の法理によって請求を棄却する」としました。
現在開会中の第179臨時国会では、国対委員長も務めた公明党の東順治さんらが、9党による「衆議院選挙制度に関する各党協議会」(座長・樽床伸二民主党幹事長代行)をつくり、協議しています。このなかで、民主党と自民党は今国会に定数是正を先行させて「衆議院選挙区区割り画定審議会設置法」を改正し、定数削減と選挙制度改革はその付則に盛り込むことで合意した、と報じられています。一方で、7党の少数政党は「抜本改革が必要だ」として抵抗しています。
改めて、3月23日の最高裁大法廷判決を読み直すと、弁護士出身の須藤正彦・判事が書いた補足意見の中で、「小選挙区制では、一定の実績と継続的活動能力がある政党の所属者が当選しやすくなり、2大政党の形成が容易になり、政権交代の可能性が高くなる」「政権交代はこれら多数派政党(2大政党)間で行われ、国政の連続性・安定性が確保できる」として、2大政党のメリットを認めました。
最高裁が2大政党のメリットを判決文で認めたのは、この平成23年3月23日最大判の須藤意見が初めてだと思われます。今後、岩波書店の芦辺『憲法』などの最新版にも盛り込まれることになるでしょう。
公明党など少数7政党はこの判決の重みをよく考えるべきです。もちろん15裁判官中1裁判官の意見ですが、この裁判は1票の格差の是正と第45回衆院選の無効を求めた裁判であり、2大政党デモクラシーの是非を問うた裁判ではありません。従前より、弁護士出身の最高裁判事は、職業裁判官、学者、官僚出身の判事よりも軽妙洒脱な判決文を書く傾向があり、須藤意見もそれに沿ったものではないでしょうか。ちなみに最高裁ホームページによると、須藤判事は中央大学法学部卒。2年後に司法修習生になり、「東京弁護士会」に所属し、副会長に。1991年に法学博士をとり、2008年には地労委(東京都労働委員会)の委員も務めました。政権交代直後の2009年12月28日に最高裁判事となりました。ホームページでは、裁判官としての心構えとして「40年間の弁護士生活で培った在野精神,市民感覚をもとに,適正な洞察と判断,手堅くかつ迅速な処理に努めたい。社会がますます高度化,複雑化,国際化の度を強めている今日の状況下にあって,大局的かつ複眼的な見地を失わないようにしたいとも思っております」としており、今回の大岡裁きに通じるものを感じさせます。スキな言葉はサン=テグジュペリで内藤濯(ないとう・あろう)翻訳の『星の王子さま』(岩波少年文庫)の「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」。このほか、相田みつをさんの「つまづいたって いいじゃないか人間だもの」をあげています。
政党間協議のほかに、今国会から衆院予算委員にもなった東順治・公明党元国対委員長(比例単独九州ブロック)は11月10日の平成23年3次補正しめくくり質疑のなかで、「40%台の得票率で70%台の議席をとるのはどう考えても理屈に合わない」とし、「物の本によると~~」を連発しながら、欧州などで小選挙区制から比例代表制に移行していると主張しました。しかし、わが国のデモクラシーは欧州の各国議会のような成熟した段階にはありません。欧州では国境が近いですから、他国を相対化しやすく、「ギリシャやイタリアのようにならないようにしないとな」という意識が庶民の間でもわきます。野田佳彦首相は「私は小選挙区の光と影を両方体験しました。光とは、前回の(第45回衆院選の)ダイナミックな政権交代です。影とは、最初の(第41回衆院選)での惜敗率99%の落選で、死に票をたくさんつくってしまったことだ」と答弁しました。そのうえで、野田首相は「今の政治の閉塞感は選挙制度だけでなく、衆参がねじれた場合の両院協議会など国会の中の改革もある」と主張しました。私は野田さんの答弁に全面的に同意します。
[画像]竹崎博允・最高裁長官、議会開設120年記念式典、参院本会議場、2010年11月29日、参議院インターネット審議中継から。
ガバナンスとは、政府だけでなく、衆議院、参議院、最高裁、そして自治体が分担するものです。最高裁大法廷判決を少数政党7党はよく読み直すべきです。また、この須藤意見は、2大政党デモクラシーのメリットをスッキリと解きほぐしてくれていますから、学校・大学の教材や、入学試験などにも広く活用されてしかるべきでしょう。スッキリ読めます。
最高裁大法廷の2011年3月23日の判決の須藤正彦判事(弁護士出身)の補足意見をよく読み直すべきです。そして、7つの少数政党は、せっかく比例代表制が並立しているのですから、比例で足場を固めた上で、小選挙区でも、民主党ないし自民党のどちらか一翼を襲って、2大政党になればいいじゃないですか。イギリスの労働党は20世紀前半に二大政党になり、連立を組みながら力を携え、世紀をまたぐときには、3期連続で単独で政権を担いました。昨年5月からは下野していますが、影の内閣が与党時代の自己批判も含めて、積極的にメッセージを発しています。
[上記判決文の20ページから24ページから引用はじめ]
裁判官須藤正彦の補足意見は,次のとおりである。
私は,遅くとも本件選挙時においては1人別枠方式が憲法の投票価値の平等の要求に反する状態になっていたとの多数意見に賛成するものであり,また,候補者届出政党の選挙運動に関する公職選挙法の規定が合憲であるとの多数意見に賛成するものであるが,なお,人口の少ない県に対する配慮と衆議院における投票価値の平等との関係で,次の1の点を補足するとともに,候補者届出政党の選挙運動に関する公職選挙法の規定を合憲と考える理由につき,小選挙区制選挙制度の観点から,次の2の点を補足しておきたい。
(略)
