本屋で「映像で見る国技大相撲 輪島×北の湖」という冊子付DVDを発見し、思わず購入してしまった。
輪島と北の湖が君臨していた’76~77年にかけての「輪湖時代」は、F1でいえば「セナプロ時代」のごとく、両横綱ががっぷり四つで組み合って賜杯を分かち合い、熱い戦いを繰り広げていた。小学生だった私が一番相撲を熱心に観ていたのが、この頃である。
両横綱を支える5大関も、「貴ノ花」「若三杉(2代目若乃花)」「三重の海」「魁傑」「旭國」と、そうそうたる面々だった。中でも一番私が好きだったのが、相撲博士と呼ばれた「旭國」。一度も優勝できずに引退してしまったことが、本当に口惜しかった。
まぶたを閉じると、この冊子ではあまり触れられていない当時の個性派力士たちのシコ名と顔が、鮮やかに甦ってくる。突貫小僧「富士櫻」。デゴイチ「黒姫山」。ジェシー「高見山」。がぶり寄り「荒勢」。そんな女のひとりごと「増位山」。髷が結えなくなるのではないかと心配させられた「北瀬海」。他にも「鷲羽山」「青葉城」「大受」・・・
私が中学生になった’80年代に入ると、「千代の富士」が頭角を現し、君臨することになる。筋骨隆々の横綱の誕生はまさに新しい時代を予感させ、クラスの女子の間でも話題になるほどだった。
その後平成になって「若貴ブーム」が沸き起こり、相撲人気は沸点に達することになる。だが、その時代の相撲は、’70年代後半のような熱さに欠けるような印象を私は持っており、次第に熱心に相撲を観ることがなくなってしまった。平成初期の相撲人気は、「若貴バブル」だったといえるかもしれない。
そして現在。大相撲はようやくモンゴル勢に支えられているような状況・・・国技大相撲の今後を、私は、心から憂う。