宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

◎平成25年度本予算(案)が衆院通過 成立は連休明け後に

2013年04月16日 19時53分41秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]平成25年度本予算可決の安倍首相(自民党総裁)ら、2013年4月16日(火)、衆院本会議、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。
【2013年4月16日(火) 衆議院本会議】 

 平成25年度総予算3案(一般会計、特別会計、政府関係機関)が可決し、参院に送られました。

 この任期では初めて木札(白票、青票)による記名投票表決となり、投票総数476、可とする者白票328、否とする者青票148の賛成多数で可決しました。日本維新の会は補正予算とは打って変わって反対に回りました。衆院では圧倒的過半数となりましたが、参院では自公だけでは半数に届きません。

 本会議で、山本有二・予算委員長は「一般会計で92兆円、18特別会計との純計は185兆円だ」と予算規模を説明し、「そのうち、新規公債発行は42兆円。財政投融資は18兆円だ」と報告しました。

 討論では、自民党議員が「総審議時間は82時間30分間。驚くべきことに審議が止まることはまったくありませんでした」と演説しました。

 民主党の高木義明・国会対策委員長の記者会見によると、そのうち、総理入りが67時間30分、かつテレビ入りが57時間30分で、ともに過去最高。

 徹底審議路線で与野党問わず国会が財政に責任を持つ姿勢が明確になってきました。

 与党執行部の自民党の石破茂・幹事長、鴨下一郎国会対策委員長らは、くれぐれも、残り73日間の後半国会でも同様に、審議時間を確保するていねいな国会運営を続けて欲しいものです。衆・本で山田宏予算委員は「最後の方になると、閣僚にゆるみがみられた」と討論で指摘しました。

 衆院の新区割りに関しては、3つの高裁から「緊急是正法は違憲だ」とされているのですから、新しい会期では新しい法案を審議するのが、会期独立の原則です。原理原則を守りましょう。

 突然オオカミが出てきたりすることがないよう、くれぐれも、赤ずきんちゃん気をつけて!


[画像]平成25年度本予算に青票を投じる岡田克也・最高顧問(中央)、前原誠司ネクスト財務相ら、衆議院インターネット審議中継から。


[画像]平成25年度本予算に青票を投じる松本剛明・党税調会長、長妻昭・衆予算委筆頭理事、大島敦ネクスト官房副長官ら、衆議院インターネット審議中継から。


[画像]平成25年度本予算に青票を投じる野田佳彦・最高顧問、高木義明・国会対策委員長ら、衆議院インターネット審議中継から。


[画像]平成25年度本予算に青票を投じる松原仁・党国対委員長代行、安住淳・衆財金委筆頭理事、中川正春・党幹事長代行ら、衆議院インターネット審議中継から。

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泣くな玉木!本予算11年ぶり野党修正案、出したのは「維・み」・・・民主党呼びかけ決裂で単独の動議に

2013年04月16日 16時45分37秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]平成25年度本予算の撤回のうえ編成替えを求める動議(民主党単独提出)の趣旨弁明をする玉木雄一郎さん、2013年4月16日(火)、衆議院インターネット審議中継から。

【2013年4月16日(火) 衆院予算委】

 「補正予算、暫定予算、本予算」という変則的な日程となった平成25年度本予算(案)が可決しました。この後の衆・本会議で可決し、参院に送付されます。審議時間は82時間で、審議拒否一切なしのノンストップ。

 半数改選を迎える参議院では22日(月)から基本的質疑に入る予定で、連休を挟んだ後半国会でも引き続き本予算審議が続くことになります。

 55年体制発足以来、半世紀をこえて、ついに社民党(旧社会党)が1回も質問に立たない歴史的な国会となりました。

 そして、日本維新の会・みんなの党が「野党による修正案」を提出しました。これは、11年前の第154通常国会で、枝野幸男政調会長や松本剛明・予算委員らが、民主党・自由党・共産党・社民党の4党共同の修正案を提出して以来となりました。国会法57条の2による本会議での提出は55年体制以降初めて。とくに日本維新の会にとっては、事実上初めてと言ってよい通常国会で技術的に難しい本予算の野党修正案をつくったことは、同党の政策立案能力の高さを示しており、政権交代ある政治にとって画期的なことになりました。

<国会史上初の野党による本予算修正協議会>
 そもそも、本予算審議開始直後から、3月15日付エントリーで書いたとおり、「野党6党の予算案修正実務者協議会」(座長格・民主党の玉木雄一郎さん)が立ち上がっていました。

 5回にわたり、共同での予算の修正案の提出をめざしてきましたが、先週金曜日に決裂。その結果、日本維新の会とみんなの党が共同で修正案を提出。一方、民主党は単独で組み替え動議(撤回のうえ編成替えを求める動議)を提出しました。生活の党も単独で動議を出しました。協議会に入っていなかった共産党も単独で動議を出しました。社民党とみどりの風は議席がありません。

 野党6党決裂の理由は

 (1)歳入面で埋蔵金取り崩し(労働保険・外為・国債整理基金特会など)に「維み」がこだわったこと。
 (2)本来は予算ではなく法律で対応すべき消費税の地方税化、年金積み立て方式の導入に「維」がこだわったこと。

 があげられます。

 このほか、
 (3)「自公民3党合意」を踏まえて消費税増税を前提にする年金特例公債について、維持したい「民」と削除したい「維み生社風」の足並みが乱れたこと。
 (4)地方交付税の減額をめざす「み」に対して、「民維」がそれぞれの支持基盤に配慮して慎重だったこと。

 があげられます。
 
ただし、平成24年度補正予算案で、「民み」は「年金特例公債を削除する修正案」を参院に提出していました。しかし、その後、消費税増税を前提にした平成25年度税制改正法の付則108条に民主党の主張が盛り込まれて衆参ねじれ下の3党合意を肉付けする「自公民路線」が法律的に担保されたことから、年金特例公債削除について、我が党中堅議員から慎重にするよう意見が出ていました。そこで、「維み」2党が「地方交付税の増額か減額か」という対立を乗り越えて修正案提出にこぎつけたようです。

 衆院では民主党は単独での組み替え動議にとどめて、参院では、桜井充政調会長(参院議員)主導でふたたび野党共同修正案の作成につとめて、可決もめざす構え。

 11年前の修正案は、「外務省の歳出を削ってその分を予備費に積む」という手法。これは地方議会でたびたび使われる手法です。自治体では予算の議会修正は日常茶飯事であり国会は遅れています。

 それに比べて、今回の「維み」修正案はより難しい「寄せ木細工」をし、歳出入の5兆円減額に成功しており、大いに評価したいところです。

<民主党単独の組み替え動議は15ヶ月予算の基金の0・4兆円の減額など財政健全化に注力>

 民主党の撤回のうえ編成替えを求める動議のポイントは以下の通り。

 (1)歳出で公共事業を0・7兆円を削減し、歳入で建設公債を0・7兆円減額する。
 (2)歳出で地方一括交付金(予算書では「地域自主戦略交付金」)0・7兆円を復活(増額)させ、歳出で社会資本総合交付金を0・7兆円減らす。
 (3)全国防災、緊急防災・減災、元気づくり事業費を削減した財源で地方交付税を0・3兆円増額する。
 (4)介護労働者の処遇改善、少人数学級の推進、世界エイズ・結核・マラリア対策基金など内外の「人への投資の拡充」で0・1兆円を追加する。
 (5)平成24年度補正で積み増しされた「基金」を見直し、およそ0・4兆円減額する。
 (6)エネルギー特会の不用額を勘案し、予算の実態に即した水準に減額する(所要額不明)。

 この6点になりました。参院では主に、(1)、(2)、(6)を中心にして、再度野党6党による共同修正案にチャレンジして欲しい、と筆者は考えています。

 ◇

 共産党は「教育予算の増額」「普天間基地の辺野古移転反対」などとした撤回のうえ編成替えを求める動議を出しました。

 ◇

 生活の党は、民主党同様に「一括交付金の復活」を要求しました。消費税増税を前提とした歳入を削除し、埋蔵金を充てるよう求めました。原発廃炉の国営化の方向性も打ち出す組み替え動議となりました。

 ◇

 日本維新の会・みんなの党共同提出の「修正案」(山田宏君外提出)のポイントは次の通り。

 (1)道州制を前提に、消費税をすべて地方税にする。
 (2)行財政改革のため、交付金・補助金・委託費を一律2割カットし、国家公務員給与を1割カットする。
 (3)公的年金制度の「積み立て方式」へ移行させる前提で、一般会計から特別会計への繰り入れを3兆円カットする。
 (4)成長戦略として、科学・研究に関する歳出を3割増額する。
 (5)防衛力の整備のため、防衛費を増額する。
 (総論) 歳出入を5兆円減額する。よって、年金特例公債(2・6兆円)も不要になる。

<民主党が野党共闘での予算修正にこぎ着けなかった背景は衆参ねじれによる「自公民3党合意路線」>

 修正案の趣旨説明から10年後、第1次与党期の東日本大震災の国難のなか、松本外相の姿がありました。

wikipediaから.

