先週末。
我が家のレガシィ2.0i(5MT)を、いつものディーラーさんに、車検のために入庫させた。
その間、1泊2日。代車としてお借りしたのが、BSアウトバックである。
グレードは、最上級の「Limited」(CVT:税込車両本体価格347万7600円)だった。
このBSアウトバックを見た娘がまず言ったのは、「このクルマ、デカいね!」の、ひとこと。
確かに、スリークなウチのBPレガシィと比べると、明らかに大陸的体躯である。
その走りも、大陸的におおらかで、そこはかとなく巡洋艦フィール。
アイポイントは、SUV的に、かなり高め。
ステアリングレシオも私のBPより、かなりスローに感じられた。
履くシューズは、ブリヂストンの「ブリザック DM‐V2」。
225/60R18の、大径サイズ。
いわゆるひとつの、「SUV向け」の冬タイヤだ。
「OUTBACK」の文字がキラリと光る、メタル調サイドクラッディング。
肉厚でかつがっしりと造られた、本革フロントシート。
欧米人向けサイズではあるが、小柄で小太りの私の身体も、しっかりとサポート。
寒冷地に重宝する「シートヒーター」付で、それは3段階に温度をコントロールできる。
アルミパッドのフットレスト&2ペダルは、運動が苦手な私のスポーツ気分を、じんわり高揚させてくれる。
スバル伝統装備の「各ドア毎半ドア警告灯」も、しっかりと装備。
ムーディーな自発光式メーター。
クルマを返却してからカタログで確認したところ、この「メーターリング照明」は10色から選択できた模様!
嗚呼、色々と、試してみるべきだった・・・
ステアリングには、「定速クルーズコントロール」や「SI-DRIVE」のスイッチが並ぶ。
私は「SI-DRIVE」を「S♯(スポーツ・シャープモード)」やら「S(スポーツモード)」やらに切り替えて、愉しませてもらった。
実際のところ、街乗りにおいては「I(インテリジェントモード)」で、なんら痛痒はない。
リニアトロニックと呼ばれるCVT。
日常MTに乗る私が、ATの出来の優劣を語るのもなんだが、スルスルとシームレスに加速するこのトランスミッションは、決して悪くない。
また、スロットルを深く踏み込むと、段付きで疑似変速しながら加速する「オートステップ変速制御」となり、これまた愉快である。
空調は2連ダイヤル&プッシュスイッチ式で、一見でも扱いやすい。
シートヒーターのスイッチも、ここにある。
願わくば、ファンコントロールもダイヤル式となり、動作表示窓がインパネ上方に設置されていれば、スカーッと満点パパだったのだが・・・
スッキリと視界の抜けの良い、Aピラー周辺。
デカいクルマだが、視界良好なので、前方向と横方向の車両感覚は掴みやすい。
後端の感覚を把握するのには、やや慣れが必要だが・・・
そして、スバル好調の立役者ともいえる「アイサイト」。
あえてウインカーを出さずに車線変更すると、警報音とともに「車線をはみ出しています」と、マルチインフォメーションディスプレイが叱ってくれる。
美しい女性に叱られた時のように、悪くない気分である。
電動パーキングブレーキの後方に設置された、カップホルダー。
広い全幅を活かして、使いやすい左右タンデム式である。
それゆえに、助手席の人のドリンクを取り違えて飲んでしまうリスクを、大幅に低減。
まあ、助手席にもしも美しい女性が座っていたならば、ドリンクを取り違えて飲んでしまうのも、それはそれで悪くないエピソードになるのかもしれないが・・・
ソフトな触感の、フロアコンソールボックスのリッド。
シート同様に施されたステッチが、高級感を演出する。
リッドを開けると、コイントレイ&カードボックスが!
さらにその下には、大容量のスクエアなスペースが。
CDケースが入りそうだが、実際に入るのかどうかは、確認していない。御免。
センタートレイのフタは、すーっと滑らかに開く。
そこにUSB電源があるのは、やはりイマドキな感じである。
グローブボックスには、植毛処理が施されている。
だがしかし、車検証&取扱説明書がスペースを侵食しているので、実質的な容量はさほどでもない。
私が適正なドライビングポジションを取ると、その後席のニースペースは、ごらんのように余裕しゃくしゃく。
まあ、私が、短足だからかもしれませんが・・・(^^;
後席に佇む方へのおもてなしとして、空調ダクトに加え、左右2名分のシートヒーターまでもが!
センターアームレストに2名分のカップホルダーが装備されているのは、言わずもがなでありましょう。
そして、傾斜したリヤゲート。
後方のスペースがタイトでも開閉できるのが、見逃せない美点である。
このリヤゲートは、電動で開閉する、パワー仕様。
だがしかし・・・
私が試した限りでは、このリヤゲートは「全開状態か全閉状態の二者択一」で、途中で止めることが出来なかった。
日常的使用において、リヤゲートを全開したくないシチュエーションも、あるハズだ。
この「パワーリヤゲート」は、私個人にとって、「要らない装備」のひとつである。
大橋巨泉氏も、賛同してくれた・・・かもしれない。
通常の荷室容量も、実に広大!
シートバックは、リモコンレバーで片側ずつ倒すことができる。
シングルフォールディングではあるが、荷室はほぼフラットに。
ステーションワゴンの真骨頂である。
だがしかし。
大容量の「サブトランク」と引き換えに、私がマストと信じて疑わないスペアタイヤが省略され、「パンク修理キット」に置き換えられてしまった・・・
SUVテイストの強いアウトバックには、スペアタイヤは必需品だと、私は、気弱に思う。
代車のBSアウトバック。
1泊2日の我が家での滞在で、走破した距離は58.8km。
燃費計数値は8.3km/Lであった。
走行モードが札幌市内徘徊だったことと、S♯モードで愉しませてもらったこととを勘案すると、おおむね妥当な燃費性能だといえましょう。
ゆったりと鷹揚でいながらも、父親の背中のような安心感や、嘘をつかない信頼感に溢れていた、このアウトバック。
このクルマとの暮らしは、スロウでメロウな、ゆとりある毎日に、なりそうだ。