【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

伊吹文明議長が自民党議場内交渉係を叱る 首相「定数削減法案ただちに成立」大畠章宏さんの再質問

2013年03月04日 23時59分59秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

(このエントリーの初投稿日時は2013年3月5日午前6時、バックデート)

【衆議院本会議 2013年3月4日(月) 政府4演説に対する各党代表質問】 

 6年前の第1次安倍内閣への代表質問では、松本剛明・政調会長(当時)が再質問、再々質問までやり、閉会後の参院選勝利につながりました。今回は持ち時間が少ない中、大畠章宏・代表代行が再々質問をし、定数削減で言質をとることに成功しました。

 大畠さんは4分間あませて、降壇。その後、安倍首相の答弁が終わったところで、渡部周・衆・議運理事が議場内交渉スペースに登壇しました。議運の理事も1人だけになってしまいましたので、筆頭理事が自ら議場内交渉係をつとめているようです。

 ここで、6人いる自民党理事のうち、古川禎久さんと高木毅さんが議場内交渉係のようで、登壇しました。

 この交渉は6分間に及びました。NHK入りでは極めて珍しい長時間で、





 終了後に、伊吹文明議長が、「おい自民党!」と議長席後ろからひな壇の後ろを通って自席に戻ろうとする自民党理事を呼び出し、「時間を残しているからね、再質問はいいけれども、議運でよく話をして、答弁漏れのときにきっちとやらないとダメだよ。終わってからこんなことやってちゃ」と注意しました。この音声はマイクを通じて、NHK、衆議院インターネット審議中継で流れました。

 これは、首相は質問項目ごとに順に答弁するのが通例なので、答弁が終わってから登壇した渡辺理事にあわせるのではなく、首相の答弁が質問項目をとばしたときに、与野党の議場内交渉係が登壇すべきだとの注意と思われます。ただ、自民党を通じて、野党理事を牽制したのかも。

 大畠さんは再質問で、昨年11月14日の野田・安倍問答の議事録を取り出し、読み上げました。



 野田首相は「定数削減は来年の通常国会で必ずやり遂げる(略)これはお尻を決めなかったら決まりません。この御決断をいただくならば、私は今週末の十六日に解散をしてもいいと思っております。ぜひ国民の前に約束してください」と語りました。

 これについて、安倍首相は「自民党総裁として党に積極的にとりまとめを行うよう指示しました。与党で議論がまとまり、それに速やかに賛成をしていだけければただちに法案は成立します」として、自民党が公明党をまとめて、与党案を提示して、民主党が賛成すれば、今国会中に衆参両院で定数削減法が成立するとしました。経済政策と定数削減の実現については、すべては選挙で責任を取ると答弁しました。

 総理に言行不一致はないか。それをていねいにチェックし続けるのが野党の仕事です。とくに今のように内閣支持率が高いときには、ていねいに、7月に向けて、言行不一致をチェックしつつ、言行不一致に持って行くのが大事です。6年前の松本再々質問で安倍首相は「年金記録についてさらにお尋ねがあったわけでありますが、年金に対する信頼が損なわれることのないように、当然、この記録の管理や相談等に万全を期していかなければならない、その考えで今後とも取り組んでまいります。(拍手)」と答弁しており、「再々答弁」が半年後に大きな言行不一致になり、大敗、退陣につながっています。

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自民党筆頭理事更迭に成功 長妻昭さんが野党をまとめる 遠藤利明筆頭理事に 衆・予算委

2013年03月04日 22時09分15秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

 

[写真]野党5党の理事(委員)をまとめて記者会見する長妻昭・衆院予算委筆頭理事、2013年2月26日(火)、民主党ニュースから。

 2013年2月28日(火)に、衆参本会議での政府4演説をはさむ格好で、衆院予算委員会の集中審議が開かれ、安倍首相(自民党総裁)がフェースブックで不満を漏らす事態となりましたが、自民党清和会の馳浩・予算委筆頭理事が更迭されることになりました。報道によると、きょう(4日)の理事懇談会で、馳浩さんから遠藤利明さんへの与党筆頭理事交代が確認されたそうです。

 これは、補正予算審議においって、採決時に「集中審議7時間質疑時間与党2対8」を約束しながら、28日は政府4演説があることから、時間を短縮するという不誠実な対応があったため。

 政府の補正予算(案)提出が1月31日(木)、本予算案審議入りの政府4演説が2月28日(木)とずれ込み、まるっきり15ヶ月予算になっていないことへの焦りがあったものと考えられます。

