妻亡きあと、娘を一人で育てる国家安保室の行政官。大統領選挙を控え仕事も忙しいが、娘の将来の為に彼女を留学させようとし、彼女を空港へ送る途中に橋の上で多重衝突事故に巻き込まれる。
深い霧の中、事故現場は混乱を極めるも、落ち着いて助けを待てばいいと思っていたが、追突事故に巻き込まれた中に含まれていた一台の輸送車が、濃霧の中の衝突事故をその場にいた全員を巻き込むパニック状態に変えていくのだ。
国家安保室の行政官とうい職業柄、危機管理の中の取捨選択能力に長けている父親。取り残された民間人救出の為に投入されたはずの軍隊が自分達よりも別の事を優先させようとしていることを見抜き、自分の職業というアドバンテージを活かしてなんとか橋からの脱出方法を考えようとするものの、どうも様子がおかしい。結局、橋の上に取り残された民間人は、自分達で橋からの脱出を考えねばならなくなる。
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事故が起きた時に橋の上にいただけという彼らに、危機を一緒に乗り越えるだけの団結力等あるはずもない。職業柄、皆に「助かる」と言い安心させた行政官も外部の協力が得られないと分かるや否や、自分と娘だけが助かればいいというような行動に出る。しかしそんな父親を諫める娘。更に次々とやって来る障害と試練。彼らが立ち向かわねばならない障害がとんでもないスピードと破壊力を持っている為、結局残された者だけで団結し脱出する方法を考えねばならなくなっていくのだ。
濃霧の中の多重衝突事故を回避不能なパニックにしてしまった理由にややびっくりするも、スピード感のある典型的なディザスター映画なので、そこに気を取られてばかりもいられない。
長髪を振り乱し愛犬と共に危機を乗り越えようとするレッカー運転手を演じるチュ・ジフンがトラブルメーカーと思いきや思わぬところで大活躍し、娘の事を一番に考えているもののその思いが娘に伝わらずに事故に巻き込まれる行政官を演じるイ・ソンギュンが危機を次々と乗り越える中で次第に娘との信頼関係を取り戻す。
パニックを前に立ち向かう彼らが変わっていき、皆が団結し困難を乗り越えていく姿を応援する90分だ。
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イ・ソンギュンの声を聞きたいと吹替版でなく字幕版を鑑賞。
25.2.28公開『プロジェクト・サイレンス』インタビュー映像解禁