部長は自分の義理に兄であるTM電子の常務に、辞めた課長から渡されたUSBメモリを手渡し「もうこんなことは止めよう」と言われ、更に、「パクチーム長は昔のあなたの様に見える。彼をあなたのようにしないで欲しい」と言われたにも関わらず、もう後戻りは出来ない常務。
結局パクチーム長は「僕は大企業に就職出来れば輝かしい未来が待っていると思っていたのに・・・そうでなかった」と常務に辞表を提出し、TM電子を去ることを決めるのだ・・・
チョンイル電子のために尽力してくれたことを分かっている社員たちの優しい言葉に触れ、TM電子から送られてきた訴状の手続きに困っているミス・リーを手助けするパクチーム長。
彼がチョンイル電子を助けようとするのと違い、チョンイル電子の買収の話をうまくまとめられず再就職先から首を切られるジナは、まだあきらめきれない様子だ。
しかし、通販番組に出した掃除機は完売し、新しい掃除機の開発の目途も経った。研究室にこもりっきりだった元社長の息子も職場になじみ、元社長も職場復帰。
チョンイル電子の新しい出発はうまく行っているように思えたのだが・・・
TM電子の新製品が自分達の新製品とほぼ同じ仕上がりに驚くチョンイル電子のメンバー。
しかしそこで浮足立つことはなく「私たちはTM電子の競争相手にもならない。でも自分達の製品の品質に自信があるし、自分達なりに出来ることをすればいい。」と中小企業としてのゴールを目指すことにするのだ。量販店のコーナーに足を運び、ちょっとでも自分達の商品を知ってもらおうとし、試してもらって製品の良さを感じて貰おうとし、しかしネームバリューのなさに付け込まれて安売りを強要されれば、自分達だけでなく自分達に部品を供給してくれているメーカーに迷惑がかかると断固として拒否。
ちょっとした不良品には気を遣わずに売り上げだけを伸ばすTM電子とは違い、地道な活動を続けるチョンイル電子。(口コミだけでなく、製品の良さに注目してくれるのが、人気ユーチューバーという今時の展開もあり。)
そうして最後には、TM電子が自ら墓穴を掘ることになるのだ。
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池井戸作品だったりすると、男性社員たちが熱く語り合い@打倒大企業!を心に誓う場面があるかもしれないが、こちらの主人公は経験もない若い女性。
その彼女が社員を信じて、更には自分の出来ることを一生懸命やる。ちょっとソフトな展開だが、その分だけ私生活のあれこれに共感したり切なさを感じたりと、別のスタイルの会社員ドラマがそこにはあった。