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ポルチーニフンギのクリームソースパスタ

ポルチーニフンギのクリームソースパスタ(乾燥ポルチーニフンギを水で戻しておく。フライパンにオリーブオイル。ニンニクと赤唐辛子。ラム肉の焼肉用を一センチほどの幅に切ったものをいためる。たまねぎ薄切りを加えていためる。ぶなシメジをほぐして加える。戻したポルチーニフンギを絞り、茸だけ加え、いためる。塩胡椒、ミックスハーブで味をつける。ポルチーニフンギの戻し汁を加えて煮込む。生クリームを加えて仕上げる。パスタはブガティーニ。折って茹でてアルデンテでソースに絡める。ナイフなどで、スプーンにのるぐらいのサイズに切って食するほうがいいようだ)
ルッコラとビーツのサラダ(ルッコラとビーツの葉のサラダ。バルサミコ酢、オリーブオイル、塩胡椒、ミックスハーブ。今夜のドレッシングにはたまねぎのみじん切りを加えてみた)

2007-01-18 23:09:11 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


『アフリカのろう者と手話の歴史:A・J・フォスターの「王国」を訪ねて』

亀井伸孝、2006、『アフリカのろう者と手話の歴史:A・J・フォスターの「王国」を訪ねて』、明石書店

本書は、アフリカ諸国においてろう学校を多数設立していったA・J・フォスターの評伝のスタイルをかりてアフリカにおける植民地主義とろう教育の歴史、ろうコミュニティに関する人類学的なアプローチ、また、ろう教育における手話の意義について述べている。

私は、ろう者の手話言語が、少数言語もしくは危機言語であるとの立場をとる者で、その立場からすると、フォスターの存在は、はなはだ微妙である。彼自身ろう者であって、ろう者のためのギャローデット大学を卒業しアメリカ手話による教育法を修得する。そして、CMD(Chrisian Mission for the Deaf)を設立して、アフリカ諸国でアメリカ手話をもちいてろう者に教育し、キリスト教の宣教活動も同時に行う。そして、フォスターによって教育された現地のろう者たちが教師となって次々とろう学校が設立されていく。
手話言語は、ろうコミュニティごとに様々なバリエーションの手話言語があったはずだが、こうしたプロセスの中で、少数言語の現地の手話言語が吸収されていった可能性は否定できないだろう。ただ、フォスターの功績は大といわねばならない。それは、ろう者というマイノリティが、手話言語を用いた教育を受けることによって、近代化の中でそれなりの地位を占めるようになっていったという点、フォスターの貢献は大きい。自然発生的な手話言語の場合、あくまでもろう者コミュニティにおける意思の疎通に用いられるだけで、当該国の教育システムにくみいられることはなかったようである。そうした状況においてフォスターの手話教育が導入されることによって、ろう学校がアフリカ各国における教育システムのなかに一定の地位を占め、そして、ある種のリンガフランカとして機能したように見える訳である。
さらに、アフリカにおけるフォスターによるアメリカ手話言語の普及は、別の文脈でも重要である。例えば、日本のろう学校では、手話ではなく口話による教育が行われるとのことであるが、これは、ろう者を聴者の言語に同化させることに他ならない。ところが、アフリカでは、植民地主義のために他の世界で主流となっている口話が浸透せずにこの間隙を縫って手話教育が普及していったのである。それは、不幸中の幸いといわねばならない。

手話言語は音声言語と同様左脳のウェルニッケ、ブローカの言語中枢をつかうそうである。つまり、音素や音の強弱、音の高低を組み合せ、単語を構成し、時系列的な文法による音声言語と並んで、手指の三次元的な位置と運動、表情、口唇の動きなどを組み合わせる言語で、人類言語のひとつといえるわけである。人類が音声言語を駆使するようになったのがいつ頃か不明ではあるが、わたしはいまのところ、「手話言語から音声言語への進化」というシナリオに引かれている。その点でも、少数言語/危機言語としての自然発生的な手話言語の採集は、少数言語の音声言語を危機言語として位置づけ、採集していくことと同様、緊急を要する作業のように思われる(もう手遅れなのかもしれないが)。

本書は、人間の言語にかかわる様々な事象について改めて考えさせるという点で大変興味深く読むことができた。

危機言語のホームペジ:http://www.tooyoo.l.u-tokyo.ac.jp/ichel/ichel-j.html

『消滅する言語』(読書と夕食):http://blog.goo.ne.jp/sig_s/e/6270d3eef7ae27fdaf4081e3ac77ac98
アフリカのろう者と手話の歴史:A・J・フォスターの「王国」を訪ねて

明石書店

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手話でいこう:ろう者の言い分 聴者のホンネ

ミネルヴァ書房

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2007-01-18 09:11:30 | 読書 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )