渡辺恒雄あとつぎ宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

平成25年度地方税改正法案可決、当たり前ですが・・・全員出席 衆・総務委員会 国会空洞化にブレーキ

2013年03月21日 20時12分24秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]全員出席の下、平成25年度地方税改正法案を採決(可決)する衆院総務委員会、衆議院インターネット審議中継からキャプチャし赤丸は筆者が加筆、赤丸内は傍聴する筆者(宮崎信行)。

【衆議院総務委員会 2013年3月21日(木) 地方税改正法案とNHk予算の質疑と採決】

 きょうは衆・総務委員会を現地で見てきました。

 議題は午前中が
 平成25年度地方財政計画
 平成25年度地方税法の一部を改正する法案(183閣法12号)
 平成25年度本予算にともない地方交付税法と特別会計法を改正する法案(183閣法13号)の3本。

 午後は
 放送法によりNHKの平成25年度予算を承認する案件(183承認3号)でした。

 このうち、個人住民税での震災特例などを盛り込んだ平成25年度税制改正のうち、地方税法案は自公民維み5党賛成(共産党1党の反対)で可決し、衆参での成立が確実になりました。国税の改正法案はあす22日(金)の衆・財金委で可決し、午後1時からの本会議に緊急上程。参院に送られ、来週中に参院でも成立すると思われます。ちなみに私が知る限り、衆院総務委が地方税法を可決し、その後から、衆・財金委が国の税制改正法案を可決するのは異例だと考えます。この背景に、衆・財金委は伝統的に、水曜日を定例日としてきたところ、前の任期で平成23、24年度連続で特例公債法案を自公幹部に人質に取られてしまい民主党が困り果てていたところ、自民党のY理事が武士の情けで金曜日も定例日として審議に応じてくれたことで金曜日の財金委開催という日程が可能になったのだと考えます。

 そして、この日の総務委員会では正午過ぎ、午後5時過ぎの2回の採決とも40人の総務委員全員が出席して採決しました。

 採決時の全員出席は以前から当たり前としても、民主党の5議員は、自分の質問時間以外もほとんど委員席にすわって議事を聞いていました。第1次野党時代から民主党はよく委員席に座っていて、自民党は半分以下ということがよく見られました。政権交代後は、与党・民主党がチルドレンも含めて、座っているのに、自民党は野党になって暇なくせに、質疑者ともう1人ぐらいしか座っていないことがありました。それが政権再交代で、民主党も自民党もよく座っているようになったのは、二大政党にらみ合いの効果だと感じました。つまり、変化の激しいオープンな時代とねじれ国会で、与党内部会による事前審査制による国会空洞化にブレーキがかかったのだろうと考えます。

 この委員会は変則で、40人の委員がいますが、自民党24、民主党5、日本維新の会6、公明党3、みんなの党1、共産党1の割り振りになっています。民と維の委員数が逆転しているのは、もう一つだけ、決算行政監視委員会もそうですが、ここは委員長が維新の会です。総務委は公明党の北側一雄さんが委員長で、公明党が1理事、1委員と3人とっています。民主党は筆頭理事はとっていますが、委員数は維新が多い。地方議員が3000人いる公明党が委員長、大阪市長が党首の維新の会が野党でイチバン委員を持っているということになります。

 ただ、民主党の5人は多士済々で、筆頭理事がネクスト総務大臣で元リアル総務大臣の原口一博さん、委員には、知事出身の福田昭夫さん、県議出身の黄川田徹さん、総務省・旧自治省出身の小川淳也さん、総務省・旧郵政省出身の奥野総一郎さんですから、5人の取り合わせとしては完璧と言って良いでしょう。とくに原口さんは前々から委員会の出席率は非常に高い人です。そういうテレビに映らない原口さんの姿がそこにはあります。

 自民党は橋本岳理事が一人一人確認しており、閣僚経験者も交えて、採決直前には委員を兼ねる総務政務官を含めて全員そろいました。

 日本維新の会は、2回とも、中田宏さんが採決1分前に着席して、全員そろいました。中田さんは国会内テレビで審議を見ているのでしょうが、要領はいいのですが、驚きました。

 とくに午後は衆議院事務局が設置している定置のリモコンカメラ以外に、NHKが中継用に合計5台のムービーカメラを入れていましたが、中田さんが現れると、スタッフの人が「中田さん来た」と大声を上げて喜んでいました。中田衆院議員というのは、最後にはちゃんと居る人ですよ。

 それにしても、なぜ年次の税制改正法案の審議がテレビ中継されず、NHK予算がテレビ中継されるのかは違和感が残るところです。

 テレビ入りNHK予算審議でトップバッターにたった、山口泰明(やまぐち・たいめい)さんは「自民党には119人の新人がおり、少しでも後輩に時間を割きたい親心から1問だけ質問します」と言って、あっと言う間に引っ込みました。午前中の委員出席も山口筆頭が指揮しているようでした。山口さんは団塊の世代で、菅義偉さんと同期当選で同じ年。菅さんが総務大臣になった後、山口さんはオープンな性格のようで、内閣改造の直前になると、サシで総理官邸を訪れてなにやら総理と会っているようでした。そのまま、入閣しないまま、第45回衆院選で落選。国政復帰を果たすと、埼玉県連の10歳年下で後輩だった新藤義孝さんと5期生で並び、新藤さんが総務大臣に、菅さんは再入閣、ましてや内閣官房長官。ぜひ、山口筆頭も地道に総務委でがんばってほしいです。

 山口さんは私の日大二中・高の先輩です。同窓生は参院議員経験者が多く閣僚経験者や現職もいますが、衆院では山口さん一人。彼はお父さんから「医者になれ」と言われて母校に来たそうですが、日大法学部政治経済学科に進みました。私も「医者になれ」と父親から命令され母校に入った同級生を何人も知っています。なれた人、なれなかった人。その中で、山口さん同様、医者にならなかった複数の同級生に先月、同級会で会えました。一人は社長(父)、専務(弟)を支える立派な常務さん。さらには地域社会では30歳代にしてPTA会長。もう一人も会計事務所に勤めながら税理士試験合格間近のようです。時勢からして、父の跡を継いで開業せずに勤務医を続けているという同級生も複数いるようです。ところで、『車輪の下』ってヘルマン・ヘッセの自伝的小説だとされていますが、本当に「自伝的」であって「自伝」でないですよね。だって、ノーベル文学賞は生存していないと受賞できないんだから、『車輪の下』のラストシーンって間違いなくフィクションですよね。それはさておき、山口さんのように政治経済系のみなさんを応援したいです。そして、この春の入学募集は締め切ったでしょうが、母校をおすすめします。偏差値は低くても良い学校です。卒業生が言うんだから間違いありません。偏差値なんてものは、中の上、55~65ぐらいでいいんです。年を重ね、不惑に近づき、ほんのちょっとだけ世情に通じてくると、日大二中・高のような学校が真の意味で良い学校なのだな、との思いは募るばかりです。

 山口先輩も遅咲きになるでしょうが、これからです。

 原口一博さん、山口泰明さん、橋本岳さんらの姿を見て、与野党に分かれても、経世会は健在だと感じました。経世会が自民党と民主党に分かれたことは、日本のためには間違っていなかった。21世紀になって半分以上、清和会が総理大臣をやっています。そんな、ちっぽけなことはどうでもよい。経世会こそ、この国の政治をつくっているのです。

 そんなわけで、冒頭の画像に私も映っているので赤丸で協調しちゃいました。春だから、私も背筋を伸ばして、前に出ないと。

 なんにしろ、これからです。

 これからです。

 


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3月19日(火)のつぶやき

2013年03月20日 01時14分55秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

#kokkai #dpj 北朝鮮制裁(入港禁止)の半年間延長について、民主党保守派の鷲尾英一郎さんが愛国者の立場が質疑中です。衆院国交委。shugiintv.go.jp/jp/index.php

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また、本日の財務金融委員会では、10:00~10:50のうち10分程度、議員立法「消費税影響緩和法案」の法案提出者として答弁に立ちます。農林水産委員会の質問と併せて、ご覧いただければなお幸です。衆議院TV→shugiintv.go.jp/jp/index.php

国会実況 国会中継さんがリツイート | 4 RT

今日10:30~11:10まで衆院厚生労働委員会で予防接種法改正の質問に立ちます。国土強靱化に200兆円の1000分の1で可能な予防接種定期接種化で国民強靱化を図るべき。自民党政権公約に全額国費でやると書いてあります。ワクチン後進国(ワクチンギャップ)最大の原因は自己負担額。→

国会実況 国会中継さんがリツイート | 3 RT

本日11:20~11:50の30分間、農林水産委員会で質問に立ちます。TPP、戸別所得補償制度、農村における自然エネルギーの活用促進について質問する予定です。 インターネット中継のみとなりますが、ご覧いただけますと幸いです。衆議院TV→shugiintv.go.jp/jp/index.php

国会実況 国会中継さんがリツイート | 4 RT

#kokkai 衆議院財務金融委員会では平成25年度税制改正法案と民主党提出の消費税影響緩和法案が議題になっています。

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衆院国土交通委員会では松原仁元拉致問題担当大臣が質問しています。#kokkai

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日本銀行の白川方明総裁が「きょうは私の日本銀行総裁としての最後の日。その日にこのような機会を与えていただきありがとうございます」と述べ、きょう日銀総裁を辞任することを明示しました。衆院財務金融委員会で公明党の岡本三成さんへの答弁。#kokkai #boj

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衆・厚生労働委員会の議題は「予防接種法の一部を改正する法律案」(183閣法10号)です。shugiintv.go.jp/jp/index.php#kokkai

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衆・総務委は、地方財政計画、地方税法改正法案、地方交付税改正法案の3本です。#kokkai #seiji shugiintv.go.jp/jp/index.php

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白川方明日銀総裁「日本経済は必ず復活する」。

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民主党の松本剛明・税調会長が平成25年度税制改正法案について質問。社保税一体改革の確認もしています。衆財金委。shugiintv.go.jp/jp/index.php#kokkai #日経平均 #dpj

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参院法務委、文教科学委、経産委ではそれぞれ谷垣法相、下村文科相、茂木経産大臣が所信を述べています。参院の委員会も店開きです。#kokkai