選挙制度の仕組みをどのようなものにするかは国民の選択,具体的には国会の広範な立法裁量に委ねられるところ,現行の衆議院議員選挙制度は,小選挙区制の選挙制度を中心とし,これによって政策本位,政党本位の選挙制度としているといえる。しかるところ,この小選挙区制の選挙制度の下では,一つの選挙区から1人の議員しか当選しない仕組みが採られている。その結果,一定の実績と継続的活動能力を有すると認められる政党の所属者が当選しやすくなり,そうすると,国会での多数派ないし2大政党の形成が容易になり,政権交代の可能性が高くなる一方において,政権交代はこれら多数派政党間で行われ,国政の連続性,安定性の確保が図られ得るといえる。そして,小選挙区制の選挙制度の趣旨・目的についての以上の捉え方よりすれば,それは,国会において一定の実績と継続的活動能力を有すると認められる政党による論争・審議が中心となることが前提とされているといい得るし,また,そのような考え方を重視すると,その一環ないし延長として,飽くまで合理性を是認し得ないほどに候補者間の平等を害しない範囲においてではあるが,一定の実績と継続的な活動能力の存在を示す一定の要件を備えた政党について,その政策や所属候補者についての情報など投票のための判断資料が選挙民に十分に伝わるように,候補者個人とは別に選挙運動を認めるという考え方も生じ得よう。もとより,民主主義社会にとって,多様性は生命線ともいうべきもので,小政党や無所属の者の表現の自由が侵されたり,少数意見が封じられることがあってはならないのは当然であるが,上記の考え方は,議会制民主主義の機能発揮という憲法上の理念に合致する面を有しており,賛否はいずれにしても,一定の合理性が認められる一つの考え方として成り立ち得ると思われるのである。
[引用おわり]
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[写真]自民党の片山さつき参院議員(全国比例、2016年改選)
【2011年11月15日(火) 衆院本会議】
修正協議が続いていた、二重ローン法案こと「株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案」(177国会参法12号)が衆院本会議で修正可決しました。参院へ回付(かいふ)されます。参法(参議院での議員立法)が衆院で可決するのは、憲政史上3度目。筆頭発議者では、久保亘さん、佐藤正久さん、そして、片山さつきさんで3人目となります。
衆院の古賀一成・東日本大震災復興特別委員長の報告によると、この法案は、7月29日に参院本会議で修正可決。8月11日に衆院・復興特別委に付託され、8月25日に発議者を代表して、自民党の「片山さつき君から法案の趣旨説明を聴取」し、みんなの党の「桜内文城君から法案審査の経過を聴取」しました。その後、継続審査になり、今国会で、民主党・自民党・公明党・社民党・国民新党・たちあがれ日本の6派共同提案で修正案が出され、修正案は賛成多数で、みんなの党が反対しました。が、法の土台となる原案は全会一致で可決されました。なお、前日の委員会審議によると、衆院での修正実務者は、民主党が近藤洋介さん、自民党が谷公一さんというおなじみのメンバーだったようです。
[画像]二重ローン法案の衆院での審査経過を報告する古賀一成・衆院震災復興特別委員長、2011年11月15日、衆院本会議。
[写真]みんなの党の桜内文城参院議員(全国比例、2016年改選)
ここで良かったのは、委員長報告の中で名前が出たので、「片山さつき参院議員」「桜内文城参院議員」の2人が衆院本会議の会議録に載って、これはインターネットでも、官報でも載りますから、名前が残ることです。参法が最初に衆院で可決し、成立した「改正学校教職員の産休に関する法律」の発議者だった、久保亘さんは後に副総理・大蔵大臣を務め、民主党参院議員会長や倫理委員長を務めています。ですから、震災国会で法案をつくった、佐藤正久隊長や、片山参院議員、桜内さんも後々出世するのではないでしょうか。
スポーツ基本法などは、スポーツ推進議員連盟というような、超党派の議連が提出した法案で、こういうのははじめから各党派の賛成が得られるので、法律になりやすいです。議員連盟方式では、先の通常国会(第177国会)で、「歯科口腔保健推進法(足立法)」(平成23年法律95号)を足立信也さんが延長国会の“スキ”を突いて、あざやかに参院厚労委員長提出法案として成立させました。超党派議連とはいえ、10年来、なかなか法律にならなかたようですが、だらけた時期にサッと参院、衆院を通しました。ちなみに、ある国会議員が新聞を騒がせている「トロイの木馬」メールに感染したのもこの時期で、こういうときの過ごし方に、国会議員の政治家以前に人間としてのあり方(性根)が見えてきます。その点、足立さんはさすがです。
第177国会での原子力賠償支援機構法(佐藤法)は、議連方式ではありません。自民党衆参の福島選出・出身議員が木曜日に昼食をとりながら震災・原子力災害の打ち合わせをしたことから派生した法律です。
東日本大震災関連義援金の差し押さえの禁止などに関する法律(前川法)平成23年法律103号)は、与党民主党の弁護士、前川清成さんのいわば“義憤”とも呼べる正義心が自民党が委員長を務める災害対策特別委員長が提出する格好で法律になったものです。ちなみにこの時点で、「東日本大震災復興特別委員会」はすでに参議院に設けられていたのですが、先輩らも協力して前川法を法律にしました。なお、この法律の原案(177参法14号)も参議院ホームページに残っています。
[写真]足立信也・参院議員、民主党、大分、2016年改選。
[写真]佐藤正久・影の防衛副大臣、参院自民党、全国比例、2013年改選。
[写真]前川清成(まえかわ・きよしげ)参院経済産業委員長、民主党、奈良、2016年改選。
