私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

私たちのブルース 第19,20話

2022-07-04 21:12:57 | 私たちのブルース (韓国ドラマ)

母が「自分の事を伯母さんと呼ぶように・・・」と言い、自分を養父の家で育てようとしたことをがどうしても理解できずにいたドンソク。養父の家で女中のように働き、自分の養父と養母の介護までして、最後はその家から追い出され、済州島に戻って一人で暮らしていた母の事がどうしても理解できなかった彼に母は、その養父の法事に出席するために自分を送って欲しいと頼むのだ。癌も進行し、自分に残った時間がわずかであることをわかっていると思われるドンソクの母の願い。

文字も読めず、自分で生活の糧を得る事は難しいとドンソクの母はそんな道を選んだのだろう。息子を思って選んだ道は息子を苦しめる事になったけれど、それは彼女が辛い中で出来る一番いい選択だったのだ。私はそんな風にしか生きられなかった。でもそれしか知らなかったのだから謝らない・・・そんな言葉を息子にぶつけ、更に自分が生まれた場所に連れて行って欲しいという彼女。木浦にある彼女が幼い頃住んでいた村はすでに貯水池の底に沈んでおり見る事は出来ない。両親とも兄弟とも早くに死に別れ、結婚するも夫も娘も亡くした彼女。更に済州島に住みながらも韓国最高峰の漢拏山(ハルラサン)に登った事もなく、噴火口の白鹿譚を見たこともない彼女は、そこにも行ってみたいというのだ。

息子に多くを語る事のなかった母が、最期に少女のような笑顔を浮かべて、身体が動かない事が判っていながらも息子に次々とやりたい事を告げるのだ。

オムニバスドラマとはわかっているものの、イ・ビョンホン演じる息子とキム・ヘジャ演じる母のパートは、そのストーリーもその映像も一本の映画のようなボリュームだ。母は身体が動かず登山は断念し、息子のドンソクも天候に阻まれ噴火口の白鹿譚までたどり着く事は出来ない。それでも息子が撮影した動画を食い入るように見つける母の目には確実に白鹿譚が見えているのが、その表情からも伝わってくる。残された短い時間の中で、やり残した事を全部やっていこうとする母の思い。その少女のような笑顔に彼女が生きてきた人生までもが見えるような気分になってくる。

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何度も出てきた海のシーン、そして最後の漢拏山(ハルラサン)の登山シーン。済州島もこのドラマの大きな登場人物だったということに改めて気づく。


私たちのブルース 第17,18話

2022-07-02 21:26:24 | 私たちのブルース (韓国ドラマ)

木浦で暮らす息子夫婦の子どもをしばらく預かる事になる海女のチュニ。孫娘のウンギにとって父親はヒーローなのだが、孫娘のそんな様子を見る事にさえどこか微妙な感情を持つのは、彼女が子どもを育てる事に苦労してきたせいなのだろう。そんなウンギの様子から父親が事故で入院していること知るチュニ。

夫が回復することを祈る嫁と子どもらしく父親が回復することを無条件で信じる孫娘。「百個の月にお祈りすれば願いが叶う・・・」父親に教えられた事を「お父さんはうそをつかない」と信じる孫娘の言葉を『子どもの言葉だから・・・』と聞き流せばいいはずなのに、きつく当たってしまうチュニの様子を見ると、彼女が生きてきた道が厳しい道だったことが判る。ウンギに父親の言葉を信じさせてあげたい周りの大人たちの本気の行動は、それまでどんなにチュニに助けられていたかを表すものでもあるのだ。

そんな大人たちの本気の行動は、母親を顧みる事をしないトラックの移動販売を生業にするドンソクにも向けられる。自分の母を伯母さんと呼び、母の体調も気にせず邪見に扱う彼をその都度戒める市場の人々。「周りの人間は優しいおばあさんと思っているかもしれないが、それは何も知らないだけ・・・」とかたくなな態度を見せるドンソク。

何かあるとはわかってはいても、癌の手術を受ける事もせずに、自分に残った時間を悟り、身の回りの整理を始めるドンソクの母の様子を知っている周りの人々は、黙ってはいられないのだ。誰の言葉も耳に入らないドンソクの心を動かすのは「(子どもの頃、なぜあんなに自分に冷たかったのか・・・)知りたかったら尋ねればいい。今はまだ聞く事が出来るでしょ」というシンプルなソナの言葉だ。