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税制改正「こういう透明な議論を国会でやる文学青年のようなことを本気でやろうとして失敗したんですよ」 blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/…


#kokkai #seiji 今後の政治日程を更新しましたregimag.jp/b/sample/list/…

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衆・厚労委員会で「予防接種法の一部を改正する法律案」が全会一致で可決しました。付帯決議も全会派共同提出で全会一致で可決しました。#kokkai

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衆・総務委は21日木曜日午前9時から衆・財金委は22日金曜日午前9時からそれぞれ開会。税制改正法案が今週中にも衆院を通過し、年度内成立する見通しと思われます。 #kokkai #平成25年度税制 


李克強首相誕生 習近平国家主席から任命される 岡田克也・小沢代理戦争は小沢氏に軍配  goo.gl/96Pbr

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李克強首相誕生 習近平国家主席から任命される 岡田克也・小沢代理戦争は小沢氏に軍配

2013年03月19日 19時03分43秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]岡田克也前副総理と李克強・中国新首相、2008年7月、岡田かつやTALK-ABOUTから。

 岡田かつや、ロングロングウェイ。は、以前と同じカテゴリー名「岡田克也、旅の途中」に改名します。

 ◇

 中国大使館ホームページによると、「開会中の中国第12期全国人民代表大会(全人代)第1回会議の第5回全体会議が15日午前、北京の人民大会堂で開かれ、李克強氏を首相にすることが決定」しました。

 昨年来の報道の通り、習近平さん(59)が国家副主席から国家主席(兼)中国共産党総書記に昇格。李克強さん(57)が副首相から首相(国務院総理)に昇格しました。中国では共産党大会は5年に1度ですから、向こう5年間は習国家主席、李首相の体制が続くはずです。中国大使館のホームページの書きぶりですと、「習近平国家主席は第1号主席令に署名し、会議の決定に基づき、李克強氏を首相に任命した。」とあります。太子党の習さんと、共青団出身の李さんの権力闘争は、習さんの勝利で終わりました。

 話は変わりますが、バチカンではローマ法王ベネディクト16世(ドイツ出身)が2013年2月28日に退位し、3月19日、第266代教皇にアルゼンチン出身の枢機卿が、フランシスコ1世として即位します。英語では「フランシス」という発音になるようですが、初めてのアメリカ大陸出身の法王になります。私は、黒人法王かとも思いましたが、大西洋側のアルゼンチンとはいえ、アメリカ大陸は言うまでもなく環太平洋。アメリカ合衆国のサンフランシスコの地名の由来と同じようです。横浜開港以来150年間、サンフランシスコでの日系人収容所と太平洋戦争という一時期をのぞけば、日米に横たわる太平洋は常に平和な海であり、豊穣の海でした。まさに太平洋の時代が名実ともに到来したといえ、武者震いを感じます。

 さて、中国に戻ります。習国家主席は小沢一郎さんと仲が良く、李首相は岡田克也さんと仲が良かったので、この代理戦争は小沢さんの勝ちということになりました。ただ、やはり国民の間では、二世議員である太子党への反発があるようで、李首相には朱鎔基元首相のようにリーダーシップある首相になってほしいとの声もある、と報じられています。

 岡田さんは野党時代から李さんと仲が良く、「李さんとは、ここ10年ぐらいになりますが、なるべくお付き合いを深めようということで、6回か7回お会いをしてきました」「階段を上がるごとに、人間のスケールが大きくなって成長してこられたということを感じながら、お付き合いをさせていただいていました」と語っていました。

 岡田さんの曾祖父にあたる三重県三重郡最大の旧家である高田隆平さんが、孫文の支持グループの一員として、孫文を泊めたことがあり、岡田さんは衆院議員になってから孫文に興味を持っています。当時の日本は日露戦争で勝利したバブル期で、莫大な外債があることも知らずに、勝利の美酒に浮かれていた時代です。

 日本はプラザ合意によるバブル景気が崩壊したジリ貧から、東日本大震災による原発停止でドカ貧になっています。力強く、太平洋へと、大陸へと、国を開いていかなければなりません。

 人生チャンスは一度きり。そう心得るべきです。でも、あきらめたらそこで終わりだし、国は生き続ける。孫文は8回失敗して9回目に辛亥革命を成し遂げたそうです。私たちもまだまだ、旅の途中です。

 

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税制改正法案で民主党「こういう透明な議論を国会でやる文学青年のようなことを本気でやろうとしたんです」

2013年03月19日 15時09分30秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]平成25年度税制改正法案や民主党提出の消費税影響緩和法案について質問する古本伸一郎さん、2013年3月19日、衆院財務金融委員会、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 予算委はきょうもお休み。参院各常任委員会では大臣からの所信聴取や予算説明がありました。衆院各委員会では一般質疑を終えて、日切れ法案の審議に入ってきました。衆議院は例年3月下旬は忙しいのですが、午前中だけで、鷲尾英一郎さんが国交委で北朝鮮制裁のための特定船舶入港禁止延長案(183承認1号)で質問した後に、衆院財務金融委員会で答弁。玉木雄一郎さんも衆財金委で同じく消費税影響緩和法案(183衆2号)の答弁の後に、衆農水委で質問。昨日テレビ入り予算委TPP集中審議に登場した松本元外相、奥野総一郎さんも財金委に登場しました。通例この時期は、野党議員は質問が週2本、あるいは一日で2つの委員会で質問も当たり前。このことを知っていれば、与党新人として「質問ができない」と不満を言いながら、内輪の部門会議にエネルギーを発散してしまったことは残念です。とにかく、地元を回って、「民主党は嫌いだけど、◎◎さん」というファンの多い足腰の強い後援会をつくることが、政権交代ある二大政党政治における小選挙区総支部長のあり方です。私は初めからそう思っていたのですが、もっと強く言うべきでした。

【衆院財務金融委員会 2013年3月19日(火)】

 内閣提出の平成25年度税制改正法案(183閣法8号)関税定率法改正案(9号)民主党提出の消費税影響緩和法案(183衆法2号)が議題になりました。

 松本剛明・民主党税調会長が質問に立ちました。社会保障と税の一体改革(きょねん6月15日)と3党平成25年度税制改正大綱(ことし2月)に基づき、「天から降ってこない社会保障のために(財源となる)消費税を上げる運びをしっかりしていくために議論を進める」としました。

 ここで、第1次野党期からの民主党税調の基本中の基本、「控除から手当へ」の一環である、租税特別措置の透明化(基本的に廃止の方向)について質問。

 答弁者として登場した奥野総一郎さんは「租税特別措置透明化法にもとづく適用実態調査が今回初めて国会に提出されました。公平・透明・納得の税制を進めていきたい」と語りました。


[画像]平成25年度税制改正法案や民主党提出の消費税影響緩和法案について質問する松本剛明・民主党税調会長、2013年3月19日、衆院財務金融委員会、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。]


[画像]民主党提出の消費税影響緩和法案について答弁する奥野総一郎さん、2013年3月19日、衆院財務金融委員会、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 これを受けて、剛明(ゴーメー)さんは各省に粗特の適用実態について、順次確認をしていきます。

 まず、経産省。エネルギー需給構造改革促進税制(エネ革税制)について、経産省事務方は「黒字企業と赤字企業の区別をしていない」などと答弁しました。

 続いて、厚労省。医療用機器の特別償却について、丸川珠代・厚労政務官は「有効に活用したい」と答弁。

 次は国交省の資産の買い換え時に納税を繰り延べできる制度について。これは企業が所有期間10年以上の資産(土地、建物、鉄道など)を買い換えた場合に80%までの納税を繰り延べできる制度だそうで、鶴保庸介・国交副大臣は3850億円の利用があるとして、「たしかに目論見よりたくさん使われた」と語りました。これは驚きました。0・4兆円の繰り延べというのは、かなり歳入に影響があるといえるでしょう。

 そして、農水省。特定農産加工品などの租税特別措置について、平成22年度(?)の25件の適用が、翌年には1件だけになっていると指摘。加治屋義人・農水副大臣は「東日本大震災の影響があった」と苦しい答弁。これについて、剛明さんは、「(8月に補助金を)概算要求をして、(12月上旬に)予算がとれなくて、(12月中旬に租税特別措置として)自民党税調にお願いしているのではないか」と指摘しました。これは目から鱗が落ちる分析でした。こういう実態があるのは知りませんでした。自民党農林族の猫の目農政は補助金から租特まで及んでいたんですね。

 この背景。剛明さんのお父さんは自民党税制調査会で活躍した松本十郎さんで、その秘書で後継者が剛明さんです。最初から最後まで自民党(経世会)だった松本十郎さんの後継者として、最初から民主党公認で出馬したというおそらく唯一の人材が剛明さんです。

 麻生財務相はまとめの答弁で「世情の変化に伴い、見直しが必要だ」と語りましたが、剛明さんは「粗特のしくみ自体を理解して欲しい」と語りました。

 続いて、民主党税調事務局長の古本伸一郎さんが登場。

 何事も初めが肝心。古本さんは「与党の税制改正大綱について、麻生大臣は答弁してくれるのか。その議論をお受けいただけるならば質問する」と啖呵を切ったところ、麻生大臣は買いました。

 消費税影響緩和法案で、消費税増税時に廃止することになっている自動車取得税について、総務省自治税務局の平嶋彰英審議官(昭和56年自治省)は「地方税制審議会では消費税と別の税だとしている」と述べ、消費税と自動車取得税の二重課税(タックス・オン・タックス)ではないとの地方税を守る立場から答弁しました。

 ここで、古本さんが平嶋審議官につっこむと、「与党税制改正大綱に沿ってやっていきたい」と答弁。ここで、古本さんは麻生大臣に「ほら、ここなんですよ」として、「平嶋さん、一人二役は心苦しいでしょう」と語り、自民党の税制改正大綱の当該部分を平嶋審議官が書いていることを示唆し、一部幹部議員から笑いが漏れました。

 ここまでだと内輪受けですが、古本さんは次のように続けました。

 「国会で議論することが大事なんです。(自民党の)与党と政府を分けるというのは知恵なのかも知れません。しかし、政治の信頼回復という意味からも、私たち国会議員が(政策決定のスピードが求められる)激動の時代であるということからも、しっかりと決めなければいけません。我々は万年野党から与党になり、こういう透明な議論を国会でしようという文学青年のようなことを本気でやろうとして、失敗したんです」。

