その日も、妻の帰りは、遅かった。
妻にあらかじめ言われていたのは、「冷蔵庫に下ごしらえしたヒレカツがあるから、それを180℃の油で揚げて食べてネ!」とのこと。
昔の私だったら、「油を180℃にするなんて、計れましぇん!僕はできましぇ~ん」と、武田鉄矢状態になったことでありましょう。
だがしかし、21世紀の現在。
我が家には、油の温度を計ってくれる「IHクッキングヒーター」という、文明の利器がある。
だからもう、揚げ物なんて、恐くないのだ。
設定温度になった油にヒレカツを投入し、片面がきつね色になったらひっくり返し、両面が程よい色具合になるように揚げれば、万事OKだ。
付け合せのスープは、個人的ヒット商品である、永谷園の「たまねぎのちから」。
カツにはやはり、キャベツの千切り+中濃ソースが、ベストパートナーだ。
脂身の少ないヒレカツこそが、私にとってカツの王者≒King of Kingsである。
大学受験の時におばあちゃんが作ってくれた弁当のおかずも、そういえば、ヒレカツだった。
私の人生の応援歌だった、ヒレカツ。
次回は、揚げるだけでなく、豚肉を切るところから、調理してみたい。