 そして、第2次野党期の第183通常国会で、松本税調会長として「自公民」3党で、歳入法(税制改正法)に主張を入れることに成功しました。参院選で自公が参院過半数を制した場合は、「民維み」路線で、来年度の本予算修正に乗り換えることもできるし、場合によっては民主党単独で独自性を発揮して、次の衆院選にそなえるなど、民主党の選択肢は無限です。政権担当経験のある野党は民主党だけです。

<本予算審議で活躍した長妻さんと「エース玉木」>

 今回の衆院審議では、我が党の長妻昭・筆頭理事と、玉木雄一郎・修正協議実務者の活躍が目立ちました。


[画像]締めくくり質疑に立つ長妻昭・筆頭理事。2013年4月16日(火)、衆議院インターネット審議中継から。

 長妻筆頭は16日の締めくくり質疑でも「アベノミクスは、Asset Bubble Economyと言われている」と牽制し、「社会保障の議論が少なかった」と本予算審議をしめくくりました。そして、「3月7日の岡田克也議員への答弁で社会保障制度改革国民会議の主任の大臣だと知らなかった」として、国民会議の8月のとりまとめを重視するよう諭しました。今後の政治日程からして、8月まで衆院予算委は閉会中審査による集中審議も含めて、1回も開かれない可能性があります。「3党合意族」の長妻さんが谷垣路線からの逸脱が目立つ安倍さんに釘を刺した格好。筆頭理事として週2回テレビ入り質疑に出たり、衆・厚労委に戦線を拡大したり、さらには分科会まで質問に立ちました。審議拒否戦術から徹底審議戦術へ。野党の国会戦術の歴史的パラダイム展開に、自民党は馳浩筆頭理事を更迭し、遠藤利明筆頭理事に交代させる異例の対応をとりました。

<泣くな!玉木、ドンキホーテ玉木!> 

 さて、下の玉木雄一郎さんの写真。

 これは2013年4月9日(火)の集中審議で、奇しくも瀬戸大橋開通25周年の前日になります。永田町メーンストリームには四国出身者が多いのですが、「瀬戸大橋開通は、アポロの月着陸よりずっと興奮した」と口をそろえます。

 玉木さんはこの場で次のように語っています。自民党議員の爆笑しているのは、その中でも太字で強調した部分です。
 「私は何と言われても、辛気くさいといわれても縮小均衡だと言われても、財政規律を絶対守らないといけないんだ。そのことを国会議員が言わなくて誰が言うんですか。財務省なんて任せちゃダメなんですよ



 だって財務省が完璧だったら、なんで1000兆円も借金をつくっているんですか。全部我々政治家の責任ですよ。私だって3年3ヶ月の与党の経験しかありませんけど、その責任の一端があると思って、今質問しているんです。今だけさえ良いという政治から脱却して、心から次の世代、とにかく我が国の継続性、永続性にリスペクトをもって政治にのぞんでいくことが重要だと指摘して質問を終わります」。

 黒田緩和(4・4)の効果でこの日の日経平均は1万3192円、1ドル99円でした。16日の締めくくり質疑でも、自民党委員は集中力を欠き、党内基盤の弱い平成研の田村厚労相が答弁を質疑者にたびたび制される場面などでたびたび爆笑が広がりました。「財務省なんて任せちゃダメなんですよ」に爆笑するアベノミクス高支持率自民党の危うい竹馬。

 いずれは、岡田内閣の玉木官房長官か、長妻長官か。あるいは玉木内閣の・・・。

 いずれにしろ、本物が求められる時代であり、たとえ野党2期生でも国家財政という風車小屋に立ち向かうドン・キホーテ玉木。エース玉木に嫉妬せず、私たちが総理をつくるんだという気構えで、我が党のイチバン苦しいときを一緒に前に進んでいきたい。

 それでダメならダメなんです。

 どうせ人生一度きり。我が国の永続性のために、前に進むしかありません。

 泣くな!玉木!胸を張れ!

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tags 安倍晋三 谷垣禎一 田村憲久

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アウン・サン・スー・チーさんが傍聴 衆・予算委

2013年04月16日 14時57分10秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

 政府招待で来日中のミャンマーの政党、国民民主連盟のアウン・サン・スー・チー党首が2013年4月16日(火)午後2時45分ごろ、衆院予算委を傍聴しました。

 日本維新の会の中田宏議員が平成25年度本予算のしめくくり質疑を始めたところで登場。

 山本有二委員長が紹介し、委員全員が起立し拍手で迎えました。

 中田さんはアウン・サン・スー・チーさんの父親で独立の父、アウン・サン将軍と日本人軍人との交流がミャンマーの教科書にも載っているとし、日本とミャンマーの交流を深めるよう閣僚に質しました。

 このエントリーの本文記事は以上です。 

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NHK日曜討論で岡田本部長、石破幹事長謝罪を要求 「小選挙区比例代表並立制」守り抜く!

2013年04月14日 20時50分33秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]民主党の岡田克也政治改革推進本部長、細野豪志幹事長、2013年4月2日(火)、民主党本部内、筆者(宮崎信行)撮影。

 早いもので、連休前国会は残り2週間、10営業日となりました。

 自民党と民主党は4月16日(火)の本予算の衆院通過と22日(月)の参院審議入りで合意しており、本予算が成立しないままの連休入りになります。連休前国会最終日の4月26日(金)が、会期末6月26日(水)の62日前であることから、日本国憲法60条「3分の2再議決」による法成立の参院採決のメドとなります。

 2013年4月14日放送の「NHK日曜討論」は時間を15分拡大して、「どうなる選挙制度改革」を放送しました。

 各党の選挙制度実務者として出席したのは、自民党が細田博之・幹事長代行、公明党が北側一雄副代表、民主党が岡田克也・政治改革本部長、日本維新の会が片山虎之助さん、みんなの党が中西健治さん、生活の党が鈴木克昌幹事長、日本共産党が穀田恵二さん、社民党が又市征治幹事長、みどりの風が舟山康江・政調会長、新党改革が舛添要一代表。

 政府は、2013年4月12日(金)の閣議で、「鳥取県を定数2としたうえで0増5減する公職選挙法と区割り審設置法の改正法案(183閣法51号)」を決定しました。

 この法案について、野党から「自民党は0増5減で食い逃げしようとしており、抜本改革をしないつもりだ」との指摘がでました。島田敏男NHK解説委員が細田幹事長代行に「今国会中に(改正公職選挙法成立後に)2段階で抜本改革をする用意があるのか」と問いただすと、細田さんは「4月中に両院を(改正公選法が)通れば、今国会中にやる用意がある」と答えました。スタジオ内の野党実務者は、「0増5減でお茶を濁しそうで信用できない」という風情でした。

 岡田さんは「細田さんの言うことはおかしい。人口比例にするのならば鳥取県は(閣法の2ではなく)1になるはずだ。党利党略ではないか。説明してほしい」としたうえで、「抜本改革をこの国会(第183通常国会)でやるのは時間的に無理だ。別にやるべきだ」と話すと、スタジオ内からどよめきが起こりました。

 これは、細川内閣が命と引き替えに成立させた「平成6年選挙制度改革4法(細川・羽田法)」の肝である「小選挙区・比例代表並立制」を守り抜く覚悟を示した発言。

 片山さんも「抜本改革はできればいいですよ。ただ会期は(残り74日間と)短いけどね。それよりも、高裁の(憲法違反で選挙は無効だという)判決が出て、0増5減では無理だということになっている」と話し、閣法ではなく、1人別枠方式を完全廃止した法案を審議するよう迫りました。

 この後、各党が閣法への対案を披露しました。



 民主党は、
 小選挙区を300→270へ。
 比例代表を180→130へ。



 日本維新の会は、
 小選挙区は300→240へ。
 比例代表は180→ 96へ。


 みんなの党は
 小選挙区を300→0へ。
 比例代表を180→300へ。
 


 生活の党は
 小選挙区300→240へ。
 比例代表が180→130へ。

 とそれぞれの対案を披露しました。

 岡田さんは、野党案を閣法と同時に審議して欲しいと要望したうえで、名指しは避けながらも、「自民党の幹部から『3分の2を使う』という発言が出たことを謝罪し、撤回してほしい」と石破茂・自民党幹事長(鳥取1区)を暗に批判しました。

