『人は死後、7つの地獄で各々行われる裁判を受けなければならない』のだという。
消防士として仕事中に命を落とした男性が『死後49日間の間に行われるその裁判すべてで無罪となったものが、人として再び生まれ変わることが出来る』というその旅に出ることになるのが、その男性の旅に使者としてついて回る3人。
あの世にある7つの地獄を回り、生きていた時のあれやこれやを裁かれることになるというストーリーなので、CGを使ってどんな地獄絵図が描かれるのかと思ったら、「笑わせようと思っているのか?」と思ってしまうこれがなかなか脱力する地獄だ。
更に生きている間の行いが良かったため、49日間のあの世の旅も辛いものではないという触れ込みだったのに、突然現れた怨霊が暴れまわり49日間の旅は困難を極める。その困難の数々もなかなか脱力系のCGで描かれるのだ。
しかしストーリーには、なぜ亡くなった消防士の男性が身を粉にして働いていたのかという謎から、壮大な母の愛を感じさせるという、地獄絵図とは全く別の家族愛の物語が用意されているのだ。そしてそのストーリーが少しずつ明らかになるのと一緒に、消防士と一緒に旅に同行する使者たちの過去も少しずつ明らかになるという、後半に続くストーリー展開にも余念がない。
7つの地獄を回るため、時間は当然長くなる。もっとスピードアップした編集もありだと思うのだが、それぞれの場面に特別出演の俳優が用意されており、簡単にカットは出来ないようになっているのだ。(これを楽しめるか否かで、かなり面白さに違いが出るかもしれないが・・・)
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韓国ドラマは、この49日間に焦点をあてたドラマがとても多く、死者を迎えに来る使者のキャラクターにも様々。(もちろん日本のドラマにも同様の題材はあると思うが、量で比べたら圧倒的に韓国に軍配があがると思う。) 使者のリーダーを演じるハ・ジョンウは、殉職した男性を見守る役でありながらも、使者としての自分の見せ場も作るという安定の演技だし、使者の2番手を演じるチュ・ジフンは、2番手という立場を生かしてのびのびしている。
母の愛に涙する兄弟の物語だけでなく、旅に同行する3人の使者の絶妙なキャラクターも韓国でのヒットの理由だろう。
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映画は後半に続くという展開で、続きも見ないことには納得できない事になっている・・・商売上手だ。
入場者プレゼントのシールの絵もなかなかの脱力ぶり・・・
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7つの地獄とは・・・
殺人地獄、怠惰地獄、ウソ地獄、不義地獄、裏切り地獄、暴力地獄、天倫地獄・・・・