二重ローン対策法案(片山法案)は、片山さつきさんが東北でシンポジウムを開くなど、ぐいぐい引っ張りました。実は、ある民主党の1期生衆院議員がこの法案とそっくりのスキーム(骨格)を考えすでに業界誌で報道されていた議員もいたのですが、提出には至りませんでした。「片山さつきさんは、(議席数からして)通るわけがない法案を出して、『民主党が否決した』と騒ぐのではないか」と勘ぐっていましたが、国会支持率があまりにも下がってしまったので、与党・民主党も通さざるを得なくなりました。ねじれという構造を、震災というエンジンが押し通したわけで、ドリルのようにねじれを力に変えたことになります。ただ、いかんせんスピードは遅いですが、衆参ねじれは直近の民意(2010年7月11日の第22回参院選)ですから、しかたありません。それがデモクラシーです。
法案は衆院で修正したので、参院で再度議決(同意)します。このことを「回付(かいふ)」といいます。今週中には成立すると思いますが、とにもかくにも、こういった形で、片山さん、桜内さんの名前が残ったのは良かったと思います。棋士の羽生善治さんは7冠王になったとき、「タイトルよりも、後世に残る棋譜を残したい」と言っています。衆院はすでに任期が折り返し、次の国会で解散する見通しですから今さら間に合いません。が、参議院議員はぜひ任期中に1本ぐらい議員立法を出してほしいと考えます。例えば、岡田克也幹事長の下で副幹事長を務めた参院議員は、予算委員会でのヒット質問だった、外資による森林の買い占めに関するプロジェクトチームをつくっています。これなんかは、「日本版エクソン・フロリオ条項」のような議員立法をつくってほしいと考えます。別に民主党が与党でも野党でもいいわけですが、発議者はしっかり答弁もできないといけません。
がんばってください。
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[写真]民主党参院議員の平田健二さん
民主党・新緑風会(参院民主党)は11日の臨時議員総会で、輿石東会長(任期は次期通常国会まで)の発案により、平田健二さん(参院岐阜選挙区=2人区)を14日(月)の参院本会議の議長選挙で候補にすることを決めました。
第29代(20人目)の参議院議長になります。労働運動出身者の議長は初めて。「二大政党」をめざした新進党勢からは4代連続の議長となります。
もちろん「選挙による政権交代による二大政党時代の幕開け」という意味では、北澤俊美さんがふさわしかったのは言うまでもありません。しかし、衆参ねじれの中、安定した参議院運営、中立・公平な運営ではなく、安定した運営のためには、平田議長でやむを得ないところでしょう。平田健二さんは2009年5月から9月の政権交代までの4ヶ月間、野田佳彦さんと2人で民主党幹事長代理を務め、岡田克也幹事長(2期目)を支えました。
議長の任期は慣例により、第23回参院選(2013年7月ごろ)までということになりそうです。
日本最初の労働組合であり、現在も日本最大の産別である「UIゼンセン同盟」(旧・ゼンセン同盟)の出身者です。このため、小沢一郎氏の新進党解党後「新党友愛」に所属しました。私も日経新聞記者として、あるいは会社員として入社2年目で、初めて一人で任された担当が「新党友愛」ですし、政治の見方、組織のあり方、そして自信を僕に与えてくれた政党です。憲政史にわずか4ヶ月だけ存在した誰も知らない政党ですが、新党友愛担当だったことを誇りに思っています。
またUIゼンセン同盟ですから、民社協会員であり、民社初の三権の長となります。ただ、平田さんは2人区の岐阜選挙区選出ということもあってか、あまり民社協会には顔を出していないようです。
私としては、TPPで大騒ぎする衆院を横目に、ある状況証拠から北澤俊美さんが議長になるのではないかと勝手に断定して、予定稿の執筆のために、古い写真、古い資料、あるいはかつての議事録(私自身初めて知る内容も多かったです)を読み込んでいて、俊美さんが「二大政党」の立て役者の一人だし、「二大政党(野党になったこと)」が北澤俊美という政治家を飛躍的に成長させた軌跡をあらためて確認していたので、お昼のNHKニュースを見て、意気消沈してしまいました。しかし、当面は民自公ですから、ここは出る場面ではないのでしょう。なお北澤議員の任期は2016年7月10日までです。
平田次期議長は、次の衆院選の後は、野党出身の参院議長として苦労するかもしれません。ただ、国難において、参院民主党からの複数の離党者・造反者は絶対に出してはいけないし、参院自民党、参院公明党も採決造反者は絶対に出してはいけない。与野党が逆転しても、平田議長・尾辻副議長の体制は存続すべきでしょう。前回の衆参ねじれのときから第1会派第2会派に関係なく、「与党から予算委員長、野党から議運委員長を出す」という申し合わせがありますので、民主党と自民党とのトレードはあるかも知れません。
国民はもうちょとだけ参議院に対して辛抱すべきでしょう。国難の時に辛抱が必要です。ただし、辛抱とは「口出ししない」という意味ではなく、「口出しした上で決定には従う」ということをより徹底すべきだという意味です。ただ、例え1人でも参議院で派手な立ち回りをする議員が出たら、国民は、衆議院も含めて政党政治を見放し、国がつぶれます。国民のデモクラシーへのアクセス権、政治を国民の手に取り戻す上で、「プロセスの透明化と正統性」が大事です。その時期の参議院議員のパフォーマンス(投票への造反)などは絶対に許されない。比較論として、国民の権利の前に、今現在の参議院議員には表現の自由は存在しない。かりにあれば参議院は廃院です。よく肝に銘じてほしい。
【芦田甚之助・第2代連合会長のご冥福をお祈りします】
芦田甚之助・連合2代目会長が2011年11月10日亡くなりました。また、宇佐美忠信・連合顧問(旧同盟元会長)も2011年11月10日亡くなりました。ともに「ゼンセン同盟」(現在のUIゼンセン同盟)の会長経験者です。あたかもUIゼンセン同盟の後輩、あるいは労働運動から初めての参議院議長誕生と入れ替わるようです。心よりご冥福をお祈りいたします。
