名曲である。
「子供に愚痴をきかせずに」
「不器用だけれどしらけずに」
「純粋だけど野暮じゃなく」
「目立たぬようにはしゃがぬように」
私の普段の生活とはまったく正反対な、そのまっすぐな歌詞が、いまさらながら心に沁みる。
私はこの曲は、ずっと河島英五氏のオリジナルだと思い込んでいたのだが、実際は作詞はあの「ピンクレディ」阿久悠氏で、作曲は「青春時代」森田公一氏だった。やはり、プロの作家は、いい仕事をする。そして、なんといっても素晴らしいのが、それを完璧に自分のものにしている河島英五氏のヴォーカルと、そのピアノだ。
彼を見ていると、どうしてもその姿が、あの松田優作氏と、なぜかオーバーラップしてしまう。
河島氏がこの世を去って、もう9年が経とうとしている。そして阿久悠氏没後、2年以上が経過した。この曲は、あの「サブマリン」山田久志氏のお気に入りだという。その話を聞いて、私は、山田久志氏がちょっと好きになった。