私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

世子が消えた 第19,20話

2024-09-11 21:51:23 | 世子が消えた 韓国ドラマ

時代劇でも史実に沿わないフュージョン時代劇のいいところは、自由な発想があるところだ。
時代劇らしい基本的な展開はキチンと抑えつつも、危機一髪の際の逆転劇などアッと驚く展開をも描く事が出来るのがいい。

それに沿うなら、御医と大妃には、悲劇的な結末が待っていようとも二人の道を進もうとする基本的な展開が待ち受けており、イ・ゴンとイ・ゴンとミョンユンには、かなり自由な発想とともに未来がある道が待っているだろうということ。(暗行御史(アメンオサ)になって各地の悪代官を征伐するというのは、若めの水戸黄門的な展開に思えるが、自由度が高い展開だ。)

勿論、孫であるトソンの存在を利用し、「一族の繁栄の為」と言いながら、自らの私利私欲の為にあれやこれや策略を巡らせたトソンの祖父の最後等は史実に合わせる必要が無いため、「欲にまみれた者に明るい未来はない」という分かり易い最後が待っている。

フュージョン時代劇の良い点が活かされていたと思われるのは、イ・ゴンの弟であるトソン大君の描かれ方。
当初から兄に全幅の信頼を置いていた弟のトソン大君。途中ミョンユンを巡りイ・ゴンと確執があるものの、これが史実に沿ったドラマならあの程度の描かれ方で終わるはずがない。もっとドロドロして一人の女性を巡り血で血を洗う展開が待っていただろう。その上、自分は王になる器でないと分かっていながらも、権力をも握ろうと逆切れし、祖父の企みにも欲望むき出しで乗っかり、こちらももっとドロドロとした展開になっていたに違いない。

若い彼らにフュージョン時代劇らしい未来が待っていたのと違い、時代劇らしい悲劇が待っていた御医と大妃。

この二人にあまり肩入れすることが出来なかったのは、御医が「結果を出してから結婚したい」と幸せの形にこだわっているうちに彼女が老王に見初められてしまうという悲劇が起きてしまった事だ。

本来なら、王の傍若無人な態度に腹を立て、運命のいたずらに翻弄される2人の境遇を親身になって心配すべくだったんだろうが、私は「理想を追い求めず、彼女を待たせずに、結婚したいという彼女の夢を早々に叶えてあげていられたなら、こんな悲劇も起きなかったのに」と思ってしまったため、結局最後まで二人の行動に親近感が湧かなかったのだ。私の好みの問題なのだが、この二人の境遇にもっと寄り添う事が出来たら、もっと別の楽しみ方も出来た事だろう。


世子が消えた 第17,18話

2024-07-31 21:41:13 | 世子が消えた 韓国ドラマ

ミョンユンと一緒にイ・ゴンの前に姿を現したのはミョンユンが調合した解毒剤をの処方された王。
臥せている間、言葉を発する事が出来ずとも、何かあったのかを全て聞いていた王だ。
誰が自分を裏切り、誰が自分の体調を案じていたのか全部お見通しだ。
息子二人の思いと、息子が二人ともミュンユンに心を寄せていた事も分かっているのだ。
兄弟が一人の女性をめぐってもめるのは日本でも大問題だが、韓国のそれは日本以上の大事。王が頭を悩ませるのも良く分かる。

本調子でない体調でも、大妃と御医に復讐すべく、王は援軍をひそかに宮中に送るべく画策。同じ頃、宮中では、以前から計画していたトソン大君の祖父が大妃と御医を失脚させるべく謀反を前倒しで実行。しかしそこに突然の王とイ・ゴンの登場。ドラマも終盤、王、トソン大君の祖父、そして大妃。三つ巴の戦いが始まるのだ。

長い間臥せっていても、そこは王。息子のイ・ゴンもそばにいるのだ。トソン大君の祖父、大妃、いずれも逃げ切れる事は出来ず窮地に追い込まれる。

父である王が戻ってきた事で「元に戻る」と本来の弟気質でやや楽観的にとらえるトソン大君と、全てが変わったと考える兄のイ・ゴン。この考え方の違いを知って、父である王はイ・ゴンを後継者に指名したのだろう。

宮中を後にしなければならない事は受け入れても、ミョンユンを諦める事が難しいトソン大君と、なんとかミョンユンとの未来を考えたいイ・ゴン。そして若い3人とは違った思いで、自分たちの人生をなんとかやり直そうとする大妃と御医。

