事件の捜査の為に犯人から話を聞く一般の捜査員と違い、犯人の生の声を何の防御をすることもなく受け止めるハヨンのストレスは想像を絶するものだ。結局、自分でコントロール出来る以上のものを受け入れてしまったことで、自動車事故を起こすハヨン。
意識が戻ったハヨンは現場に戻る事をせずに退職しようとするも、それを思いとどまらせたのは同僚たちの存在。彼がどれだけのストレスの元で真剣に仕事に向き合ってきた事を知っている現場の同僚たちは、彼の意識が戻らないうちから何度も病院に彼を見舞っていたのだ。現場の捜査に邪魔になると懐疑的な目を向けられていた頃から、真摯な思いで犯人像を特定しようと地道な捜査を行ってきたハヨン。それが同僚たちに認められ、彼の経験が必要とされるようになったのだ。
動機のない殺人事件の捜査は、想像もつかない程殺伐としたものだ。逮捕以前の彼らはそのプライドの高さから自信満々な行動を見せ、捕まった後は自分の行ってきた事件の事を武勇伝のように語りたがる。その心の中を覗きながらも、被害者と被害者家族に心を寄せる捜査がどれだけストレスのあるものか・・・
時代の流れとともに、各所に設置された防犯カメラが犯罪抑止に効果を上げている事は分かったが、まるで突然変異のように起こる事件を直接的に防ぐ手立てはないのだ。ドラマのタイトルである悪の心を読む事が終わる事はないのだ。演じるキム・ナムギルの顔からどんどん生気が無くなっていったのも当然だろう。プロファイラーという仕事がとにかくプロフェッショナルで非常に専門的な知識が必要な職業だということはよくわかった。何も知らない者が「犯罪者の心理は・・・」などと軽々しく口にしてはいけないのだ。