 そのうえで、「自民党や日本維新の会、みんなの党の1期生のみなさんも、私たちの挑戦を認めて欲しい」として、これからも、公平・透明・納得の民主党税制を続けていく覚悟を表明しました。

 そして、自民党の額賀福志郎委員を見ながら、「さて、久しぶりにそこにいらっしゃる(福田康夫内閣の)額賀財務大臣のときに使った地下鉄のポンチ絵を使った資料をお配りしました」として、2008年ガソリン国会で話題になった「道路特定財源による周辺環境整備による地下鉄建設」というハチャメチャな税金むだづかいを振り返りながら、「道路特定税源ならぬ、特定【的】財源についてお伺いします」と政権交代の原点に戻り質問しました。

 麻生財務相はこの後、日本維新の会の三木圭恵さんが「この法案の提出の背景は、昨年6月の3党合意とことし2月の3党税制改正合意を元にしたものだと確認してよいか」との質問に対して、「与党3党でのとりまとめ文書に基づくものです」と答弁した後、「じゃなかった、与党2党と民主党のとりまとめによるものです」と答弁し直しました。

 野田佳彦さんの置き土産、社会保障と税の一体改革合意にもとづき2015年10月までは確実な自公民3党税制協議路線と、藤井裕久さんらによる「控除から手当へ」「公平・透明・納得の税制」「租税特別措置のシンプル化」の3本の矢がしっかりと引き継がれていきます。

 ところで、きょうの質疑の中で、閣法である「平成25年度税制改正法案」の中で、民主党の主張を取り入れた部分が法案の最後である、「付則108条」であることが分かりました。この中には「平成二十六年度中に財源も含め検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする」との部分もあり、野党である民主党は誠実に、自民党・公明党との協議をすることが求められます。民主党側からはしごを外すことは絶対にあってはなりません。

平成25年度税制改正法案から抜粋引用はじめ]

付則

第百八条 政府は、次に掲げる基本的方向性により、第一号、第三号及び第四号に関連する税制上の措置については平成二十五年度中に、第二号に関連する税制上の措置については平成二十六年度中に財源も含め検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする。

 一 大学に対する寄附金その他の寄附金に係る税制上の措置の在り方について、これまで講じられた措置の効果等を踏まえつつ、対象範囲を含め、検討すること。

 二 給与所得者の特定支出の控除の特例の在り方について、給与所得者の負担軽減及び実額控除の機会拡大の観点から、これまで講じられた措置の効果等を踏まえつつ、適用判定の基準(所得税法第五十七条の二第一項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額をいう。)及び控除対象の範囲を含め、検討すること。

 三 交際費等の課税の特例の在り方について、当該特例が租税特別措置法で定められていることも踏まえ、消費の拡大を通じた経済の活性化を図る観点から、その適用範囲を含め、検討すること。

 四 贈与税について、高齢者が保有する資産の若年世代への早期移転を促し、消費の拡大を通じた経済の活性化を図る観点、格差の固定化の防止等の観点から、結婚、出産又は教育に要する費用等の非課税財産の範囲の明確化も含め、検討すること。

[引用おわり] 

 


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稲田大臣がんじがらめ!法律、所信、公約 衆・内閣委など常任委で一般的質疑

2013年03月15日 20時20分00秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]六法全書を持ちながらの答弁を強いられた稲田朋美・行政改革担当大臣、2013年3月15日(金)、衆議院インターネット審議中継から。

 衆議院は予算委員会を1日お休みして、衆院各常任委員会で大臣の所信表明とそれに対する一般的質疑、日切れ法案の審議入りがありました。自民党、公明党、日本維新の会、みんなの党の新人議員の多くが質問デビューを飾りました。

【2013年3月15日(金) 衆院内閣委員会】

 きょうは内閣委員会の各大臣の所信に対する一般的質疑を現地で傍聴してきました。民主党の政権交代へのシナリオが見えてきました。

 民主党の後藤祐一さんが稲田朋美行革相に質問。大臣所信を読みながら、「公益法人改革に触れていない」と指摘しました。これに対して稲田さんは「公益法人改革は所信で触れなかったからといって取り組まないわけではない」と答弁。後藤さんがいつまでに法案を出すのかとつっこむと、「いつまでにというのは大事ではないと思います。中身が大事」と苦しい答弁。

 ここで後藤さんは六法全書を取り出しました。

 
[画像]六法全書を取り出して、稲田行革相に問う民主党の後藤祐一さん、衆議院インターネット審議中継。

 自民党政権時代の2008年施行の「国家公務員制度改革基本法」の4条に「政府は(略)基本方針に基づき、国家公務員制度改革を行うものとし、このために必要な措置については、この法律の施行後5年以内を目途として講ずるものとする」と書いてあり、稲田答弁は法律違反の可能性もあると指摘しました。

 ここで弁護士でもある稲田大臣は同じ法律の11条に「内閣官房に内閣人事局を置く」と書いてあるのに、民主党政権は実現できなかったと反論。この条文が後で、思いもよらぬところで、再反撃されることになります。

 後藤さんは、内閣人事局が設置できなかったことは「法案を国会に出して与野党で意見が合わなかったからだ」とし、「あなたは国会に法案を出していない。この通常国会に出さなければ立法府への冒涜だ」と語りました。

 さて、つづいてみんなの党の新人です。なお、新しい任期の通常国会が始まって1ヶ月半。このブログはあえて、固有名詞を多く上げるように心がけています。しかし、特段国会議員名をあげたからといって、その人を私が推奨しているわけではありません。3年前は「三宅雪子さんまずは合格」というよけいなことを書いてしまい、その後、「三宅さんのパーティー券を買って一緒に行こう」とつきまとわれる迷惑を受けました。まさに類は友を呼ぶという感じでした。名前を出したり、画像をあげたりしたら、私がその人を好きなわけではありません。私は私です。どうか、読解力をもって、冷静に当ブログをお読み頂きたく存じます。

 この後、みんなの党の大熊利昭さんが登場。今週は、予算委、本会議についで3度目の登場で本会議で麻生副総理から「早口で質問が何問か分からなかった」と先制攻撃を受けたにもかかわらず、「きょうは60分(質問時間を)いただいているので早口でなくやらせていただきます」とタフなところを見せました。

 「所信の順番に沿って質問します」とした大熊さん。これも一般質疑では珍しいことで、当たり前のようで、新鮮さを感じました。 

 稲田さんが所信の中で「国家国民のために」行革をする、と述べたとして、後藤さんもあげた基本法の第1条に「国民の立場に立ち」とあることと矛盾していると指摘しました。稲田さんは「国家国民のために、と国民の立場に立っては同義語だ」としましたが、大熊さんは「国家というと、その中に官僚が入る」と語りました。私もその通りだと感じました。ここで稲田さんは「日の丸官僚をつくることが大事だ」と述べました。

 この後、大熊さんとの厳しいやりとりが続き、「さきほど大臣は、日の丸官僚といったが、省庁別でない日の丸官僚の採用の話がなくなったのはなぜですか」と問いました。稲田さんはさきほどの後藤さんへの答弁の余勢をかって「それは基本法11条の、内閣人事局を設置する、が民主党政権で実現しなかったからです」と答弁。ここで、大熊さんは「それは幹部人事ですよ。内閣人事局は採用をするのですか」と聞くと、稲田さんは「採用はしません、すみません」と答弁撤回に追い込まれました。

 この後、国家公務員制度改革基本法の逐条ごとの実施状況の質問に窮した大臣はついに秘書官から六法全書(おそらく三省堂の「模範六法」)を手に取りましたが、開く時間がなく、大臣が六法全書を持ったまま、答弁席に立つという異例のシーンとなりました。

 

 このほか、日本維新の会の山之内毅さんがデビュー質問のなかで「稲田大臣の所信の中に農業の規制改革がなかった」とつっこむと、稲田規制改革担当大臣は「農業の改革についてはTPPに入ろうが、入るまいが、必要だと思います。ただ、幅広い議論が必要なため、産業競争力会議で議論し、必要があれば規制改革会議で議論する」と珍答弁。これは吹き出しそうになる珍答弁で、稲田さんが悪いわけではないのでしょうけれども、自民党がJA農協などに配慮しすぎている実態を感じました。

 きょうの審議は7時間に及びましたが、散会の5分前に、甘利明・内閣府特命担当大臣が別の答弁の中で「政権がスタートしてまだ2ヶ月。稲田大臣は我が党を代表する女性議員のエースだ」とフォローする場面がありました。しかし、稲田さんが要求大臣ではなく委員室にいなかった時間帯に、森まさこ少子化担当大臣が「私の所信表明の中で言及しています」として、自らの所信を朗読して、野党の委員に「よく読んでみてください」と促す場面があり、自民党お得意の女性同士、弁護士同士のたたかいも垣間見られました。森まさこ大臣は「民自公3党合意にもとづく子ども子育て3法の付帯決議(参院では19本)の中に幼児教育の無償化を入れたので、自民党公約に入ったのです」と胸を張りました。

 ところで、予期せぬ、後藤さんと大熊さんのリレー攻撃の後、2期生である後藤さんが質問を終えた直後の大熊さんに歩み寄り、名刺交換する場面がありました。行革、公務員制度改革の「民み共闘」の始まりです。私、誰と誰が名刺交換していたなどと言うことはあまり書きませんが、このシーンはうれしかったのでご紹介しました。

 法律、議事録、公約を追及していく。それを議事録に残していく。2012年6月15日の社保税一体改革3党合意で、2015年10月の消費税10%時までの「民自公」路線は確実です。3党の幹事長や国対委員長の覚え書きもいいですが、法律、議事録に残してしまった方が正統性が高い。

 そして、いずれ、言行不一致をつく。「至誠にもとるなかりしか」は同義語です。そうやって材料をとっていけば、いずれチャンスはきますから。ここで自民党は言質をとられようと答弁していても、いずれ言行不一致が出てくるのは政権を担う以上、あがなえないことです。運命に任せて、「いざとなったら、民主党よ、天皇陛下を守ってくれよ」と思いっきりやりたいことをやればいいのです。

 民主党は夏の参院選の改選議席を大きく減らしても、向こう3年間、衆参とも野党第1党はほぼ確実です。

[追記 2013年3月19日 午後1時]