大妃は諦める事を提案するも、御医は驚く程の熱心さで大妃を生かそうとするのだ。ある意味若い3人よりも強い思いで添い遂げようとする2人・・・

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厳しい人生を歩んできた大妃と御医。それ故、二人だけに通じる思いが強い事は重々分かっているのだが、自分たちの運命を受け入れる覚悟がないのが気になってしまい、応援する気持ちが起こらずここまで来てしまった。


世子が消えた 第15,16話

2024-07-24 21:38:56 | 世子が消えた 韓国ドラマ

宮中の外に逃がしたはずのミュンユンが兄であるイ・ゴンのそばにいる事にショックを受けたトソン大君。更に兄であるイ・ゴンがトソン大君が世子になる事に難色を示した事で「僕が世子になりミュンユンを守る」と意地になってしまうのだ。

まだ子どもである弟を庇うあまり、『トソン大君の祖父が願うのは、トソン大君が世子になり、その後兄弟の父である王を殺害してトソン大君が王になるというシナリオだ』という事を明かせないイ・ゴン。これは母である王妃も同じこと。幽閉されていても、その思いは変わらないのだが、何も知らないのは一人兄を恨み、自分がミュンユンを守ると先走るのだ。

祖父に「僕が世子になっても兄を殺めないで欲しい」と約束を取り付けるあたり、兄を思う心が無くなっていない事は分かるが、祖父が心の中では「当然イ・ゴンは殺すしかない」とほくそ笑んでいる事は何も気づかないのだ。

大妃の亡くなった息子の法要を執り行い、大妃が部屋に隠している解毒剤の処方を盗み出し、あれこれと試行錯誤するイ・ゴンとミュンユンだが(葬式泥棒的な事はどこの国にもあるのか・・・)何も知らないトソン大君は、大妃と御医に「イ・ゴンが出兵の準備をしていること、大妃の女官の中にスパイがいる事」等を明かし、自分を信じるように二人に訴えるのだ。当然、それを利用し、イ・ゴンの祖父が捉えられる事に・・・

解毒剤が出来上がっても、罠にかかった祖父の処罰の行方が問題になり、心配事がなくなる事はないイ・ゴン。過度な懲罰の見直しを訴えるも、彼に火の粉がかかる事を恐れた祖父は逆に罪を認めるのだ。

望みの見えて来た父の容体も、御医に回復度合いがばれてはダメな為、せっかく意識が戻っても再びミョンユンの鍼で脈を遅らせたりと一進一退。

こっそりと王の治療を続けられた以外の事は、ことごとく大妃と御医そしてトソン大君の祖父の思惑通りに進んでいく。
願いもむなしくイ・ゴンの祖父は亡くなり、宮中のゴタゴタを収めるべく、トソン大君を次の世子に指名し、ミョンユンとの婚姻を画策する大妃達。畳みかけるように物事を収束しようとする彼らと、自分が先にミョンユンの事が好きだったのだからと、自分にアドバンテージがあると訴えるトソン大君。

いつまでたっても弟気質の抜けないトソン大君・・・しかし何といっても一番肝が据わっており、宮中内でもしなやかに自分のやるべき事をやっていたのはミョンユンだった。

どうやって奇跡的に回復した王を宮中から連れ出したのか・・・


世子が消えた 第13,14話

2024-07-22 21:42:13 | 世子が消えた 韓国ドラマ

御医である父親がイ・ゴンに刀を向けた事で、出る場所に出たらミュンユンも謀反の一族ということで罪は逃れられない。彼女の身を守る為に宮中から彼女を脱出させようとするイ・ゴンとトソン大君。

そんな中、父と大妃の仲を知ってしまい、その為にイ・ゴン、そして王が命を狙われた事を知りショックを受けるミュンユン。彼女の父親が刀を抜かず更には王を毒殺しようとしなければ、イ・ゴンのそばに白球(ペック)としている事が出来たかもしれない彼女だが、そんな夢物語があるはずもなく、イ・ゴンは彼女の家の護衛であるムベクに彼女を託すのだ。

夢を描いた絵を残し宮中出た彼女だが、父の取った行動が許せないミュンユン。しかし父の元を去る事も出来ず、その上ムベクから父が大妃の為に自分の母をも殺めたと聞き、怒り心頭。