 遠藤さんは谷垣法相側近の宏池会系で、人柄が良く、山形1区で選挙も強いことで知られます。2006年の第164回通常国会では佐田玄一郎・衆・議運委員長の下で議運理事。2008年の第169回通常国会(ガソリン国会)では衆・予算委の与党理事を務め、野党の岡田克也筆頭理事、前原誠司理事にこてんぱんにやりこめられました。今通常国会も同じ佐田議運委員長ですから、雪辱を期すことになりますが、いずれにしろ、円満型の運営になりそうな気がします。

 本予算審議はあさって夕方にも、提案理由説明がされるものと思われます。 

馳筆頭理事が交代 衆院予算委(産経新聞) - goo ニュース

 衆院予算委員会は4日の理事懇談会で、自民党の馳浩筆頭理事の辞任を確認した。

 

 馳氏が2020年夏季五輪の東京招致に向け、同党内に設置される安倍晋三首相(総裁)直属機関「招致推進本部」の本部長に就くため。後任の筆頭理事には遠藤利明理事を充てる。

 

 馳氏は平成24年度補正予算案に関する集中審議の日程協議で、質疑時間の設定などをめぐり野党側から批判が出ていた。




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民主党が「地方自治体局」を新設 

2013年03月04日 19時16分09秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

[写真]右向きに答える細野豪志・民主党幹事長、2013年1月7日(月)、筆者撮影。

 民主党の細野豪志幹事長は2013年3月4日、毎週月曜日の民主党役員会後の定例記者会見で、民主党本部に「地方自治体局」を新設した、と発表しました。細野幹事長は「これまでは組織委員会の下でやっていた」ものを独立させたと説明しました。

 海江田万里代表は2月24日の党大会で、「候補者、議員を選挙や日常活動で支えているのは、地方自治体議員であり、党員です。また、選挙に強い態勢を作るためには、連合の仲間の皆さん、地域に根差すさまざまな職業に従事する皆さん、まさに生活者、納税者、消費者、働く者の声を聞き、それを常に政治に活かしていく姿勢が基本です。党の団結、一致結束は、国会議員はもとより、本部と地方、国会議員と自治体議員、本部・国会議員と惜敗した総支部長、各級候補者と党員、そして党と支持団体が対話を繰り返し、一体となって活動してこそ確立されるものです」と語っていました。

 民主党地方議員は、現在、衆院議員(候補予定者)が代表をつとめる総支部に所属し、県連に参加する格好になっています。このため、総支部の党員サポーター獲得のノルマについて、軋轢が生じることなどがありました。

 今後は、地方自治体局と直結することで、党本部が地方議員を通じて、各小選挙区ごとの衆院議員候補予定者の活動状況を確認することができるようになるでしょう。今までも、連合の地方協議会・地方連合を通じて情報収集はしていたはずです。

 政策面では、麻生内閣以降に顕著な、「安心こども基金」など国から都道府県庁への渡しきりの「基金」などの財務状況に関する都道府県議や、執行状況に関する市長村議の連係プレーが可能になるかも知れません。

 いずれにしろ、民主党は若い組織ですが、若い年齢で複数期を迎えている地方議員がいるので、地方自治体局で主導権を握るチャンスでしょう。解散が無く、体が楽な地方議員でいて、党本部自治体局で主導権を握って国政への発言権を持てば、国政選挙に出るよりもよっぽど楽だし楽しいでしょう。 

 かつて、新進党時代には、公明党の後継政党「公明」の党首を藤井富雄・都議がつとめて、参院議員の半数がその下に入ったこともあります。現在の公明党にも、地方議員団会議議長として中島義雄・都議会公明党幹事長が名を連ねています。同党では、支持母体の創価学会の監督官庁が東京都庁(現在は文部科学省文化庁)だったことや、東京23区内の固定資産税の課税主体が東京都庁であることから、都議会議員(とくに東京23区選出)は特別な存在。

 一方、民主党は地方議員候補の人材供給源である「衆議院議員秘書」が数百人単位で失業したため、2015年4月の第18回統一地方選で、公明党、日本共産党、自民党(無所属含む)を上回る議席獲得はすでに絶望的。 一人一人の地方議員の発言力が強い政党として、国政与党期に国庫負担金を大幅に削減するなどの「改革政党」として活路を求めるしかありません。