 社民党の又市幹事長も「そうだそうだ、(このスタジオには)5人の参議院議員いるんだ」とヤジを飛ばし司会者から制されると、「(石破発言は)参議院に対する冒涜だ!」と叫びました。

 岡田さんは「1人別枠方式(の廃止)に反対しているのは自民党だけで、(1人別枠方式の維持で)得をするのは自民党と民主党だけだが、民主党は割り切りました」と語りました。これを裏付けるように、前日、定数が3から2に減る山梨県では、民主党県連が衆院2区総支部長(前衆院議員)を夏の参院選に院替え出馬させることを決めた、と報じられています。

 細田さんが「新聞報道で誤解があるが、(区割りは)住民基本台帳ではなく、国勢調査に基づくことになっている」としました。これは私はその通りだと思ったのですが、きょうの番組を見て、認識が変わりました。みんなの党の中西さんが冒頭発言で、「(選挙無効判決が)選挙当日の有権者数に基づいていることに留意すべきだ」と発言。片山さんは細田発言を受けて、「住基台帳は国調台帳の先触れであって、(10年に1度の国勢調査結果は)かならずそうなる」とし、住基では既に6選挙区で2倍超になっている、との指摘を尊重すべきだとの認識を示しました。そのうえで、「だから、0増5減だけでは不十分だ。0増5減で食い逃げするのではないかという野党の懸念を払拭するのは自民党の責任だ」と語りました。

 これまで維新は園田博之さんが実務者でしたが、理由は分かりませんが、きょうは片山虎之助初代総務大臣(昭和33年自治省)になりました。片山さんというと思い出すシーンがあります。橋本官邸を一人訪れた片山さんは「私は自民党岡山県連会長。総理は自民党岡山県第4選挙区総支部長だ」として、県連に関する案件では、自分が総理より偉い立場だ、と記者に強調しました。まったくもって正しい認識だし、政治家のあるべき姿です。片山さんは岡山県知事を狙っていると噂されていましたが、複数の総支部長との折り合いが悪かったともされ、知事選に出馬することはありませんでした。しかし、橋本行革で誕生した総務省の初代大臣となり、「三位一体の改革」という大胆すぎる命名の改革をしました。やはり、国の将来を考えているのは、経世会出身者だなという感じがしました。頼もしい限り。

 細川・羽田改革のうち、「1人別枠方式」に関しては、平成23年最高裁判決は「卒業」を命じまし。しかし、小選挙区比例代表並立制による政権交代ある二大政党政治はようやく始まったばかりです。20年前の国会は、「改革派」と「守旧派」に2分されました。この国会は「改革派」と「エセ改革派」を仕分ける国会に進化しました。あの夏熱病に冒された若手議員のうち、「改革」という美名の下に、国家国民を裏切り、私益を貪ったのは誰か。いったい誰が「改革派」で誰が「エセ改革派」だったのか。

 「一度裏切る者は二度裏切る」ーーそれが明らかになる会期末まで残り74日間・47営業日(連休谷間除く)となりました。

tags 細川護煕 羽田孜 橋本龍太郎


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筆者(宮崎信行)が「激論どっちマニア(裁判傍聴vs国会傍聴)」に出演しました テレビ朝日

2013年04月13日 17時54分19秒 | その他

[写真]宮崎信行、テレビ朝日「激論どっちマニア」の放送TV画面から、2013年4月13日午後5時過ぎ、筆者撮影。

 2013年4月13日(土)の午後4時25分から(午後5時25分まで)放送されたテレビ朝日(地上波5ch.)「激論!どっちマニア!!SP」に筆者(宮崎信行)が出演しました。

 「裁判傍聴vs国会傍聴」のコーナー。阿曽山大噴火さん、ザ・ニュースペーパーの福本ヒデさん、平成ノブシコブシの吉村崇さんらと共演。司会は劇団ひとりさん、土田晃之さん、テレビ朝日アナウンサーの久冨慶子さん

 番組は「カレーvsラーメン」とともに放送されますが、そちらのコーナーには私は出ません。「裁判傍聴vs国会傍聴」の方です。ひな壇芸人の位置から話しています。

[テレビ朝日ホームページから引用はじめ]

http://www.tv-asahi.co.jp/docchimania/

2013年4月13日(土)
午後4時25分~放送
激論!どっちマニア!!SP

●裁判傍聴 VS 国会傍聴
ちょっと小難しそうな裁判傍聴と国会傍聴!
裁判傍聴と国会傍聴を知り尽くしたマニア達が、
初心者でも楽しめるような魅力をプレゼン!!
傍聴に行ったことのある人も、行ったことのない人も、必見!!

[引用おわり]

 CS放送の「テレ朝ch1」でも「激論どっちマニア」でも、放送があるようです。関東地方以外の方は、CS「テレ朝ch1」でもぜひごらんください。 関東地方以外の放送局での放送も分かれば、お知らせいたします。


久冨アナ、劇団ひとりさん、土田晃之さん。





安倍首相に扮した福本ヒデさん(ザ・ニュースペーパー)。


裁判傍聴マニアの森田美位子さんと阿曽山大噴火さん。








宮崎信行



さて判定の結果は・・・

 裁判傍聴の阿曽山大噴火さんに負けずに、これからも、国会傍聴マニア拡大のためにがんばります!

 このエントリーの本文記事は以上です。

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「国民が選挙の主役となる政治文化を」 羽田孜さんの後継者・寺島義幸さんが本会議初登壇

2013年04月12日 14時16分30秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【2013年4月12日 衆議院本会議】

 民主党唯一の1期生議員である寺島義幸さんが登場。

 小選挙区導入から長野県第3区(上田市など)で連勝していた元首相、羽田孜さんの跡継ぎとして立候補。民主党(前進の新進党を含む)6連勝で、小選挙区当選となりました。58歳。元長野県議会議長。本会議初登場です。

 この日の本会議では、インターネットを解禁する公職選挙法改正法案について、田島要さん・篠原孝さんらの民み案(183衆法1号)と、逢沢一郎さんら自公維3党案(183衆法3号)が当時に議題になりました。

 民み案では、「だれだれ候補に投票してください」という投票依頼のメールを選挙の公示・告示後の選挙運動期間中に、日本国民なら誰でも出せる法案でした。

 自公維案はこれを、候補者と政党だけに限るとする法案です。

 寺島さんは「民み案に賛成し、自公維案には次善の策として賛成する用意もある立場」で登壇して、討論。

 この中で羽田さんの秘書も務めた寺島さんは

 「主権者である国民が主体となった選挙戦が原則であり、つながりのある人に働きかけるというのは選挙運動の原則です。電子メールは現在、広く普及しており、国民の自由な政治参加が認められるため、全面解禁すべきです」

 と演説しました。
 そのうえで

一般有権者が選挙の主役となり、広く国民が参加する熟議の政治文化が当たり前になることを願って討論といたします」と締めくくりました。

 まさに羽田さんが20年間ぶれずに言い続けたことが受け継がれていると感じました。

 
[画像]羽田孜さん。

 そんな衆院国土交通委員の寺島さんですが、野党デビューはしあわせなことです。

【第23回参院選で、私たち有権者はメールでの投票依頼はできず(>_<)、これまで通り、電話、公選はがきで。】

 採決の結果、民み案は賛成少数で否決。その後、自公維案に、「次々回からのメールの全面解禁を検討する」とした修正案が全会一致で可決。参院に送られました。参院では修正案が会期内に成立し、参院選から適用されるのは確実。

 ですから、第23回参院選(7月4日公示、21日投票見通し)では投票依頼メールは政党、候補者しか使えないということになります。そのほか、私たち有権者が「候補者のメールを転送」したり、「アドレスを参考としてメールする」ことの是非については、今後、法律の運用指針がまとまる見通しです。もちろん、電話による投票依頼や、選挙事務所に持っていく「公選はがき(法定はがき)」による投票依頼はこれまでどおりまったく合法。

 今から20年前の「宮沢解散」の直後に新生党を結党し、代表に就任した羽田孜さんは国会議事堂の外では議員バッジをはずしていました。有権者と話すときに「これほど邪魔な物はない」という理由でした。これは新生党の後輩である岡田克也さんも今でも見習っています。

 
 岡田克也さん「バッジをはずすのは、別に国会議員を辞めたいからではございません。基本的に私は、国会の中、議員会館の中以外ではバッジをつけないということを、20年くらいやってきておりますので、今日は忙しすぎてそれを忘れていたということです」(2010年9月17日の与党第1党幹事長就任会見で)。

 政権交代ある二大政党政治は完成したのではなく、始まったばかりだということを心得るべし。

 自立と共生の新生党。

 その栄光と苦難は、これから真価が問われます。

 

