私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

フィソン

2025-03-11 20:53:12 | 韓国ドラマ・映画

韓国の人気歌手フィソンさん、自宅で死亡 43歳

その歌声は本当に素敵だった。2007年の1月にさいたまスーパーで行われたK-POP Super Liveで歌を聞いた時も嬉しかったし、2008年2月のブログには、彼の歌う「傷ついてもいい」という歌に感動したのだろう。びっくりするような超訳まで載せているのを見ると、本当に何度も何度もCDを聴いていたのだろう。「傷ついてもいい」という歌のタイトルが何だか切ない。

 

****以下2008年2月のブログ******

『フィソンの第5集アルバムは秋から冬にかけて一番聴いたアルバムなのだが、その中の一曲のMTVが@ラスト・コーションだとは。

追加(フィソンの歌声は格好いい。私のへぼ訳のせいで、歌の男前度が下がってしまったら困るが、調子に乗って超訳)


少しだけ泣いた心 1日、2日 傷ついた心 風邪のような愛じゃなかったみたいだ
胸が暑く 記憶さえも熱く 消える日を切り取れば どれだけもっと耐えなければ

愛した日 覚えている日 恋しい日 ただぼーっと待つ日 禁じられているすべてのこと 分かっている 痛いことを 傷つくことを 涙だけが僕を待っていること
僕はどうせぶつかるだけしか他に道の無いことを 胸が壊れてもうれしい 悲しくてもうれしい 君なら僕は恋しささえもうれしい 涙もうれしい 傷もありがたい
君がくれたものだから

考えた日 心配した日 また憎んだ日 君のために眠れなかった日 もてあましたすべてのこと
分かっている 痛いことを 傷つくことを 涙だけが僕を待っていること
僕はどうせぶつかるだけしか他に道の無いことを 

僕にとって危険であればあるほど 愛はもっと甘く 僕は君を忘れることが出来ないみたいだ とても愛してるから 君だけだから 死んでも君だけだから 一歩でも君の元を離れたら 生きていけないから 傷ついてもいい 痛くてもいい このまま 僕は君を見つめながら 恋しく思いながら 君を待ちながら そうやって生きていくから・・・ 』

[2007.12.01] 휘성(Wheesung) - 다쳐도 좋아 Live [HD]


プロジェクト・サイレンス

2025-02-27 21:34:37 | 韓国ドラマ・映画

明日から、イ・ソンギュン主演のプロジェクト・サイレンスが公開される。

一連の出来事はとてもショックな出来事だった。ドラマや映画を観て楽しんだ思い出は語りつくせない。

イ・ソンギュン

幸せの国

一ファンとして出来る事は、彼の出演作を観て、楽しんだり、悲しんだり、感動したりすることだけだ。

今週末は、彼のパニック・サスペンスを思う存分楽しみたい。

映画『プロジェクト・サイレンス』日本版予告編


テロ、ライブ

2025-02-22 21:26:59 | 韓国ドラマ・映画

国民的ニュース番組を降ろされ、系列ラジオ局のパーソナリティとなった元人気キャスター。

午前中のラジオ番組で、リスナーと昨今の時事問題に関する電話のやり取りをする中、かかって来た一本の電話がこの元パーソナリティの人生を一変させる。

番組の趣旨にそぐわない不満をぶちまけるリスナーの話を打ち切り、ただのいたずら電話に対する対応をしたキャスターだが、電話を切る事なく爆弾爆破を予告する男の言葉通り、漢江にかかる大きな橋が爆破されるのだ。

自分の降板に不満の有った元キャスターは、警察への通報よりも犯人との単独インタビューを選び、ラジオ番組を生放送のテレビ番組に無理やり変更させる。混乱した中でも自分の要求を押し通し、報道と言いながらも、高視聴率を取る事で自分のキャスター復帰の足掛かりにしようとするのだ。それを分かっていながらも高視聴率のシナリオを描きつつ、彼に生放送を続けさせる会社の上層部。

電話の相手は、自分の不満を語りつつ、大統領の謝罪を元キャスターに求め、自分の要求が通らないとなると更なる爆発を予告するのだ。

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自分の降板に恨みを持つ元キャスターと、時代に虐げられているという恨みを語りづづける電話の向こうの男。畳みかけるように恨みを吐き出す男の真意を測りかねるも、爆破された橋は傾き、元キャスターにも爆破の恐怖がのしかかる。