 稲田朋美行革・規制改革相の所信表明は次の通り。

第183回国会 内閣委員会 第2号 平成二十五年三月十三日(水曜日)

○稲田国務大臣 行政改革、公務員制度改革、クールジャパン戦略、再チャレンジ担当大臣、規制改革を担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し述べます。

 真の改革は伝統を守りながら創造することであり、不断の改革を行う必要があります。日本経済の再生に向け、規制改革の推進は極めて重要です。ひるまず、大胆に、迅速に規制改革を実現できるよう、取り組んでまいります。
 このため、新たな規制改革会議を設置し、議論を開始いたしました。当面は、雇用、エネルギー・環境、健康・医療といった重点分野を初め、経済再生に資するものから優先的に見直しを行ってまいります。
 行政改革については、行政機能や政策効果を最大限向上させるとともに、政府に対する国民の信頼を得るために、極めて重要な取り組みであります。行政が経済社会の変化や国民のニーズに的確に対応したものとなるよう、本当の意味での行政改革に積極的に取り組んでまいります。
 このため、本年一月に、全閣僚から成る行政改革推進本部を設置するとともに、そのもとで行政改革に関する重要事項を議論するため、関係閣僚と有識者から成る行政改革推進会議を立ち上げ、二月に第一回会議を開催したところであります。
 今後、当本部や会議において、幅広いテーマについて検討してまいりたいと考えており、当面は、無駄の撲滅、独立行政法人改革、特別会計改革という三つの分野を中心として、しっかりと取り組みを進めてまいります。
 公務員制度につきまして、公務員が誇りと希望を持って国家国民のために職務に邁進し、そして、若い優秀な人材が公務員を目指すことができる制度とすることが必要です。
 公務員制度改革は大変重要な課題であることから、これまで国家公務員制度改革基本法に基づき提出された法案に対してさまざまな議論があったことも踏まえ、過去の経緯の総括を行った上で、必要な改革を進めてまいります。
 クールジャパン戦略について、その推進は、安倍政権が直面する日本経済再生のための喫緊の重要政策の一つです。各府省及び官民連携によるクールジャパン戦略の推進、発信力の強化を行ってまいります。
 また、何度でもチャレンジできる社会、一度やめても、もう一度職場に復帰できる社会の構築に向けた再チャレンジ支援に関する取り組みを進めます。
 公文書の管理については、公文書が民主主義の根幹を支える基本的インフラであることを踏まえ、制度の適正かつ円滑な運用に努めてまいります。
 官民競争入札等・公共サービス改革については、より良質かつ低廉な公共サービスを提供する観点から、公共サービス改革法に基づき、官民競争入札等を着実に推進してまいります。
 新公益法人制度について、その移行期間が本年十一月末に終了することを踏まえ、移行を希望する法人が期限内に申請できるよう、法人の支援に取り組むとともに、引き続き、公益認定等委員会と協力して、柔軟かつ迅速な審査に努めてまいります。
 以上述べてまいりましたように、改革を進めることにより、日本の経済再生とあわせて、社会正義の実現に向けて、職責を全力で果たしてまいります。
 平井委員長を初め、理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。

[追記おわり]

【野党6党の予算修正実務者協議スタート】


[写真]野党6党による本予算修正の実務者協議の第1回会合、玉木雄一郎さんのブログから。

 衆・予算委が休みだったこの日、衆参野党6党(民主党、みんなの党、日本維新の会、生活の党、社民党、みどりの風)が本予算修正の実務者協議をスタートしました。民主党から玉木雄一郎さん、岸本周平さん、みんなの党から柿沢未途さんが出席。衆・予算委での質問時間を社会党結党58年目にして初めて失った社民党の新人議員も集まったようです。ぜひ、参議院での本予算修正に成功してほしいです。与野党ではなく、国会のためです。

 自民党の第2次与党期は、「暫定税率」「特別措置法」を積み重ねていって、自ら日切れ法案の国会対策で致命的なミスをおかしたガソリン国会により政権から転落しました。

 第3次与党期の自民党は手強いですが、とにかく、議事録に残していけばいつか自民党が政権をすべり落ちる日は必ず来ます。至誠にもとるなかりしか。言行不一致はないか。野党の仕事というのは、本質的には、それだけだという感じがします。


 

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平成25年度税制改正法案が審議入り 民主党野党初法案で玉木雄一郎さんが初答弁

2013年03月14日 20時25分06秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]初めて答弁者として登壇した玉木雄一郎さん、2013年3月14日(木)、衆議院インターネット審議中継。

【2013年3月14日(木) 衆議院本会議 平成25年度税制改正法案の趣旨説明と代表質問】

 まず、
民自公3党合意済みの内閣提出法案、平成25年度国税改正法案(183閣法8号、所得税法などの一部を改正する法律案)
民主党対案の松本剛明君外(ほか)4名(合計5名)提出の「消費税影響緩和法案(183衆法2号)を同時に議題にし趣旨説明と代表質問をしました。その後、
平成25年度地方財政計画
平成25年度地方税改正法案(183閣法12号)
地方交付税および特別会計を改正する法案(183閣法13号)も審議入りしました。

 昨年6月15日の社会保障と税の一体改革3党合意にもとづき、3党税調会長が合意済みの税制改正法案なので、年度内成立の見通し。民主党対案が閣法の付則の検討条項に盛り込まれるかもしれません。

 「消費税影響緩和法案」は民主党が下野後に提出した初の議員立法で初めて審議入りしました。いくら参院第1党とはいえ、衆議院で通常国会前半で、野党提出法案が本会議で趣旨説明と代表質問されるのは極めて異例で新しい衆議院の地平が広がりました。衆参ねじれと震災という未曾有の国難のなかで走りながら考えた「民自公3党合意」がブレークスルー。民主党法案の一文には「平成27年3月31日までに検討を加え」という一文があります。これは「この任期中最後の税制改正まで3党協議を続けましょう」というメッセージが込められています。

 消費税影響緩和法案は、消費税の逆進性対策(低所得者対策)、医療機関の高額な投資、住宅の取得、車体課税(自動車取得税の来年度末の廃止、自動車重量税のグリーン化)の4分野が入っています。

 古本伸一郎さんが趣旨説明しました。

 法案のなかには「複数税率などの施策の導入について平成27年3月31日までに検討を加え、」とありますが、代表質問に立った武正公一さんは、「複数税率は高所得者がかえって有利になり、問題がある。そもそも与党(自民党、公明党)内ですらまとまっていない」と演説しました。その上で、「民主党税制は公平・透明・納得が基本だ」とし、年次税制改正を、インターネット公開の政府税制調査会から、自民党税調の扉の中に収まった安倍政権を批判しました。

 武正質問への答弁で、安倍首相は「一体改革の成果を公共事業に充てることはない」とし、麻生財務相は「(麻生内閣が成立させた平成21年度)税制改正法付則104条にもとづき一体改革法が成立した」と語り、消費税引き上げが第44期~第46期衆議院の切れ目ない、日本国の政策であることを示唆しました。

 さらに、提出者から2期44歳の玉木雄一郎さん、3期36歳の鷲尾英一郎さんが答弁。衆院本会議で答弁のために民主党政権交代チルドレンの登壇したのは、これが初めて。参院本会議では震災国会で後藤祐一さんがやっています。

 自民党では第44期の新人が「83会」、第46期の新人が「1192会」を組織しています。民主党では第45期の新人が組織しようとした同期会が小沢一郎・民主党幹事長によって握りつぶされ、情報交換・情報共有体制ができず、党分裂劇の一因となりました。玉木さんの世代は、民主党では5名(サバイバル・ファイブ)しかいませんが、玉木さんが登壇中に、前衆院議員(40)がSNSに「挨拶回り(日常活動としてまったく合法の戸別訪問)をしていたら勢い余って隣の選挙区に来てしまった」と投稿しました。45期は名前がありませんがやはり「玉木世代」を名乗り、「私は玉木内閣の官房長官候補です」とアピールすべきでしょう。

 鷲尾さんは社会保障と税の一体改革法案の採決当日、緊急上程の動議を議事進行係として読み上げました。おそらく憲政史上最長の動議だったでしょう。同期当選でガソリン国会の国土交通委員やガソリン値下げ隊として、委員室の中だけでなくより長い時間を廊下で過ごした石川知裕衆院議員(新党大地)のバトンをリレーしていただきたいものです。

 租税特別措置透明化法(古川法)にもとづく適用状況の報告書が3月1日に国会に提出され、92万法人が粗特を適用したことが麻生答弁で分かりました。これに先立ち、武正質問で「粗特透明化法の適用実態調査が初めて報告されたが、適用件数がゼロの粗特もあった」と語りました。

 減税措置、免税措置の継続を求める各種団体からの働きかけを受けても、きっぱりと、粗特をシンプル化できる足腰を持った議員が半数を占める民主党になったとき、改革の党として政権復帰できるでしょう。


[画像]内閣提出の平成25年度税制改正法案の趣旨説明をする麻生財務相、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ、以下同。



[画像]民主党提出の消費税影響緩和法案の趣旨説明をする古本伸一郎さん。


[画像]閣法と民主党法案の双方に対して代表質問する武正公一さん。


[画像]向かって右側のひな壇から演壇に向かう、玉木雄一郎さん。

[画像]答弁する玉木雄一郎さん。

[画像]答弁を聞く民主党議員ら。

[画像]答弁する鷲尾英一郎さん。

[国会会議録から引用はじめ]

鷲尾英一郎さんのたぶん憲政史上最長の動議は次の通り。

鷲尾英一郎君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。 内閣提出、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、長妻昭君外五名提出、社会保障制度改革推進法案、内閣提出、子ども・子育て支援法案、和田隆志君外五名提出、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案、内閣提出、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案、右八案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます

[引用おわり]

[民主党本部ホームページから全文引用はじめ]