時間が経っても消えない心の傷と、人はどんな風に向き合えばいいんだろうか・・・・


私たちのブルース 第15,16話

2022-06-21 20:43:05 | 私たちのブルース (韓国ドラマ)

ヨンオクが多くを語らない事でにより彼女が嘘をついているという噂も、彼女がチュニに自分の身の上の事を語った事で海女たちに受け入れられる事になる。
(彼女を認めるという事より、チュニが受け入れるなら、私達もヨンオクを受け入れるということなのだ。命がけの仕事ならではの事か・・・)
仕事も落ち着いた事でジョンジュンとの仲も落ち着いたものになるが、ジョンジュンが自分との将来について真剣に考えている事を知ってしまい揺れるヨンオク。
そして時を同じくして彼女の双子の姉がソウルからやってくるのだ。ダウン症の為、施設で暮らしている彼女の姉ヨニ。
ヨンオクに始終電話をかけて来ていたのは彼女の姉だったのだ。
交通事故で両親を亡くし、姉妹二人きりになった彼女たち。ヨンオクがどんな苦労をして姉を助けて来たのかは想像に難くない。

彼女を施設に入れておくためにお金を稼ぐのに必死だったヨンオク。「君のお姉さんなら僕も受け入れるよ」という恋人の言葉を信じながらも、何度も裏切られ、傷ついだ彼女。そんな彼女は姉の「会いたい」という電話も邪険に扱い、お金を送るだけで、少しずつ姉から離れた所に居を移していった事が語られる。
ジョンジュンとの関係もそんな風になる事を恐れるヨンオクだが、ヨニは彼女のいる済州島にやってくるのだ。子どものようでありながら、彼女が頼れるのはヨンオクだけの事はわかっており、自分の障害の為につらい思いをしてきた事、そしてそれはこれからも変わらないであろう事、そしてたった一人の妹であるヨンオクが、かつて自分を地下鉄に置き去りにしようとしたこともキチンと分かっているのだ。

これだけでも、二人の歩んできた人生が辛い道のりだったことは容易に想像がつく。それを受け入れるというジョンジュンの言葉を信じたいと思いながらも、今までと同じように傷つくのが怖い彼女。しかし、ヨニは自分にキチンと向き合ってくれるジョンジュンに心を開き、今まで誰にも見せた事のない自分の描いた絵を彼に見せるのだ。ヨンオクでさえも知らなかったヨニから見たヨンオクの姿・・・・
言葉よりも何倍も胸に迫るヨニが描いたヨンオクの姿・・・・
ジョンジュンにもヨニの気持ちは伝わったはずだ。

人生は辛いなと思いつつ、それでも人生は優しいかもしれないと思う瞬間がこのドラマにはある・・・・
そして海女たちを取り仕切るチュニの元にも訪れるそんな瞬間・・・


私たちのブルース 第13,14話

2022-06-16 21:05:19 | 私たちのブルース (韓国ドラマ)

ブルースというタイトルがついているだけあって、耳障りの良い内容でないのがこのドラマの特徴だ。

「義理!」が合言葉の友人同士。
学生時代から誰からも注目され、皆の注目の中心にいたミラン。学生時代はそんな彼女が自分の親友であることが自慢だったウンヒ。
どんな事でも話し合い、どんな時でも助け合う仲だったはずなのに、少しずつその女の友情の中には見えない滓が溜まってしまっていたのだ。

仕事では成功を手にしても、三度の離婚で娘とは離れて暮らすミラン。ウンヒはなんでも自分の事を受け入れてくれていると思ってたのに、そうではない事に気づきショックを受けるのだ。わがままとも思えるミランの行動を全部受け入れていた事で少しずつ違和感を持っていたウンヒ。それを打ち明ける事も出来ず、我慢していた事を知りショックを受けるミラン。
「両親もおらず、結婚も結局うまく行かず・・・そんな中で親友と思っていたあなたには遠慮せずに何でも言えると思っていた。傷つけていた事は全然知らなかったけれど、信じてくれていたならその時に言ってくれていたはず。義理といいながらも、結局は私を信じてくれていなかった」というミランの言い分。