芦田さんは「橋本行革」の委員として、取りまとめに努力していたことを思い出します。行政改革会議(橋本龍太郎会長)では、猪口邦子委員、渡邉恒雄委員、諸井虔委員らがさっと返答する中、芦田委員がいったん連合へ持ち帰ることが多く、会議の進捗状況が遅れました。そのため記者からは芦田委員に不満が出ました。しかし、今から振り返ると、やっと分かるのです。芦田さんは連合発足後、初めての旧同盟系の会長です。旧総評系には、自治労と日教組という公務員労組があります。自治労には国の社会保険庁の労働組合も加盟していました。芦田さんが委員を引き受けたことは国益に資する貢献でした。そのため、橋本首相は、連合の集会に参加し、芦田会長のことを「元上司」と呼んで、その功績を讃えました。橋本龍太郎さんは紡績会社員でしたから、ゼンセン同盟員だったんですね。来年8月1日の友愛会100周年の時点で、UIゼンセン同盟出身者が参議院議長ということは確実でしょう。そういう意味では、昔の教科書に載っていた「衆議院は地域代表、参議院は職能代表」というの現実のものとなった気がします。尊敬されるUIゼンセン同盟員、尊敬される参議院議長であってほしいです。
[連合のホームページ内から引用はじめ(pdfファイルよりコピー&テースト)]
連合元会長・芦田甚之助さんのご逝去にあたって 2011年11月11日
日本労働組合総連合会 会長 古賀 伸明
昨日早朝、連合元会長の芦田甚之助さんが享年77歳でご逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
芦田さんは、1994年10月から3年間、第2代連合会長を務められました。1995年当時は急激な円高で1ドルが80円を突破し、また、同年1月には阪神淡路大震災にも見舞われました。円高などで悪化した雇用情勢に対しては100万人雇用創出案をまとめ政府に働きかけ、阪神淡路大震災に際しては連合ボランティアの派遣などの取り組みに陣頭指揮をとられました。
また、労働者、生活者のための政策・制度の実現に精力的に取り組み、介護休業制度や介護保険制度の導入、実効ある男女雇用平等法の実現などに多大な貢献をされました。
芦田さんの功績は、現在の連合運動の尊い礎であり、その精神は私たちに受け継がれております。
芦田さんのご冥福を改めてお祈りするとともに、わたしたちは今後とも芦田さんの尊い志をしっかりと胸に刻み、連合運動の発展に邁進いたします。どうぞ安らかにお眠りください。
合 掌
[引用おわり]
[連合のホームページ内から引用はじめ(pdfファイルよりコピー&テースト)]
連合顧問・宇佐美忠信さんのご逝去にあたって 2011年11月11日
日本労働組合総連合会
会長 古賀伸明
昨10日、連合顧問の宇佐美忠信さんが、享年86歳でご逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
宇佐美さんは、日本の労働界の悲願であった労働戦線の統一に向け大きな役割を果たされました。統一に向けた「基本構想」の策定に携わり、同盟の会長としてその解散を決断し、1987年11月の全日本民間労働組合連合会(民間連合)結成に貢献されました。連合の前身であるこの「民間連合」では会長代理を務められ、また、国際労働財団(JILAF)の設立に尽力し、その初代理事長を務めるなど、国際労働運動の分野でも多大な貢献をされました。
労働戦線の統一という困難な大事業に貢献された宇佐美さんの功績が礎となって、連合の現在があることを想起し、改めて宇佐美さんのご冥福を心よりお祈りします。私たちはその遺志を引き継ぎ、今後とも連合運動の発展に全力を尽くしてまいります。
合 掌
[引用おわり]
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野田佳彦首相は2011年11月10日朝の衆院予算委員会の第3次補正予算(案)のしめくくり質疑で、伊吹文明元財務大臣の「現在(予算措置が必要な)二重ローンなどの修正協議が進んでいるので確認したい。予算額が増える必要がある。4次補正はあるのか?」との質問に答えました。野田さんは「今は(第3次補正の)成立をお願いしている」としたうえで、「追加的な財政需要が必要になれば予算措置をお願いすることになる」と述べて、4次補正予算(案)の編成、国会提出を否定しませんでした。
自民党や公明党は二重ローン法案(片山さつきさんら参院自民党など野党が提出し、参院可決済み)の成立を秋の臨時国会(第178回国会と今第179国会)の3点セットに提示しています。この議員提出法案では、「初年度200億円の予算が必要」と書かれています。
4次補正については、きょうの朝日新聞最終版が1面で、触れています。これは、TPP交渉参加の見返りとして、農水省の農地の規模拡大や担い手育成などの平成24年度当初予算(案)への見積もり(概算要求)を、前倒しして執行するという案があるとの趣旨だと思われます。私見として、「JA農協のごね得」という感もあります。
仮に4次補正予算(案)が提出される場合は、第180通常国会の冒頭になります。この場合、通常国会の召集が2週間程度前倒しになるかもしれません。二大政党は、2012年1月16日に民主党大会、1月22日に自民党大会を予定していますが、自民党大会よりも前の召集になる可能性が高くなります。
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[写真]藤井裕久さん=民主党機関誌「プレス民主」に載った写真から。