消費税率の引上げが国民生活及び我が国の経済に及ぼす影響を踏まえ早急に講ずべき措置に関する法律案
(趣旨)
第一条この法律は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部
を改正する等の法律(平成二十四年法律第六十八号。以下「税制抜本改革法」という。)及び社会保障の
安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法
律(平成二十四年法律第六十九号)の規定による消費税率(地方消費税率を含む。第四条及び第五条にお
いて同じ。)の引上げが国民生活及び我が国の経済に及ぼす影響を踏まえ、税制抜本改革法第七条に定め
る税制に関する抜本的な改革及び関連する諸施策に関する措置(附則第二条において「抜本改革等」とい
う。)のうち、政府が早急に講ずべき措置について定めるものとする。
(逆進性対策に係る措置)
第二条政府は、消費税の逆進性(所得の少ない世帯ほど、家計において消費税として支出する額の所得の
額に対する割合が高くなる傾向にあることをいう。)に鑑み、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 税制抜本改革法第七条第一号イの総合合算制度及び給付付き税額控除、同号ロの複数税率等の施策の
導入について、平成二十七年三月三十一日までに検討を加え、その結果に基づき、速やかに必要な法制
上の措置その他の措置を講ずること。
二 税制抜本改革法第七条第一号ハの簡素な給付措置を実施するため、平成二十五年十二月三十一日まで
に、必要な法制上の措置その他の措置を講ずること。
(医療機関等における高額の投資に係る措置等)
第三条政府は、税制抜本改革法第七条第一号トの医療機関等における高額の投資に係る消費税の負担に係
る措置等について、平成二十五年十二月三十一日までに検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ず
るものとする。
(住宅の取得に係る給付措置等)
第四条政府は、住宅の取得については、その取引価額が高額であり、消費税率の引上げに伴う税負担が重
いこと等により国民生活及び我が国の経済に及ぼす影響が大きいことに鑑み、住環境の変化及び住宅に対
する需要の変化等も踏まえつつ、低所得者及び中堅所得者の住宅の取得に係る消費税の負担を緩和するた
めの給付措置等について、この法律の施行後速やかに給付の対象者、額等の具体化等のための検討を加え、
その結果に基づき必要な措置を講ずるものとする。
(自動車取得税及び自動車重量税に係る措置)
第五条政府は、自動車の取得等については、その取引価額が高額であり、消費税率の引上げに伴う税負担
が重いこと等により国民生活及び我が国の経済に及ぼす影響が大きいことに鑑み、次に掲げる措置を実施
するため必要な法制上の措置を講ずるものとする。
一 自動車取得税について、平成二十六年三月三十一日において、廃止すること。
二 租税特別措置法第九十条の十一から第九十条の十一の三までに規定する自動車重量税率の特例につい
て、平成二十六年三月三十一日において、廃止すること。
三 自動車重量税について、更なるグリーン化(環境への負荷の低減に資するための施策をいう。)を図
ること。
2 政府は、前項の法制上の措置を講ずるに当たっては、これにより生ずる都道府県及び市町村の減収を埋
めるための財源を確保し、都道府県及び市町村の財政状況に影響を及ぼすことのないよう適切な措置を講ずるものとする。
附 則
(施行期日)
第一条この法律は、公布の日から施行する。
(その他の抜本改革等に係る措置)
第二条政府は、この法律に定めるもののほか、抜本改革等について、できる限り早急に検討を加え、その
結果に基づき必要な措置を講ずるものとする。理 由
消費税率の引上げが国民生活及び我が国の経済に及ぼす影響を踏まえ、税制に関する抜本的な改革及び関
連する諸施策に関する措置のうち、政府が早急に講ずべき措置について定める必要がある。これが、この法
律案を提出する理由である。

[全文引用おわり] 

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岡田克也さんが日本維新の会と初接触 衆院常任委員会が店開き

2013年03月13日 13時14分07秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]衆議院内閣委員会、2013年3月13日(水)、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 NHK入り集中審議(7時間)の合間の昼休み、衆議院の9つの常任委員会が2013年3月13日(水)、店開きをしました。これは、大臣が所信と予算説明をし、副大臣、政務官があいさつするものです。この後、金曜日などに一般質疑を行い、法案の審査に入っていきます。例年に比べて3週間から1ヶ月遅れ。

 予算の説明は資料配布だけになる年もありますが、本予算審議中ということもあってか、大臣や副大臣が説明した委員会が多かったようです。日切れ法案を審議し、各党がエース級を配置する「衆院財務金融委員会」は麻生太郎さんが財務大臣と金融庁担当大臣を兼ねているためか、スピーディーに終わった印象でした。

 自民党の稲田朋美大臣が、12時からの衆院経済産業委員会、12時10分から衆院内閣委員会を掛け持ちしました。

 
[画像]衆院内閣委員会で所信表明する稲田朋美大臣、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 なぜだろうと思いましたが、稲田さんはクールジャパン担当大臣として経産委に出たようです。

 そして、内閣委に。内閣委員には、岡田克也前副総理、行革・公務員制度・規制改革担当大臣がヒラ委員として控えます。稲田さんは「行政改革担当大臣」「公務員制度改革担当大臣」「規制改革担当大臣」として「稲田・岡田論争」が期待されています。稲田大臣は所信で「ホントウの意味での行政改革をめざす」という意味深な発言をしました。この辺が金曜日からの一般質疑でとうなるか。

 ぜひ稲田大臣におかれては、経産委はクールでも、内閣委はホットな論戦をお願いしたいところです。

 委員会散会後には、岡田委員が隣席の議員に話しかけて、名刺交換する場面が見られました。この議員は、日本維新の会の遠藤敬さん(大阪18区)という方のようです。JC(日本青年会議所)の大阪ブロック協議会長だった43歳のようです。左手で名刺を受け取った岡田さんは、右手で自分の名刺を渡しました。

 岡田克也さんと日本維新の会議員の接触が公式に確認されたのは、これが初めて。

 岡田さんはこの後、官邸を引き継いだ、菅義偉・官房長官に声をかけ、高木美智代理事(公明党)と会話して、去っていきました。

 ぜひ、衆院予算委で本予算審議中なので、民主党衆院議員56人は、全員予算委員のつもりで、各委員会で予算も攻めて欲しいところです。米国議会は8つの予算法案として歳出を審議していますし、参議院には各常任委員会への委嘱審査をしています。地方議会でも、各常任委員会に審査してもらって、予算特別委員会を本会議場で開いて総括的に審査しているところもあります。56人全員が予算委員会ということで、実力者同士の絶妙なチームプレーで国会での予算審査の前例を開いてもらいたいと考えます。各大臣から議事録で言質をとっておけば、必ず秋以降のつっこみどころを得られるでしょう。




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スキャンダル追及が一つもなし 基本的質疑で論点出そろう 平成25年度本予算 衆院予算委

2013年03月12日 19時20分40秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【衆議院予算委員会 平成25年度本予算の基本的質疑 2013年3月8日(木、9日(金)、11日(月)、12日(火)】

 きょう2013年3月12日(火)、メタンハイドレートの採掘に成功したようです。日本の未来が明るくなりました。バンザイ!

 平成25年度総予算の基本的質疑が終わりました。

 「基本的質疑(全大臣出席)」、「集中審議(総理、財務大臣、関係大臣出席)」とも、時計を止めて審議ストップすることはありませんでした。これは2年ぶりだと思います。

 そして、「大臣のスキャンダル」「政治とカネ」の質問が、本予算審議スタート後一度もありませんでした。政権交代ある政治における予算審議の新しい地平です。

 予算委員会は「予算の実施状況の調査の件」という権限が議長から与えられています。だから、大臣が税金を分配するにふさわしい人物かの質疑は予算委員会ではいつでもすべきです。しかし、金丸信さんらによる「リクルート事件」以降の「政治とカネ」は20年間続き、うんざりしている人が多いでしょう。そして、それを見越して、安倍首相が組閣しています。そういう意味では、民主党の圧力を感じているという側面もあるでしょう。

 論点が出そろいました。TPP、規制改革(とくに農業と医療)、社会保障と税の一体改革(とくに低所得者対策)、政治改革(定数是正と定数削減)、復興対策、憲法改正、集団的自衛権などです。

 すでに3月中旬なので、あすの昼を中心に法案審査に向けた「店開き」(衆院各常任委員会の大臣からの所信聴取)が9つの常任委員会で設定されました。

 今後の政治日程としては、採決の前提になる「公聴会」「参考人質疑」の日程の採決でかけひきが行われます。また、13日も集中審議があります。これで安倍首相は、8日間(営業日、土日のぞく)連続で、衆参本会議場、衆・第1委員室で答弁し続けていることになります。通例は、参院本会議(代表質問)から衆院予算委(基本的質疑)の間に1日空きます。これは野党が予算成立を遅らせるプレッシャーを与党に与えるために1日空いていましたが、今回は翌朝9時スタートという異例の日程になっています。長妻さんはこの路線で徹底的にやっていただきたい。政府与党は、予算の早期成立は野党にいっぱい質疑をさせる時代になっているということ。見出しは立ちづらいが、これは今国会のビッグニュースです。




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平田健二・参議院議長が参院選不出馬、政界引退へ「若い政治家が必ず政権を奪還してくれると信じている」

2013年03月10日 20時29分57秒 | 第23回参院選(2013年7月)二番底

[写真]平田健二・参議院議長。
 報道によると、民主党員(会派は無所属)平田健二・参議院議長は7月21日投票予定の第23回参院選(岐阜選挙区)に立候補せず、引退することを表明しました。3月5日の本会議では「質疑はなおございますが、これを次回にゆずりたいと存じます。ご異議ございませんか。異議なしと存じます」という上品な議事次第を披露するなど「平田カラー」が鮮明になっていたので、さみしいですね。

 平田さんは「昨年10月に決断していた」とのことで、読者の一部は私が今国会召集当日のエントリーに「平田健二参院議員の任期はこの第183通常国会の閉幕直後に切れます(略)平田健二が参議院議長だったことを、忘れないで」と書いているので、当ブログのお得意の「知ってて知らないふり」をしていたのではないかと勘ぐる向きもあるでしょう。野暮ですよ。ほんとうにびっくり仰天しています。さみしいです。

 自民党が第一会派のころから新進党勢が4人連続で参議院議長をつとめてきました。まさに良識の府です。昨年末、総理、副総理、内閣官房長官の新進党3羽ガラスが官邸を去りました。夏には、三権の長からも去ることになります。新進党勢が少なくなるのはやむを得ません。ただ、平田さんの任期は、7月27日までのはずですから、7月21日の投票日の週に院の構成のための第184臨時国会を開く可能性が高まりました。仮に安倍内閣が8月臨時国会を避けた場合は、9月に第185臨時国会を再度召集することになるでしょうが、一般法案の審査が大幅にずれ込むことが確実になってきました。

