私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

車輪 第15,16話

2023-06-14 20:43:18 | 車輪 韓国ドラマ

全体的に画面の作りも暗く、畳みかけるストーリーと語る内容の多さは、とても面白いドラマなのに、どうしても見進めるのが辛くなるドラマだった。

性犯罪で傷ついた妻を持った弁護士でもある政治家が、同様の人を助けたいという思いから論理的にはやや無理のある法を世論を味方にして成立させたいと、政治家としての信念をもって突き進むというストーリー故その暗さはある程度しかたないと思っていたのだが、なんとその夫本人が過去に性犯罪を起こし、それをもみ消し、その贖罪の意味も込めて法整備に執着していた事が最後の最後に分かる。政治家であるジュンドを守るべく行われた補佐官の行動の数々は、最後の大きな行動もある程度予想の付く事だったので驚きはなかった。しかしこれは・・・・薄っすらとなにかあるとは思ったが、それでもこの展開は、ドラマを見ていただけの私が「それはないよ・・・」と思わず言いたくなる展開なのだ。夫を信じてついてきた妻の落胆はどれほどのものか。。。

『答えのないトロッコ問題は暴走する。ブレーキのないトロッコは、トロッコをコントロールしているはずの本人をも轢き殺そうとしているかのようだ。』と前回の終わりに書いたのだが、結果的に、法整備をすることで自らの罪をなかったかのように信じ込もうとしていたのだ。まさに自爆・・・もう何を言っても弁解の余地はない。

人の心の闇の深さに底知れない怖さも感じるが、妻であったヘジュの生き続けようとする強さを感じさせる最後に、少しだけ未来も感じる。とにかく生きていかねばならないのだ。

 

追記

妻ヘジュの仕事は書籍修繕だった。ドラマの内容とこの職業についてリンクした感想を書きたかったのだが、上手くまとめる事が出来ず、結局彼女の仕事については何も書く事が出来ずに残念だった。本への落書きや破れにも思い出があり、更に修繕するという事に意味もあったのだと思う。

 

 

 

 

 


車輪 第13,14話

2023-06-04 19:24:28 | 車輪 韓国ドラマ

夫ジュンドの行動に対して生まれてしまった不信感。夫の全てを信じていたヘジュにとっては全ての価値観が覆る程だ。とにかく妻であるヘジュの協力がなければ彼が政治生命をかけている法案の通過は難しいのだが、全てを知りたい彼女の追求にもジュンドの言葉はどこか歯切れが悪い。

ドラマを見ている私でも、彼が何か隠しているのは当然だと思う位だ。そしてそんな中、業を煮やしたスンヒは、『ヘジュが性被害を受けたと警察に告発した事でソウル大の法学部に合格したばかりの双子の兄が自殺した。彼女の嘘で兄は殺された。そんな彼女は加害者が死亡後も性被害について追及できる法案を通過させようとしている政治家の妻だ』とヘジュの過去をネットに全てアップするのだ。

世論を味方にすれば、法の解釈的に無理がある法案でも通過可能と踏んでいるジュンドだが、微妙な問題に対する世論は少しの事で風向きが変わる。夫がテレビ番組で自分の過去を告白する事を望む事を知っていながらも悩むヘジュ。世間が信じればそれが真実になり、それが世論を形成するという政治でいいのかと思うが、それが政治なのか・・・

しかしヘジュにとってはそれよりも大きな問題が起こる。スビンの口から告げられるのは、夫ジュンドと自分が姉のように慕い同居していた女性との不倫。生きていく為に様々な嘘をつき、更には知っていても全部を明かさなかったスビンだが、「これだけは本当だ」と亡くなったジフンもその事を知っていたと彼女に告げるのだ。父親の行動が許せず次第に生活が荒れていったジフンだが、スビンの事は優しく守ろうとしていたのだ。

自分が信じていた二人から何年も騙されていた事を知りショックを受けるヘジュ。家の中にどこか不穏な雰囲気が漂っていると思ったが、改めて真実だと聞かされると、見ている私も何とも居たたまれない気持ちになる。亡くなったジフンが母であるヘジュを信頼していた事が唯一の救いでもあるが、そんな彼の事まで自分が考える理想の政治の為に利用した父ジュンド。