宮中ではトソン大君を王にしたい祖父の動きと大妃と御医の動きが微妙にリンクしあう。宮中では直接手を下すケースもあれば、玉突き式に相手を陥れる手法がとられるケースがあるのだ。とにかく自分が生き残る為にはずる賢さと動物的な生き延びる感覚がなければ蹴落とされるらしい。

イ・ゴンとトソン大君の兄弟は、大妃と御医の悪事を公にすれば、大妃の後押しで王になった父親の正当性を否定されるかもしれないのでなかなか上手く立ち回れず。更にイ・ゴン派、トソン派と本人そっちのけで派閥を作り、自分の地位を守りたい者からすれば、イ・ゴンとトソン大君の仲の良さは邪魔でしかないのだ。

本人たちの意志とは裏腹に、周りがあれこれ動いた事で、結局王妃は気味尚宮を殺めた事で幽閉され、イ・ゴンの祖父はミュンユンが彼のそばに居れば何が災いするか分からないと二人を離す事を画策し、トソン大君は自分の祖父の計画通りイ・ゴンと袂を分かつ事になってしまうのだ。

イ・ゴンとトソン大君そしてミュンユン。若者達は権力争いに明け暮れる年長者たちの犠牲になり、混沌とした権力争いは続く。


世子が消えた 第11,12話

2024-07-14 19:29:30 | 世子が消えた 韓国ドラマ

大妃と御医の素早い計画により、あっという間にトソン大君とミュンユンの結婚の当日になるものの、その場に満を持して登場するのは本物の国印を持ったイ・ゴン。大妃により廃位になってしまったものの世子が国印を持って戻って来、更に王の味見をした女官(気味尚宮という職名・・・味見がどんなに大事な役目かよく分かる)が生きている事も分かるのだ。

イ・ゴン側から見れば、野球なら9回裏のツーアウトでランナー無しから、急に満塁になったようなものだ。見守っていた役人たちもそれは浮足立つというもの。その証拠に結婚式の主役だったはずのミュンユンの事を気遣う役人はいないのだが、少しして皆が落ち着いてくれば、彼女の存在は危ういものになる。イ・ゴンは彼女を匿うのだが、いずれにしてもミュンユンの立場は危ういもの。

勿論あと少しで自分たちの計画が無効になってしまった大妃と御医の立場はそれ以上に危うい。そんな中でも、やっぱり気味尚宮を殺しておけばよかった・・・と二人だけの世界でお互いを心配している大妃と御医・・・

気味尚宮の証言を聞けば、大妃と御医の計画が明らかになる事は確かなのに、そうならないのがあれこれ宮中で繰り広げられる情報戦と権力争い。

自分の命乞いを考える気味尚宮が変な証言をすれば、大妃に騙されて王に食事を準備した王妃の責任問題になると実の父とお付きの女官から追い込まれた王妃。なんと自ら獄中に出向き気味尚宮を殺害してしまうのだ。

極端すぎるその行動に驚くが、それほど宮中の権力争いと足の引っ張り合いが厳しいと思った方がいいのだろう。

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奇跡の一発逆転を考え、イ・ゴンに刃を向ける御医。(娘よりも大妃を選んだ御医の純愛度の高さに驚くべきなのか、あきれるべきなのか)

 

 


世子が消えた 第9,10話

2024-07-12 21:34:40 | 世子が消えた 韓国ドラマ

無事にイ・ゴンの祖父の元にたどり着く事が出来た3人だが、イ・ゴンが父親たちによって廃位に追い込まれた世子だと知り悩むミョンユン。更に彼女を守るつもりだったイ・ゴンも彼女の父親が自分たち家族を追い込んだ元御医であると知って心が揺れるのだ。ここで直ぐに『彼女を守る』と言える程情報量も多くなく、制約も多すぎだ。ただ、彼の元には王妃が手配した国印がある。

イ・ゴンを追い出し、孫であるトソン大君を世子に据えようとする王妃の父の出自の弱点が発覚。彼の祖母が奴婢出身を隠していた事で、その血を引く者は全員両班の地位を失うという事が分かるのだ。出自が大事な両班の世界では大罪の様で、一気に窮地に追い込まれた彼は、なんと大妃の命を狙う事で全てを闇に葬り去ろうとするのだが、大妃を庇った元御医であるミョンユンの父が傷を負う事になり、起死回生どころではない。

