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子どもに「サンマ」を焼かせよ

2013年10月16日 | 雑記帳
 子どもたちに,秋の味覚である秋刀魚をどんどん食べてほしい。
 もちろん,それはそうだが,実はそのサンマではない。

 漢字で書くと「三間」。
 つまり「空間」「時間」そして「仲間」。


 私たちの仕事は,結局その「三間」を食べさせることではないかと考えている。
 そして,その難しさをどう受け止めるかが問われている。

 つまり,「安全,安心な空間」が何より大事なことはわかるが,子どもたちを待っているのは,実は安全でも安心でもない空間だ。

 「自由な時間」の大切さは,子どもの成長にとって換え難いものだが,制約なき時間を多く持てる大人はそんなに多くない。

 共に学び,共に遊ぶ「仲間」の存在。それは生きるためのエネルギーを維持していくために必要不可欠のものである。
 しかし,コミュニケーションの複雑な様相は,希薄な関係づくりへ向かっているような気もする。


 結局 「三間」について考えれば,次の二つの視点が見えてくる。

 子ども時代の今だからこそ,存分にそれを保障してやりたいということ。

 もう一つは,結局,「三間」を自分で獲得していくように育てるべきだということ。


 そのバランスをどう見極めていくかが,教育の根本の課題と言えるだろう。

 しかし,今,私たち大人にその意識が薄くなっているのではないだろうか。
 目先のデータや経済問題,または自分たちの趣味にとらわれている。

 昨秋聴いた,武田邦彦氏の「この国は子どもたちのことを考えていない」という言葉が,また頭の中に響いてくる。
 

 子どもに「サンマ」を焼かせよ。
 思い切り煙をたたせろ,と時代錯誤的な風景を思い浮かべる。

 先日,酔狂なことを,と言われながら,炭火でサンマを焼いてみた。
 うちわでぱたぱた扇ぎながら,そんなことを考えた。