答えのないトロッコ問題は暴走する。ブレーキのないトロッコは、トロッコをコントロールしているはずの本人をも轢き殺そうとしているかのようだ。

 


車輪 第11,12話

2023-05-25 20:46:23 | 車輪 韓国ドラマ

キヨンは妻と義母がヘジュに対しての恨みを忘れず、過去に囚われて生きている事を何とか止めるべく、義母が加担している土地投機の件(ヘジュの夫であるジュンドが問題視している件だ)について、ジュンドの事務所への情報提供を決心する。
事務所職員はキヨン夫婦の仲に亀裂が入るのではと心配するも、ジュンドには情報提供を受けないという選択肢はないのだ。自らが動かなければ、自分が他の誰かから刺されるだけの政治の世界。行くも引くも、結局は自らが前に進むための方法の一つでしかない。
(義母の自動車事故で一旦は保留となるも、その中でキヨンは義母が隠し通そうとするヘジュの事件の秘密を知ってしまうのだ)
そんな中、加害者が亡くなった後も罪に問える(というか、捜査継続がポイントか・・・)法案を成立させるためにヘジュの件を明らかにすることに対して、彼女の許可を得ようとするジュンド。「君が決めるまで動かない」事を約束するジュンドだが、当然そんな事はなく、彼女がゴーサインを出す前に事の準備は初めていたのだ。夫を信じていたはずのヘジュに疑念が生まれ、一つの疑いはどんどん次の疑いを生み、更にそれは過去の出来事にも伝播する。

そんな中、唐突に「亡くなった息子が性被害の加害者だった」と記者会見を開くジュンド。
キヨンの義母の義理の兄である議員が手に入れた、ジュンドの亡くなった息子に対する情報に対しての記者会見なのだが、その記者会見の中でも、加害者死亡の事件のそうか継続を可能にする法案に言及する彼。息子を利用し、自ら血を流しても勝負に勝つ事を選ぶジュンドだが、ジュンドが裏切らないと信じているヘジュの中に生まれた疑いは消える事がない。
議員発信の情報はいわゆるガセネタだったにも関わらず、結果的には自ら(更に補佐官を使って)スビンを脅し、成果を得ようとするのだ。世論を味方につければ、政治家としては成功なんだろうか。妻の心と世論とどちらを取るのか・・・答えのないトロッコ問題は暴走する。ブレーキのないトロッコはどこへ行くのか・・・

答えの出ない「トロッコ問題」を考える…回答による傾向と回答例


車輪 第9,10話

2023-05-07 18:52:33 | 車輪 韓国ドラマ

暗く怖いドラマだ。人の心の揺れが一番怖い・・・と思っていたせいで、続きを見るのに時間がかかってしまった。

「配信だから、いつでも見られる」と思っているとこういう事になる・・・

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スンヒは友人だった兄を殺したヘジュが許せず(兄の自殺を認めず、「殺した」と言い続ける事に闇がある・・・)自殺した医大生の両親に「自分たちも同じ立場だった」と同じ痛みを持つ者同士だと、加害者だと公になった事で自殺した遺族として力をあわせようと話を持ち掛けるのだが、医大生の両親はまだ息子を亡くした傷も言えず、スンヒの同調することは躊躇するも、ここまで事が大きくなれば、何か動きがあればすぐに皆に知られる事になる。何も動きがなければ秘密も守れるが誰かが何かの意図を思って動けばすぐにそれには尾ひれがついて、話が独り歩きするのだ。

当然「お金も貰っていたのだから、女性側も悪い」という流れから「リベンジポルノはいい事ではないが、お金を貰っていた方にも非がある」という世論も出来上がってくる。(当然、そんな事に金を出した医大生の行動も、彼が亡くなっていたとしても話題に上がる事は止められない。)

孫を亡くした精油店の店主は、息子を亡くした医大生の両親の元をジュンドが弔問で訪れた事を知り、自分が利用されたと孫娘を想い涙するも、逆に自分を利用して「(加害者の死亡後も捜査を続けられるように)法改正を成し遂げて欲しい」と訴えるのだ。とにかく物事の黒白はあっという間にひっくり返る。