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あれから20年・・・民主党衆院議員は「全員予算委員」でたたかいながら国会改革すべきだ

2013年03月04日 08時07分24秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

 通常国会の3月3日週となれば、予算案が参議院に回り、衆議院では「店開き」。衆議院内閣委員会など、府省ごとに設けられた常任委員会で、大臣の所信表明とそれに対する一般質疑が行われ、いつでも法案審査に入れるようにするものです。

 しかし、ことしはまったく変。平成25年度本予算の審議がきょうの代表質問から実質スタート。まるっきり1ヶ月間ずれ込んでいることになります。

 あの日(1993年6月18日)、宮澤解散から20年の節目の国会です。
 あの日の1ヶ月前、5月20日、「改革フォーラム21(自民党羽田派)」の小沢一郎代表幹事が『日本改造計画』を出版しました。第1部「いま、政治の改革を」(78ページ)の中で「衆院の予算委員会開会中には他の委員会は実質審議できない」ため、「各常任委員会の審議日数は会期150日間の通常国会で十数日しかとれない。なるべく審議をするな、というのに等しい」。そして、この時点で自民党が38年連続で政権を継続していたので「政権交代がなく、半永久的な政権政党の意見がいずれにしても通ってしまうという状況下では、この制度は一つの歯止めにはなるだろう」「選挙制度を改革して政権交代の可能性を開く一方で、こういう制度も改めるべきである」としています。これが出た、わずか2ヶ月後に細川内閣で政権交代を実現しました。

 ところが、

 2012年2月22日の衆院予算委員会でも下地幹郎委員が、「十二月に予算が決まってから、一月から国会が始まって三月までありますけれども、今この時点で、国会議員が七百二十名いますけれども、この東京にどれだけいるんでしょうか。ここの予算委員会に参加をしている人たちが中心になっていて、どの委員会も開かれないんですね。私は、十二月に予算が決まったら、一月からは、厚生労働委員会だったら厚生労働委員会、そして国土交通委員会だったら国土交通委員会と、この予算が、省庁ごとに決まったものを論議して、最終的にこの予算委員会に上がってきて、みんなで審議して、修正したりさまざまな合意をして決めるというようなやり方をやることも一つの方法だと思うんですよね。」と発言しています。

 つまり、政権交代ある政治は実現したのに、予算委員会のさいちゅうにわずかな国会議員しか審議に参加できない状況は変わらず、陳情を一元化するようなことをする小沢一郎氏はまったく信用してはいけません。私は1997年12月28日の新進党解党以来、小沢氏をいつか殺してやろうと考えてきました。

 ところで、今回のエントリーから、国会議事録のリンク先の張り方を変えて、当該部分に直にジャンプできるようにしました。なるべく短く引用しますが、興味のある方は前後の文脈をリンク先で確認して頂きたいと感じます。 

 民主党は今回から、理事が一人になってしまったので、長妻昭理事のさしかえは事実上困難です。もう一つ、2008年国会から2012年国会まで、第1次野党期から第1次与党期にかけて、ずっと予算委員として後列で流れを見てきた渡部恒三先生が引退してしまいました。委員は6人なので、そのような存在もいません。そう言う中で、長妻昭理事はなるべくプロデューサーに徹して、質問は基本的質疑としめくくり質疑に限るべきでしょう。そして、スター揃いの他の56名の議員がいつでも予算委員にさしかえで登場して、持論を展開すれとはいえ、いつでもある程度の流れの中で質問できるようにすべきです。

  今週は選挙制度をめぐって世論の関心が高まる可能性があります。衆参ダブル構想が浮上する可能性があります。



 民主党総支部長も、このように「1連ポスター」。最近では「2連ポスター」が主流ですが、あれは任期満了半年前からです。衆院の場合は、2016年6月まで、たとえ直後に解散あっても、それは安倍総理のみ知るですから、1連ポスターが貼れます。こちらの総支部長は、過去のポスター掲示箇所に全戸訪問し、ポスター掲示のお願いをすませたようです。1000軒回ったようです。移動に時間がかかりますが、1日50軒ずつ20日回ったことになります。当然のことです。

 ところで、当選した中堅議員ですら、当選のお礼を掲示することが禁じられた公職選挙法の立法趣旨を知らないようです。これは、「事後買収」を防止するのが立法目的です。選挙後に当選(落選)した後に、お礼を掲示することで、何らかの事後買収することを事前に約束しているというようなあうんの買収を禁じる目的です。このことを知らないということは、私には職業政治家として理解できません。