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もはや「年金王子」でなく「国会戦士」だ 長妻昭・筆頭理事が分科会に異例の登場「生活保護引き下げ」反対

2013年04月12日 11時52分29秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【衆議院予算委員会 分科会 2013年4月12日(金)】

 平成25年度本予算案審議は、衆院で省庁別の分科会8つが設置され、金曜日、月曜日で審議します。民主党政権時から大臣が答弁するようになり、政権再交代後も今回も大臣が答弁しています。

 この中で、「第5分科会」では、田村厚労相が出席し、厚生労働省関連の歳出について審議。この中で、長妻昭筆頭理事が登場して、質問。野党筆頭理事の分科会登場は極めてまれ。先週の集中審議2回登場に続くモーレツぶりを発揮しました。

 バブル期の「企業戦士、24時間働けますか」時代に、日本電気株式会社(NEC)の営業マンだった長妻さん。これまででは考えられなかった予算委筆頭理事像を示しました。この間も、地元での集会(東京の選挙区)、東京都議選に向けた他選挙区の地方議員の集会での講演などもしていたようです。

 長妻さんは「生活保護の不正受給は取り締まるべきだ」としながら、「全部一緒くたにして、『もらいすぎている』と批判するのは、本当に必要な低所得者世帯のことを考えると問題だ」としました。これに先立ち、かつての「年金兄弟」、今は「生活保護引き下げ阻止兄弟」の山井和則さんは引き下げのことを考えると、「夜も眠れない」と魂の叫びを上げました。第1次与党期に長妻大臣、山井政務官で厚労省に乗り込みました。

 改めてまとめる機会があるかもしれませんが、今回の長妻さんの戦術は「生活保護の生活扶助基準の引き下げ」に論点をしぼって、入り口から出口まで攻めた作戦がよかったと思います。閉会後の8月に「大臣告示」で引き下げが始まります。その直前に第23回参院選(7月21日の見通し)があります。そして、選挙後には、内閣改造や補正予算という話になるでしょう。生活保護費は国が4分の3、自治体が4分の1なので、この年度の途中で補正予算で増額させる手もあるので、このテーマは来週木曜日と思われる衆院採決の後もずっと引っ張れます。

 これは意外に利きますよ。不正受給問題と生活扶助引き下げとの「論理のすりかえ」、それと、アベノミクス(2%物価上昇目標)と生活扶助の算定方法の政治的な矛盾。

 審議拒否戦術から、徹底的審議戦術へ。明らかに野党の予算審査が変わってきました。それだけでも政権交代の成果があったと言えるでしょう。

 年金王子から国会戦士へ。

 3党合意の証人でもある長妻さんは政権再々交代後の岡田内閣の官房長官候補に急浮上してきました。

 tags 田村憲久厚労大臣  


       

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森まさこ消費者担当相「勧誘していない」 公設秘書全員が支部に寄付、うち一人は年115万円 

2013年04月11日 14時38分48秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]森まさこ消費者担当相、参院消費者問題に関する特別委員会、2013年4月11日。

 森まさこ消費者担当大臣は2013年4月11日(木)の参院特別委で、平成21年(2009年)に当時の自身の公設秘書3人から、自身が代表を務める自民党支部に合計205万円の寄付を受けていたことを認めた上で、「勧誘していない」と明確に答弁し、秘書3人が自発的に寄付したと強調しました。

 参・消費者問題に関する特別委員会で、森大臣の所信に対する一般質疑のなかで、民主党・新緑風会の金子洋一理事が「大臣の政治姿勢」に関する質疑しました。この中で、自身が代表をつとめる「自由民主党福島県参議院選挙区第四支部」(自民党福島県参院第4支部)の平成21年(2009年)分政治資金収支報告書に当時の公設秘書3人から寄付を受けていることを認めたうえで、自発的なものだとしました。

 3人の寄付の合計額は205万円で、うち1人(公設第2秘書、政治団体会計責任者)は115万円を寄付。参院庶務部長は、この秘書の歳費について、「(年齢や職務経験によるが)おおよそ年間514万~634万円」と答弁しており、金子理事は、「歳費と比べて高額な寄付だ」と指摘。秘書採用時に何らかの交渉があった可能性もあると指摘しましたが、森大臣は明確に否定しました。

 この政治資金収支報告書は、下のリンクアドレスの「11ページ」で、「自由民主党福島県参議院選挙区第四支部」の欄に、当時の公設第2秘書の名前で「115万円」など、政策秘書、公設第1秘書ら当時のすべての公設秘書が個人献金をしていることがうかがえます。

 森まさこ(森雅子)さんは参院当選1回。自民党清和会所属で、ことし7月21日(予定)の参院選で福島選挙区(今回から定数1)で改選を迎えます。森さんは午前中は衆院の消費者特委の一般質疑で答弁。昼休みの後、参院へ移って同じく一般質疑。「午前中は衆院、午後は参院と答弁する初めての経験です」としながらも本籍地の参院でほっとした表情。

 のっけから金子さんに「衆院で我が党の郡和子議員も質問した貴金属の押し買いについて」質疑すると、森大臣は「午前も午後も同じ質問」と驚きましたが、金子理事は「別に野党の都合でこの日程を決めたわけではありませんよ」とし、大臣の政治姿勢を攻めました。ちなみに所信表明に対する一般質疑での「大臣の政治姿勢」の質疑といえば、「政治とカネ」の質疑と同義語だと私は考えます。なお、平成22年以降は寄付を受けていないとのこと。ならば、なぜ平成21年だけ寄付があったのかという疑問も残ります。金子さんは当時の公設第2秘書の参考人招致を加藤修一委員長(公明党)の求めるとともに、森大臣に資料提出を要求し、森大臣は提出するとしました。

 仮に「勧誘していない」と明確に答弁したことが事実でないようなことが判明する事態になることが今後あれば、大臣就任100日経っての古巣でほっとしたことが残念です。とはいえ、大臣とは、国民の生命と財産の危機管理の責任者ですから、そのような言い訳は通用しません。

平成22年11月19日 福島県報号外第51号別冊 政治団体の収支報告書の要旨

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前総裁が第180通常国会の「無責任野党・自民党」を自己批判 谷垣法相

2013年04月10日 18時04分47秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[画像]谷垣禎一法相、2013年4月10日(水)、衆議院法務委員会、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 菅義偉・内閣官房長官は2013年4月10日(水)午前の記者会見で、中国の上海、浙江省などで流行の兆しがあるとの情報がある新型インフルエンザに対応するため、新型インフルエンザ等対策特別措置法(議案番号は180閣58号、法律番号は平成24年法律31号)の施行を政令で前倒すと発表しました。

 この法律は、自民党が昨年の通常国会の4月20日(金)、前田武志国交相・田中直紀防衛相を問責し、本会議場から去った後、連休前国会をボイコット。これにより、連休前国会最終日の4月27日まで採決が遅れました。2013年4月27日の投票結果については、こちらの押しボタン式投票結果を見てください。民主党、公明党、みんなの党が賛成。社共の反対。自民党は欠席です。

 衆・内閣委(荒井聰委員長)、参・内閣委(芝博一委員長)はていねいに審議しており、とくに芝委員長は参考人として医者を呼んだり、厚労相としての体験がある新党改革の舛添要一さんに「委員外質疑」を認めたりしました。

 が、思惑違いで舛添さんが自民党と一緒に寝てしまい(審議拒否)ました。この法案の原案は「この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」となっています。仮に参議院自民党の審議拒否がなかったら、公布日、施行日が早かったかも。危機管理とは結果論がすべてです。

 第180通常国会で自民党はこのほか、平成24年度特例公債法案に賛成せず(民主党が衆院で強行採決のみ)、自ら提出した0増5減法案の趣旨説明に細田博之さんがあらわれないなど傍若無人の限りをつくしました。しかし、首相官邸の新進党三羽がらす(野田総理、岡田副総理、藤村官房長官)は、非世襲で初官邸だったことと新進党仲間への一分の情から、解散せざるをえない心情に追い込まれました。 

【2013年4月10日(水) 衆院法務委員会】

 政権再交代で、政治を前に進めるために、2013年4月10日(水)の衆・法務委で谷垣法相が異例の謝罪をしました。

 「ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)締結による国内法整備法案(183閣29号)」の趣旨説明の前に「発言」をしました。

 谷垣法相は「審議入りの前に一言申し上げます。私は行政府に身を置く者が、立法府のお裁きについて口を出すのは控えるべきだと教育されてきましたが、昨年提出された法案はまったく審議されないまま廃案になったのは、私としても遺憾に思うところです。速やかにご審議の上、可決いただきますようよろしくお願いいたします」。