祖父の暴走、大事な御医の命が狙われた事で復讐の炎が燃え上る大妃への対応、更に父である王の体調不良は続く。弟気質のトソン大君には厳しい状況が続く。

復讐の炎がメラメラと燃え上る大妃は、自分たちの二人の幸せの為にトソン大君とミュンユンの婚礼を強行すべく自ら政治の全面に立つ。完全に政治の私物化だ・・・

トソン大君は政略結婚ではなく、本当のミュンユンとの為に、まずは兄であるイ・ゴンの濡れ衣を晴らそうとミュンユンに目覚めない王の診察を頼み、イ・ゴンは父である王に毒を盛ったのが誰なのかをはっきりさせるべく、味見担当の女官が生きているとの情報を真偽を確かめるべく秘密裡に活動。兄弟二人の行動を中心に宮中で繰り広げられる情報戦。参謀もなく、単独で活動する兄弟の力量を比べるとやはり兄であるイ・ゴンの方がかなり長けている事がはっきりしてくる。

イ・ゴンは祖母が奴婢出身という事で脛に傷を負ってしまったトソン大君の祖父を仲間に引き込み、味見担当の女官を探しだそうとするのだ。

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宮中の足の引っ張り合いはなかなかえげつない。先の先の先を見通して行動しないと、一瞬にして足をすくわれるのだ。


世子が消えた 第7,8話

2024-07-06 20:13:26 | 世子が消えた 韓国ドラマ

厳しい状況を何とか打開すべくイ・ゴンを行動を共にするカプソクが選んだのは、彼らが御医の子女だと思っているオウォルを誘拐して切り札とする事。男性を拉致するという逆ポッサムから始まったトラブルを、女性をポッサムするという通常スタイルで打開しようとするのだが、イ・ゴン達の勘違いが発覚しない限り、トラブル解消も中途半端だ。父のせいでイ・ゴン達が危機に陥っている事に責任を感じるミョンユンの責任感と機転で都から抜け出す彼らだが、彼らを捕まえようとする似顔絵の完成度が高い事もあり、追手はすぐそこまで迫っているのだ。

逃げるイ・ゴンだけでなく、彼の替わりに世子となった弟のトソン大君の苦悩も続く。王妃の父でありトソン大君の祖父の権力志向と王妃を牛耳りたい大妃の思いで世子になったものの、自分が王になるには毒を盛られて意識の無い父である王が亡くなる必要があるのだ。複数で権力を握る事は出来ない。結局、権力はただ一人の者が手にする事で強大になるものの、その後、、その権力故、妬まれ、命を狙われる事になるのだ。時代劇を見て思うのは、権力を手に入れて幸せになれる事など殆どない事。誰も幸せにならないのに、皆権力に固執し、権力を手に入れてもそれは常に孤独と隣り合わせだ。

そういう意味で言ったら、ミョンユンが隣にいるイ・ゴンよりも、一人ぼっちいであるトソン大君の苦悩の方が深いかもしれず・・・・

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大妃とミョンユンの父である御医の哀しい過去が分かる。あまりにも辛い過去故、彼らの時間が停まっており、それ故歯止めが利かずに暴走してしまっていることが分かる。大妃の思いがメラメラと燃えているのも分かるのだが、彼らの実年齢を考えるとなんとも切なく、自ら不毛な復讐を止めるという選択がないのかと思ってしまう。


世子が消えた 第5,6話

2024-06-27 21:33:12 | 世子が消えた 韓国ドラマ

大妃と御医が何を目標にしているのかは何とかなく分かりそうでもあり、若い者達を相手に驚く程真剣に復讐を考えているようでもあり非常に恐ろしいのだが、王と王妃に更なる圧力をかけるべく、王妃が準備した王の食事に毒を盛り王妃を追い込む大妃。
イ・ゴンの異母弟であるトソン大君は、弟らしい猪突猛進な態度で王妃の元に乗り込むも、イ・ゴンよりもトソン大君を自分たちのサイドに引き込んで王妃と王妃の父親を自分の味方にする予定の大妃もひるむ事はない。
結局の所、イ・ゴンが毒を盛った事になり、捉えられるのだ。
イ・ゴンも、トソン大君が裏切ったとは思っていないものの、二手、三手先を見て行動できない弟に忠告する位しか手立てはない。

