スーパーで「みちのく鶏ハート」が実売価格63円と、大変おトクな値段であった。
こういうモノを、「値引きハンター」の私は、決して見逃さない。
串に刺し、「S&B 味付あらびき塩こしょう」を、しこたまぶっかける。
20時6分。我が家の秘密兵器「東芝ホーム屋台」にそれを載せる。
20時15分。片面がいいあんばいに焼きあがった。
そして20時25分。両面がくまなく焼き上がり、いよいよ実食である。
鶏ハートは、砂肝よりも柔らかく、ジューシーで美味!至福のおつまみであった。
先日クルマを走らせていたところ、「ダイハツYRV」に出会った。
クルマ好きの私ですら、実はその存在をすっかり忘れていた。ああっ、まさに薄幸なる5ドア車・・・
そこで今回、緊急企画として、このクルマにスポットライトを当ててみよう。
2000年の8月に、このクルマは登場。車名は、「Youthful(若々しい)」「Robust(たくましい)」「ViVid(活気あふれる)」の頭文字を取ったものだ。
郷ひろみ氏がこのクルマのCMキャラクターだったことを憶えている人は、今ではもう、あまり居ないかもしれない。
全高は1565mmと、かなり高い。
だが、そこはかとなくラテンの匂いのする、凛とした5ドアハッチバックである。
着目すべきは、「パノラマガラスルーフ」。
この手のガラスルーフの流行に火をつけたのは、2002年に登場の「プジョー307SW」と記憶している。
なんとなんと、それよりも2年も早く、ダイハツはそれをこのクルマに採用していたのだ!
ダブルウェッジのウインドウグラフィックスも、なかなか斬新。
シトローエンC2のデザインは、ひょっとしたらこのクルマに影響を受けたものかもしれない。
リヤシートのヒップポイントが高くなっているのは、後席住人への粋な気配り。
シートアレンジも多彩で、ユーティリティーに富んでいる。
一見コラムシフトのように見えるATレバーだが、実はインパネから生えている。前席の左右ウォークスルーを実現するために採られた措置らしい。
ターボ仕様には「ステアシフト」も装備。「ドライバーの意思をマニュアル感覚で思いのままにクルマに伝えることができる」という。
ポケッテリアも多彩で、日常生活やレジャーに大いに活用できそうな予感をさせる。
「YRVは、ライヴハウスの名前でもある」。全てのシートで「パノラマサウンド」を楽しむことができるという。
この時代なので、CDに加え、当然、カセット付なのだ。
ターボ仕様は、1.3Lなのになんと140PSを発揮!当時クラス最強のエンジンだったらしい。
当時の試乗記によると、かなりのじゃじゃ馬だったようではあるが・・・
安全性にも、しっかりと配慮。衝突安全ボディ「TAF(タフ)」と衝突安全インテリア「SOFI(ソフィ)」が、万一の際のダメージを軽減してくれる。
時計がアナログ式なのが、また泣かせる。空調は3連ダイヤル式で、使い勝手が良さそう。
ラインナップは多彩で、下は99.9万円から、上は155.4万円まで。全車ダブルエアバッグ装備。
だが、一番安い「CG」ではABSが省略されてしまう上に、このグレードだけが3気筒エンジンとなる。
ターボ車以外には5MTも用意されている。10年前は、MT車を選択する余地はまだまだ残されていたのだ。コンパクトカーはやはりMTで乗りたいと思うのは、きっと私だけではないだろう。
10・15モード燃費は、最良なのが一番安いMT車の20.0km/L。ターボの4WD車が14.4km/Lと最も悪い数値となる。
全長3765mm×全幅1625mm×全高1565mmのコンパクトなサイズ。
ちなみに現行フィットのそれは、3900mm×1695mm×1525mm。やはりYRVは全高の高さが際立つ。
じっくり検証してみると、この「YRV」、けっして悪いクルマではなかったように思える。いや、むしろなかなかいいクルマだったのではなかろうか。
売れなかったのには色々理由があるのだろうが、やはりマーケティングの失敗なのだろうか。真面目に売れば、当時のデミオあたりとはいい勝負になったような気がする。
薄幸な5ドア車にスポットを当てるこのコーナーにすら、取り上げるのを忘れ去られてしまっていた「YRV」。
あらためて、ダイハツ工業におわびしたい。御免。