和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

幸田文の父露伴。

2020-05-22 | 本棚並べ
幸田文の文章をはじめて知ったは、
学校の副読本かなにかに、『水』という短文があり、
それが、あとあとまで印象に残っておりました。
父親に、掃除・雑巾がけの仕方を教わる内容。

幸田文の晩年の本、『木』『崩れ』は鮮やかで、
ほかと比べるものがないような気がしました。

これはいったい何だろうと思いながら、

  新潮日本文学アルバム「幸田文」(1995年)
  青木玉対談集「祖父のこと母のこと」(小沢書店・1997年)
  「幸田文の世界」(翰林書房・1998年)

と古本で少し買っていたことがあります。
その際に、

 「幸田露伴の世界」(思文閣出版・2009年)

こちらも古本で、買ってあったのですが、そのまま未読でした。
この「幸田露伴の世界」が、無事読み頃をむかえたようです(笑)。
「幸田露伴の世界」は、井波律子・井上章一共編とあるのでした。
井波律子つながりです。

思い浮かぶのは、産経抄5月19日の井波律子追悼文でした。
その最後を、あらためて引用。

「メディア史家の佐藤卓己さんが日本経済新聞への寄稿で、
井波さんを『心の師』と呼んでいた。二人が所属していた
国際日本文化研究センターから佐藤さんの京都大学への
異動が決まったとき、意外な言葉を受け取った。
『がっかりしたわ』。大学の看板などなくても
自分の名前で書ける人だと思っていたというのだ。
井波さんこそ、その通りの人だった。」

はい。国際日本文化研究センターの井波律子さんは、
それから、どうしたのか?
それを「幸田露伴の世界」が、教えてくれていました。
「まえがき」は井波さんでした。そのはじまりはこうです。

「本書は2006年4月から2008年3月まで、2年間にわたり、
国際日本文化研究センター(日文研)において行った
共同研究『幸田露伴の世界』の成果をまとめた論文集である。
 ・・・・・
個人的なことだが、私は一時期、かなり身を入れて
『露伴全集』を読んでいたことがあり、機会があれば
共同研究のテーマにしたいと考えていた。しかし、
なかなか決心がつかないまま、歳月が経過し、
3年後に定年をひかえた一昨年、ようやく
上記の共同研究をはじめることにした。・・・・」

このあとの『露伴を語る』という章のはじめに
『幸田露伴 -- その生涯と中国文学』と題して
井波律子さんの29頁の文があるのでした。

はい。今回はじめて読みました(笑)。
肩書という気負いがなく、淡々とわかりやすく
露伴の核心に迫ってゆきます。

この29頁は短いのですが、引用すると長くなる。
井波さんの文は、次回のブログで紹介してみます。



コメント
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