平成23年度第3次補正予算案は9日、基本的質疑に続いて、一般的質疑をしました。報道によると、きょうの総括質疑の後、採決。民主党、自民党、公明党などが賛成し、衆院本会議に緊急上程され、可決。参院に送る見通しとなったようです。民自公3党は参院の過半数を占めていますから、参院でも可決され、両院協議会なしに、来週末前後に成立することになりそうです。ただ、復興債の発行や「郵政改革法案(176国会閣法1~3号)の早期成立」を盛り込んだ復興財源確保法案(179国会閣法4号)の民自公の修正協議が手間取り、これは来週にずれ込みそうです。
7日(月)の本会議で、日本共産党の佐々木憲昭議員から指摘がありました。
第173臨時国会の平成21年(2009年)11月17日の衆院財務金融委員会で、佐々木議員は次のような質問をしています。
「(麻生自民党内閣の2009年の)第171通常国会で成立をいたしました所得税法等の一部を改正する法律というのがあります。その附則に、附則104条というのがありまして、その中には、『遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成23年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする。』と記されております。つまり、2年後(2012年3月31日)までに消費税増税法案を国会に提出するということであります。これは(民主党マニフェストなどの解釈では)4年間は上げないわけですから、2年後に増税法案を提出するというこの規定は、内閣の立場からいえば大変矛盾する規定でありまして、この消費税引き上げ条項といいますか、この部分、修正する必要が私はあると思うんですが、財務大臣、どのようにお考えでしょうか」
として、魔法の言葉である「付則104条」を改正すべきではないかと質しています。これについて、藤井さんはひと言で次のように答えています。
「私は、決して他の党がやったからとは言いません。法律である以上は、あらゆる人間がそれに従うというふうに考えておりますが、でき得れば修正をするのが筋だと思っております」
と答弁しています。これは藤井さんが「付則104条」がいわば政権への“地雷”であり、これを改正しておかないと、いずれ虎の尾を踏むという危機感を持っていたことの裏返しです。このような様々な危機感のもと、藤井さんは、民主党政権最初の当初予算の政府原案を組み上げたところで、入院し、辞任してしまいました。ちなみに、この佐々木・藤井問答は、政権交代後に最初に衆院を通過した法案の審議での質疑と答弁です。佐々木さんはいきなり目に見えないカウンターパンチを与えたことになります。この法案(中小企業金融など円滑化法=亀井・大塚リスケ法)は、まだ衆参がねじれてなかったので、小沢・山岡国対が強行採決しました。なお、最初に成立(参院で可決した)した法律は「改正自衛隊給与法」(主な答弁者は北澤俊美防衛相)です。まだ衆参ねじれていなかったのに、強行採決したのは、これは地雷ではなく、自爆です。
この単純な藤井答弁に対して、佐々木さんはひと言だけ次のように述べて、話題を変えます。
「わかりました。それでは、2年の前に、つまりその時期(2012年3月31日までの“国会提出”の期限)に来る前に当然修正を内閣として提案するということだと確認をいたしました」。
あの暑い夏の総選挙から2ヶ月半後、鳩山内閣発足からちょうど2ヶ月後に、佐々木さんが解散に向けた“地雷”を設置していたことがうかがえます。
で、あんまり先のことばかり書いていても訳が分からなくなるでしょう。昨日ようやく衆院ホームページにアップされた「財源確保法案」の「附則第13条」に次のように書かかれているのを見つけましたので、ご報告します。
[衆議院ホームページ議案から引用はじめ]
「附則 第十三条 政府は、前条第一項各号に掲げる措置のほか、租税収入以外の収入による償還費用の財源を確保するため、日本郵政株式会社の株式(日本郵政株式会社法(平成23年法律第▼▼▼号)第三条の規定により政府が保有していなければならない議決権に係る株式を除く。)について、日本郵政株式会社の経営の状況、収益の見通しその他の事情を勘案しつつ処分の在り方を検討し、その結果に基づいて、できる限り早期に処分するものとする。」
[引用おわり]
「日本郵政株式会社法」(176閣法2号)はまだ「法案」であり、「平成二十三年法律▼▼▼号」という陛下の御名御璽が入って公布し、官報に掲載するときにつく法律番号がありません。しかも「平成23年」と書いていますが、これは当然今第179臨時国会で成立するという前提になっていますが、法案はまだ審議入りしていません。また、「租税収入以外の収入による償還費用の財源を確保するため」「できる限り早期に処分する」というのは、翻訳すれば「東日本大震災復興債の償還に充てるためだけに、税外収入(埋蔵金)として、売却する」という意味です。これだけの政治判断が法律で縛られる。財務官僚には選挙がありません。選挙の結果で左右されないように、こうやって書き込んでいくわけです。こういうことは繰り返され、自民党長期政権ではそれで良かったのですが、政権交代可能な二大政党デモクラシーを定着させるために、いわば“移植後の拒絶反応”がこうしてすさまじく起きているのです。その代わりに、いろいろな情報が出てきています。どうしても散発的に出てくるので、不安や不信が国内外に高まりますが、これもまた過去からの金額の明示がない負債ですから、しかたありません。
あくまでも予想として、来年の旧暦で夏以降に、第46回総選挙があるでしょう。そのとき、私たち有権者が民主党政権を選んでも、あるいは自民党主導の政権を選んでもいいんでしょう。その後の政権で、「附則13条」が“ちちんぷいぷい”魔法の言葉のように答弁を縛ることにならなければいいのですが。法律である以上は、あらゆる人間がそれに従うものです。
で、まずは、与党議員だからと言って、思い付きで政策を話さずに、藤井さんら筋の良い長老の話を聞くべきです。そして、予算書を読むなど財政を体系的に勉強すべきです。例えば「特別会計の予算総則の第5条」に何と書いてあるか、知っているでしょうか?