ドラマを見ている分にはミランの傍若無人な振舞いにちょっとびっくりもしたのだが、彼女の抱える悩みや不安を考えると、彼女の思いが非常に正直だったことが分かる。

ドラマの中では和解するものの、やっぱりそれは以前と一緒の友情にはならないだろう。でもそうやって人も気持ちも変化していくのだ。そんな日々にはブルースが似合うということか・・・・

そして、家族になろうと前向きなジョンジュンと自分の家族との間で悩むヨンオク。


私たちのブルース 第11,12話

2022-05-21 20:44:57 | 私たちのブルース (韓国ドラマ)

息子の親権を手放す事になってしまったソナに、彼女が一人になりたがっても、泣き叫んでも、最後まで寄り添うドンソク。

そんなドンソクの思いが伝わったのか、ソナは父と離れる事になってしまったあの学生時代の思い出をドンソクに語るのだ。「お父さんの辛さをわかってあげられなかった。辛いと言ってくれたなら・・・」

そんなソナに済州島では決して見せない饒舌な口調で自分の思いをソナに伝えるドンソク。母を拒絶し口も利かないドンソクがやさしくソナに寄り添い、自分も島では決して見せない笑顔を見せる。「前ばかりを見るのでなく、後ろを振り返ればいい。」と、ソナに帰る場所があることを、別の場所があることをさりげなく教えるのだ。相手がいることで、いつもの自分のはずなのに別の顔を見せる事が出来る自分がいる。

演じるイ・ビョンホンとシン・ミナは、二人の過去の関係を踏まえつつ、今の関係と、そしてこれから変わっていくかもしれない二人の関係を自然に感じさせてくれる。二人でいるときの姿と、別の人といるときの姿。違う姿を見せつつ、それでも又いつかどこかで交差するかもしれない二人の人生をも感じさせてくれるのだ。

プライベートでは、海女たちが漁に出る際の船の船長を演じるキム・ウビンのパートナーであるシン・ミナ。ドラマを見る前は、それが気になってドラマに集中できないのでは?とも思ったのだが、オムニバス形式のドラマ故、二人が同じ場面に出ることは殆どない。それよりなにより、イ・ビョンホンとシン・ミナの集中力が凄く、二人のパートだけ取り出してみたいと思わせるパワーがある。

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オムニバス形式のドラマのいいところは、それぞれの設定に自分の思いを当てはめて見られるところだ。親友の女友達との微妙なすれ違いに複雑な思いを見せる水産会社の社長であるウニの心模様もよくわかるが、今回はイ・ビョンホンとシン・ミナの「まだこれからやり直せるかもしれない二人の未来」の姿に心奪われる。


私たちのブルース 第9,10話

2022-05-17 21:44:43 | 私たちのブルース (韓国ドラマ)

ソウルから一人済州島にやって来るも、海に落ち、海女たちに助けられるソナ。病院に運び込まれた彼女の身元保証人になったのは島のおばあちゃん相手にトラックの行商をしているドンソクだ。

学生時代、学校にも家に居場所がなく、ただただゲームセンターで時間を潰すしかなかった二人。なにも楽しみがない毎日の中でお互いしか頼るものがなかったはずなのに、ソナはドンソクの前から姿を消してしまうのだ。

そして何年も経ち、再び自分の前に姿を現した心ここにあらずの彼女を、一人放ってはおけなくなるドンソク。

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ソウルで結婚生活を送っていたソナ。しかし気分のすぐれない日が続く妻の様子に耐えられず、息子を置いて行った夫が、放棄したはずの息子の親権を取り返そうとしてきたのだ。「妻は体調が悪くて幼い息子の世話も出来ない」という申し立てに、反論するソナだが、息子は「お母さんは具合が悪いから一緒に遊べない」と言い、彼女が親権をそのまま保持することは限りなく不透明だ。それを信じようとせず、「息子は馬が好きだから、済州島で馬を育てて息子と一緒に暮らしたい」と古い家のリフォームを始めるソナ。

そんなソナを放っておけずに、リフォームも手伝う。さらには、息子は絶対自分で育てると言い張る彼女を放っておけず、親権を決定する裁判のために、彼女についてソウルまで出向くドンウク。

ソナがいなくなった後、決して幸せとは言えない生活をしていたドンソク。そんな彼は、今日だけを考えて生きてきたのだ。息子の事は何よりも大事に思っていても、どこか不安定なソナの言動に、裁判所の心証はよくない。親権を手放す事になり泣きじゃくる彼女に「寂しがってもいい。しかし、ただただ寂しいだけの中で生きていくのだけはやめろ」というドンソク。