時間の経過とともに、方向性は違っても二人の恨みと恨みがぶつかりあう。警察のテロ対策担当者や高視聴率しか頭にない会社の上層部などの存在とは関係なしに、二人の声のやり取りは続く。

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事件発生から事件収束までほぼ同じ時間で見せる映画を、電話の男の姿は見えず、その真意も今一つ見えない中で元キャスターを演じるハ・ジョンウが引っ張る。警察のテロ対策担当者を演じるチョン・ヘジンや、崩れていく橋の上でリポートする記者を演じるキム・ジソンが緊張感を感じさせて、孤軍奮闘するハ・ジョンウをサポートする。

俳優陣の熱演があっても、元キャスターと電話の男、二人の恨みという強いエネルギーが行きつく先が何とも空しい。

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この作品のリメイク、ショウタイムセブンが公開中ということもあり、ビデオで鑑賞。

 


Mr.プランクトン

2025-01-14 20:47:27 | 韓国ドラマ・映画

成功したかしないかは他人が評価することだけれど、幸せか幸せでないかは自分が決めるもの。それを分かってはいるものの、どう考えてもあまり幸せとは思えない日々を過ごしていた一人の男性。そしてそんな彼と一時は幸せな時間を過ごしたものの、結局は別の男性と結婚することになったやはり幸薄い女性。

別の道を歩くはずだった二人なのに、男性が最後の旅の相手に選んだのは、昔幸せな時間を過ごした事にあるその彼女だったのだ。

子どもが出来たと嘘をつき、名家の御曹司の嫁として大家族に嫁ぐはずだった彼女を、半ば強引に自分の実の父親捜しの旅に同行させる男性と、そんな二人の旅を追いかける御曹司。

開放感のある景色の中で続くリズムの違う3人の旅。3人とも自分の小さな幸せを探し求めているはずなのに、少しずつ歯車が狂い、幸せは指の間からスルスルと逃げてしまう。3人とも見えない幸せを追いかけ、近づいたり離れたりする。3人とも旅をしたくてしているのではないのだが、各地を転々とするうちに不思議な絆が出来ていくのだ。その先に幸せが見つかればいいのだが、簡単には幸せは見つからない。

行く先々の風景。暖かい場所もあれば、寒い海辺も雪の降る山間の街もある。3人が景色を見ながらどんな事を考えているのか、考えるだけでちょっと涙が出てくる。

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元恋人の間に割って入る形の御曹司を演じているオ・ジョンセ。押しが強いわけでもなく、誰にでも優しい。でも自分と結婚することを選んでくれた彼女を手放したくはない。不思議な事に彼がいることで元恋人同士の旅がより温かいものになっていく。彼の感じさせる距離感がなんとも絶妙だ。

 


愛は一本橋で

2025-01-08 20:58:54 | 韓国ドラマ・映画

ソク・ジウォンとユン・ジウォン。同じ名前の同い年の幼馴染が高校生になって付き合うも、ちょっとしたすれ違いと大きな悲しみを前に別々の人生を歩く事になってしまう。

そんな高校時代の別れから18年後、お互い30代後半に入り、中年というにはまだ早く、しかし恋をするなら楽しいだけじゃなく、何かもっと現実的な年齢になった二人が再会。

何とも微妙な年齢で再会した二人だが、18年という時間が経っても、変わらないのは、あの時代に何か忘れ物をしてきてしまったような二人の気持ちということで、口喧嘩をしながらも、折に触れて昔の気持ちを思い出す二人のやり取りは、微笑ましく、昔の気持ちを思い出すのに時間はかからないのだ。

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18歳の別れから18年後の再会というのが、このドラマのポイントだと思う。これが28年後では、現在の二人の間に乗り越えなければならない壁が幾つもあるであろうことは簡単に想像がつく。どちらかに倦怠期を迎えたパートナーがいるかもしれないし、二人とも生活に疲れ、新しい恋に踏み出す勇気もないかもしれない。