そして、財務省は「附則13条」などというように“地雷”を敷設するのは、デモクラシーのプロセスを不透明にするので、なるべくやめるべきだと自戒すべき。まあ、気持ちは分からないでもないですが。そして、二大政党が互いに政権に注意し合い、しっかりと情報公開できるしくみをつくっていきましょう。野党・自民党には、官僚からもだいぶ情報が行っているようですし、自治体からの情報はむしろ、自民党・公明党の方が多いようにもうかがえる昨今です。民主党の人材の見極めというのも必要でしょう。与党だろうが野党だろうが2期生にすべきなのは、香川2区の玉木雄一郎さん、神奈川16区の後藤祐一さん、群馬3区の柿沼正明さん、石川3区の近藤和也さん、静岡8区の斉藤進さん、岐阜5区の阿知波吉信さん、静岡3区の小山展弘さん、岐阜1区の柴橋正直さんらであり、彼らを失ったら元の黙阿弥。あるいは無所属になってしまいどこの選挙区か分からないのですが横粂勝仁さんも、だれか背中を押してくれるたらいいなあと感じます。
まあ、来年6月にも、総選挙になるかもしれませんから、私たち有権者もそろそろ準備しましょう。きょうを嘆くより、前を見ましょう。
◇
[国会議事録から引用はじめ]
第173回国会 財務金融委員会 第2号
平成二十一年十一月十七日(火曜日)
(略)
○佐々木(憲)委員 非常に明快な答弁だったと思います。少なくとも、この内閣としては四年間上げない、これは三党合意の中でも書かれている点でございます。
そこで、少し具体的にお聞きしますけれども、百七十一通常国会で成立をいたしました所得税法等の一部を改正する法律というのがあります。その附則に、附則百四条というのがありまして、その中には、「遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成二十三年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする。」と記されております。つまり、二年後までに消費税増税法案を国会に提出するということであります。
これは四年間は上げないわけですから、二年後に増税法案を提出するというこの規定は、内閣の立場からいえば大変矛盾する規定でありまして、この消費税引き上げ条項といいますか、この部分、修正する必要が私はあると思うんですが、財務大臣、どのようにお考えでしょうか。
○藤井国務大臣 私は、決して他の党がやったからとは言いません。法律である以上は、あらゆる人間がそれに従うというふうに考えておりますが、でき得れば修正をするのが筋だと思っております。
○佐々木(憲)委員 わかりました。それでは、二年の前に、つまりその時期に来る前に当然修正を内閣として提案するということだと確認をいたしました。
(後略)
[国会議事録から引用終わり]
◇
[衆議院議案から引用はじめ]
第一七九回
閣第四号
東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案
(略)
附 則
(略)
第十三条 政府は、前条第一項各号に掲げる措置のほか、租税収入以外の収入による償還費用の財源を確保するため、日本郵政株式会社の株式(日本郵政株式会社法(平成二十三年法律第▼▼▼号)第三条の規定により政府が保有していなければならない議決権に係る株式を除く。)について、日本郵政株式会社の経営の状況、収益の見通しその他の事情を勘案しつつ処分の在り方を検討し、その結果に基づいて、できる限り早期に処分するものとする。
(後略)
[衆議院議案から引用終わり]
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(正式な議事録は、衆議院ホームページや国立国会図書館ホームページなどでご確認下さい)。
【2011年11月8日(火) 衆院予算委 第3次補正予算(案)の基本的質疑2日目】
かなり驚きました。
きょうは自民党から、茂木敏充政調会長(影の官房長官)や野田毅税調会長、棚橋泰文さんなど合計8議員が合計7時間以上の質疑をしました。
この中で、野田内閣が「税と社会保障の一体改革成案」の法案化の作業で、「消費税増税法案」が2012年1月~3月(第180通常国会前半)に提出するのに対して、社会保障の4政策(年金、医療、介護、子育て)のメニューはその後に提出する政治日程を描いていることが分かりました。野田毅さんの質問に対して、首相は「(消費)税の引き上げ法案をお願いして、その後、社会保障の一体改革法案はパッケージの中から、法案ができ次第、国会に提出する」と答弁しました。