政治家ジュンドは妻ヘジュの事を想いつつも、政治家として何かを成し遂げる為に無意識に何かを捨てているかもしれないし、記者の仕事を辞め政治家ジュンドに賭けて政治の世界に足を踏み入れたチャン首席補佐官は、意図的に何かを捨ててジュンドが政治家であり続ける事を守り、更に自分を守ろうとしているように見える。

政治の世界では誰もが黒白があっという間に入れ替わる事を見越して二手、三手先を見ているようなのだが、どうもそれがドラマを見ている側としては非常に不安を感じさせる展開だ。更に政治の世界でなくとも、このドラマは一つの物事が見る立場によって全く違う姿を映し出す事を、これでもかと見せてくれる。

「妻である君を守る」と言っていたのに、ヘジュが隠そうとした過去はあっという間に人の知るところとなる。夫であるジュンドを無条件で信じると言い切るヘジュがどこまでその考えを持ち続けることが出来るのか・・・


車輪 第7,8話

2023-02-11 20:18:23 | 車輪 韓国ドラマ

補佐官からヘジュの過去とスンヒが何をしようとしているのかを知り駆けつけるジュンドの政治家らしい行動力に驚くが、その行動力が本当にヘジュを助ける事になるのかは難しいところ。このトラブルはヘジュが警察に駆け込んだ事よりも、あった事を隠ぺいしようとしたスンヒの兄とスンヒの母の心持に原因があるように思えるのだが、しかし、ヘジュがきっかけを作ったという事にだけにフォーカスすると「ヘジュが悪い」という事実がくっきりと浮かび上がる。スンヒの思考が「あなたの夫は言わなくてもいい事を生放送で言ったから医大生が自殺し、あなたが警察に言ったから兄は自殺した。二人は殺人者の似たもの夫婦」という事になるのも、同じような流れだ。

ヘジュは、スンヒの兄が自殺した事で自分がされた事を証明する機会を失った事から改名して生きるしか道がないと思い、ジュンドも加害者は罰せられるべきという正義感から死亡後も事件の捜査を続ける事が出来る法案と通そうとする。(弁護士出身とは思えない考え方に、政治家としての利があるということなのか・・・)どちらがいいかという事より、どちらを選ぶかという考え方の違いにも思えるやり取りだ。二つの道は選べないし、自分が選んだ道を進むために、相手に譲歩を頼まねばならない。

スンヒの夫でヘジュの元同級生だったキヨンは、義母の為にとスンヒに謝罪する事を頼むのも同じ事だろう。誰かにとっては正義でも相手の誰かにはそれは許せない事なのだ。

ヘジュは自分の発したちょっとした言葉をスビンが覚えており、彼女なりのやさしさを見せた事で心が揺れ、スビンも同様に心が揺れるものの、逆にお腹の子が既に亡くなっている事が言い出せなくなる。こんなヘジュやスビンの心の揺れは自然に理解できるものの、弁護士出身らしからぬ方法で世論を形成し、性犯罪の加害者が死亡した後も事件の全容を解明できる法を作ろうとするジュンドの考え方はちょっと無理があるように思える。どうしてもその後ろにある「政治家として何かを成し遂げたい」という野心が薄っすらと見えてしまうところに何とも言えない違和感がある。見たくない物が見えてしまうのは、なんとも恐ろしい。彼が亡くなった息子を守るためにスビンの携帯を隠し持っていた事を知ったヘジュはどんな決断をするんだろうか・・・

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やっぱり暗く怖いドラマだ。人の心の揺れが一番怖い・・・


車輪 第5,6話

2023-02-08 21:06:08 | 車輪 韓国ドラマ

ヘジュとジュンド夫妻のニュースを見て、ヨンサンからわざわざソウルにやって来たヘジュの同級生スンヒは、会うや否や「人殺し」と声をかけ「兄さんを殺しておいて自分だけ改名し、こっそりソウルへ来て国会議員の妻として幸せに暮らしているなんて調子がいいわね」と言いたい放題だ。その様子は20年以上経ったという時間経過も感じさせず、逆に経った時間だけ怒りが増長しているようにも見える。何よりも息子が一番で、娘スンヒの事も心から愛せず、資産管理を任せているスンヒの夫の事も信頼できず、20年前から時間が経っていないスンヒの母。
ヘジュが表舞台に立つことを拒み、夫であるジュンドに改名した事実さえも打ち明けていなかったのはこんな理由からだったのだ。
ジフンの事があったとしても、ジュンドと結婚し娘もいて幸せな人生を歩んでいたはずのヘジュの人生がまたあっという間に崩れ去る。

