レガシィの修繕見積もりを取った帰り道。私と尾車親方はVWのお店へと向かった。最近発表されたゴルフの「TSIトレンドライン」(7DSG:税込車両本体価格257万円)を見物するためである。例によって試乗車があったので、嬉々として運転させてもらうことに。
1.2リッターエンジンをインタークーラーターボで過給し、105ps・17.8kgmを発揮するこのクルマ。10・15モード燃費はなんと17.0km/L!
また、驚くべきはその静粛性で、アイドリングでは全く無振動で無音なのだ。この辺は、昨今のハイブリッド・カーに迫るかもしれない。
さて、走らせると、エンジン音はやはりそれなりに室内に侵入してくるが、私にとってはむしろ心地良いサウンドである。DSGは電光石火のシフトワークをこなし、オルガン式のスロットルとその加速との関係が、まるでMT車のようなダイレクト感で心地よい。下のトルクが厚いために街中でも極めて俊敏。エンジンをブン回して走るというよりも、低回転でのトルクを活かして、早めのシフトアップで高いギアを使って走るタイプのクルマである。豊平川沿いの長いストレートでは、いつの間にかかなりのスピードに達していて驚く。いやあ、素晴らしい。いいクルマだなァ。
インテリアの質感も非常に高いのだが、ただ一点の曇りがあるとするならば、ステアリングが革巻でないことだ。私は手のひらに汗をかきやすい体質なので、ウレタンのステアリングでは、夏場だと汗で滑ってぬるぬるしてしまうのだ。257万円もするクルマなのだから、ここは革巻を奢ってほしいと、私は強く要望する。
試乗を終えたのち、自分のレガシィ2.0i(5MT)で、ゴルフの試乗コースをなぞるように走ってみた。どちらも静かなクルマだが、ロードノイズまで含めた静粛性は、レガシィの方がやや優位か。走らせての軽快感というかヒラリ感は、車両重量1340kgで最大出力140psのレガシィの方が、1270kgで105psのゴルフよりも明白に上だった。そして一般道においての直進安定性はほぼ互角。自画自賛するようで申し訳ないが、レガシィ2.0iも、やはりなかなかいいクルマだ。
尾車氏も私のクルマのペダルワークにかなり慣れたようで、「このクルマのSOHCエンジンも結構軽快に回るね!自分のインプレッサよりも、確実に気持ちいいよ。MTとATとの違いかなぁ・・・クルマは、やっぱMTに限りますね!」と語っておられた。まったく同感である。