前回、「5-8でなく、本来なら父親がリュ・ソクの暴走を止めるべき」と書いてしまったが、父親である会長は息子が間違った選民意識を持ち、既得権を手放さないようにあれこれと画策していることをキチンと把握していたのだ。会長はサウォル達が慕っている老人と一緒に地下の帝国であるコア部分を作り、それを足掛かりに財閥を大きくしていったものの、間違った方向に行っていることに気づき、チョンミョングループ発案の移住案でなく、政府発案の移住案に賛同しようとしていたのだ。
残念な事に自分の病気だけの為に人体実験を行い、財閥の既得権を手放さない為に空気汚染を自ら作り出し、難民たちに「いい条件で移住が出来ると」と怪しい予防接種を進め、難民たちの選別を進めようとする息子のリュ・ソクにはそんな父親の気持ちは一つも通じず。
クーデターを起こし、企業として君臨するだけでなく国のトップとして君臨しようとする野望を捨てないリュ・ソク。当然一人ではクーデターは出来ないので、彼と一緒に美味しい思いをしようとする輩もおり、父亡き後、サウォルの血を自らの身体の中に輸血することで、クーデターを成功裏に収めようとするリュ・ソクだが、脇が甘い。
地下帝国であるコアについてもっと勉強しておくべきだったのだ。
自分の健康と権力の事しか頭にないリュ・ソクと5-8を中心とするメンバーとでは実現したい夢のレベルがまったく違う。
一口に悪役と言っても色々あるが、非常に分かりやすく無駄に格好をつける悪役としてまぁ、最後に改心したり命乞いをすることなく、自分勝手なまま去って行く事になるリュ・ソク・・・・
キム・ウビン演じる5-8が主役のこのドラマ、6話完結のドラマ故、なんとなくあっさりとした展開だった。美術などのビジュアルは凝った作りだったと思うだけにちょっとだけ残念さが残る。