パッソは、コンパクトなサイズに加え、そのけれんみのないスタイリングが好ましく、割と好きなクルマのひとつだった。それが、最近フルモデルチェンジしたという。休暇の日程が合致した私とニータ氏は、その新型パッソを見学に、トヨタカローラのお店に出かけた。
幸いにして試乗車があったので、試乗させてもらうことに。グレードは「1.0X Lパッケージ 4WD」(CVT:税込車両本体価格138万4800円)だった。
まず乗り込んだ際、どこに手をかけて運転席のドアを閉めればいいのか、一瞬とまどってしまった。
そして走り出してみる。「ピコッ!ピコッ!」と鳴るウインカーの動作音が可愛らしく、スズキのスプラッシュに試乗した時のことを思い出させる。3気筒エンジンはブーン!とやかましいが、軽快に回る。走りの印象は、旧型に乗った時とほとんど変わらない。クルマ全体の持つ軽快さが心地よく、「まあ、足として使うならこれで十分だなあ」とも思わせるのものであった。ザクザクの雪道においても、脚回りはバタつくこともなく、ABSもちゃんと作動していた。
また、フロントシートは今どき珍しい「ハイバックシート」である。私がハイバックシートのクルマを運転するのは、「ユーノス・ロードスター」以来のことかもしれない。運転するのには特に問題はないが、後席に座る人は、圧迫感を感じるだろう。
インテリアのプラスティックの質感は率直に言って低いが、デザイン自体は工夫されている。同乗したニータ氏は、「このインパネは日産キューブにも通じるものがあるネ!」と指摘していた。
リヤシートも、その座り心地はまあそれなりだが、倒した時に荷室がフラットになるように工夫されているので、使い勝手は悪くなさそうだ。
それでも、見積もりは、この価格である。まあ、付属品等をカットすればもっと安くなるのだろうが・・・
私見では、新型パッソは、全体的にむしろ旧型よりもコストダウンされてしまっている部分が多いように感じられた。女性を意識してか丸くなったスタイリングは、ボディーカラーによってはなにか無国籍な感じに見えてしまう。男が乗ってもさほど違和感を感じさせないスタイルの旧型の方が、ボディ面に張りがあり、凛として踏ん張った感じで、ずっと魅力的だったように思えてならない。ううむ、残念。