 それはさておき、当選(落選)のお礼の戸別訪問はできなくとも、ポスター掲示のお礼や、会合出席のお願い、各種団体で知り合った人の自宅訪問、大学ノートを携えての政策要望調査の戸別訪問は当然できますし、すべきです。

 あるいは、支持者からの落選のねぎらいメールに総支部長が返答したり、その際に、過去の当選のお礼を書いても現行法上問題ないわけです。ならば、各小選挙区の有権者は、総支部長にメールを送ってみても良いかもしれません。そして、総支部ごとに、各種選挙の公認に関する予備選挙のシステムを整えれば、総支部所属の党員、サポーターの人数も増えるでしょう。

 ソーシャル・ネットワーク・システムで見ると、驚くことがあります。例えば、事務所移転のお知らせの戸別訪問をする。それは大変良いです。ただ、事務所を移転してから、戸別訪問をしている。それだと、すでに近所では事務所が無くなったことですでに政治活動を止めたのではないかと噂が立っています。だから、移転の前に戸別訪問をすべきだし、自民党なら地方議員、秘書、後援会幹部が注意するはずです。家賃など自民党と違って民主党は余裕がないし、アドバイスもないのでしょうが、事務所を移転(撤去)してから、移転のあいさつをするということですと、1日200軒死ぬ気でポスティングしてほしいくらいな話です。大丈夫なんでしょうか。

 またある現職議員は散髪の際に、3800円のところ、3795円しか持ち合わせが無く、5円まけてもらったので「5円(御縁)が残った」とブログに書いています。これは、自民党なら市議会議員選挙新人が披露するようなネタですが、まあ、民主党ではこのようなネタを披露する人の肩書きが「元財務省政務三役」というところは逆転の発想で、自民党より強いかも知れません。

 解散直前にある議員(当時)と話していて、「戸別訪問っていいんですね。実は連合の地協からもやるように言われているんですよ」と言われて愕然としたことがありました。

 せめて、公職選挙法の本を読んだり、国会法・衆議院規則、租税学、財政学の本、内閣法・国家行政組織法、各府省の局課の一覧表を読んで、ひたすらに大学ノートを携えて戸別訪問してほしいと考えます。区割りが変わっても通用します。各種団体の会合でスピーチをすると小選挙区で当選するという発想はまったく私には理解できないところでしたが、第46回衆院選の結果で私の考えは正しかったと証明されたと考えています。

 衆議院は、総支部長も含めて全員予算委員という意識で行って欲しいところです。




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◎平成22年度決算に誤り 国庫債務負担行為の繰越額 6億円以上、旧経企庁か?

2013年03月03日 08時57分37秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

 国の平成22年度一般会計決算書に関連した「平成22年度一般会計国の債務に関する計算書」のうち、国庫債務負担行為について、平成21年度から22年度、22年度から23年度への繰越額について、少なくとも「6億円以上」、あるいは、延べにすると数百億円になりかねない誤記があることが分かりました。一部を報道を受けて、当ブログが財務省ホームページを確認したところ、「平成22年度決算」に「正誤表」が掲載されているのを確認しました。

 参・決算委は、委員会1回、本会議1回で、平成22年度決算是認(承認)というスケジュールまでこぎつけていたのに、2月中の是認が不可能になりました。このため、平成22年度、23年度決算が店ざらしになっている状態ですが、21年度にも間違いがあった可能性もあります。さらに衆院決算行政監視委員会は、平成21年度、22年度、23年度が店ざらしになっています。民間では考えられないどころか、地方議会でも考えられないことです。与野党関係なく、国会(とくに衆議院側)の失態です。

 国庫債務負担行為とは、例えば防衛省発注の飛行機などで、防衛省が認められた歳出を超える大型の契約を入札できる権限で、防衛省は業者と契約だけしておいて、後年度にお金は払えばいいということになります。業者としても「将来税収の裏保証」なので安心して契約するでしょう。その契約の限度額を「債務負担行為の限度額の設定」といい、予算書の中に書いてあります。だから国会の議決を得た財政民主主義であり、財政法定主義です。しかし、これを理解している国会議員や官僚は少なく、予算委員会で議題になることは皆無です。よく防衛省がやり玉に挙がりますが、国交省、農水省と違って、防衛省は特別会計を持っていないので、一般会計の中で、債務負担行為の設定を使って、現金払いを各年度に散らしているという意味合いがあります。