 このように、法務大臣として、第180通常国会(3党合意国会)を「遺憾だ」と述べることによって、第180通常国会の衆参自民党(谷垣総裁)のふるまいを自己批判しました。これは民主党の提案を受け入れた議事進行です。

 この議案について、2年前の通常国会を指揮した岡田幹事長は「外務大臣当時も、法務大臣と直接協議をいたしました。法務大臣はいいのですが、法務省の中にもいろいろなご意見があり、あるいは当事者の皆さんの中にも根強い反対、あるいは不安ですね、そういったものがあって、様々なご意見がありました」と語り、法務省内の対立があったと示唆しています。

 そして、3党合意のなかでも低所得者対策に不可欠な「マイナンバー(社会保障と税の共通番号)関連4法案」は、衆院内閣委、財務金融委、厚生労働委の連合審査会が開かれます。日本の国会は、閉会中でも、全府省庁に対応した国政調査ができるという世界に誇る「委員会システム」が戦後整備されていますが、連合審査会は手間がかかるため、それほど活用されていません。これもどんどん活用していってほしいところです。

 第180回国会は、前田・田中問責の後、参議院は「野田問責」をしますが、これは実は、「3党合意問責」であり、民主党・自民党・公明党が問責されたものです。この経緯に関しては私の一連のエントリーが今もって史実に近いようです。(参考エントリー谷垣さんが落ちた問責落とし穴にちらつく小沢一郎氏の影 やはり可決したのは14号議案だった 参議運議事録)。

 この日(2012年8月29日)の議院運営委員会の議事録は公開されていますが、各会派に深い傷を残したようです。参議院自民党国会対策委員長はホームページはいまだに実際に本会議で趣旨弁明されたものとは違う問責決議案を掲示したままです。そして、谷垣さんは自民党総裁から転落し、野田さんは総理から転落しました。それでも3党合意の文書だけは何とか子々孫々につながりました。

 谷垣法相の「自己批判」で手打ちといきたいところですが、心残りがあります。

 それは、参議院がいまだに2012年8月29日の本会議の議事録を公開していないことです。

 参院選前までに、参・議運委が議事録の公開で折り合う。それは会派に限らず、すべての参議院議員に課せられた歴史に対する責任です。

tags 前田武志 田中直紀 岡田克也 野田佳彦 藤村修 谷垣禎一 岸田文雄 脇雅史 

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サッチャー・レーガン・細川・・・8議席日本共産党衆議院議員団長「政治改革20年今検証すべき」

2013年04月10日 06時52分28秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【2013年4月9日(火) 衆院予算委 平成25年度本予算(案)集中審議「統治機構など」】

 何度も指摘していますが、今の任期から、日本社会党が1955年の左右統一以来初めて、衆議院の予算委員会で議席を失いました。

 ただ、社民党は参議院予算委員会では議席を持っており、民主党など野党6党が進める本予算修正実務者協議会の修正案で社民党の参院賛成が見込める場合は、委員外質問を認める。そういうアイディアもあるでしょう。とはいえ、自民党が過半数ですので衆院では不可能で、55年体制以来歴史的な国会となりそうです。

 無産政党ではもう一つ、日本共産党も8議席となっており、ここ40年間で最低の議席になっています。

 8日、マーガレット・バロネス・サッチャー元英首相(元保守党党首)が亡くなりました。87歳。レーガン米大統領とともに、ソビエト社会主義共和国連邦を崩壊させた功労者です。しかし、残念なことに、「西側諸国の一員だったはずの我が国では、いまだに日本共産党が残っています。平和の配当を受けられないのです。「決められる政治」「民意の集約」を実現するため導入した小選挙区比例代表制において、日本共産党は比例で議席をとり続けています。それが「決められない日本」の現実です。

 日本共産党衆議院議員団長が生き残りをかけて質問に立ち、「1993年細川内閣の政治改革から20年。今検証すべきときが来ている」と語りました。

 

 細川内閣での政治改革4法のポイントは(1)衆議院小選挙区比例代表並立制(2)区割り審設置(3)政党助成法による政党交付金新設(4)政治資金規正法強化ーーです。

 その一つ、政党助成金の総額について質問。新藤総務大臣は、自民党が2566億円受け取ったとしました。民主党は1712億円。ですから、細川内閣に参加しなかった自民党が結果的に、5割弱の交付を受けたことになります。

 

 日本共産党衆議院議員団長は、政党助成金依存率を計算し、総務省に提出している各党の政治資金収支報告書をもとに、自民党の依存率が72・5%、民主党が83・2%だとしました。これを仮に、総支部長の政治資金管理団体まで含めたトータルにすると、民主党財政の自立性は自民党に圧倒的に劣っているでしょう。それはさておき、私がこのグラフでイチバン驚いたのは、みんなの党96・8%。幹部や地方議員らの個人商店的な色彩が強いのでしょう。

 日本共産党衆議院議員団長は、「各党の財政に占める割合が自民党では72・5%に上っている。自立していない政党であり、官営政党ともいえる状況だ。政党が堕落したのは政党助成金だ」と決めつけました。日本共産党衆議院議員団長は、20年間のデフレや不況には言及しませんでした。

 中選挙区最後の第40回衆院選で、日本共産党は15議席を獲得し、議席占有率2・9%でした。しかし、小選挙区比例代表並立制の第41回衆院選では小選挙区で2議席を含む26議席となり、議席占有率8・1%と大躍進しています。京都1区には5人が立候補し、自民党の伊吹文明さんが当選。日本共産党衆議院議員団長も惜敗率95%の高率で比例復活当選しました。3位は新進党の公認の竹内譲さん(現・公明党衆院議員)、4位は第1次民主党の福山哲郎さん(現・第2次民主党参院議員)。自由主義3党は、それぞれ伊吹衆院議長、竹内財務政務官、福山元官房長官として国会、官邸、財務省で活躍しました。日本共産党衆議院議員団長が連続して議席を得ているのは、現行制度のたまものです。

 政権交代可能な2大政党勢力のうち民主党の議員・総支部長は9割が無産階級者です。なので、衆議院における日本共産党の存在意義は完全になくなりました。

 日本共産党は佐藤栄作首相が沖縄本土並み復帰に合意して帰国した直後に解散した師走の第32回総選挙による低投票率で、社会党が議席を半減する中、組織力で14議席に増やしました。それ以降、8議席は最低とはいえ、比例ブロックがあるのでしぶとい。これで公設秘書を入れて32人が国庫から歳費を受け取っているのです。あってはならないことです。

 日本の常識、世界の非常識。2007年参院選では発行部数500万部を誇るアメリカ最大かつ国際的なニュース週刊誌「TIME」が1ページを使って、日本共産党がいまだに日本にはびこる理由を特集しました。あろうことか、日本共産党党首は、テレビ番組で「TIMEも日本共産党を特集している」と喜色満面。やはり、こういうのを信じてしまう方々が一定以上いる。それが世間。これを理解しないと選挙は戦えません。

 小選挙区導入時に、まさか新進党が日本共産党より先に壊れてしまうとは思いませんでした。痛恨の極み。

 このブログのアクセス解析でも「税制改正法の年度内成立」「民法の連帯保証人制度廃止」「平成25年度予算の成立時期」と比べると、選挙制度改革に関しては関心が薄いようです。しかし、民主主義のルール作りはそれ自体が民主主義の最大のテーマ。

 私も20年前、「政治改革ばかりやっているけど、経済の議論とかは良いのかな」と感じていました。しかし、細川内閣でイチバンきついときを乗り越えたら、きょうまで選挙制度に関する議論に多くの時間を割かれることはなくスムーズにきました。だから、関心が薄ければ、勝手に決めさせてもらおうと考えています。20年経って、震災が起きて、より「決められる政治」へ。国会への関心が高まっている今だからこそ、より透明でシンプルな衆議院へ。そのための定数削減による民意の集約です。

 宮澤解散20年。改革テコ入れ国会は中盤を迎えています。

 日本共産党は、日本人の心の弱さの裏返し。

 日本国民全員の総力を結集して、日本共産党を倒しましょう!

