講師 黒川が語る「勉強方法について」
本年度も引き続きメールマガジンの原稿を担当することとなりました黒川と
申します。どうぞ宜しくお願い致します。
私は2回目の受験で平成15年に合格、その後何を思ったか予備校や大学の公務員
試験講座の講師となり労働法をはじめとした法律科目を担当し、
現在、とある航空会社で企業法務等の業務に従事しております。
直接的に実務に携わってきたわけではありませんが、振り返れば資格を持って
いたことで転職その他の場面で導きにめぐり会えたと思っております。
さて、皆さんは今回新たな、若しくは残念ながら再度の挑戦を始められたこと
と思います。挑戦にあたりぜひ「知略で征する」ことを頭の片隅に置いて頂き
たいと思います。
この試験は真剣に学習に取り組めば誰もがある程度まで達することのできる試験
です。ただ各科目満遍ない得点が不可欠であるため、僅か1、2点で涙を飲む人が
後を絶ちません(偏りのない知識を合格要件とする趣旨は納得できるのですが、
かく言う私も1点に1年を棒に振ったわけです)。
ただ、振り返ればやはりその1年間、反省点もあるわけです。日々の勉強方法も
然り。直前期に余裕を持って合格ラインを超えていれば、というのも事実です。
(1)1順目は予備校の講義、独学の方はテキストに沿ってまずは大枠を掴むことです。
最初に取り組み始めた労働科目に日数を割いてしまいそれなりの時間を要する厚生
年金保険法等社会保険科目がおろそか、という方がよく見受けられます。
初見の科目では目先の事項で精一杯だとは思いますが、まずはその科目も大筋を
掴もうというつもりで臨んで下さい。勿論、労働基準法でいえば労働者、労災保険
の通勤災害の定義等の「基本事項」、健康保険法でいえば傷病手当金の計算式等の
「基本公式」はしっかりと覚えなければなりませんが、発展的な知識は1順目で
完全に理解できなくとも結構だと思います。
残念ながら1順だけで合格できる試験ではありません(学校の中間・期末試験も
何度も読み直しませんでしたか?)。試験までに何度も復習することと思いますが、
その過程で完全に理解できればよいわけです。先は長いですから多少は割切り前へ
と進みましょう。
(2)1科目最低3順は必要です。
理解度の完成は人それぞれとは思いますが、1科目につき最低3順は必要だと
思います。そのつもりで今後1年の計を案じて頂きたいと思います。
ではどのように復習していくかですが、ここでいう1順目とは
テキストの通読(予備校講座を利用されている方は講義後の復習)+その科目の
過去問の練習
としたいと思います。
上記(1)のとおり、科目全体の流れを掴むこと、基本事項の習得が1順目の
目標ですから、「過去問」による問題演習も基礎的な問題のみで構わないと
思います。
2順目は「過去問」を発展レベルにまで広げて解き、分からない箇所があれば
テキストに立ち返る。この繰り返しで1周を図ります。1順目の際もそうですが、
間違った問題には誤答したと分かるように印を付けて。3順目以降(2順目も
そうですが)は間違った問題のみを解答すればよいわけです。
確かに各順の度に掲載されている全問題を解く方がおられますが、自信ある問題に
ついては既に十分理解されている筈。胸を張って、不安であれば多少の見直しに留め、
先を急ぐべきです。
(3)一つのテキスト・問題集と運命を共に。
学習意欲に富む方に多く見られるのですが、多くの教材よりより多くの知識を
吸収されるという傾向があります。ただこの試験は各科目とも万遍ない得点が
求められ、各科目とも正確に理解された基本事項が得点の土台となります。
まずは一つのテキスト・(過去)問題集を徹底的に使いこなし基本事項を習得する方
が効果的と言えます。
私は試験当日、会場へは1年間使い続けたテキストを持ち込んで最後の見直しを
しました。何度も誤った箇所に付けた付箋でビラビラでした。
以上の点は戦略の1例に過ぎませんが、我武者羅に走りつつも時には現在の取り組み
方法を振り返り、時には軌道修正しながら「努力+知略」で来夏の試験をぜひ征して