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済州島の景色も美しいはずなのに、この二人のエピソードではソウルの夜景がとても綺麗に撮影されている。夜半から明け方にかけての漢江沿いに佇む二人の姿が、綺麗にシルエットになって浮かび上がるのだ。


私たちのブルース 第7,8話

2022-05-07 20:40:20 | 私たちのブルース (韓国ドラマ)

市場内でスンデを出す食堂を営むイグォンの息子ヒョンと同じように市場内で製氷店を営むホシクの娘のヨンジュ。

父親同士が敵のような間柄でも子供たちは同級生。母親が父親の元を去って行った事で、父親の手で育った二人がお互いに仲良くなるのは当然だ。しかし、高校生で妊娠してしまうのは想定外。

娘をソウルの医大に通わせる事が夢だったホシクにとっては青天の霹靂だ。「子どもを産んでも勉強はできる。大学にも行ける」と大変な事はわかってはいても夢を語り未来をあきらめないヨンジュの姿を受け入れる事が出来ない父は、とにかく娘の将来を妨げる事になってはいけないと、病院に行く事を勧めるのだ。母親がいたらまったく違う展開になっていたかもしれないが、自分がギャンブルにのめり込んだ事で、妻は自分と娘を置いて家を出てしまったのだ。彼にとっては娘がすべて。妊娠が娘の将来の足かせになってはいけないと、とにかく中絶を勧める彼。娘にとっては、父親にとって幼い自分が同じように足かせになったのでは・・・と思わせる悲しい展開。

それは同じように母親が家を出ていき父と二人暮らしてきたヒョンも同じ事だ。「母さんを追い出したのは父さんだ。僕は母さんに置いていかれたんじゃない。母さんを送り出してあげたんだ。」というヒョン。息子を育てるためにヤクザ稼業から足を洗い、食堂を営んでいるイグォンにとっては、自分の息子が敵のようなホシクの娘と結婚するつもりなのは受け入れがたい事。

お互いの若気の至りからの仲違い。それを修復することもなく敵同士となった二人。人生は予想もつかない出来事が起こるのだ。男手一つで子どもを育てた時代を思い出しながら、二人の心の中に流れる歌が演歌なのは良くわかる。

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狭いコミュニティーの中、濃い人間関係の中で起こる人間模様。放っておいて欲しいと思うこともあるだろうが、多分この濃い人間関係が若い二人に助けの手を差し伸べてくれるんだろう・・・・

 


私たちのブルース 第5,6話

2022-05-03 20:20:13 | 私たちのブルース (韓国ドラマ)

韓国ドラマを見ていると、傷心の人がやり直そうとする場所が済州島であることが多い。ソウルを離れ、済州島の海辺で心穏やかに静かに過ごせるカフェなど開いたり・・・。あるいは母親が一人暮らす故郷が済州島だったり・・・

私は行った事がないけれど、何度もそういうドラマを見てきたせいか、風が強く天気が突然変わる済州島は、都会で疲れた心を癒しに帰る場所というイメージを持つようになった。

このドラマはその済州島に住んでいる人々が主人公だ。済州島で生まれ育った人にとっては、狭い島故、誰かの友達は自分の友達で、皆どこかで誰かとつながっているという、お互い秘密のない場所だ。

女子高生が「済州島で暮らす事は時々息が詰まりそうになる・・・」と思う事はある意味当然だろう。更に同級生の恋人との間に子どもが出来てしまったのだからなおさらだ。制服の下で大きくなりつつあるお腹を隠し、インターネットで堕胎薬を購入しようとするのも、ネット時代に生きる高校生らしい考えなのかもしれないが、当然そんな薬はまがい物に決まっている。

手術には親の同意書もいる。そして何より子どもはどんどん大きくなり心音まで聞こえる位になっているのだ。

父親同士は学生時代からの腐れ縁。そんな中での妊娠だ。都会なら人の波に紛れて隠れる事が出来ても、小さい島の中、小さいコミュニティーの中では隠れる事も出来ないそんな中で子どもを産む事を選択する二人。私に子どもがいないせいなのだろう。やや無責任だとは思うのだが、無鉄砲な若者に「若さでなんでも乗り切ってほしい」などとエールを送りたくなってしまう。。。