 平田さんは、阪神大震災と地下鉄サリン事件で日本が不安のどん底にあった1995年夏、新進党新人として初当選。このときは、自民党公認の大野明さんと2人区の議席を分け合いました。小沢一郎なる者に新進党を解党されてしまった後は、私が担当していた「新党友愛」を経て、民主党結党に参画しました。政務三役の経験はありません。

 イギリス庶民院の現在の議長も政務三役経験はありません。現在50歳で、在職期間も平田さんより2年短いのですが、労働党政権時代に議長になり、与党・保守党の一部からの支持もあり、政権交代後も議長をしています。ネクスト厚労相などの経験はありますが、リアル大臣の経験はありません。The Timesの寸評では「サッチャー流自由主義から民社主義に政治スタンスを変えてきた政治家だ」と現議長を評しています。このように英国議会では、政務三役コースと、議長・委員長コースは分かれる傾向があるそうで、今後は政務三役経験のない参議院議長も珍しくなくなるだろうし、あるいはそれも参議院議長らしさになるかもしれません。後世に「平田ルール」と呼ばれるかもしれません。

 平田さんの1期目の「国会議員要覧」を引っ張り出して参議院の会派構成をみました。自民党が113議席、新進党はわずか48議席、公明が8議席でした。(第1次)民主党が16議席、社民党が20議席、太陽党が3議席。ここから考えると、二大政党の勢力が拮抗する今の伯仲参議院は望ましい姿です。民主党も非改選がありますから、参院選の結果が芳しくなくても、平田さんが新人だったころよりも多い議席を維持できることは確実です。衆院議員、地方議員がみんなで県連の参院議員をつくるという心構えをつくれば、道はいくらでも拓けるでしょう。新進党・民主党はたくましく変わりました。

 一方の自民党。 大野ファミリーといえば、「院外団上がり」から自民党副総理に駆け上がり、東海道新幹線岐阜羽島駅をつくった大野伴睦(おおの・ばんぼく)さん。その息子が大野明さんで、運輸相・労相をつとめながら、衆院で落選し、参院に回りました。亡くなり、奥さんが跡を継ぎ、郵政民営化法で造反し、政局を混乱させました。そして、今夏は大野伴睦さんの孫にあたる県議が自民党公認を得たようです。自民党は何も変わりません。

 民主党岐阜県連のみなさまには1人区になると、県の公共事業について知事などの要望を受けることが増える可能性があるということをご認識いただきたい。そうなると、ある程度実績があり、与野党の人脈があり、何よりもお金に清潔な後継者を県連内から選ぶのがベストではないでしょうか。

 平田さんは「若い政治家が必ず政権を奪還してくれると信じている」と語ったそうです。

 絶つ鳥跡を濁さず。多くの政治家に見習ってほしいです。
 
平田参院議長が引退表明(時事通信) - goo ニュース

 平田健二参院議長(69)=岐阜選挙区=は10日、岐阜市内で開かれた民主党岐阜県連大会で「年齢的なものと、体調を含めて(考え)引退を決意した」と述べ、夏の参院選には出馬せず、今期限りで政界を引退する考えを表明した。

 

 平田氏はこの後の記者会見で、後継候補について「近いうちに県連から発表できると確信している」と述べるとともに、「若い政治家が必ず政権を奪還してくれると信じている」と、民主党の再生に期待を示した。

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「民自公」3党協議と「民維み」野党共闘の要になれ 衆院・基本的質疑2日目

2013年03月08日 16時39分34秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]自公民、民維み、各党の幹事長。

【衆議院予算委員会 平成25年度本予算の基本的質疑2日目 2013年3月8日(金)】

 基本的質疑2日目。NHK中継の都合で、とりあえず2日間で与党(2党)野党(5党)一巡しました。午前8時台のNHKラジオ第一では、「4日間連続で(国会中継のため)番組が短縮するのは初めてではないか」との投稿にNHKアナウンサーが「そうかもしれない」と応じる場面がありました。たしかに、代表質問終了の翌朝午前9時から基本的質疑が始まったのは私も記憶にありません。長妻昭筆頭理事率いる健全野党・徹底審議路線を大いに支持したいところです。ただし、私は民主党、日本維新の会という質疑順で、相対的に民主党が良い質問をするかと思いきや、実際にはその逆だという感想を持ちました。正直なところです。

 きょうのニュースでは、日本維新の会衆院議員の中山成彬元文部科学大臣が、「検定教科書を文部科学省のホームページで公開すべきだ」との質疑に、下村博文文科相が前向きに応じました。もっと早くからしていれば良かったのですが、歴史教科書のひどさを白日の下にさらすのは大賛成です。ほんとうにこの国が失った物は大きいのですが、今のこどもたちに良い教科書を与え、また旅行費用なんかも子どもたちが世界を見るために使って欲しいと考えます。

  日本維新の会トップバーターの松野頼久さんは、民主党時代から取り組んできた「麻生内閣での第2次補正予算などの基金」について取り上げました。

 松浪健太さんは自民党時代から取り組んできた道州制について取り上げました。「自民党が道州制基本法案を出せば丸飲みするし、民主党が出先機関改革基本法案を出せば丸飲みする、丸々路線だ」と語りました。

 そして、新人の松田学さんは大蔵省時代からの持論だろうと考えますが、日本銀行だけでなく政府貨幣の発行をしたらどうか、という提案をしました。

 最後の中山成彬元文科相は、かつて同じ清和会(自民党福田派)にいた後輩の下村文科相から画期的答弁を引き出しました。 


[画像]日本維新の会の中山成彬元文科相(元自民党清和会)、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 このように、日本維新の会は民主党、自民党、新人の良い取り合わせができていると感じました。

 前日の審議では、公明党の斉藤鉄夫さんが軽減税率について取り上げながらも「課題が多い」として低所得者対策をもっと手広く自公民3党で協議すべきだとしました。これは公明党が主導した軽減税率ではない落としどころを探る発言だと私は感じました。

 このように、自公民の3党協議による、社会保障と税の一体改革、定数是正と選挙制度の抜本改革。

 そして、民維み野党3党の「3本の矢」による、それぞれの良さをいかした野党協調。

 これをうまく活用することで、民主党の活路が開けるのではないでしょうか。まさに、要(かなめ)です。

 初日は海江田万里ネクスト首相が、後輩経産大臣の茂木敏光さんから「手に忍の字を書いたり、涙を流したりご苦労された」と挑発されました。日本新党同期の2人ですが、海江田さんは受け流しました。

 2日間には3年3ヶ月ぶりに国政復帰した議員が登場しました。中山元国交相は「(2010年7月竣工の議員会館など)国会の回りの風景も様変わり」。

 自民党旧経世会の小此木八郎さんは「安倍総理と同期当選だが落選してしまった」と語ると、安倍総理は「見た目がちょっと大きくなって、ご苦労されたと思うが、まさに小此木八郎ここにあり」と持ち上げました。しかし、安倍さんは小此木さんのことをあまり知らない様子で、清和会と経世会の対立がいまだに自民党内にあることをうかがわせました。あれから20年・・・というか21年経っても自民党は同じですね。

 国政復帰で3期生となった自民党清和会の萩生田光一さんは「3年3ヶ月の浪人中、(同じ派閥の)総理には何度も激励いただいた」と切り出すと、首相は「私の親父も3度目の選挙で落選したが、3年8ヶ月、私の家の中は暗かった」と答弁しました。

 このように自民党内でも清和会、経世会の違いもあるし、日本維新の会の中でも民主党出身、自民党出身、新人など様々な人間関係となってきました。この辺を訳知りの人は活用する。リアルタイムで分からない人はいちいち、wikipediaなどしない。そうやって新しい政治を切り開いていく。

 自公民も、民維み共生も話を混ぜていくと、民主党の政策に一番近くなります。説明のていねいさと、足腰の強さと、選挙対策があれば、十分に道は切り開けるように感じました。

 春が近づくなか、ふと、気づくと、夕刊紙もテレビも、「政界再編か」という報道がやっと少なくなった気がします。



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岡田克也「我々は消費税増税をお願いしているんだから年金改革は責務」安倍首相、自分が担当大臣と知らず

2013年03月07日 16時54分47秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【衆議院予算委員会 平成25年度本予算(案)に関する基本的質疑 2013年3月7日(木)】

 基本的質疑1日目は、民主党から海江田万里代表、細野郷志幹事長、岡田克也最高顧問、原口一博ネクスト総務大臣が質問しました。

 消費税引き上げの条件として、自民党が書いて提出し、民自公3党が共同提案し、可決・成立した「社会保障制度改革推進法」に基づく社会保障制度改革推進国民会議の担当大臣は誰か?という岡田克也さんの質問に対して、安倍首相は答弁に立たず、甘利明・一体改革担当大臣は「私です」と述べました。

[画像]社会保障制度改革推進法の第14条、首相官邸ホームページ内文書からキャプチャ、トリミング、赤いunderlineは筆者。 

 しかし、同法第14条で国民会議の主任大臣は内閣総理大臣とあり、これを安倍首相が知らなかったことが確実になりました。

 これに先立ち、岡田さんは「社会保障制度改革をやるという熱意が感じられない。我々は(来年4月1日から)消費税増税をお願いしているんだから、(法律化できていない最低保障機能の強化など)社会保障改革は当然政治家の責務ですよ」と安倍首相をまくし立てました。

 消費税増税分は社会保障にあてますが、自民党が主導した改正消費税法付則第14条第2項で、公共事業に回す余地があるような表現があります。

 岡田さんは「私たち3党は、消費税引き上げを社会保障のために使いますよと国民に説明して納得してもらった」にもかかわらず、多くの国民は「消費税引き上げで余力が出た分を公共事業に充てていると思っていますよ」と指摘しました。

 劣勢の安倍首相は「そもそもですよ、消費税はまだ引き上げていないですから。引き上げたと同時に公共事業にドンっと、あてていくとしたら別ですよ」と答弁しました。

 これについては、議題となっている平成25年度一般会計予算書の28ページなどに次のような費目があります。


[画像]平成25年度一般会計予算書からキャプチャ、赤丸は筆者。

 歳入として、年金特例公債2兆6110億4240万8000円が計上されています。この年金特例公債は消費税で償還することになっています。つまり消費税増税分を1年間前借りしていることになります。国民1人あたり2・5万円ほどのお金を前借りしていることになります。