小宮山洋子・厚生労働大臣は、最低保障年金(満額は月7万円)と、上乗せ分の所得比例年金の創設といった「税と社会保障の一体改革成案」(民主党が党議決定済み)の法案化について、「平成25年度(2013年度)になる」との見通しを示しました。ということは、消費税増税(段階的に10%へ引きあげ)という「料金」を先に提示して、その後から「料理」を提示するというスケジュールになります。私は消費税が目的税化されるとは思っていませんでしたが、てっきり、税と社会保障の一体改革成案が、次の通常国会に関連法案として同時に提出されるものだとばかり思っていました。これには、自民党も多少驚いたようで、1番手の茂木さんが「消費税の引き上げは国際公約か?ではなく、総理のご決意を」と述べ、仮に不成立となった場合は内閣総辞職か衆議院解散するようジャブを浴びせました。そして、4番手の野田毅さんの質問の中で、首相は「先送りできないと言うことは、現在与党の立場にある民主党も、野党の立場にある自民党も共通の認識を持っている」と良い答弁をしましたが、この後、上の答弁が出ました。さらに6番手の棚橋泰文さんが好機と見たようで、畳みかけ、閣議決定のメドや、法案提出について詳しく聞き、古川元久・税と社会保障の一体改革担当大臣がタジタジとなる場面があり、法案が別々に出ることが確実になりました。
[画像](左)好機と見て畳みかけた自民党の棚橋泰文さん (右)タジタジとなった古川元久・税と社会保障の一体改革担当大臣=衆議院インターネット審議中継。
なぜ、私が驚いたかと言うと、社会保障の充実という「料理」がメニュー(法案)として示されていない状態で、消費税増税法案という「料金」だけが示されて、消費税増税法が参議院で可決するとはとうてい思えないからです。
参議院での法案成立には、民主党(105議席)と国民新党(3議席)に加えて、あと、13議席必要です。みんなの党(11)は震災後の国会では、民自公3党の枠組みから外れ、ほとんど無視された状態となっていて、採決の直前に修正案を単独で提出し、否決されるという定番が続いています。ちょっと賛成は考えられません。たちあがれ日本(3)や新党改革(2)が協力しても、どう考えても、社会保障のメニューが出ない状態で、あえて来年の3月~6月ぐらいのときに、民主党内閣提出の消費増税法案を参議院で賛成に回ろうという政党があるとは思えないのです。
ところが、一つだけ可能性がある政党があると思います。それは自民党(82)です。自民党が賛成に回れば法案は可決、成立します。つまり、自民党は法案に賛成する代わりに、衆議院解散の確約を取り付けるのではないでしょうか。そもそも、自民党も昨年夏の参院選で「消費税10%に引きあげ」を公約にしていますし、「付則104条」なるものは、麻生自民党政権時代に成立した法律ですから、あまり消費税増税法案に反対し続けるのは世論の納得が得られないし、総選挙の争点にしたくないでしょう。ならば、今年の「辞任3条件」のように、消費税増税法案、特例公債法案、特別会計法改正案(東日本大震災復興特別会計新設)などの法案を参院で可決・成立した上で、衆議院解散という道筋しかないでしょう。自民党は、月曜日の本会議での西村康稔・影の財務相の質問からこのスケジュールを引き出せて、好感触を得ているように感じ取れます。野田佳彦さんも、よくこの状況で総理を引き受けたものです。何とか、法案を成立させた上で、解散ということになるんでしょう。イバラの道ですが、進むしかないでしょう。衆院選挙区の定数是正は何とか間に合わせられないものでしょうか。
◇
復興債の償還期間は25年間で、民自公3党が合意しました。
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[画像]3次補正予算関連法案の質問に立った西村康稔・影の財務相、2011年11月7日の衆院本会議、衆院インターネット審議中継からキャプチャ。
【2011年11月7日(月)衆院本会議】
珍しいことに、2週連続で月曜日に衆院本会議が開かれました。衆本の定例日ではなく、仮に開かれると、首班指名や施政方針(所信表明)演説などの大型議題がかかります。きょうは正午~午後2時まで、3次補正予算関連法でした。民主党は「関連法案は10本だ」と主張していますが、きょうは「復興の財源確保法案」(179閣法4号)、「地方交付税の総額の改正法案」(179閣法2号)、「地方税法の臨時特例法案」(179閣法3号)の趣旨説明と代表質問がありました。
西村康稔・影の財務相は復興債を歳入とする復興事業に関して透明性を確保するため、特別会計を儲けるべきだとし、野田佳彦首相も平成24年度(2012年度)当初予算から設ける方向で答弁しました。
この後、西村さんが持ち時間の中で再質問をしたので、野田首相のノー原稿の演説が久しぶりに聞けました。
その部分が、報道されています。ただ、以下の記事などはニュアンスが違うと思います。9月以降の体制になってからは、あまり記者会見にも出ていないので、きょうは新聞批評とします。
◇
asahi.com(朝日新聞社):首相、消費増税法案成立後の総選挙を強調 衆院本会議 - 政治
野田佳彦首相は7日の衆院本会議で、社会保障費を賄うための消費増税に関して「(今年度中の)法案提出の暁には成立に全力を尽くし、実施する前には総選挙で民意を問う」と述べ、衆院総選挙を実施する時期は法案成立後とする考えを改めて示した。この日は、震災復興費のため10兆円超の増税をする復興財源確保法案が審議入り。首相は早期成立への協力を求めた。