頂きたいと思います。
本年度も引き続きメールマガジンの原稿を担当することとなりました黒川と
申します。どうぞ宜しくお願い致します。
私は2回目の受験で平成15年に合格、その後何を思ったか予備校や大学の公務員
試験講座の講師となり労働法をはじめとした法律科目を担当し、
現在、とある航空会社で企業法務等の業務に従事しております。
直接的に実務に携わってきたわけではありませんが、振り返れば資格を持って
いたことで転職その他の場面で導きにめぐり会えたと思っております。
さて、皆さんは今回新たな、若しくは残念ながら再度の挑戦を始められたこと
と思います。挑戦にあたりぜひ「知略で征する」ことを頭の片隅に置いて頂き
たいと思います。
この試験は真剣に学習に取り組めば誰もがある程度まで達することのできる試験
です。ただ各科目満遍ない得点が不可欠であるため、僅か1、2点で涙を飲む人が
後を絶ちません(偏りのない知識を合格要件とする趣旨は納得できるのですが、
かく言う私も1点に1年を棒に振ったわけです)。
ただ、振り返ればやはりその1年間、反省点もあるわけです。日々の勉強方法も
然り。直前期に余裕を持って合格ラインを超えていれば、というのも事実です。
(1)1順目は予備校の講義、独学の方はテキストに沿ってまずは大枠を掴むことです。
最初に取り組み始めた労働科目に日数を割いてしまいそれなりの時間を要する厚生
年金保険法等社会保険科目がおろそか、という方がよく見受けられます。
初見の科目では目先の事項で精一杯だとは思いますが、まずはその科目も大筋を
掴もうというつもりで臨んで下さい。勿論、労働基準法でいえば労働者、労災保険
の通勤災害の定義等の「基本事項」、健康保険法でいえば傷病手当金の計算式等の
「基本公式」はしっかりと覚えなければなりませんが、発展的な知識は1順目で
完全に理解できなくとも結構だと思います。
残念ながら1順だけで合格できる試験ではありません(学校の中間・期末試験も
何度も読み直しませんでしたか?)。試験までに何度も復習することと思いますが、
その過程で完全に理解できればよいわけです。先は長いですから多少は割切り前へ
と進みましょう。
(2)1科目最低3順は必要です。
理解度の完成は人それぞれとは思いますが、1科目につき最低3順は必要だと
思います。そのつもりで今後1年の計を案じて頂きたいと思います。
ではどのように復習していくかですが、ここでいう1順目とは
テキストの通読(予備校講座を利用されている方は講義後の復習)+その科目の
過去問の練習
としたいと思います。
上記(1)のとおり、科目全体の流れを掴むこと、基本事項の習得が1順目の
目標ですから、「過去問」による問題演習も基礎的な問題のみで構わないと
思います。
2順目は「過去問」を発展レベルにまで広げて解き、分からない箇所があれば
テキストに立ち返る。この繰り返しで1周を図ります。1順目の際もそうですが、
間違った問題には誤答したと分かるように印を付けて。3順目以降(2順目も
そうですが)は間違った問題のみを解答すればよいわけです。
確かに各順の度に掲載されている全問題を解く方がおられますが、自信ある問題に
ついては既に十分理解されている筈。胸を張って、不安であれば多少の見直しに留め、
先を急ぐべきです。
(3)一つのテキスト・問題集と運命を共に。
学習意欲に富む方に多く見られるのですが、多くの教材よりより多くの知識を
吸収されるという傾向があります。ただこの試験は各科目とも万遍ない得点が
求められ、各科目とも正確に理解された基本事項が得点の土台となります。
まずは一つのテキスト・(過去)問題集を徹底的に使いこなし基本事項を習得する方
が効果的と言えます。
私は試験当日、会場へは1年間使い続けたテキストを持ち込んで最後の見直しを
しました。何度も誤った箇所に付けた付箋でビラビラでした。
以上の点は戦略の1例に過ぎませんが、我武者羅に走りつつも時には現在の取り組み
方法を振り返り、時には軌道修正しながら「努力+知略」で来夏の試験をぜひ征して
頂きたいと思います。