ただ、18歳からの18年後だ。まだ若い気持ちは残っているし、18年前の辛い別れと厳しい出来事も乗り越えられるだけの人生経験も積んできているはず。そんな丁度いい塩梅の時間が二人の間に流れている事が分かる。愛はタイミング。そんな思いを感じながら、楽しいラブコメを鑑賞。

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チュ・ジフンが随分貫禄たっぷりな感じで少し驚いてしまった。年相応の貫禄と若い時の気持ちを思い出しちょっと挙動不審になる男性の可愛らしさをこれもいい塩梅で演じている。


ハルビン

2024-12-27 19:10:53 | 韓国ドラマ・映画

ヒョンビンが伊藤博文を暗殺した安重根を演じた『ハルビン』が、わずか二日で観客動員100万人を突破したという記事

少し前、スンホン主演のヒドゥンフェイスが1か月間かけて、何度も舞台挨拶をして観客動員数が100万人突破したという記事と比べてはいけないが、100万人突破という意味を考えずにはいられない。

因みに、既に148万人の観客動員数との事

映画のキャッチフレーズは『ただ一つの目標 年老いた狼を処断せよ』

 

 


朝鮮心医ユ・セプン

2024-12-20 19:12:51 | 韓国ドラマ・映画

鍼医として順調に出世をしていたものの、宮殿内の権力争いに巻き込まれて、都を追われる事になる青年医師セプンと、婚礼当日に夫が亡くなり寡婦となるものの婚家で苦労するウヌ。そんな行き先の無い二人に居場所を与えるのが、村で診療所を営む医師のジハン。診療所で働くうちに、患者を助け患者を癒し、そして自分達も癒されるという診療所物語。

トラウマで鍼を使えなくなったセプンがウヌにその術を教える事で彼女に医学の道を目指すという夢を与え、自分の心の傷をも癒していく。そんな二人を口は悪いが優しく見守る診療所の医師ジハン。

若い二人が医学を通して自分たちの新しい道を探す青春物語なのだが、私は、全てをお見通しで二人を優しく見守り、更に診療所を居場所を失ってしまった人の拠り所にしつつ、その存在で村人を助けようとする。いい加減なように思えながらも、人を切り捨てる事はせず、逃げ道を与えつつも人を助けようとする医師ジハンのキャラクターに惚れ込んでしまった。

外科治療がない時代に、患者の症状を見極め、鍼が麻酔にもメスにもなり患者を助けるというその万能性にも驚くし、何より患者の症状とその言葉の裏にある原因を探っていくストーリーが思いのほか面白いのだ。

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最終回には、ウ・ドファンが朝鮮弁護士のキャラクターで特別出演。

 


誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる

2024-11-03 19:31:27 | 韓国ドラマ・映画

森の中で起こる二つの事件。

2001年に家族で経営する湖に面したモーテルで起こる殺人事件と、現在、森の中の貸別荘を一人で経営している所に子ども連れの女性が来た事から起こるトラブル。

時系列の全く違う二つの事件が交互に語られ、やがてリンクしていく不思議な構成だ。

不思議なのは構成だけではない。2001年、人気のあるモーテルだったのに、殺人事件の現場になった事でモーテル経営者家族は終わりのない悪夢の中に放り込まれる。加害者とはなんの関係もなく、運悪くトラブルに巻き込まれ、殺されずとも被害者とも言える状況に陥ったのに、犯人が捕らえられた中、世の中の好奇の目は彼らに向けられ、まるで彼らが加害者であるかのような状況に放り込まれる。

現在のトラブルも理解不能だ。貸別荘を訪れた子どもを連れた若い女性は、あっという間に貸別荘がまるで自分の所有物のようにふるまい始める。全てに怒りをぶつけ、怒りをコントロールする事もせず、貸別荘のオーナーである中年男性を邪魔者扱いしていく。彼女の計算違いは、その中年男性が決して諦めなかった事だ。男はしぶとくしぶとく彼女を追い出そうとし、猟奇的な彼女に食いついて行こうとする。

2001年のモーテル経営者を演じるのはユン・ゲサン。現在の貸別荘の持ち主を演じるのはキム・ユンソク。

二人の事件へのかかわり方がもう理不尽としかいいようがない。どうやっても事前に避ける事の出来ないトラブル。度重なる出来事に、二人は「自分が悪かったのではないか?」と思い詰めるようになる。