消費増税法案づくりについて、野田首相は「税率の引き上げ時期は与野党協議などをふまえ決定したい」と与野党協議を呼びかけた。3日の主要20カ国・地域(G20)首脳会議で消費増税を国際公約したことは「国会で何度も申し上げてきた従来の方針だ」と強調した。いずれも自民党の西村康稔氏や公明党の竹内譲氏の質問に答えた。
西村氏は「(消費増税に触れなかった2009年の民主党の)衆院選マニフェストはうそだったと認め、国際公約の前に信を問うのが筋だ」と主張。竹内氏も「復興財源確保の方策を論議しようという時に、消費税引き上げを海外で表明するとは何事か。国民の信を問うべきだ」と批判し、ともに早期の衆院解散・総選挙を求めた。
◇
このほか、共同通信も同趣旨の記事を流しています。「衆院解散総選挙は法案成立後」「早期の解散総選挙を求めた」として、社会保障と税の一体改革法案(消費増税法案)を年内に提出した後に解散するという総理の答弁を中心にしています。しかし、きょうの衆本で、西村影の財務相は再質問で「消費税引き上げ法案が成立しなければ、国際公約に反しますよ。だったら総辞職か、解散するんですね」という趣旨の発言をしています。また公明党の竹内譲さんの質問のほか、日本共産党の佐々木憲昭さんも「国民新党は消費税増税に反対している」として、連立2党にくさびを打ち込む質問をしています。このように、自公共の3党が、今年度中提出(平成21年度の税制改革法の付則104条)する社・税一体改革化法案を参議院で否決するーーおそらく2012年5月~7月?ことで、早期の解散総選挙に追い込む、ないしは話し合い前倒し解散を勝ち取る方針を明確化したというのが、きょうの衆本の感想です。
別段、メディアの陰謀ではありません。夕方のTBSニュース(JNNニュース)などは、西村質問→野田答弁とVTRがつながったので分かりやすかったです。しかし、新聞では「野田首相は~述べた。自民党の西村氏への答弁。」という定型原稿(フォーマット原稿)に基づいて記事を書き、デスクが処理するのでこういうことになるのでしょう。しかし時系列では質問→答弁です。ところが、現在、首相には衆議院解散という大権がありますが、法案を成立させる、すなわち、法案を参議院で可決させる権力はありません。このため、「成立に全力を尽くし、実施する前に総選挙」という動詞のつなぎ方になっているわけです。しかし、これでは衆参ねじれには対応できない。「西村影の財務相は~と述べた。首相は~と答弁した」で良いのではないでしょうか。
私の感覚として、自民党は「消費税すえおき」で第46回総選挙を闘うとは思えません。ですから、「社・税一体改革法案」は、参院でいったん否決のうえ、最終的に修正可決。その見返りとして、前倒し総選挙が来年6月~9月にあるのではないかと推測します。いずれにしろ、参院で否決した場合は、両院協議会をキッチリ開いて欲しい。小泉純一郎首相は郵政民営化法案が参院で否決されるやいなや、両院協議会を開かずに解散し、第44回総選挙になだれ込み、大勝しました。これは国事行為である以上、違憲ではありません。しかし、デモクラシーのプロセス、手続きとして好ましくなく、このスピード感の中、小泉自民党に投票した人は、反省すべきです。
【2011年11月7日(月) 衆院予算委員会】
平成23年度第3次補正予算(案)の基本的質疑1日目となりました。
この中で、民主党の階猛さんが、理事を務める衆院決算・行政監視委員会で「国会で与野党による事業仕分け」をすることを披露すると、野田首相は「政府がお手伝いできることは何でもお申し付けいただきたい。タイヘン良い取り組みだと思います」と述べ、政府が持つ情報の全面提供を確言しました。
自民党の平将明・決算行政監視委員会理事のツイートによると、「衆議院決算・行政監視委員会で行う行政監視質疑(事業仕分け)の対象事業が決まった。①革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラの構築(所謂スーパーコンピュター)②医療費レセプト審査事務③公務員宿舎建設・維持管理に必要な経費④原子力関連予算の独法・公益法人への支出」が対象になるそうです。
ところで、細かいですが、野田さんが笹木竜三さんの質問の中で、「(3・11当日は)参議院の決算行政監視委員会に出ていました」と答弁しましたが、参議院では、「決算委員会」と「行政監視委員会」は別々の常任委員会になっています。野田さんが出ていたのは「参議院決算委員会」の方です。このように衆院第1党(政権政党)の党首である衆院議員でさえ、参議院のことは知らないものだという現実に、衆参ねじれ国会の問題の根深さを感じました。
国民新党幹事長の下地幹郎さんは、財源確保法案で早期成立が盛り込まれている郵政改革法案(176閣法1~3号)成立後の日本郵政株式会社の株式の売却について、公開(上場)後に2年以上かかるとして、平成27年(2016年)ごろからの売却が現実的だとの考えを質問の中で示しました。
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