すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

途方もなく撮り続ける

2013年10月06日 | 雑記帳
 今月号のBRUTUSの特集は「ほめられる写真。」。一億総カメラマン(表現が古いか)のような時代,今この瞬間にいったい何人の人がシャッターを押しているだろうか。そしてプロでもアマでも思いは一つ。それは「ほめられたい」だ。誰にほめられたいかが大きい人も,何によってほめられたいか考えている人も。


 「撮るのが先か,コンセプトが先か」…そんなことはプロとか,熱心な趣味人しか考えないだろう。でも遊び方としては実に面白い選択だ。一日中,とにかく撮りまくってその中から選ぶ,その状況を思い起こしたり,想像したりする。また逆にテーマをしっかり決めて,探す,うろつく,待つ…これもまた試行錯誤だ。


 瀧本幹也というカメラマンが,撮影の方法2種類についてこう語る。「一つは,獲物をねらって文字通りSHOOTING(撮影)する。もう一つは,釣りのように糸を仕掛けて,いい獲物がきたら釣り上げる」いずれにしたって,どれだけの時間をかけることができるかが勝負。写真を目の前に,それを見通せたら凄い。


 「ほめられた」ということは,何かが伝わったことと言える。自分の心が動かされる瞬間に共感,同調してくれたということだ。川内倫子は「みんなが持っている共通意識にタッチしたい」と書く。対象はなんであれ,それを意識的にできるということは,途方もなく撮り続けることなのかなあ,と素人なりに考える。


 人物写真に挑戦してみたいなあ。対象物は身の周りにあふれているが,職務との混同はご法度。このご時世の制約の大きさについていけない。まあ風景,植物などが無難な線と決めて,たまに別ページにアップする。気軽に撮っていても,向き合う一瞬を積み重ねていけば,いつかはほめられる写真がとれるだろうか。