韓国の捜査や裁判は日本のそれと比べてとても速度が速いように思う。日本の場合は争点の整理だけでも何か月もかかるイメージを個人的には思っているのだが、「パッリパッリ(急いで!の意)文化」の韓国では、まったくスピード感が違う。
大体、裁判中に現場に足を運んでもまだ花が飾られて、現場の様子が生々しく残っているのだ。日本とは大違いだ。
ジュンハンは独自に捜査を行うものの(弁護士ではなく、もう刑事そのものの行動だが、これも致し方ないことか)決定的な証拠がつかめず、裁判そのものを大きく動かす事までは至らない。
裁判が進むについてスヒョンの面変わりが激しくなっていく。
表情が変わるというよりも、顔つきそのものが変わっていくのだ。当初のオドオドとした様子は影を潜め、「何を言っても信じて貰えない」という絶望感が面変わりをどんどん加速させていっているようだ。もう、顔つきも刑務所内での態度も、あの大学生だった頃の面影はどこにもない・・・
そして、陪審員の評定は無罪でも結局無期懲役を言い渡されるスヒョン。出来レースは覆る事はないのだ。
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結局、判決後も一人捜査を続けるジュンハンが真犯人の証拠を見つけ、それを引退した刑事に差し出した事でスヒョンの無罪が確定するのだが、強気の検事は「裁判中にも入手した情報で慎重に調査を進めていた」と、自分たち発信でスヒョンの無罪を確定したかのようにさらっと報告。結局出来レースで傷つくのは元被告のみ・・・・スヒョンの諦めきったような表情が全部を物語っている。無罪が確定してももう以前の自分は戻ってこないのだ。
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ドラマでも大事なポイントになっていた医療機関で処方箋を出してもらう事で手に入れる事が出来た薬。スヒョンが苦しむ事になる遠因にもなった医療機関での違法処方箋・・・・このドラマだけでなく色々なドラマでも皮膚科に通うタレントたちが施術の際の痛みを和らげるために投与される薬(プロポフォール)がいわゆる麻薬だったという設定がよく出てくる。皮膚管理に非常に気を遣う韓国では皮膚科通いは特別な事ではないらしく、その際に投与されるという設定が作りやすいのだろう。ただ、あまりにも頻繁だと処方箋を出すのも怪しまれるということで、処方箋作成の際に金銭授受があったりという設定もドラマでよく見かけるもの・・・