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維新・みんな「流動」国会の中、民主「労働法の権威の学者が書いた教科書」で攻める

2013年04月08日 16時21分38秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]質問する民主党の山井和則さん、2013年4月8日、衆議院インターネット審議中継から。

 震災後の不安定な時代ということもあってか、2013年4月8日(月)の衆・予算委の一般質疑では今までにない光景がありました。長妻昭さんとともに民主党年金王子として厚労部門で活躍してきた山井和則さんが、本予算審議でテーマに設定している(1)生活保護の生活扶助基準の3年間で6・5%下げ(2)正社員の解雇の金銭解決の導入ーーの2点について引き続き質問しました。

 山井さんは、まず安倍首相の3月の山井質問と4月の長妻質問のぶれを指摘。「事後型」と「事前型」の違いで答弁が揺らいでいることについて、資料として「これは労働法の権威の学者が書いた教科書だ」として、「解雇の金銭解決」の定義として、そのような違いは存在しない、としました。

 今までの国会だと、「労働法の権威が書いた教科書だ」とすると、たいてい自民党議員から「教科書なんて関係ない」とのヤジが飛んだように思いますが、きょうはインターネットで聞く限り、ヤジがなかったように思えます。この中でも、震災後、政権再交代後の国会の新しい地平を感じました。甘利大臣は「総理はこういう意味で答弁されたのだと推測しています」と苦しいフォロー。

 これだけ自民党の支持率が高いのですから、こうやって、議事録、法律、教科書でがんじがらめにして、言行不一致をいずれついていくしかないでしょう。

 民主党の与党経験を感じさせる場面として、奥野総一郎さんが行政事業レビューの継続についてただしたところ、稲田朋美大臣が「我が政権でも引き継ぐ」「基金の行政事業レビューシートもつくる」としながらも、「各省内の中立性を考慮して、大臣官房長がとりまとめる」と答弁すると、民主党委員全員が吹き出すシーンがありました。奥野さんは「大臣官房といえば、まさに省益の代表者ですよ」と指摘する場面がありました。この辺にも与党経験がある野党を感じました。

 浪人中の与党経験のある民主党前議員でも、厚労政務官をつとめた愛知9区の岡本充功さんは「平成21年に新型インフルエンザが流行した時には」「政権交代直後であり、いきなりの国民の生命の危機に、重い責任を感じました」とホームページで振り返っています。「中国から日本までは、飛行機で数時間の距離です」「あまり水際に力を入れて国民に恐怖を植え付けるより、適切な対応を周知することに力をいれていくような新型インフルエンザ対策を、既に法律にして成立させています」としました。

 予算委に戻ります。30年以上勤務医をして、50代後半で政治に目覚めて立候補した日本維新の会議員。「さきほどの奥野議員の質問にもありましたが」と質疑をはじめ、「審議会政治は官僚の隠れ蓑だ、と書いてある」と指摘し、新藤総務大臣から「その文献が手元にないので、分からない」と応じられる場面がありました。また国会議員でありながら「ちょっと前まで国民だったものの私見として」と謎の前置き。「審議会の有識者は高齢者が多い」と問題点を指摘しました。この議員は以前も安倍首相に「私は昨年12月国会に来て、3ヶ月。総理大臣は激務だと痛感しております。どうぞお体にお気を付けください」と語っていて、多少違和感を感じました。

 日本維新の会、みんなの党の新人が「我が党は今は野党ですが」と前置きして、委員室を沸かせるシーンはたびたびありました。この他に日本維新の会の地方議員出身者が「自民党はもっと女性の都道府県議会議員を増やさないといけませんよ」と閣僚(自民党議員)をたしなめる立ち位置が謎すぎる発言もありました。一般論は賛成ですが、自民党の県議を増やせというのは、あんたは、どの党の誰なんだという感じです。

 みんなの党新人が「私が興味ある分野なので、役所まで審議会の傍聴に行ってきました」とはつらつとしながらも、「審議会で私は発言しませんでした。というのは、私は傍聴者なので」と天井にアタマをぶつけそうな発言もありました。

 日本維新の会の女性新人が合計特殊出生率の各国別グラフを配り、「フランスは上がっています」と分析。選挙で構成が変わると、こういう議論から始めなければならないのかなという感じがしましたが、初の通常国会の一般質疑だからいいのかもしれません。このほか、「従軍慰安婦問題は左翼が煽っている」、「オスプレーは自衛隊も購入すべきだ」といった、これまでにないスッパッとすっきりする発言を聞くことが多い震災後国会となっています。

 いわば、どの党も政策面では流動化しており、私の持論である「政策軸は同じで権力が腐敗したらいつでも交代できる」保守二大政党制が近づいてきたようです。

 選挙で大幅に衆議院の構成が変わった後の初の通常国会は、空転なしで衆議院はフル稼働となっています。が、自民党新人や参議院議員は出番が少ないので、この後、参院選や秋の臨時国会にかけて、うっぷん晴らしをしてしまい、つまずきそうな気配を感じます。

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しっかりと出口をみすえて 長妻筆頭2回登場 「黒田日銀が異次元緩和」、「普天間2022返還」歴史的な週に

2013年04月06日 06時40分27秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]衆院予算委で集中審議する長妻昭・野党筆頭理事、2013年4月2日(火)、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 高裁が衆院選を「無効」と判決し、新年度暫定予算になったことから、
 
 「暫定の 議員 暫定予算組み」

 という川柳が6日付読売12面「よみうり時事川柳」に載っていて思わずうまいと思いました。

 今週は歴史的なできごとが多く、黒田新日銀総裁の初の金融政策決定会合で、いきなり、マネタリーベース(現金と日銀当座預金)を2年間で2倍。すなわち現金を91兆円から95兆円に、日銀当座を47兆円から175兆円にするという、次元の違う爆発的金融緩和を決めました。黒田総裁は「戦力の逐次投入では意味がない。やれることは全部やった」という意味のことを日銀クラブの記者会見で言ったようで、大いに期待したいところです。これは後戻りできない金融政策であり、2015年10月の消費税10%の反動が出ると予測される、2016年の経済を「出口」として戦略を見すえていきたいと考えます。それと、関東大震災の「震災手形」の処理が結果的に戦争につながった80年前を鑑みて、東日本大震災で日本円の健全性と決済機能を守った白川総裁の功績は特筆すべきです。それにしても、「13年4月4日」の決定というのは何か縁起が悪い気もします。

 きのう2013年4月5日(金)には、安倍首相とルース駐日大使が「嘉手納以南(米海軍嘉手納基地よりも南)」の米軍施設・区域の返還計画を共同で公表しました。このうち、米海兵隊普天間飛行場は、「2022年度またはその後」に返還されることになりました。牧港補給地区も2025年度またはその後」に完全返還されることになります。この「2022年」は沖縄の施政権の復帰半世紀であり、50年ということで、地主との契約が更新期を迎えるのだろうと考えます。とくに、普天間は沖縄本島の中部と北部をつなぐ大事な地点であり、一体的な再開発バブルが起きそうです。牧港補給地区(浦添市)はもっと那覇市に近いので、2020年代の沖縄本島は土地バブルになることは間違いなく、しっかりと次の50年をみすえた計画作りを官民ともに期待したいところです。あの日、あのとき、あの場所で何があったか。それは忘却のかなたに行くでしょうが、記録は永久に引き継がないといけません。沖縄のどの島でも「ざわわ、ざわわ、ざわわ」とサトウキビの音が聞こえなくなっても、沖縄の心の原点は、日本人全体に受けつがれていくでしょう。こちらも「出口」が大事です。

 さて、新聞というのは「見出しが立つ」話以外は、歴史的な出来事を落としがちです。私は前半国会の最大のニュースは「空転がまるっきりない」ということです。私は幸か不幸か、空転がないおかげでだいぶ肩が凝ったし、民主党本部や議員会館もすっかりご無沙汰になってしまいました。だからと言って、空転はない方がいいです。

 へろへろですが、連休前国会は残り3週間15営業日ということで、「出口」を見ていきたいところです。とくに後藤祐一さんがある法案の解釈について大臣を怒らせるまで質疑していることは大いに民主党に貢献しているといえます。

 今週は、我が国が先進国で唯一批准していない「ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)」が衆院本会議で審議入りしました。条約の締結の承認の件は外務委に、条約締結にともなう民法など整備法案は法務委に付託されました。これで、衆議院の委員会はフル操業で、しいていえば、文科委と安保委に議案がないくらいでしょうか。その状態で、本予算審議が並行しているというのは初の例のように感じますので、各委員会の審議が本予算になんらかの格好で反映される道を開きたいものです。

 さらに、火曜日と金曜日にテレビ入り集中審議があり、ともに、野党筆頭理事の長妻昭さんが登場しました。記録は分かりませんが、野党筆頭理事が1週間に2回もテレビ入り審議に登場するのは過去に例がないように思います。

 長妻さんは火曜日には「アベノミクスには3つの副作用がある。(1)財政規律が緩む(2)格差が拡大する(3)バブルが再来する」と指摘し、「3つの副作用を一つ一つつぶしていく必要がある」と語りました。そして、6年前の消えた年金について、首相が「第1次安倍政権では長妻さんの質問の影響も大きかった。それは私も認めます」と謝罪しました。長妻さんは民主党政権で「戻ってきた年金額は生涯換算で1・7兆円だ」と胸を張りました。

