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学習か学芸か,ではなくて

2013年10月27日 | 雑記帳
 学習発表会が終わった。数日前、家族で昔話をしていた折に娘が「私たちの時は学芸発表会だったよね」という。そうだったかなと思いつつ確かめたら、その記憶は正しかった。学芸か学習かは、結構以前から話題になっていた。その時は「芸じゃない」のような言い方があったように思う。今どきはどうなのだろう。


 そもそも「学芸」の意味は「学問と芸術」だ。その意味では結構難度が高い。だが「学芸会」という熟語になると、とたんに辞書での意味はこうなる。「小・中学校で児童・生徒が演劇・音楽などを次々に舞台に出て発表する行事」。学芸から派生した用語だが、もはや完全に独立していると言っていいだろう。


 学習指導要領に「学芸的行事」という項目がなくなり「文化的行事」となったのは確かにこうした活動の名称を考えるうえでは大きいだろう。それ以前に、やはり「学習」の発表会であるべきという考えや教科の授業時数の問題が絡んで、「学芸」はだんだん押しやられた。そしてそれと同時に内容も変化していった。


 結局何が言いたいのかというと、学校はだんだんと「学問と芸術」が薄くなっているのではないか…そのことだ。小学校は初等教育だからみっちりと基礎を積ませていくことに異論はない。むしろそうあるべきだとは思う。そのための効率化、形式化が進むことは当然だ。だがこのまま進むことには心配を覚える。


 教科内容、授業方法の問題、学校行事のあり方…様々な視点から考える必要がある。そして一面として教師の「学芸」に関する意識は大きいのではないか。つまり学問をしていますか、芸術を理解しようとしていますか。まずは、教えることの専門家がその下地を持っていなくてどうする、そんな結論となる。