「大人しく暮らしていた人の方が大きなトラブルを起こす」というジュンドの事務所のスタッフの言葉になんだか見ている私まで耳が痛くなる。更には妻の交通事故であっという間に国会議員に地位が危うくなるというニュースを見て、ますます追い詰められるヘジュ。もっと前に彼女がジュンドに打ち明けていればよかったのにと思うが、誰にも助けを求められなかったからこそ、一人こっそり改名し息を潜めて暮らしていたのだ。今更それを言っても詮無い事か・・・しかし一つ歯車が狂うと幸せだったはずの生活はどんどん軋んでくる。ジフンの子を身籠っているスビンは、失くしたリップの行方をヘジュが明かさなかった事で逆に彼女に不信感を抱くようになり、ジュンドにしっかりと仕えているはずのチャン首席補佐官の一つ一つの言葉も行動も全部に裏があるようで怖い・・・・(補佐官としてジュンドの地盤を引き継ぐつもりなんだろうか?)

暴行しようとし、更にはヘジュを馬鹿にしたような態度をとったスンヒの兄の態度が全ての元凶で、「ソウル大に合格した息子に免じて大きな心で対応して欲しい」と言ったスンヒの母の言葉がヘジュに訴える決心をさせたのにスンヒ親子の記憶は全く別のものに書き換えられているのだ。この出来事をまったくの第三者がどんな風に判断するのか・・・ここがこのドラマの一番のポイントなんだろう。自分の思いとは関係ない場所で、人生はオセロのようにあっという間に逆転する。

土地投機について調べている事にクレームを入れたのはスンヒの夫だったことで、スンヒに呼び出されたヘジュと4人で食事をすることになるが、ジュンドは厳しい世界で生きている政治家だ。様子がおかしいのはどんなに隠してもすぐにばれる。チャン首席補佐官に「夫として彼女を守るために調べて欲しい」と指示を出す彼。

スンヒは双子の兄の「ソウル大に合格した日にヘジュに手など出すはずがない。家族の言う事が信じられないのか」と言う言葉を信じ、スンヒの母の「彼女はお金が欲しくて嘘をついているのよ。」と言う言葉をも信じ、20年もの間「自分たちの関係がこんなになったのはヘジュのせいだ」と思ってきたのだ。そんなヘジュが高校卒業後いくらも経たないうちにジュンドと結婚した事で更に怒りを募らせる彼女。彼女に禊が必要だと思っていたのだろう・・・復讐は幸せに繋がらないと分かっていても復讐心が無くなる事はないのか・・・

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とにかく暗く怖いドラマだ。暫く間が空いてしまったのは、寒い時期に暗いドラマを見ると余計気分が重くなると思っていたからなのだが、再び見始めると今度は止まらなくなる。

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韓国ドラマでは、少し前の田舎町の様子を描く場面などで、ソウル大に合格した学生の為にと、地元の街に大弾幕が掲げられる場面が良く出てくる。そんな大弾幕が飾られている中で、自殺したスンヒの兄。確かにスンヒとスンヒの母が忘れられない事も良く分かる。


車輪 第3,4話

2023-02-06 21:10:57 | 車輪 韓国ドラマ

「デジタル性被害者についても関心を持ってほしい」と切り出すジュンド。ヘジュも自身も偶然弔問に訪れる者もいない被害者の告別式に立ち寄っていたのだ。

ニュース番組でのジュンドのインタビューは色々な意味で目立ち、話題になる。話題になった事で「医大生である加害者はたとえ有罪になってもすぐに社会に復帰できる」と噂も広まり、予想もしなかったようなバッシングの嵐が起こり、加害者の大学生が投身自殺で亡くなるのだ。

