獅子丸のモノローグ

☆気まぐれ不定期コラム☆

N BOX・スペーシア・タント 雪道での比較試乗記

2018年12月12日 | CARS&F1

 日曜日。ニータ氏とともに、軽自動車の試乗に向かった。
 私としては、免許を取った長女が、もしもクルマを持ちたいと言ったなら、何を薦めるべきかと見極めるためでもある。



 まずは、ホンダのお店へ。
 ターゲットは、現在日本で最も売れているクルマである「N BOX」。
 試乗させていただいたグレードは、「Custom G・L Honda SENSING ベンチシート仕様」(4WD:税込車両本体価格1,829,520円)だった。


 ステアリングの上から俯瞰する感じのメーターは、そこはかとなく欧州車的である。
 老眼が進みつつある私にとって、確認しやすいこと、この上ない。
 ただし、ステアリングが本革巻でなくウレタン製なのは、手のひらに汗をかきやすい体質の私にとって、大いに残念なポイント。


 パワーウインドウはおろか、クルーズコントロールまで装着されているのが、イマドキの軽自動車なのだ。


 インパネにも、安っぽさは、微塵もない。


 自発光式2連メーターも、然りである。


 直立した大きな窓で、視界は大いに良好。
 スクエアなボディスタイルの軽ゆえ、車両感覚を掴むのはたやすく、その意味では初心者向きと言えましょう。
 VSA(ABS+TCS+横滑り抑制)の効能か、スリッピーな札幌の雪道でも、何の不安も無く、乗れる。
 直進性も確かで、その安心感は軽自動車とは到底思えず、私は大いに感銘した。
 「センタータンクレイアウト」による重量配分の良さも、そこに寄与しているのかもしれない。
 加えて、エンジン音もよく遮断されており、その静粛性も、なかなかのモノだった。
 660ccのNAエンジンのこのクルマだが、街乗りにおいて、私・ニータ氏・セールスマン氏の3名乗車でも、特に痛痒は感じなかった。
 
            
 加えて、そのスペースユーティリティというか、特に後席の広さは、まさに驚愕モノである。
 シートの造りも、イイ。


 定員乗車時のラゲッジスペースも、日常使いには十分。
 シートを倒せば、相当の荷物が積めそうだ。

            
 「N BOX」。
 乗ってみて、このクルマが、日本のベストセラーである理由が、よく分かった。
 これに「高速での直進安定性と衝突安全性」が加われば、このクルマは世界のベストセラーになり得ると思う。


 


 続いて立ち寄ったのは、スズキのお店。
 「N BOX」のガチンコのライバルと思われる、「スペーシア」に試乗させていただいた。
 グレードは「HYBRID GS」(4WD:税込車両本体価格1,773,360円)である。
 

 そのメーターパネルは、イイ意味で、そこはかとなく「バイク的」である。


 インパネ全体のデザインは、ややビジーではあるものの、チープな感じではない。


 もちろん、パワーウインドウ&パワードアロックも、標準装備。




 視界は、このクルマも、大いに良好。
 というか、その眺めは、「N BOX」のそれと、ほとんど同じ感じ。
 軽自動車の寸法枠を使い切ったハイトワゴンは、すべからく、こういうデザインに収束されるのでありましょう。
 そして走らせると、非常に軽快な、このクルマ。
 それでいて、スリッピーな積雪路面を、インフォメーションを伝えながらも、安定して進む。
 「全体に軽いのに、がっしりしっかり出来ている」といった印象は、アルト以降のスズキの軽自動車に、共通の味わい。
 ただし、NVHについては、配慮された雰囲気は薄く、エンジン音は結構やかましく室内に侵入する。
 とはいえ、そのダイレクト感のあるドライブフィールは、運転好きのお父さんの琴線には、響くことでありましょう。




 「N BOX」ほどではないが、広大といっていい、後席のスペース。
 とはいえ、シートはやや平板で、あまりコストを掛けて造られているようには見えない。




 左右独立スライドで、居室と荷室の広さをフレキシブルに変化させることが出来るのは、イマドキの軽自動車の文法どおりである。

       
 「スペーシア」。
 その名のとおり、そのスペースユーティリティは秀逸。
 加えて、運転しても愉しいクルマである。
 とはいえ。やはり、スズキの軽自動車らしい「見切り」を感じてしまった部分もあるというのが、率直な、私の感想だ。

 

 この日最後に乗らせていただいたのは、ダイハツの「タント」だった。
 試乗車は、トップグレードの「RS”トップエディション SA Ⅲ”」(4WD:税込車両本体価格1,873,800円)。
 この日乗った軽自動車3台のうちで、唯一のターボモデルである。




 メーターパネルは、今も昔も少数派の、センターメーター。


 最上級モデルだけに、ステアリングには、革巻が奢られている。


 パワーウインドウのスイッチも、照明付だ。


 

 Aピラー&A'ピラーの立ち方はやはり、「N BOX」や「スペーシア」のそれと、ほぼ同様。
 走らせて驚いたのは、これが、結構、滑ったこと(^^;
 この日、TRCやらABSの介入が、一番ハッキリと感じられたのは、このクルマだった。
 まあ、同じ札幌市内とはいえ、地域性で路面状況も違っていたのかもしれないが、前記2車のような安心感を持つことはできず、かなり慎重に気を遣って走らざるを得なかった。
 まあ、設計年度が5年以上前なので、致し方ないのかもしれないが・・・
 逆にいえば、この5年で、クルマの安全性というか、安定性というか、走りの制御は、かなり進歩したのでありましょう。






 そして、後席の広々感については、このクルマもやはり素晴らしいものでありました。

      
 そろそろモデルチェンジするとの噂の、タント。
 このクルマについては、それを待つのが、正解かもしれない。

 
 そして、私がこの日乗った3台のうちから選ぶとすれば・・・
 それは、まちがいなく、「N BOX」である。
 「N BOX」の出来は、ズバ抜けて良かったというか、ダントツに素晴らしかった。
 ベストセラーには、理由があるのだ。これ、ホント。

コメント
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