 現在のところは防衛省ではなく、内閣府の経済社会総合研究所(旧経済企画庁)のGNP統計計算のパソコン関係の設備更新で、富士通と三菱総合研究所が一般競争入札した事業に関して、なんらかの計算ミスがあったのではないかとみられます。このほかにもあるかもしれません。

 国が発注し保証する長期の契約です。当然、安い札で落としに行く業者がいるでしょうから、債務負担行為の限度額よりも安い契約になるのは当然のことに思えます。これも落とし穴だったのかも知れません。ところが、「後年度に業者に支払う現金」が水ぶくれし、それを国会のお墨付きで歳出済みかもしれません。

 そもそも、予算書の国庫債務負担行為のなかで、複数の契約案件があるはずです。そして、「複数年度」の期間もそれぞれバラバラです。平成22年度にミスがあるということは、少なくとも平成18年度までさかのぼって確認しないといけないことになります。これは大変な手間ですが、まったく同情の余地はありません。ただ、元首相の財務大臣のリーダーシップがあったので良かったのかなとは感じます。

 少なくとも6億円の誤記ですが、これは単式簿記の怖さで、他の年度にも「誤記を繰り越した可能性」があります。そうなると、「延べ金額」で言うと、これはおびただしい金額の誤記になるでしょう。防衛省入札業者は大企業ですが、例えば、文部科学省の「義務教育教科書購入」の業者などは極めて財務基盤が脆弱な会社でしょう。信用不安になります。それは、最終的に、日本国債全体への国内外への不安につながりかねません。

 ことしになってから、補正予算書の提出が通常国会召集日から3日遅れるなど不自然なことがあり、「なんか変だな」と思っていました。自民党の麻生太郎財務相に説明を要求します。それからこういうときは、オール霞が関にとって煙たい存在である「会計検査院」に責任が押しつけられることがありますが、それは止めて欲しい。

 もちろん、平成22年度の決算の国庫債務負担行為の23年度への繰越額に間違いがある以上、平成25年度当初予算書にも間違いがある可能性があります。平成25年度暫定予算の編成とあわせて、全党党首会談などで政治全体が国民(日本国内外)にメッセージを発するべし。  

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松本税制始まる・・・3党合意済みの平成25年度税制改正法案が年度内成立へ マイナンバー法案も成立へ

2013年03月02日 05時38分13秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]松本剛明・民主党税調会長。

 政府は平成25年度税制改正法案とマイナンバー法案を国会に、2013年3月1日(金)提出しました。

☆平成25年度税制改正法案、衆参ねじれの成果「相続増税据え置き」は、3年たって平成25年度税制改正法で年度内成立へ

 参議院のホームページによると、提出された法案は、

 第183回国会閣法(内閣提出法案)8号の「所得税法などの一部を改正する法律案」(平成25年度税制改正法案)

 もう一つ、地方税に関する法案が出るだろうと思いますが、現時点では確認できません。

【追記 2013年3月6日 午前10時半】

 地方税に関する法案として、政府は5日、国会に次の2法案を提出しました。

 第183回国会閣法12号の「地方税法の一部を改正する法律案」(平成25年度地方税制改正法案)

              13号の「地方交付税法および特別会計に関する法律を改正する法案」(日切れ指定)です。【追記おわり】

 平成25年度税制改正法案は、政府税制改正大綱(1月29日)をもとに、民主党、自民党、公明党の3党協議にもとづき、付則に民主党の要望などを盛り込んだ法案。

 この法案の内容は、ホームページの政府税制改正大綱(http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2013/250129taikou.pdf)に加えて、法案が衆議院や参議院のホームページに載った際に「付則」をみると内容が分かると考えます。

 政権交代にともない、政府与党の閣法の情報にはからっきし疎くなった当ブログですが、時間があるので、いろいろ新しい知見は増えています。私はなぜ毎年、税制改正をするのか。地方議員にはとんと分からない壮絶な世界が与党国会議員の間で繰り広げられるので、衆議院の任期中に本改正1回テコ入れ1回ぐらいにしたらどうかと思っていました。岡田克也副総理の記者会見で聞いてみようかとすら思っていましたが、今年になってから本で分かりました。まず我が国の予算が4月1日~3月31日であるのは、完全に英国の猿まね。そのうえで、ローマ法王ベネディクト16世が2013年2月末に退位しましたが、1628年の清教徒革命で議会による課税承認権が確立。このため、3月31日までに英国議会が税制改正法案を成立させなければ4月1日から所得税がゼロになるのは、国民にとっても国会にとっても権利であること。そのため、毎年税制改正をして、3月31日まで成立させる必要があるようです。よって、2008年通常国会での「ガソリン値下げ」が国会への関心を呼び、次の総選挙で政権交代につながったのは、歴史的にも裏付けられることです。

