兄を殺した犯人を探し出すというイ・インが自分に課したミッションもいよいよ終盤。しかし自分が彼を王にしたと自負している伯父は逆に彼が邪魔になってくるのだから、物事はどんな風に転ぶか分からない。イ・インに毒を盛るという選択肢しか無くなってしまったトン尚宮が選んだ道は自害と言う道。イ・インを信じての自害というのが何とも切ない。しかし彼女の死で兄の毒殺に関する証拠が全て無くなってしまったのだ。伯父を罰するという道も無くなったかと思われたのだが、退路を断たれたイ・インが選んだのは強行突破。(史実とフィクションを上手く組み合わせた史劇だからこそのストーリーか・・・)逃げられると思った伯父を罰するという強い思いを見せた事で次の段階に進むイ・インだが、ここでも清との微妙な関係の舵取りが残る。
時間差がある情報合戦とともに、清の無理難題の意図も推測しなければならないイ・イン。王の囲碁相手であるモンウに、清に来て皇帝の囲碁の相手をしろという申し出にどんな意味があるかまで推測しなければならないのだ。(これはフィクションだが、史実としてもこのような無理難題が色々あったのだろう・・・)
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先日見た映画@梟ーフクロウーも同じように丙子の乱の時代の話だ。韓国の時代劇を楽しむには中国と力関係を把握している事が大きなポイントのようだ。中国に渡るというのは無事に帰ってこれるかどうかという生死にかかわる大きな問題。権力争いに、こんな風に国と国との壮大な外交問題を絡めつつ、男装したモンウとイ・インの物語を描き切ったドラマは、実際にあった時代背景とフィクションを上手く絡めたストーリーで最後まで楽しかった。