『UFOとポストモダン』
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木原善彦、2006、『UFOとポストモダン』、平凡社新書
ずいぶん前にユングの『空飛ぶ円盤』(当時は、朝日出版社、1983)を読んだことがある。詳しくは覚えていないのだが、ユング理論の「無意識」や「元型」、「夢」として「空飛ぶ円盤」を位置づけると同時に、ナチスドイツやヒットラーと絡めてえらく社会心理学的な本だったという記憶があるのだが、ちょっと記憶が怪しい。ひょっとして、このイメージは、その前に読んでいたフロムの『自由からの逃走』あたりとの混線か?
さて、著者は、本書は「UFO研究」ではなく「UFO神話研究」であると繰り返し述べる。そして、UFOに関する言説がその背景となる社会事象との関連し変化したと説く。著者によると、それは、「前期UFO神話:空飛ぶ円盤神話(1947-73):近代プロジェクトの継続」、「後期UFO神話:エイリアン神話(1973-95):近代プロジェクトの放棄」、「ポストUFO神話(1995-):ポストモダンのかなたへ」の三期に分けられるという。著者の背景はアメリカ文学研究、おそらくは「カルスタ」派。新書の分量としては、なかなか中身が濃いぞ。
評者は、テレビっ子第一世代でもあり、また、少年漫画第一世代でもある。また、高校生大学生のころはSFマニアだった。したがって、UFOやバミューダトライアングルなどの超常現象については、強い関心を持って同時代的に見たり読んだりしてきた。本書の中では特には、前期と後期のUFO神話についての読み解きが興味深かった。しかし、ポストUFO神話の部分は、ちょっと知りぬけしているような印象。突込みが弱かったか。ま、次の展開があるということだろう。
ずいぶん前にユングの『空飛ぶ円盤』(当時は、朝日出版社、1983)を読んだことがある。詳しくは覚えていないのだが、ユング理論の「無意識」や「元型」、「夢」として「空飛ぶ円盤」を位置づけると同時に、ナチスドイツやヒットラーと絡めてえらく社会心理学的な本だったという記憶があるのだが、ちょっと記憶が怪しい。ひょっとして、このイメージは、その前に読んでいたフロムの『自由からの逃走』あたりとの混線か?
さて、著者は、本書は「UFO研究」ではなく「UFO神話研究」であると繰り返し述べる。そして、UFOに関する言説がその背景となる社会事象との関連し変化したと説く。著者によると、それは、「前期UFO神話:空飛ぶ円盤神話(1947-73):近代プロジェクトの継続」、「後期UFO神話:エイリアン神話(1973-95):近代プロジェクトの放棄」、「ポストUFO神話(1995-):ポストモダンのかなたへ」の三期に分けられるという。著者の背景はアメリカ文学研究、おそらくは「カルスタ」派。新書の分量としては、なかなか中身が濃いぞ。
評者は、テレビっ子第一世代でもあり、また、少年漫画第一世代でもある。また、高校生大学生のころはSFマニアだった。したがって、UFOやバミューダトライアングルなどの超常現象については、強い関心を持って同時代的に見たり読んだりしてきた。本書の中では特には、前期と後期のUFO神話についての読み解きが興味深かった。しかし、ポストUFO神話の部分は、ちょっと知りぬけしているような印象。突込みが弱かったか。ま、次の展開があるということだろう。
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