 その後、2011年通常国会の衆参ねじれでは、3党協議により、ちぎっては投げ、ちぎっては投げで、つなぎ措置をしながら税制改正法が成立していきました。これにより、相続増税は自民党税調会長らの意図で阻止されましたが、「分かりにくい」との批判を浴びたようです。そして、2012年通常国会では年次税制改正法案が年度内成立。その後、5月8日から「消費税増税など社会保障と税の一体改革法案」が審議入りし、8月8日に成立しました。ここでも閣法に入っていた「相続増税」は3党協議で削除され、衆議院修正されました。そして、平成25年度税制改正法案に入り、2015年1月から相続増税することが確実になりました。この一連の経緯を見ると、昨年6月に「相続増税を削除し消費増税するのは庶民軽視だ」との趣旨の記者会見し、党議に違反し除籍された初鹿明博議員らはまったく税制改正の流れが見えておらず、落選は当然だし、まったく無関係ですが、彼は人生をどぶ川に投げ捨てたようにも思えます。政界引退した方が本人のためでしょう。もちろん12月の総選挙による民主党下野は自業自得の自爆であることは、私自身100%認めざるを得ません。

 民主党の税調会長には松本剛明さんが就任しています。ゴーメーさんは事前に3党協議するスタイルで、年度内成立が確実な状態で、法案が提出されるという調整をしたようです。またマイナンバー法案も3党協議により提出したことから、少なくとも2015年10月の消費税10%時までに低所得者対策「軽減税率かあるいは給付付き税額控除か」について、3党協議の芽を残したことになります。責任野党として政権復帰のかすかな光明が残ったわけです。大局を見据えながら、野党としての年次改正では年度内成立を法案提出前にすりあわせている。さすがは経世会系の政治家です。自民党税調幹部(インナー)には、経世会系の新聞記者出身の額賀福志郎元財務相がいますが、それ以外は財務省出身者です。民主党には二世議員とはいえ非財務省(銀行員)出身の5期53歳外相・衆議院議院運営委員長経験者の松本税調会長がいるわけで、自民党には同様の人材がいるのでしょうか?

☆マイナンバー法案が提出、今国会成立確実で、2016年1月から施行へ

 マイナンバー関連法案も提出されました。

 183閣法3号「マイナンバー法案(行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用などに関する法案、共通番号法案)」
 183閣法4号「マイナンバー導入のための関係法律整備法案」
 183閣法5号「マイナンバー導入のための内閣法など改正法案」

 の3本です。

 法案はまだインターネット公開されていないので、読んでいませんが、報道によると、第180通常国会などで古川元久国務大臣が担当しながら、審議入りできず解散で廃案になっていた3法案とほとんど同じ内容のようです。3党税調会長らによる3党協議済みで、法案の成立は確実のようです。

 これにより、2016年1月からのマイナンバー施行が可能なようです。ということは、2015年10月の消費税10%後の最初の確定申告から、低所得者などが給付付税額控除などを求めることが可能になるということなんだろうと思います。すでに消費税8%時の軽減税率は公明党税調会長が断念していますので、消費税10%時の低所得者対策が第46期衆議院における3党協議の焦点になってきます。

 岸田外相は昨年の通常国会の野党・自民党の国対委員長でした。このとき、「前裁き」で、当初4領域11法案を審議する予定だった「衆議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会(中野寛成委員長)」の3領域8法案となりました。すなわち、消費税増税、年金加入期間の25年間から10年間への短縮・厚生年金と共済年金の合併、幼保一体化(子ども子育て支援法)などの3領域です。ここから、マイナンバーは自民党国対などが「多すぎる」と除外しました。

 ところが、マイナンバーは低所得者対策の一環だったので、自民党内で社会保障に強い議員が「マイナンバーを審議すべきだ」と主張する場面がありました。

[国会会議録データベースから引用はじめ]

 第180回通常国会の平成24年5月29日の衆議院社会保障と税の一体改革特別委員会で自民党のあべ俊子さん。

 (前略) 

