和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

皇居周辺の銭湯。

2011-02-17 | 地域
久繁哲之介著「地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?」(ちくま新書)を読む。スラスラ読めました。

最後の方にこうあり、印象に残るのでした。

「東京皇居周辺の銭湯は数年前から、利用客が増えている。スーパー銭湯化したわけではない。なのに、なぜ顧客が倍近くも増えたのだろうか。その秘密は3つのキーワードで説明できる。ジョギングブーム、口コミ、同好の士による交流である。
増えた顧客のほとんどは、皇居周辺を走るランナーたちだ。皇居周辺はジョギングコースとして、以前から東京駅周辺に勤める者には利用されていた。ところが、東京マラソン開始以降は、電車に乗ってやって来るランナーが急増した。ランナーたちは『同好の士』とすぐに顔見しりになり、ジョギングサークルをつくるなど活発な交流が行われている。
ジョギングコースは、スポーツクラブではないので、更衣室もシャワーもない。もちろん、サロンや喫茶室など交流の場もない。このことに、電車に乗ってやって来るようになったランナーたちは内心、不満を感じていた。そんな折、顔見しりとなった以前から皇居周辺を走っていたランナーが、皇居周辺の銭湯を『更衣室とシャワーの代替施設』と位置づけて利用していることを教えてもらう。これを機にランナーの銭湯利用は急増し始めた。
皇居の周りを走ってから銭湯で汗を流して着替えた後、ランナーたちは周辺の飲食店で食事をする。そうした飲食店が『交流の場』と位置づけられて、ランナー同士の交流が促進する。・・・今ではすっかり定番になっている。」(p222~223)

その様子があざやかに浮ぶようだなあ。
コメント
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