モロッコで起きた事件 観光バスに銃弾が一発打ち込まれ、アメリカ人観光客の女性が重傷を負う。
アメリカで働くメキシコ人メイド。雇い主の夫婦はモロッコへ旅行中だ。
息子の結婚式に1日だけメキシコへ帰りたいが、夫婦の子どもの世話を代わってくれる人がいないので、子ども二人を連れてメキシコに行くことにする。
東京。父親と暮らす聴覚障害の高校生チエコのもとに警察がやってくる。
「お父さんの所有していたライフルがモロッコで起きた事件に使われたようです」
モロッコ
お父さんが二人の子どもに言う。
「ヤギを食べられないように、キチンとこのライフルで退治するんだぞ!」
微妙に繋がる時間。時間が少しずつずれながらも語られる物語。
繋がっていることを最後まで気づくことなく過ごす人。身近な人の事件に驚く人。説明しても決して伝わることのない気持ち。変わる事のない状況。
エンドロールが流れ出した時、「えっ これで終り」かと思う。2時間20分ちょっと。決して短い時間ではない。時間は流れ、明日は来るかもしれないが、明日が来てもそれは決して心から笑えるような日ではないかもしれない。冷たい現実を改めて確認するような2時間20分。
自分の事だけで精一杯の毎日を、スクリーンの中の物語を見ながら思い出したりする。現実の世界の人も、映画の中の人も余裕がないのだ。
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モロッコの観光バスの事故。
事故が起こったとき、ただの事故だと思う人は誰一人として映画の中にはいない。
皆の頭に浮かぶのは、テロという二文字だけだ。
ただの事故かもしれないと思うことは、リスク管理から考えたら未熟なのかもしれないけれど、そんな風に考えることが出来ないほど、世の中に余裕はないのか?とも思う。
菊池凛子
捨て身の演技なのに、悲壮感はない。役柄の設定に悲壮感あれども、彼女にあるのはチャレンジ精神のみ。
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