○あべ委員 給付つき税額控除は、やはり、どなたが必要な収入もしくは所得が得られているかということを把握するのが前提でございまして、私よくわからないので岡田大臣に教えていただきたいんです。

 この給付つき税額控除をやるに当たって、マイナンバー、社会保障番号というのは必須だと思うわけでありますが、なぜこの委員会からそのマイナンバーが外されたのか、その経緯を教えてください。

○岡田国務大臣 これは各党の国対間での話し合いの結果ですから、私がそれをお答えする立場にはないんじゃないでしょうか。むしろ国対にお聞きになられたらいかがでしょうか、自民党の。

(後略)

[引用おわり]

 このように社会保障に強い自民党のあべさんがマイナンバーも審議すべきでなぜ外れたのかと質問したところ、岡田克也・社会保障と税の一体改革担当大臣(副総理)からが「自民党の国対に聞いてほしい」と返され、自民党国対がマイナンバーを外したと示唆する珍場面がありました。その後、民主党は衆議院での採決大混乱で、世を乱しました。が、歴史的惨敗で下野するという政党として最大の責任をとったので、ここは、リセットして、マイナンバー法をすぐに成立させたいところです。

 経世会の歴史では、1998年の総裁選に小渕恵三候補と梶山静六候補の2人が立つという事態がありましたが、梶山候補は出馬会見で「わが屍を越えていけ」と語りました。野党としての松本税制ですが、2015年10月を見据えていけば、まだまだ光明があります。まさに、「松本税制は野田佳彦を超えていけ」、との思いもします。もちろん、住宅ローンを完済すれば野田さんにも違った場面で再登板の機会はあるでしょう。「政界の野田」と言えば野田佳彦に決まっています。


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◎「聖域」は「米(こめ)」 安倍首相示唆 TPP「関税撤廃」 玄葉光一郎さんが引き出す 衆院予算委

2013年03月01日 10時48分36秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]質問に立つ玄葉光一郎さん、2013年2月28日(木)、民主党ホームページから。

【首相訪米など外交に関する集中審議 衆議院予算委員会 2013年2月28日(木)】

 民主党・無所属クラブ57人は、「全員が予算委員」という気構えでのぞんで欲しいし、結党以来初の「唯一の予算理事」である長妻昭さんはさしかえが利きませんので、プロデューサーに徹して、ドンドン先輩を起用して欲しいです。野党衆議院議員で、予算委員会の質問に立ちたくない人などイマドキいません。自民党国会対策委員会は「野党に審議拒否させないことが予算を早く採決する秘訣」と思っているようですが、実際には、「ドンドン審議したい」ということで、集中審議、修正案の提案理由説明と質疑などドンドンやって、本予算を会期末ぎりぎりまでしっかり審議して成立させる方が国益です。

 玄葉光一郎さんが急遽、予算委員に起用されて、質問に立ちました。玄葉さんは在職19年目にして衆議院予算委員会での質問は4回目だったようで、少し不慣れでした。

 その中で、天才政治家の片鱗を見せる場面がありました。

 「例外なき関税撤廃」なのか、それとも「聖域なき関税撤廃」なのか。

 私は非常に気になっていました。聖域という言葉は小泉元首相(自民党総裁)がキーワードにしましたが、Sanctuaryは「聖域、聖所、神殿、寺院」という意味だからです。

 玄葉さんは安倍首相に対して、TPP(太平洋パートナーシップ条約)について、「安倍総理とオバマ大統領の間で、【例外】という言葉は使っていないと思うんですね。おそらく、【Sanctuary(聖域)】という言葉を使ったと推測いたしますけれども。あのー、これから、交渉に入っていって・・・」玄葉さんは一拍止めました。そして、パッと次のように聞きました。

 「米(こめ)は除外を求めますね?

 この質問への首相答弁ははぐらかしに終わりましたが、次に立った前外務副大臣の山口壮さんに言質をとりました。

 安倍首相は次のように答弁しました。

 「選挙において嘘をついてはならない。(自民党内のTPP推進派とTPP反対派の)両派が合意できる一点を探したところに最終的に一致したのは『聖域なき関税撤廃を前提にする限り、TPP交渉参加に反対する』という文言にして、党の公約にしたわけであります。【聖域】とは何かと言われればですね、それぞれの国には、それぞれの事情、国柄(くにがら)があるって、それを守るためには、いわば関税撤廃できないところがあるんです」