 本予算審議は、この前借り分の使い道を議論する時間です。それにも限らず、総理が「まだ消費税は上げていない」と答弁したことは、年金特例公債による歳入に関する歳出に関する議論ができないことになります。

 6年前は消えた年金。ことしは、消費税前借り年金。また年金が鬼門になるのでしょうか。

 ところで、民主党、みんなの党、生活の党、社民党は平成24年度第1次補正予算に関して、「年金特例公債を削除する」などとした修正案を提出。2月26日の参議院本会議で「110対122」の僅差で否決されています。本予算ならば総歳出規模が大きくなり削りしろが増えますから、安倍総理が同様の答弁を繰り返すなら、年金特例公債の削除にまた挑戦してもいいかもしれません。

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「基本的質疑4日間」獲得!本予算きょうスタート、ガソリン国会と同じく初日に岡田克也さん登場

2013年03月07日 07時13分44秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]三重3区の有権者に語る岡田克也さん、岡田かつや後援会報から。

 さあいよいよ、平成25年度本予算審議のスタートです。

 民主党は2013年3月6日(水)、参院の代表質問2日目終了後すぐに衆院第1委員室で麻生財務相から提案理由説明を受けました。そして、きょうから4日間にわたる基本的質疑を確保しました。

 これまで本予算の基本的質疑は通例3日間(うちNHK中継は2日間)が通例。

 昨年の基本的質疑3日目、昼の休憩後、午後の委員会が再開できず1日半空転。結果的に、4日間開きました。けがの功名もあり、長妻昭筆頭理事が遠藤利明理事から「初めから4日間」と獲得できたのではないでしょうか。少しでも早く参議院に送るのが与党理事の唯一最大の使命であることは、変わりませんが、政権交代前の「野党に寝かせない(審議拒否させない)のが早期採決のこつ」だったんですが、今の野党はどんどん審議をしたいんですよね。そこを馳浩・前理事は理解できていなかったのではないか、と推測します。民主党だけでなく、日本維新の会、みんなの党はどんどん審議しましょう。そのためには、与党が大幅に野党に時間を渡すことが必要になります。

 NHKは2日間だけでなく、3日間できれば4日間とも中継していただきたいと存じます。

 昨年の基本的質疑1日目では、3期生の加藤勝信さんが起用され「年金交付国債を取り外して年金特例債にしたらどうか」と提案し、6月15日の3党合意に「年金交付国債の削除」が盛り込まれ、12月28日、内閣官房副長官に就任しました。先週成立した補正で年金特例債が正式に平成24年度予算に入りました。

 民主党は基本的質疑1日目は、海江田万里代表(ネクスト首相)、細野豪志幹事長、岡田克也さん、原口一博ネクスト総務大臣が登場します。代表・幹事長がともに登場する打順は極めて異例。岡田さんの基本的質疑1日目登場は、2008年のガソリン国会(道路国会、特会国会)以来。

 このときの岡田さんの冒頭発言は次の通り。

 なお、最近ようやく、国会議事録への直接リンクの張り方が分かるようになりました。発言部分をクリックすると当該部分に直接飛びますので、日時や、質疑に対する答弁、前後の文脈はそちらでお楽しみいただきたいと思います。

[国会議事録から引用はじめ]

民主党の岡田克也です。きょうから、あした一日かけまして、野党の方から、福田総理初め各閣僚に質問したいと思います。私からは総理を中心に質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、総理にお聞きする前に、きょう持ってまいりましたが、さきの補正予算の審議のときに我が党の菅代表代行の質問がありまして、各市町村長の、中期計画の策定、暫定税率延長あるいは道路特定財源維持、そういったものに対する賛同の署名簿というのがあるということで、ここに現物を持ってまいりました。確かに三冊に分かれているわけですが、ただ、この署名について、冬柴大臣から全員の署名があったという御答弁がありまして、これは事実に反しているのではないかということで、御説明と釈明をいただきたいと思います

[引用おわり]

 このように我が国憲政史最大の名場面となったガソリン値下げへの流れをのっけから作っていたことが分かります。

 この日は、与党自民党を代表して谷垣禎一委員(元財務相)が質問に立っていますが、このなかで、「日切れというのはいわば政界の術語でございまして、テレビをごらんの方、日切れって何だとお思いかもしれません。日切れというのは、三月三十一日、つまり、三月三十一日から四月一日で年度がかわるわけですが、そのときに成立しないと期限が切れてしまって不都合が起こる法律のことを、業界用語なんですが、日切れ法案というふうに呼んでいるわけですね。(略)揮発油とかそういうものに、道路をつくることが必要だというので税をいただいているわけですが、本則のさらに上乗せして倍ぐらいの税金をいただいている。これが切れるわけですね、ほっておきますと。そうしますと、二・六兆円の大幅な減収となる」と語っています。

 財務大臣経験者の谷垣さんがすでに危機感を募らせています。この国会では公明党国土交通大臣(故人)の答弁がたびたび立ち往生しましたが、国会閉会後に谷垣さんが国土交通大臣として収拾に乗り込みます。しかし時すでに遅し。秋の臨時国会召集直後に福田首相が政権を投げ出してしまいました。あくまでもガソリン値下げは自民党の自爆であり、それを民主党がうまく攻めたことが分かります。

 安倍首相は代表質問で「3本の矢を同時に射込む(いこむ)」とたびたび答弁しましたが、まず(1)金融緩和をし、続いて(2)補正予算を成立させ、これから執行。そして(3)成長戦略はまだとりまとめができていません。すでに3本の矢は五月雨式に射込んでおり、戦力の逐次投入という失敗の本質をしかけているように思えます。そして、衆議院本会議での代表質問で、大畠章宏代表代行の再質問に対して、経済対策で公約未達成ならば「選挙で責任を取る」と答弁しています。この議事録が大事になってくると考えます。で、ならなければどうか。その場合は日本経済がよくなっているんだから別に良いではないでしょうか。英国流の「The Opposition Party」ということで、民主党は、政府・自民党に代わって、いつでも天皇陛下をお守りするために親任式にのぞめる体制をとっているという意識が大事です。いわば、中腰の姿勢です。

 基本的質疑4日間獲得。それもまた、宮澤解散20年の改革テコ入れ国会の重要な成果です。


[画像]初登院日に「これから20年30年かけて今の初心を忘れずに」と語る、自民党経世会の岡田克也さん、フジテレビさん映像から。

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羽田雄一郎さん「政治家は情熱、行動力、志をもってすれば道は拓ける」安倍首相への代表質問

2013年03月06日 23時59分59秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

(このエントリーの初投稿日は2013年3月9日午後2時。バックデート)

[写真]質問演説する羽田雄一郎さん、民主党ホームページから。

 「政治家は、情熱、行動力、志をもってすれば、道は必ず拓けると考えてきました」(羽田雄一郎、1967-)

 昨年の通常国会では、前田武志国土交通大臣が会期まっただ中の4月20日に問責されてしまい、衆参国土交通委員会が立ち往生しました。当初会期2週間というぎりぎりの場面の6月4日、羽田雄一郎さんが緊急リリーフしました。

 雄一郎大臣が就任してから、延長会期末までに7本の法律(うち1本は超党派議員立法)が成立し、公布されました。

衆議院ホームページの制定法律から抜粋引用はじめ]

平成24年 6月27日 40 離島振興法の一部を改正する法律
平成24年 6月27日 52 特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法
平成24年 9月 5日 71 海上保安庁法及び領海等における外国船舶の航行に関する法律の一部を改正する法律
平成24年 9月 5日 84 都市の低炭素化の促進に関する法律
平成24年 9月12日 87 船員法の一部を改正する法律
平成24年 9月12日 88 海上運送法の一部を改正する法律
平成24年 9月12日 89 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律

[引用おわり]

 第180回国会がつくった法律は「平成24年法律1号~92号」。4省庁合併の国交省は提出法案が多くなりがちですが、法律番号80番台のかけこみぶりで分かるとおり、羽田大臣の卒のない答弁でぎりぎりセーフとなりました。

 ◇

 そして、この通常国会は、大臣ではなく一議員として、それ以前に与党ではなく野党としてのぞみます。さらに会期終了直後の7月21日投票の参院選で長野選挙区で改選を迎えます。

 安倍首相の施政方針演説に対する各党代表質問に登壇しました。

 「安倍総理、2度目の総理就任おめでとうございます。戦後の政治家で2度目の総理についたのは吉田茂以来です。幸運もありますが、まさしく偉業といえるかもしれません」と切り出しました。元首相が幅を利かせた戦前とはうってかわって、戦後は総理を退任した議員が急速に政治的影響力をなくしました。安倍首相の再登板は画期的です。

 「実は、私と安倍総理には世襲政治家の家庭で育ったという共通するものがあります。ともに、祖父、父と3代にわたる政治家で、安倍総理の祖父岸元首相、私の父孜が総理大臣の重責を担いました。そして、与野党に分かれており、しかも私は参議院の議員であります。私があえて冒頭、安倍総理にお祝いの言葉を贈ったのは、ねじれ国会の現状の中、ともすれば与野党にわたる政争が激化しがちで未来への責任を担うという、政治家が本来持つべき大事な使命をはたせないことに危機感を持ってきたからです」

 「私たち民主党は、残念ながら、昨年12月の衆院選で敗北したことにより、政権の座を失いました。しかし、与党の経験をえたことで、地に足がついた政策を語ることができるようになったと自負しています」

 「私も国土交通大臣を拝命し、貴重な経験を積むことができるようになりました。以下の質問はその経験をふまえて行います」

 「2009年に民主党が自民党にかわって政権を担うことになったときに一つの到達点として、有権者のみなさまとともにその喜びを分かち合いました」

 「しかし、極めて残念なことに、総選挙に敗北して昨年の暮れ、3年3ヶ月続いた政権の座からすべり落ちました。これは民主党が公約を十分に果たせず、国民の信頼を裏切ったからであり、心から反省をいたしております」