二人はちっとも悪くなく、ただただ巻き込まれてしまっただけなのだ。事件は深い森の中で静かに起こり、最初は誰も気づく事がない。そんな風に誰もが静かにトラブルに巻き込まれる事がある。その理不尽さを目の当たりにして歯がゆい思いが募るが、結局はその理不尽さに人は対峙するしかない。

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ネットフリックスでの8話完結のドラマ。先が気になる展開ではあるが、見続けるとその展開の理不尽さにフラストレーションがたまるという、なんとも不思議なドラマだった。見続けられたのは、猟奇的な女性に自分の貸別荘を乗っ取られそうになるオーナーを演じるキム・ユンソクの、悩みながらも理不尽さに正面から向き合い諦めない姿があったから。

正直、私は2時間30分越えの上映時間でもいいから、映画館で一気に見たい内容だった。

 


第29回釜山国際映画祭

2024-10-02 21:00:41 | 韓国ドラマ・映画

今日10月2日から始まる第29回釜山国際映画祭の事の内容を紹介した記事

Netflix配信作品で、壬辰倭乱、日本的には文禄・慶長の役の時代を舞台にした『戦と乱』がオープニング作品に選ばれた事が大きな話題になっているようだ。

ポスターには『混乱の時代 与えられた 運命に立ち向かい戦え』の文字。韓国的には人気のある題材だ。

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オープニング作品『戦と乱』の予告編

전,란 | 공식 예고편 | 넷플릭스

 

オープニング作品『戦と乱』の記者会見の様子

강동원·박정민·차승원 외 “제29회 부국제 개막작 ‘전,란’ 기자회견”|Netflix 'Uprising'Team, opening film of BIFF 2024” [현장]


旋風

2024-08-30 19:21:33 | 韓国ドラマ・映画

自分が政治家を志すきっかけになった大統領が、身内をかばう為に汚れた権力者になった事にショックを受けた首相のパク・ドンホ。心血を注ぎ大統領に仕えていたはずなのに、自分が大統領の過ちを正そうとしていることが分かると、自分を罠に嵌め、逮捕させようとする大統領。

大統領の罪は一つだけではない。彼を糾弾しようとしたパク・ドンホの友人の検事も罠に嵌め、汚れた権力の前に力尽きたパク・ドンホの友人は自ら命を絶つのだ。

友人の死から「偽りに勝つのは更に大きな偽り」と学んだパク・ドンホは、復讐の為、自ら大統領を殺め、自分が「大統領権限代行」となる事で、汚れた事実を白日にさらそうとするのだ。

そんなパク・ドンホの前に立ちはだかるのは、自分に火の粉が降りかかるのを避けたいチョン・スジン。夫が財閥から金を融通されていた事が分かれば自分の政治生命は破滅だと、パク・ドンホ同様汚れた方法でパク・ドンホの行く手を阻む。相手の裏の裏をかき、弱みを持った人間を上手く使い、相手を出し抜こうとする二人。同じ手を使いやり返す事もあれば、再び窮地に追い込まれる事もあり。二人の丁々発止が鬼気迫る。単純な倍返しではない。逆手にとった倍返しから相手の弱点をきっちり掴んでの倍返し。

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政治家は「民衆の為に良い国を作る」と言いはするものの、結局は自分の権力欲の為にしか動かない姿がしつこく描かれる。そんな中で、友人の敵討ちの為に自らの手を汚し、自分は自分が見たい世界を作る為に政治家になったと言うパク・ドンホは異色の存在だ。それ故、その腹の括り方はどこまでも恐ろしい。

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政治に対する裏工作はどこの国でも一緒だろうが、直接選挙でえらばれ、強大な権力を手にする大統領が、汚い手を使って政治をする事に慣れてしまう姿は非常に恐ろしい。そしてそれを正そうする者は自らも汚い手を使わねばならない事実は更に恐ろしい。

 