更にトソンはイ・ゴンを脱獄させる為に権力を握ろうとしている王妃の父サイドの人間を自らの側近にすると秋風を送り、イ・ゴンを脱獄させる手引きを彼に依頼するのだ。

目的を選ばずに危ない橋を渡るトソン大君。イ・ゴンは「次の会う時は戦いたくなくともお互いに刀を向けるしかない」と言い、ミュンユンの父である御医も、自分の娘であるミュンユンの配偶者に考えているトソン大君の計り知れない危ないポテンシャルに驚いている様子。簡単に言ってしまうと自由な弟気質なのか・・・

お互いの出自を中途半端に理解し、誤解一杯ながらも、お互いを大事に思い始めるミュンユンとイ・ゴン。
危ない橋を渡り続けている事に替わりはなく、更に国印が消えた事で更なるトラブルは続く。


世子が消えた 第3,4話

2024-06-24 21:36:15 | 世子が消えた 韓国ドラマ
王への警告の意味も込め、イ・ゴンを襲わせる大妃。ここまでアクティブな大妃の行動に驚きもするが、そんなイ・ゴンは再び宮廷の医師の娘ミョンユンに助けられる事に・・・

お互いの出自は分からないままでも、助けてくれるミョンユンに恩義を感じるイ・ゴンと、自分の父親が黒幕ではと思うミョンユンも献身的にイ・ゴンを看病する。トラブルが二人をどんどん近づけるも、二人の出自が二人の前に立ちはだかるトラブルになるという定番の展開。
 
ただ、非常にスピーディな展開で面白い。変に引っ張る事なく、案外あっさり、大妃とミョンユンの父が情を交わしていた事が分かるのだ。
大妃の行動が妙に現役感たっぷりだったのは、これが原因だったのだ。御医であるミョンユンの父と大妃の行動は、長い間待っていたからなのか、飛んでもなく大胆だ。
 
ミョンユンの父は自分の悪事がばれないように部下を自殺に見せかけて毒殺し、なんとかして王を孤立させようとする大妃は王妃を脅し自分の味方にするため、目の前で味見役を簡単に毒殺する。もうどちらも自分が犯人というのを隠すつもりがない大胆な行動だ。更に異母兄弟でありながら強い絆で結ばれた世子であるイ・ゴンとトソン大君の仲を引き裂くという、自分たちの子供世代を利用して、自分たちに有利に事を勧めようとするのだ。
 
スピーディに描かれているし、イ・ゴンとミョンユンのエピソードがコミカルに若者らしく描かれているので楽しく見ているが、冷静に考えると内容は結構ドロドロしているじゃないか。

世子が消えた 第1,2話

2024-06-21 21:40:35 | 世子が消えた 韓国ドラマ

王の跡継ぎとしてそろそろ婚姻の話も出ているイ・ゴン。王である父のとの関係も良好、異母兄弟であるトソン大君との関係も実の兄弟のように良好。

韓国時代劇では王族の異母兄弟というのは、後継者問題と相まってなかなか関係が難しいというのが定番。異母兄弟なら血は繋がっているから兄弟に違いはないと思うのだが、ドラマのセリフでも「本当の兄弟のようだ」と感嘆するセリフがある事からも、もめるというが前提の間柄らしい。

そして、王よりも大妃(デビママ)と呼ばれる先の王の妃が影の実力者というのも韓国時代劇の定番なのだが、このドラマはまさにその定番をきっちり守り、演じるミョン・セビンも笑顔を見せながらも、初回から王にさりげなく圧を掛ける様子が非常に怖い。

偶然その大妃の裏の顔を知ってしまい、ショックを受けているイ・ゴンは、寡婦が再婚出来る裏技の拉致(ポッサム)の男性バージョンで間違えてポッサムされてしまうのだ。自分のお妃候補、宮廷の医師の娘ミョンユンの厄払いの為に謝って拉致されてしまうという、人違いが更に大きなトラブルを生みそうな予感なのだが、逆に医師の娘であるミョンユンに助けて貰えるという展開に繋がるトラブルらしい。

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イ・ゴンの父である王の反対勢力は虎視眈々と自らの勢力の逆転を狙っており(これも定番だ。反対勢力が謀反を企てない時代劇は無いに等しい。)大妃もその力に乗っかりそうな勢いだ。

大妃というと王の親世代だからもう結構な年齢と思いがちだが、平均寿命が短かった為か、新しい妃を迎えるというのは当然の事らしく、大妃も先代の妃とはいいながらも現役感が半端ない。全然枯れておらず宮廷内で王よりも権力を握っているのだ。王の跡継ぎ息子であるイ・ゴンの命を狙う事もいとわないギラギラした権力志向・・・