 「私は自民党と切磋琢磨しあいながら、政権交代ある政治を目指すことが日本の民主主義を向上させることにつながると考えております」

 「民主党が目指した官僚丸投げでなく政治主導の政治、地域主権、税金のむだづかいと天下りの根絶などは以前として色あせていない大事な政策だと信じております。ふたたび国民のみなさんの信頼を取り戻し、自民党から政権を奪還し、未来の責任を果たす政治の実行に向け努力することをお誓いし、私の質問といたします」。

 ◇

 
[画像]2013年3月6日付け朝日新聞。

 厚生労働省が5年に一度調査している県別の平均寿命ランキングで、長野県が女性で1位になり、従来の男性とあわせて男女とも県別トップになりました。

 まったく偶然ですが、雄一郎さんの質問演説の朝、朝日新聞投書欄に「わが長野暮らしに優しい」という投書が載りました。

 民主党王国・長野県では、長野3区が小選挙区導入以来連続して民主党が当選し、鬼門だった長野1区でも連勝をかざりました。しかし、2区、4区、5区では完全落選し、王国の凋落がありました。実は雄一郎さんの質問演説でも、「自民党と切磋琢磨しあいながら」など、よく聞くと、今後も「自民党と民主党」という枠組みは提示していません。しかし、選挙による政権交代ある二大政党政治は、羽田孜さんが農相2回を経て蔵相から自民党選挙制度改革調査会長になってから、21年間、まったくぶれない発言です。同じことをずっと言い続ける。簡単なようでいて、政界においてはとても難しいことです。その道が拓けてきたのは、第80代首相羽田孜の存在無くてはありえません。

 私たち、民主党保守派の象徴、羽田雄一郎さん。民主党は右手の強い改革の党でなければ、生活者を守れません。もっと右へ、もっと右へ。強くなるための足腰を鍛えるためには数とともに質も大事です。それが第23回参院選だと考えています。
 
 二大政党政治をめざしたあの日から20年。新生党の情熱、行動力、志を向こう1000年へ。 

 参議院本会議場の壇上で「政治家は、情熱、行動力、志をもってすれば、道は必ず拓ける」と平然と言える政治家はけっして多くはありません。

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安倍内閣「70日」で鳩山内閣「76日」を破る 天皇陛下、法律を公布

2013年03月06日 23時59分59秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

 天皇陛下は2013年3月6日、平成25年法律第1号「地方交付税法および特別会計に関する法律の一部を改正する法律」を公布され、同日付官報に載りました。2月26日に議案番号183閣法2号として成立し、平田健二・参議院議長が奏上していた法です。

 第2次安倍内閣は親任式から70日後に、最初の法律を公布までこぎ着けました。鳩山内閣は親任式から最初の法律の公布まで76日間かかっており、これを短縮した格好です。

 ただ、改正地方交付税法は、予算(補正予算)関連法案として、地方交付税の総額の増額を国会が承認するものです。これに対して鳩山内閣は人事院勧告を反映した改正国家公務員給与関連法が初の公布だったわけですが、新法である「中小企業金融等円滑化法」を親任式から79日後に公布にこぎ着けています。安倍内閣はこれから予算審議に入るため、衆参とも常任委員会・特別委員会は休眠になります。この後は、これも日切れ法案の平成25年度税制改正法案(所得税などを改正する法案、地方税を改正する法案)にとどまる見通し。このため、新法や、日切れ以外の法案ということでは、「中小企業金融等円滑化法」が抜くことになるでしょう。

 3月6日の参院本会議では羽田雄一郎・前国土交通大臣は「復興庁と東京と福島の2本社制にした福島復興再生総局は復興庁福島復興局、環境省福島環境再生事務所、内閣府原子力災害対策本部の3つの出先機関を統轄する物だが、法的根拠がない」と指摘しました。これに先立ち、羽田さんは「私たちも与党を経験して地に脚がついた議論を展開できるようになった」と自負しています。同局の峰久幸義事務局長は昭和47年建設省入省、国土交通事務次官、復興庁事務次官を経て、福島復興再生総局事務局長になりました。4省庁合併でポストが少ない中、順調に国交畑を増やしていますが、たとえは悪いですが、まさか国交省が福島で「関東軍」になりやしないか。そのチェックが法的根拠がない組織でできるのか。第2次安倍内閣の高支持率の竹馬の中で危うさがあるのは事実です。

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【定数&選挙制度】「憲法違反だ!」で激論、岡田克也、細田、北側「幹事長」は政権交代の完成をめざせ!

2013年03月05日 19時13分51秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]左から芝博一・参院議員、原口一博ネクスト総務大臣、中川正春幹事長代理、岡田克也・民主党政治改革推進本部長。背中は蓮舫・参院議員。2013年3月5日(火)午後、国会内、筆者撮影。

【自公民3党の定数削減・選挙制度改革の実務者協議スタート】

 衆議院の定数削減と選挙制度改革についての公職選挙法改正について、民主党の岡田克也政治改革推進本部長は、午前8時から都内のホテルで、自民党の細田博之幹事長代行から私案を提示され、公明党の北側一雄副代表と3人で情報交換しました。昨年11月14日の野田佳彦首相と安倍総裁が約束した「定数削減」の実務者協議がスタートです。この後、岡田さんは国会内にかけつけ、民主党全議員対象の「政治改革推進本部」で提案内容を説明し、情報共有しました。

 細田私案の「比例の一部を別名簿(比例A、比例B)にして、少数政党に優先的に配分する」との案に対して、「それは憲法上の制約がある!」と岡田さんがのっけからぶちかますと、細田さんから「一部連用制よりはマシだ!」とし、民主党の「樽床私案」が反撃されたことを明かしました。自民党案の「定数30削減」について、民主党議員からは「あくまでも定数80削減をめざすべきだ」との意見が相次ぎました。

【岡田さんの小選挙区削減論の意外な?理由に公明党好感か】 

 これは誤解があるでしょうが、現在の衆議院の定数は475(小選挙区295、比例代表180)です。

 昨年12月16日の第46回総選挙は480名で行われました。が、その前の11月15日に成立し、26日に陛下が交付された平成24年法律96号で、すでに「合計475名」になっていました。ですから、現行の公職選挙法では475です。

 細川内閣で平成5年政治改革4法では選挙区300、比例200でした。その後、比例が20削減。そして、定数是正のため選挙区が5削減されました。

 今後の削減幅ですが、比例代表の大幅削減を公明党が避けたいのは言うまでもありません。

 そのため、細田さんは「比例を別名簿」ということですが、岡田さんは選挙区も比例も削って、大政党にも中小政党にも配慮するという「シンプルな定数削減」を念頭に置いているようです。

 とくにこの「小選挙区削減論」にはある理由がありますので、公明党支持者の人も信頼して良いでしょうが、先日も書きましたが、意外な理由です。

 1990年2月の第39回総選挙の三重1区(定数5)で、商都・四日市を地盤とする唯一の国会議員としてデビューしました。ところが、自分が推進した小選挙区制によって、区割り審は四日市を二分して、三重2区と三重3区を線引きしました。

 岡田さんは、昨年2月10日の副総理記者会見(首相官邸内ホームページ所収)で筆者の質問に答え、「不幸にして、三重県四日市市が南北に二分割されるということになりまして、私の住んでいたところは、私の選挙区ではなくなりました。しかし、子供の時代からの思い出深く、そこにずっと住み続けて、選挙では中川正春と書き続けてきたところです。(略)将来、三重県の選挙区が少なくなるようなことがあれば、また自分の名前書ける日もあるかなと思いながら、現時点ではそういうふうになっています」としています。

 これに先立つ、岡田幹事長時代も2010年国勢調査を反映して一票の格差を「2倍以内」にするために、「21増21減」を推進しました。これも三重県が「4」になる案でした。しかし、細田さんの「0増5減」という、わずか5県だけが対象で定数削減もでき「2倍以内」になる画期的な案がでて、それが今の法律になっています。

 このように個人的な思惑なのですが、岡田さんは原理主義者。決まったことには従います。小選挙区削減に意固地になることはないでしょうが、公明党関係者としては、小選挙区の削減があれば比例の削減はやや減るかもしれないので、参院第1党である民主党の岡田さんに期待したいということになるでしょう。

 三重県の定数が5から4になれば、四日市市が独立した区割りになるのは確実で、そちらは自分が総支部長になり、鈴鹿市がある選挙区を中川正春さんが担当。前回の総選挙限りで中井ヒロシさんが立候補せず引退したので、森本哲生さん、藤田大助さんをそれぞれ地の利のある選挙区総支部長になってもらうのでしょう。対する自民党は、田村憲久厚労相は半世紀にわたる地盤があり、三ッ矢憲生さんは極めて広い選挙区で勝ち続けています。区割りが変わることで、パワーバランスがくずれ、チャンスが生まれます。そして、伊勢神宮のある選挙区で民主党が勝ったときに、真の日本の政権政党になります。やはり2009年の政権交代は、三重5区は自民党に取られるという画竜点睛があったことがその後の迷走につながった可能性がなきにしもあらず。

【岡田、細田、北側「政権交代」幹事長は、選挙制度改革法を成立させるまでが政権交代だ】 

 

[画像]解散2日前に田原総一朗さんを中心に議論する公明党の北側一雄、自民党の細田博之、民主党の岡田克也の各幹事長、2009年7月19日(日)、テレビ朝日サンデープロジェクトからキャプチャ。

 上の画像で分かるとおり、岡田克也さん、細田博之さん、北側一雄さんの3人は、政権交代選挙のとき、民自公の幹事長でした。田原総一朗さんのつっこみで激論をかわす3党幹事長。このビデオを久しぶりに見ましたが、解散2日前の時点で、すでに完膚無きまでに民主党勝利は決定づけられていました。これはかなり悲惨な戦いでしたが、まだ「政権交代」は完成していません。シンプルで、1人1票に近い選挙制度をつくり上げるまでが、3党「政権交代」幹事長の2009年夏です。

 3人とも1990年初当選。田原総一朗さんの鋭いつっこみから始まった宮澤嘘つき解散から20年目の「第183回改革テコ入れ国会」。改革テコ入れの根本は選挙制度のルールつくり。

 党派が多くてまとまらない場合は、田原総一朗さんに乗り込んでもらって、一晩だけで、夜明けをめどにバッと決めちゃいましょう!

 

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