想像もしなかった展開にジュンドのサイドも混乱するも、加害者への目が向けられた世論はジュンドへの逆風とまではならず、事務所にスタッフ曰く「厳しい状態が避けられるかも」という状況だ。

しかし、ヘジュはその件がきっかけで、学生時代「あなたが殺したのよ」と言われた思い出が何度も蘇り、ジュンドも「子どもを亡くす親をつくってしまった」とショックを受ける。

ヘジュの「私は今まで夫の事を一度も疑った事はなかった」という過去形の告白とともに、中学生の娘が学校で学ぶ「トロッコ問題」は、「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という形で功利主義と義務論の対立を扱った倫理学上の問題なのだが、学校の先生の言う通り「正解はない。考え方の違いがあるだけ」だ。ただ、この先の不穏な展開を予感させる。

ヘジュ達の息子の子どもを身ごもっているというスビンは何かほかにも秘密がありそうだが、つわりも酷く、転がり込んだヘジュ達の家を出る様子もない。更に出生前に親子関係の検査を行う事は違法故、彼女の話が本当かも確認しようがない。結局、腫物に触るようにスビンの様子を遠くから見ているしかないのだ。

そんなスビンの様子を一番気にしているのはジュンドの事務所のチャン首席補佐官だ。更に彼が気にしているのは、ヘジュが選挙運動に関して一つの内助の功を示さない事。「結婚する際の約束だから」とヘジュが選挙を手伝わない事に関して彼女の替わりに頭を下げるジュンドだが、チャン補佐官は口調はソフトだが「選ばねばならない事になったら、政治家としての夢と奥さんとどちらを選択するのですか」と鋭く追及。そのソフトな物腰の影に何が隠れているのか・・・

そしてジュンドがカン議員が自らの親族を隠れ蓑にして土地投機を行っていた事を調べるうちに、何故ヘジュが表立って活動したくないと言っていたのかが分かってくる。カン議員の口利きで土地を購入していたのは、ヘジュの過去を知っている家族だったのだ。

20年以上も前の出来事から抜け出せない家族は、何があってヘジュを人殺しと言うのだろうか・・・

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クスッとした笑いもなく、ほっとした場面も交わされる言葉の裏になにかが隠されているのでは思ってしまう。ヘジュを演じるキム・ヒョンジュの幸薄い感じが本当にリアルだ。

 


車輪 第1,2話

2022-12-31 21:04:53 | 車輪 韓国ドラマ

夫であるジュンドが国会議員であることはママ友には内緒にし、中学生の娘にも目立つことをさせないように気遣うヘジュ。

本の修復の仕事をし、穏やかな生活をしているように見えるものの、夫の選挙運動の手伝いは行わず、自分の出自はどこか隠しているようでもある。そんな彼女の身辺は娘が家出をしたことが引き金になり急に慌ただしくなるのだ。

家出中学生の父親が国会議員であることに気づき、忖度しようとする警察の意向を夫であるジュンドは拒否するものの、妻ヘジュは取り乱し少しの好意を受けようとする。しかし警察からの連絡は娘の発見ではなく、いわゆる放蕩息子で少し前に出所した長男の死だった。更に自宅には、亡くなった息子と付き合い、彼の子を妊娠しているという女性が訪ねてくる。頼る者もいなかった自分の姿をその若い女性に重ねるヘジュ。

国会議員の息子が死後麻薬所持を疑われれば、当然マスコミの前で謝罪をせねば収まりはつかないのだが、そんな中「デジタル性被害者についても関心を持ってほしい」と切り出すジュンド。ヘジュも自身も偶然弔問に訪れる者もいない被害者の告別式に立ち寄っていたのだ。

申し訳ないと思いながらも、話題になれば被害者救済にもなると、政治家らしい生き残り術を取るジュンドの思惑は奇跡のように上手くいくかと思われたのだが、そんな奇跡はまた次の悲劇も生み出すのだ。

ヘジュを演じるキム・ヒョンジュは、凛としたところがありながらも、幸薄い役柄がどうしてこうも似合うのか・・・一見幸せそうに見えながらも、どこかなんとなく寂しげな不幸の影が見え隠れする感じ。続きが気になる・・・