幸せの国

2024-08-21 22:07:06 | 韓国ドラマ・映画

韓国から中国に帰ってしまってもな大人気のパンダ、フーバオの映画が9月に公開されることを、フーバオ好きの韓国人同僚から教えてもらう。同僚曰く、フーバオは可愛らしく絵になる事からメディア系の人から絶大な人気があるらしく、それがバオファミリー(フーバオの家族をそんな風に呼ぶようだ)の後押しをしているとの事。

その関連サイトから、今、韓国ではチョ・ジョンソク主演の映画が2本一度に見られる事を知る。

そのうちの一本の幸せの国で共演しているイ・ソンギュンの姿がなんとも切ない。

同僚に、チョ・ジョンソクとイ・ソンギュンの二人を同じ映画で見られるのは嬉しいが、イ・ソンギュンがあんなことになり残念だと伝えると、「今は随分世論が変わって彼に悪い事を言っている人は少なくなった」と教えてくれた。彼の自殺後に様々な情報が出て、彼の事を悪く言う人が居なくなったとの事だった。

イ・ソンギュンのファンの人は、この映画を観るのに「ハンカチとトイレットペーパーが必須」と言っているとの事。トイレットペーパーというのが韓国らしい。ポケットティッシュでは足りないんだろう。

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観客の反応は、イ・ソンギュンファンは満点、映画ファンは6点から7点位をつけている人が多いようだ。映画ファンの人は「10月26日(朴正煕暗殺事件)を描いた映画は多いが、観るべき所はある」「(同じ時代を描いた)ソウルの春よりも面白かった」というニュアンスのコメント多し。

イ・ソンギュンファンの人は「この作品が俳優イ・ソンギュンの遺作として残っているのは嬉しいです。あなたがそこで幸せになりますように...」と、映画のタイトルとかけて、彼が幸せの国に行った事をお祈りしているという書き込みをしている人が沢山いた。なんとも切ない。

 


Missナイト&Missデイ

2024-08-16 20:38:41 | 韓国ドラマ・映画

両親を安心させようと何度も公務員試験に挑戦するもなかなか夢かなわず、起死回生を狙うものの就職詐欺にひっかかり、更に何故か井戸に落ちた事で、昼は見た事もない50代の女性の姿になってしまう30代目前のミジン。

厳しい就職活動の中、求められる高いスペックを追い求めるものの、そうこうしているうちに次々と出てくる若いライバルに追い抜かれていく就活生の苦悩がとてもリアルだ。悩みは一つで十分なのに、何故か20代と50代の女性の姿を行ったり来たりする事になり、仕方なくシニアインターンとして地元の検察に勤務する事になる彼女が出会うのが、何故かソウルからやって来たクールな検事。

20代の彼女は事件の目撃者として、50代の彼女は職場の上司としてクールな検事と向き合う事になる彼女。就活で得た高スペックを検察で惜しみなく使うも50代の姿でバイアスがかかりなかなか認めて貰えない。20代の姿でも詐欺に引っかかった就職浪人性というバイアスもありこちらも上手くいかない。

1日の間で20代と50代を行き来するものの、どっちつかずでどちらもなかなか上手くいかない姿が面白かったりするのだが、次第に理由が分かずどっちつかずの状況なのがなんとも歯がゆくなってくる。

でも不思議な事にその歯がゆさがこのドラマのポイントなんだろう。1日の中でタイムスリップしながら何倍もの人生を生きているような姿を見るのはちょっとだけ切なく、でもかなり元気が貰えるのだ。

公務員試験の合格を目指して勉強だけをしていた彼女が、検察の中でのリアルな仕事の中でその能力を遺憾なく発揮する様子は、自分探しとともに、仕事の本質を見せて貰ったような気分になる。

 

 

 


ヒーローではないけれど

2024-08-14 22:00:08 | 韓国ドラマ・映画

チョン・ウヒ演じる詐欺を生業にしている女性が代々超能力を持つ家族の元に入り込んで行くことから始まる物語。

正夢を見る事が出来る母を筆頭に、空を飛べる姉と幸せだった過去に戻る事が出来る弟。養母から詐欺の手筈を受けたダヘが素性を隠してその家族に近づくも、自分の過去がその家族と関係がある事が次第に分かり、詐欺の行方の見通しがつかなくなっていく。