 つまり、自民党マニフェストの「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、TPP交渉参加に反対する」という公約が、オバマ大統領から「聖域」を設ける文書をとったことで、前提がとれた。だから、TPP交渉に参加できる、ということになります。そして、その「聖域」とは。それは、日本では「米(こめ)」であり、米国ではおそらく「自動車(トラック含む)」ということになるでしょう。

 そして、この後の本会議の施政方針演説の中に「日本は瑞穂の国です」として棚田を守るなどと演説した部分は、報道によると、自民党農林部会との調整のうえで入った文言のようです。

 一連の安倍答弁からすると、「聖域」とは「米(こめ)」のことであることは明らかです。すでに大統領との共同文書ができたので、公約は達成され、事前交渉に参加できると考えられます。

 米(こめ)。

 御神酒は日本酒であり、日本酒は米でできています。ちなみに酒税は戦前は国税収入のトップだった時代もあります。現在でも酒造業者は酒税を毎月末に申告し納税しなければなりません。消費税が年2回なのとは大きく事情が違います。これが影響してか、造り酒屋の息子から、自民党県議になり、衆議院議員になるという政治家キャリアが我が国にあります。これは、竹下登さんであり、金丸信さんであり、宇野宗佑元首相であり、そして、玄葉光一郎さんもそうです。

 ちなみに、玄葉さんの実家である「有限会社玄葉本店」の大吟醸あぶくまは、インターネットでも販売しているようなので、興味がある人はこちらをクリックしてみてください。


[写真]有限会社玄葉本店の「大吟醸あぶくま」。

 このように造り酒屋としての米の大事さと、税と酒、そして、自民党県議としての経験の中から、政治における「聖域」が「米(こめ)」であることを玄葉さんが知っていたことは間違いありません。しかし、玄葉さんは自民党猫の目農政のように、米を聖域として、米価を上げたり、細かい補助金制度で縛り付けるような政治家ではありません。ミッションスクール大学出身の初の外相として、タフな交渉をこなしました。こんな「非世襲7期生48歳の元外相」が自民党にいるでしょうか?民主党にはもう一人、「非世襲7期生48歳の元内閣官房長官」の枝野幸男さんがいます。

 私も米(こめ)に関税をかけるのは当然だと考えます。沖縄県のサトウキビも。大豆、小麦、じゃがいもは、農業直接支払いの制度をうまく使えば農業者の生活は維持できるのではないでしょうか。

 米を聖域にするのは国柄ですが、一人一人の有権者たる米農家はいつまでも、「米(こめ)は聖域」という意識でいると、「自民党・JA」の奴隷になります。田んぼを農業生産法人に貸したり、売れば、すぐに現金収入があったうえで田んぼは続きます。田んぼを潰してJAローンでアパートを建てるなど言語道断。ただ、複数の兄弟姉妹のうち、1人が農業を継いだ際に、現行の相続税制だと相続税額が増えかねない設計なので、ここは「聖域」として2015年1月の相続増税までに長期的な税制改正を検討してみる必要があるかも知れません。

 米(こめ)の大事さを知る玄葉光一郎さん。ご存じの通り、第45回衆院選で民主党でただ一人、農政連(JAの政治団体)から単独推薦をもらった候補者ですが、TPPを推進する玄葉外相はJA福島会長から「あんたには何を言っても無駄だ」と言われたそうです。しかし、統一地方選に立てた4人の元秘書の候補の演説ですべてTPP推進を入れたと報じられています。しっかりグリップできているからこそ、TPPを推進できるこれが政治家です。2013年3月1日付け日経新聞でカーラ・ヒルズ元米通商代表の「私の履歴書」 が始まりました。


[写真]左から2人目はカーラ・ヒルズ米国通商代表(USTR)、3人目は渡部恒三通商産業大臣、四極通商サミット、会津・磐梯高原、渡部恒三さんホームページから。

 現在のカーク通商代表という方のお名前は知らないし、そもそも通商代表は閣僚ではありません。それは別として、TPPのみならず、FTAAPなど、自由貿易としての日本の復活にかけて。かつて人情味がある通産大臣に涙した通商代表がいたとか、いないとかいう話がありますが、今は昔。血の汗流す、タフネゴシエーター玄葉外交の復活までこれから4年~18年ぐらいかかるでしょう。臥薪嘗胆です。そして、そのとき、桜田門外の変に倒れても「花の生涯だ」と言える玄葉さんであって欲しい。

 当ブログはこれからも玄葉光一郎さんらと、自由貿易を全力で応援していきます!

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