和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

みやわきチャンネル(仮)。

2020-05-11 | 短文紹介
最近ユーチューブを見るようになって、文化人放送局の
「怒れるスリーメン」を、楽しませてもらってます。

そんななかで、ちょっと毛色が変わってるなあ、
と思っていたのが『みやわきチャンネル(仮)』でした。
こちらは、お一人で立ち上げてらっしゃる。
麻雀パイの、中とか北とかを右手にもって、
ときどき『絶望した』とひとりごと。
ご自身のチャンネルが消えてしまったり、
広告はがしにあったりしながらも、めげずに、
『絶望』までバネにして明るく続くチャンネルです。

最初は、それが何だか分からずに、私は見てました。
うん。文章で例えると、文体が独特だなあ。などと思いながら。
それでも、みているうちに、禁止語にひっかかるのを
避けるために、あれこれと健闘している姿なのだと
分かってくる(笑)。

その「みやわきチャンネル」の宮脇睦さんが
雑誌「正論」6月号に文を載せておりました。
そのはじまりに

「今回の騒動が始まった直後、世界保健機関(WHO)から
『インフォデミック』への警告が発信されました。

インフォデミックを日経新聞は
《 ネットで噂やデマも含めて大量に情報が氾濫し、
現実社会に影響を及ぼす現象のこと 》と解説します。」

まあ、こんなふうにはじまった文は、
中国とWHOとの発表日時を列挙しています。
また、遠藤誉氏の指摘を引用し、WHOへ言及しております。

「中国問題グローバル研究所所長の遠藤誉氏は
『ニューズウィーク日本版』で『世界に新型コロナを蔓延させた
真犯人が習近平なら、WHO事務局長は共犯者だ』
と指摘するように、中国を利するかの行動と情報が目立ちます。」
(p173)

その誉氏による共犯者WHOについて、
宮脇睦さんは、さらに指摘するのでした。


「対してWHOの『インフォデミック』への対応は迅速でした。
イタリアのローマで、中国人観光客から陽性反応がでて以後、
感染報告が爆発的に増え始めた2月2日、
デマ情報により正しい情報が伝わりにくくなっていると宣言し、
ソーシャルメディア各社に『検閲』を呼びかけました。

各社はこれに応じて、Googleの検索結果には
WHOなど公的機関の情報が優先的に表示されるようになり、
ユーチューブでは『新型コロナ・ウイルス』との言葉を発した番組に、
広告が掲載されなくなりました。
クリエイターのモチベーションを下げることで、
新型コロナに関する情報拡散を規制したということです。
そこに中国にとって都合の悪い情報を拡散させない目的の為に、
『インフォデミック』という言葉を用いたという疑惑・・・」(p173)

はい。WHOの検閲依頼。
思い浮かんだのは、
マンゾーニの『いいなづけ』。
第31章の最後のページでした。
平川祐弘訳では、こうなっております。

「というわけで当初はペストではなかった。
絶対に、いかなることがあろうとも、違う、というわけで、
その名前を口にすることすら憚られた。

それが次はペスト性熱病になり、
ペストという言葉は名詞では禁句だったが、
形容詞には認められて裏門からはいって来た。
その次に、真性のペストではないが、
まあある意味ではペストだ、ということになった。
本来のペストではないが、
それ以外の名前で呼びようのないものだという。
そしてしまいには、疑いなく、反論の余地なくペストであるという。

だがそうこうする間にそれとは別の考えーーーー
毒を撒く者がいる、とか魔法を使う者がいる、
とかいう考えがその言葉とはなちがたく結びついてしまった。
そうなるとペストという語が意味する内容はどうしても
歪められ変形してしまった。・・・・」(p656)

この章には、
「しかし頑迷固陋な連中は思いも寄らぬ逃げ口上や
便法やさらには仕返しまでも案出するものである。」
(単行本・p651)
なんて箇所もページを割いて紹介されておりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする