王妃がなんとしても守り通したかった四男の秘密はあっという間に大妃の耳に入ることになってしまう。女装をする孫の存在等受け入れる事の出来ない大妃の刃は、当然のように王妃の失墜を狙うのだ。
そしてそんな中行われる世子のご学友を選ぶ選抜試験。
今時の受験事情と同様、有力者の子息には試験問題はさりげなくリークされ、答案はさりげなく忖度される。時代が変わっても子どもに良い点数を望む親の気持ちは変わらないのだ。単純にお金だけでなく、権力にも結び付くのだから、現在よりももっと達が悪いともいえる。
後宮たちの中にもランクがあり、妃候補に入っていた後宮たちは後ろ盾があるが、女官から王に見初められた後宮たちには誰の助けもないのだ。しかし、そんな助けのない女官の息子でもセンスにあふれ、将来有望な者もいるのだ。そんな息子を持った女官出身の後宮を甘い言葉で誘い自分の手先として使おうとする大妃。
人生の酸いも甘いも知る立場であってもいいはずなのに、この大妃にはそんな点が一つもないのが凄い。
そんな姑に一人対抗せねばならない王妃は、選抜試験の慌しさを利用して、体調が優れない世子をなんとか匿おうとする。しかしそんな中で分かるのは、大妃がすべてを隠ぺいするかのように起こしていた火事の事だ。
困った時は毒を盛るというのが、時代劇定番の解決方法だと思っていたのだが、人だけでなく物証もすべて一瞬に消し去る火事も問題解決の定番らしい。
大妃の専売特許である火を放つという解決方法を使い四男の秘密を隠そうとする王妃が四男にしてあげられる事は、女装姿を肖像画で残す事だ。
子どもの頃、一人家から離れ暮らしていた次男。彼は王妃が四男の秘密を他人の目に触れないように火災を起こした事を知り、直接王妃に怒りをぶつけ、更に世子の身に異変が起きている事にも気づいてしまうのだ。
(彼が幼い頃宮廷を離れて暮らしていたのも、多分彼の勘の良さが関係しているのだろう・・・幼い子ども相手に「見ざる聞かざる言わざる」を語る大妃の恐ろしさ・・・)
四男は世子のご学友選抜試験を棄権し、試験は本命の3人に絞り込まれる。
姻戚の勢力増長を恐れられ王妃につけなかった貴人の息子であるウィソン君、女官出身の母を持ちながらも、持ち前の利発さで本命にも思えるポゴム君、そして世子の弟であるソンナム大君。
討論スタイルの二次試験にも内容漏洩は当然のようにあり、本命の討論内容、更には予備の討論内容も準備ばっちりだったはずの貴人の息子のウィソン君は、疫病対策に村を焼き払うという一般市民の事を考えない極端な案を押し続け、一気に印象を悪くしてしまうのだ。
そんな風に試験が行われる中でも、快方の兆しが見えない世子の体調・・・・
決断力があり、今風に言うならいわゆる地頭が良い次男は、何でも屋を使って兄の病を治せる医者を探し出し、疫病が流行っている村に出向き、彼に兄の治療方法を相談するのだ。
自分の子ども出産時に姿を見せないとなると、一気に健康不安説が広がり、いわゆる御家取り潰し的な危機が訪れるのだ。なんとしても体調の回復を印象付けねばならない世子と王妃・・・・
一見上手くいったように見えたものの、皆の前で世子が吐血したことで一気に緊張が走る・・・
王妃の地位に就く事がなかった大妃の王妃に対するあたりの強さも怖いし、どこまでも権力に固執する姿も怖い。この先も王妃を演じるキヌ・ヘスの眉毛が益々上がったり下がったりすることだろう・・・・それもこのドラマの見どころの一つか。