 金曜日の集中審議はエネルギー・原発問題に関して。異次元の量的な金融緩和をいかして、シェールガスやメタンハイドレートの開発を進めたいところです。もちろんその前提として、原発の検証・廃炉などの「出口」をしっかりとみすえる必要があります。

 長妻さんの前に質問に立った、自民党の村上誠一郎さんと公明党の石田祝稔さんが与党ながら極めて厳しい調子で質疑したのが印象に残りました。長妻さんはすでに解散した国会事故調査委員会を再開するよう求めました。

 ところで、2013年3月10日(日)放送のNHKスペシャル「3・11 あの日から2年 メルトダウン 原子炉冷却の死角」東京電力常務で所長だった吉田昌郎さんと思われる人物が初めてテレビの前で証言しました。そこで、1号機の水素爆発が、IC(イソコン)という冷却装置を切り替えている際、「切」にスイッチが入った状況で停電したにもかかわらず、確認ミスで「入」か「切」か分からない状況だったところ、他の場所から、豚の鼻と呼ばれるイソコンの換気口から「蒸気が出ている」との報告があり、「入」と勘違いしたまま水素爆発したという驚くべき検証がありました。アメリカの原発ではイソコンを止める防災訓練をしているものの、東電は創業以来40年以上、一度もイソコンを止める防災訓練をしておらず、「切」になった瞬間に発生した大規模な水蒸気を、「入」が続いているから発生し続けている水蒸気と勘違いしたのです。これについて、東電社長は、この日の質疑がつづく中で、最終的に日本維新の会の山田宏さんの段階で「(電源が)生きている間に(イソコンを)止める方で(スイッチの切り替えが)終わったのは事実です」と答弁し、事実と認めました。ヒューマンエラーで水素爆発をおこしたとすれば、刑事責任を問われかねない重過失で、さまざまな検証が求められます。

 中田宏さんは福島の避難地域を、中間貯蔵施設ではなく、最終処分場にするよう首相に迫りました。

 松下政経塾→日本新党→新進党という政治改革3本の矢で強烈な印象を残した、山田宏・中田宏両議員の国政復帰を頼もしく感じます。

 金融も、基地も、エネルギーもしっかりと出口を見すえた戦術が求められます。

 なお、中央公聴会が4月11日(木)に設定され、衆院での本予算審議も出口がみえつつあります。参院選をひかえて、参院予算委員はしっかりといくさの備えをしているんだろうと期待しています。

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 「国会傍聴取材支援基金」を設けました。他メディアにはない国会審議を中心とした政治の流れをこのブログで伝えていきます。質素倹約に努めていますが交通費など諸経費がかかります。

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tags 黒田東彦 安倍晋三

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国会傍聴取材支援基金の会計報告(2012年10月14日から2013年3月31日まで)

2013年04月05日 18時33分45秒 | 国会傍聴取材支援基金 会計報告

 国会を中心としたブログ報道を続けるために、「国会傍聴取材支援基金」を創設して、ご寄付をお願いして参りました。


 原則半年に1回、会計報告をすることにしていましたので、ここにご報告いたします。


 2012年10月14日から2013年3月30日までの「国会傍聴取材支援基金」の会計報告

 国会傍聴取材支援基金の会計報告(2012年10月14日から2013年3月31日まで)



[収入]

   前期からの繰越金 ¥4,250円
   寄付金 ¥0円

     合計 4250円
  
[支出] 


   交通費 ¥1,000円(東京メトロ「パスモ」チャージ)
   資料代 ¥2,750円「國会議員要覧平成25年2月版」(衆議院内売店で購入)
    繰越金 ¥ 500円

   合計 4250円

 以上


 この半年間はご寄付はありませんでした。前回の繰越金を「国会議員要覧」購入費と交通費の一部に充てさせていただきました。ちなみに交通費は2012年12月18日分の東京メトロでの「パスモチャージ」を充てさせていただきました。こうやって振り返り、総選挙から2日後、また立ち上がった、という気分もしました。なお、利息は付きませんでした。

 ゆうちょ銀行でのご寄付は匿名でも可能です。

 平成25年4月5日

 国会傍聴取材支援基金(代表者 宮崎信行)

 ◇

「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い(再掲)



 平成23年9月26日付で、「国会傍聴取材支援基金」(こっかいぼうちょうしゅざいしえんききん)=代表者 宮嵜信行の口座を開設しました。ぜひ国会傍聴取材と当ブログの更新を継続するために支援基金へのご協力をお願いいたします。




■郵便局から振込みの場合
口座: ゆうちょ銀行
記号/10080 番号/70606861
口座名 国会傍聴取材支援基金(コッカイボウチョウシュザイシエンキキン)


■銀行から振り込みの場合
口座/ゆうちょ銀行
店名/ゼロゼロハチ・0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)
店番/008 預金種目/普通預金 口座番号/7060686 
口座名 国会傍聴取材支援基金(コッカイボウチョウシュザイシエンキキン)

連絡先・お問い合わせメールアドレス 
miyazaki@wa2.so-net.ne.jp


私が国会傍聴とそれにもとづくブログ執筆のため、時間の確保と、交通費、資料代などに充てるため、本日、上の口座を開設しました。ぜひとも、このブログを続けるために、ご支援をいただきたく存じます。ぜひ、ご支援をお願いいたします。

①口座 ゆうちょ銀行 総合口座 「国会傍聴取材支援基金(代表者 宮嵜信行)」
②政治団体ではありませんので、支援者のご住所・お名前のご連絡は必要ございません。
③支援金を頂いた際は、支援者のイニシャルなどをブログ上で報告します。
④会計報告は半年ごとを予定しています。
⑤寄付金控除の対象にはなりません。




国会傍聴取材支援基金 規約


①(名称)
本会の名称は「国会傍聴取材支援基金」と称する。
②(所在地)
 本会は、東京都(以下略)に置く。
③(目的)
本会は、国会ジャーナリスト・宮崎信行の国会傍聴取材活動の支援を目的とする。
④(会員)
本会に、次の役員を置く。
 会長 1名。
(役員の職務)
 会長は、本会の代表者として本会の活動全般を代表し、会計を把握し、監査する。
 (役員の選任および任期)
 役員は総会の決議に基づき選任し、任期を一年とする。
(運営)
 国会傍聴取材支援基金総会は年一回開催し、役員の改選、年間計画の報告、会計報告、予算について審議する。
(変更)
この規約は総会において、出席者の3分の2以上の承認があれば変更できる。
 (設立年月日) 平成23年9月26日
本規約は平成23年9月26日から適用する。

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おめでとう鴻池祥肇さん 永年在職25年表彰 参議院本会議

2013年04月05日 17時45分01秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【2013年4月5日 参議院本会議】

 自民党の鴻池祥肇(こうのいけ・よしただ)参議院議員が永年在職議員として表彰されました。

 平田健二・議長が院議による表彰文を読み上げました。



 慣例により、「反対党」からお祝いを述べますので、輿石東・民主党・新緑風会会長がモーニング姿で登壇。

 

 「鴻池さんは参議院で建設委員長(現国土交通委員長)、国旗および国歌法に関する特別委員長、決算委員長、予算委員長、国家基本政策委員長を歴任した」として、「とくに決算委員長の2年間は、党派を問わずに号令をかけて、野党(民主党)の理事まで『われわれは鴻池組だ』と言うほどまでに一致結束し、決算の参議院をつくりあげた」と礼賛しました。

 そのうえで、二大政党の参院国対委員長の時代が長かったとして「ある問題で参議院の審議が行き詰まったときに、マスコミの目を避けて、良識の府を守るために、四谷交差点で傘を持って待ち合わせた」とのエピソードを披露しました。



 これに対して、登壇した鴻池さんは「輿石会長とは豪雨の深夜、路地の屋台で冷酒を飲みました」と受けたうえで、衆院初当選時の中選挙区のライバルの名を全員挙げ、その厳しさを振り返りました。「粛軍演説で有名な、同じ標語の斎藤隆夫先生を目標にしてきた」としながらも「私のささやかな暴言で世間を騒がせたこともある」と議場を沸かせました。

 衆議院、参議院双方で在職した場合は合算されることになっています。

  永年在職議員表彰について、国会法などの定めはありませんが、帝国議会から続く慣例。参議院では1956年3月21日に松野鶴平さん外2名が表彰されたのが初めてです。参議院では4期24年の議員が立候補しなければ、会派の推薦をもって表彰され、世代交代をはかれるようにしています。25年で永年在職表彰されると、肖像画が国会内の委員会室などに飾られます。ただ、これを眺めると、永年在職者が自民党に偏っていることに驚きます。