超能力があれば、それを積極的に使う事はしなくとも生活が成り立っていた昔とは違い、それだけでは現代の生活と折り合いがつかなくなり、次第に落ちぶれた生活に陥る家族。その家族に近づく女性を演じるチョン・ウヒの、普通の女性を装いながらもどことなく幸薄い感じ。幸せを感じる事が出来ずに過去と現在を行き来する事が出来なくなった超能力一家の息子を演じるチャン・ギヨンとのどこかフワフワしてつかみどころのないやり取りが時間旅行を挟みつつ、行きつ戻りつする何とも不思議なドラマだった。

何度も行き来する様子を見ているうちに、それが現在なのか過去なのか混乱してくるのだが、そのフワフワとした混乱具合がなんとも癖になる不思議なドラマだ。

詐欺の行方よりも、この二人がそしてこの家族がどんな幸せを見つけるのか、何を幸せと感じるのか、それが気になるなんとも不思議なドラマだった。

 


ソンサン -弔いの丘

2024-08-01 22:06:54 | 韓国ドラマ・映画

行き来の無かった親族が亡くなった事で思いがけない相続をした女性だが、突然腹違いの弟が出現し、自分にも相続の権利があると言い出した事で彼女の周りには怪しい出来事が次々と起こるというなんともおどろおどろしいミステリー。

暗い夜のシーンが多く、数少ない昼間のシーンも明るい光は殆どなくどこか鬱屈した雰囲気が漂うシーンがこれでもかと言うほど続く。

仲違いをしていたとしても、それでも法事等で集まる事が多い韓国社会で、行き来がない親族が突然現れる事だけでも、不吉でそこはかとない寂しさが漂い、その後に続く恐ろしい事が想像される。

思いがけない相続から理由の分からない不可解な出来事が身の回りで起こるようになる女性を演じるのはキム・ヒョンジュ。綺麗なのにどこか幸薄い雰囲気が漂う役柄がピッタリの彼女。その彼女が縁遠かった親族が隠し続ける秘密に近づいていく様がなんとも暗く、鈍痛が次第に大きな痛みになっていく様がなんともピッタリだ。

一族という概念が日本よりも強い韓国。そこに血の繋がりの謎が加わり、どこで折り合いをつければいいのか出口のない重い話が続く。

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2時間半ほどの映画の方がこの題材にあっているのではないかと思うのだが、暗い場面も躊躇する事なく、ドラマにしてじっくりと描こうとしているようだ。

避ける事の出来ない悪縁、血を呼ぶ欲望・・・韓国バージョンのポスターのコメントも怖い。


Eye Love You 交際何日目の話

2024-03-06 21:49:55 | 韓国ドラマ・映画

最初に韓国語を教えてくれたYさんから「付き合って100日目の記念指輪」を見せて貰ったのは今から20年近く前の事だ。指輪の内側に二人の名前と100という数字が刻印してあったように記憶している。

Yさんのご主人は日本人だったので「ご主人はどうして指輪を贈ってくれたのですか?」と質問すると、「私が付き合い始め時からずっと記念指輪の話をしていたから」という当然の答えが返ってきた。

当時はまだそのような韓国あるあるを良く知らない時期だったので、誰がどんな風に『今日は交際何日目?』と決めるのか確認してみたところ「二人で話し合って決める」という事だった。


そんな風に説明されると、今度は、告白してOKならそれが交際1日目なのか、それとも「彼女が昨日OKしてくれたから、正式には今日が交際1日目」なのか、告白日を初日参入するのか初日不算入にするのかそんな細かい所が気になって仕方なかった。ただ、その当時はまだそこまでの内容確認をする語学力が無かったので、なんとなくうやむやになってしまったのだった。

昨日のドラマの中で、テオが彼女に「今日が1日目ですか?それとも昨日が1日目ですか?」と自分たちの交際が何日目かを確認するセリフがあり、「ああ、相談するってこの事だったのか!」と20年ぶりの謎が解けた。

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タオルの羊巻きを見ながら、このタオル巻きがヒットするきっかけになったドラマ@私の名前はキム・サムスンの事を懐かしく思い出す。「不適切にもほどがある」的に、『ヒョンビンはソン・イェジンと結婚するんだよ』とドラマを見ていた私に教えてあげたい。