 衆議院では25年に加えて、50年も表彰されています。これまで5名が表彰されています。尾崎行雄さん、三木武夫さん、原健三郎さん、中曽根康弘さん、桜内義雄さん。ここは勘違いの多いところですが、国会正門側の胸像は、尾崎さん、三木さんの2人だけで、残り3人はありませんし、今後もない見通しです。

 永年在職議員表彰は秋の臨時国会ないしは来年の通常国会で、田中直紀さんも表彰される見通し。鴻池さんは第23回参院選の自民党公認で出馬することで公認が内定しています。

 そして、衆議院では来年の通常国会で岡田克也さんら1990年(平成2年)2月18日初当選の「平成初当選」「ベルリンの壁崩壊初当選」「小沢チルドレン」13人が大量に永年在職表彰を受ける見通し。

 岡田さんのほかには、赤松広隆さん、石原伸晃さん、大畠章宏さん、河村健夫さん、佐田玄一郎さん、高木義明さん、中谷元さん、古屋圭司さん、細田博之さん、森英介さん、山口俊一さん、山本有二さんの大量13人が同時に表彰される見通し。慣例により、最年長の河村さんが演説することになると思います。

 2013年4月4日(木)に黒田東彦・日銀新総裁が次元の違う大規模量的金融緩和を決めました。「2年で2倍」ということになっていますが、2015年10月の消費税10%の反動を見据えた2016年までをみすえた出口戦略が今から重要です。エネルギーの需給、さらなる行政・規制改革が求められることになります。岡田さんは60歳で永年在職ということで、金融緩和の出口を見すえた、行政改革、規制改革、エネルギー需給改革が求められることになりそうです。

 なお、衆議院予算委員会は中央公聴会を4月11日(木)に開くことになりました。早ければ、4月15日過ぎにも衆議院採決ということになり、徐々に連休前国会の緊張感が高まってきました。

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「未入閣」「未官邸」のネクスト内閣官房が獅子奮迅 衆・委員会の「背骨」で民主党復権だ

2013年04月04日 10時54分22秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議


 本予算が衆院予算委にとどまった中盤国会(連休前国会)ということで、猛烈な忙しさになっています。私もまったく国会空転がないので、議員会館や民主党本部に行くと、必ず「久しぶり」と言われてしまう状態です。

 日切れ法案は片づきましたが、衆議院では、本予算、その修正協議、閣法の修正、インターネット解禁法案の修正協議(きょう衆院通過へ)、選挙制度改革法案の前裁きに加えて、マイナンバー法案(社・保共通番号法案)まで審議入りしてきたので、猛烈な忙しさとなってきました。

 ただ、政権交代をしたということで、大臣経験者やスタッフの一部には、燃え尽きた印象の人もいなくはありません。 もちろん、国会にいないだけで、参院選を活用して、選挙区内外の地元県で足腰を鍛えている人もいます。やはり前大臣が戸別訪問してくれれば、どの政党の支持者でもうれしいでしょう。代表・幹事長も「人寄せパンダ」を積極的にやっており、集会もそこそこ人が出ているようです。何より、建設的な議論が増えているように側聞します。

 そこでがんばっているのは、やはり閣僚未経験者。3年3ヶ月の間に未入閣だった衆議院議員の活躍が目立ちます。

 例えば、内閣提出の「地球温暖化対策推進基本法の改正法案」では民主党も加わり修正可決(きょう本会議へ)。ここでは、篠原孝・元副農相(現ネクスト環境相)が与野党修正のキーパーソンとなりました。

 
[画像]閣法の修正案を趣旨説明する篠原孝ネクスト環境相。後ろは生方幸夫・前環境副大臣(現ネクスト沖北相)、2013年3月29日(金)の衆・環境委。

 マイナンバー法案を審議する衆院内閣委には、若井康彦・筆頭理事(3期、千葉13区)のところに、岸本周平さんが登場して、打ち合わせ。とにかく兼務、兼務のまさに「八面六臂」の岸本さんなので、何の打ち合わせだか皆目見当がつきません。

 
[画像]若井康彦・衆院内閣委筆頭理事(右端)と打ち合わせする岸本周平さん、2013年4月3日、衆院内閣委。

 未入閣の郡和子・前復興政務官は、予算委、復興特、文科委をはしご状態。

 後藤祐一さんは2000年の森内閣の「IT基本法」について、「あのときは森首相がITをイットと読んだんですよ。若いみなさん知っていますか?」と44歳にして、自民党・日本維新の会・みんなの党の若手新人との連携に意欲的か。さらにインターネット選挙解禁でも議論に。

 
[画像]後藤祐一さん、2013年4月3日(水)、衆院内閣委。

 そして、玉木雄一郎さんと岸本周平さんにいたっては、おそらく野党史上初の「野党予算修正実務者協議会」の座長としてリード。みんなの党の柿沢未途さんと補正予算での「民み」共同組み替え動議ができそうだったのですが、政策部門責任者である閣僚経験者が、みんなの党の政策責任者(入閣経験なし)から働きかけられてから動き出したので、衆院では時間切れとなってしまいとても残念でした。


[画像]憲法審査会にのぞむ大島敦元総務副大臣と武正公一元外務副大臣、2012年4月4日。


[画像]憲法審査会にのぞむ三日月大造元国交副大臣、古川元久元国務大臣、篠原孝元農水副大臣ら、2012年4月4日。

 「野党予算修正(組み替え含む)実務者協議会」み生社風の4党が「(消費増税を前提にした)年金特例公債の中止」を要望しており、2・6兆円の財源だけに難航しています。その一方で、民主党マニフェストの目玉だった地方一括交付金のこの予算への修正復活については、民み生社風の5党が賛同の方向などうれしい面もあります。むしろ、生活の党が民主党マニフェストに執着してくれているといううれしい誤算も。民維でも「社会保障改革の必要性」では一致し、それぞれの支持基盤の関係から「地方交付税は(できれば)増額の方向性」という共通点も出てきたようです。

 閣僚経験者でも長妻昭・厚労相が張り切っています。これは年齢もありますが、やはり、「官邸未経験者」だからということもあるでしょう。やはり大臣も大事ですが、実際には官邸内の政治家が政権を動かしています。

 今のネクストキャビネットでは、ネクスト内閣官房のメンバーは全員が「官邸未経験者」で構成されています。

 ネクスト内閣官房のメンバー

 桜井充(元財務副大臣)

 大島敦(元総務副大臣)

 高橋千秋(元外務副大臣)

 近藤洋介(元経産政務官)

 三日月大造(元国交副大臣)

 大串博志(元財務政務官、元内閣府政務官)

 小川淳也(元総務政務官)

 郡和子(元復興政務官)

 柚木道義(元厚労政務官)

 後藤祐一

 玉木雄一郎

 大塚耕平(元内閣府・厚労副大臣)

 尾立源幸(元財務政務官)

 那谷屋正義(元文科政務官)

 藤末健三

 桜井長官、大島、高橋両副長官で、あとは官房長官補佐になっています。このようにネクスト内閣官房には衆参とも閣僚経験者がいないし、官邸経験者も配置されていません。大串さんが首相補佐官だったじゃないかという指摘もあるでしょうが、私は首相補佐官は純然たるスタッフ職であるべきだと考えているので、「官邸入り」ではないと認識しています。

 このように、未入閣、未官邸の人がネクスト内閣官房になっている。ということは、3年3ヶ月で燃え尽きていないし、「次へ」「上へ」「前へ」という意識を持つのは、人間社会の自明の理です。だから、この人たちが、国会回しの「背骨」になっていけば、自公民3党ライン(とくに税制と社会保障)、民維み3党ライン、民生風3党ラインなど縦横無尽に活躍して、将来的な政権選択肢のまとめ役にはなれるでしょう。だから、民主党は必ず復権します。

 ところで、民主党の2012年12月31日時点の翌年度の繰越金は218億円ですが、このうち51億円は第46回総選挙費用の未払い金であることが明らかになりました。これを単純に引くと、170億円ということになります。4月19日(金)に入る政党助成金を考えても、第23回参院選の軍資金はかなり節制しないと。総支部長は、戸別訪問と読書で、安い費用で臥薪嘗胆してもらうしかないでしょう。かなりの辛抱だと感じます。が、このところ集会の反応は良いとも聞きます。戸別訪問で苦しければ、次の呼び鈴、そしてそのまた次の呼び鈴を押していけば、必ず、「がんばれよ」の一言がもらえるでしょう。「戸別の王様」になるしかありません。

 そのためにも、衆議院56名(副議長のぞく)のうち、閣僚未経験者はしっかり走ってほしいです。最近では霞が関で他の党との比較もあり、「民主党の先生は質問通告が早い」という好感も、まだら模様ですが、あるようです。自公民だろうが、民維みだろうが、民生風でも民主党ネクスト官房が背骨です。相対的には財力・組織力もありますし。

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