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夫と離婚後、一人で子どもを育てていたソナも、元夫が一度は手放した息子の親権を取り戻そうとしていることに傷つき済州島に戻ってくる。うつ病を患っている母を気遣う「お父さんは僕の友達だけれど、お母さんは病気だから僕と遊べない」という息子の言葉。世の中的には息子を一人で育てられるような状況にはない彼女。済州島に戻ってきても、昔の思い出が彼女の助けにはなってくれないのだ。

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ドラマを見ながら、行ったことのない済州島のあれこれに思いをはせてみる。


私たちのブルース 第3,4話

2022-04-25 21:08:22 | 私たちのブルース (韓国ドラマ)

母と一緒にアメリカでゴルフトーナメントに参加している娘の活動資金の為、退職金も前借し、それで足りない分はありとあらゆる所で借金を頼み込んでいるハンス。
そんなハンスは、済州島で女ながら家長として働き、店を何店舗も経営しているウンヒをまぶしく思う。
社会に出る前、キラキラしていた学生時代を一緒に過ごした彼女の今の姿がうらやましくもあり、更にそんな彼女に借金を申し込もうとしている自分を恥ずかしくも思っているような彼。

娘のために妻と離れて暮らしている事を、思わず「別居している」と言ってしまったのも、彼女に高校時代と変わらない格好いいハンスでいると思って欲しかったのだろう。
二人だけの修学旅行をやり直そうと、「木浦へ行こう」と誘ったのも、借金したい心と懐かし高校時代に戻りたい気持ちと半々だったのだろう。

本当に図々しい奴だったら、彼女に悪いとも思わずに、更には「木浦に行こう」などと誘う事もなく、「お金に困っているから助けて欲しい」と、躊躇なく彼女の恋心に付け込もうとしただろう。

そこら中に借金を作り、友人たちに情けない姿は見せているものの、彼女の夢は壊したくないという思いも伝わってくるのだ。ただ、金を貸してほしいと言わざるを得ない自分の状況がとにかく情けないだけなのだ・・・・

同級生たちの「あいつは友達のお前をだましている」という忠告に、涙ながらに「私達は本当に彼の友達?」と反論するウンヒ。同級生として優しい態度も見せる事が出来ず、ただ、「あいつはだましている」と言う自分たちが本当に友達なのか?と切ない思いを吐き出す彼女・・・

生きていると切ない事が多いよな・・・と思う場面だ。

オムニバスは、どうしても肩入れしたくなるエピソードとそうでないエピソードが出来てしまう。
若いヨンオクとジョンジュンのエピソードも色々思う所はあるが、自分の年齢の事もあり、どうしてもハンスとウンヒのエピソードに心奪われる。


私たちのブルース 第1,2話

2022-04-11 21:24:41 | 私たちのブルース (韓国ドラマ)

銀行に勤務するハンスは、転勤で故郷の済州島に20年ぶりに戻ってくる。学生時代、背も高く、スポーツも出来、いわゆるイケている男子高校生だった彼。

20年後の今、プロゴルファーを目指す娘と妻はアメリカにおり、彼は逆単身赴任の夫として韓国に残り、友人たちにまでお金を借りて二人に送金する日々だ。

娘の成功のためにすべてをかけてきたものの、なかなか目は出ず、妻と娘はゴルフを辞めて帰国したがっており、彼に残ったのは借金のみ。そんな状態で故郷に戻る彼は、高校時代、自分を好きでいてくれたウンヒが手広く商売をしている姿を見て、まぶしく思う。

家庭の事情で高校を中退し、ひたすら仕事だけを頑張ってきたウンヒにとっては、ハンスと過ごした高校時代がまぶしい思い出だったのだ。あの思い出だけがあれば元気で生きていける・・・そんな風にして、結婚もせずに地道に働いて手にした今の仕事。そんなところにスーツを着た銀行員のハンスが戻ってきたのだ。「私の初恋!」とサバサバとした様子で声をかけるものの、心の中では、あの当時のことを思い出さずにはいられない。

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ハンスとウンヒ、この二人の姿を見ているとユーミンの@卒業写真を思い出してしまう。

ウンヒにとってハンスは「あなたは私の青春そのもの」であり、ハンスにとっては「人込みに流されて変わっていく俺を、遠くで叱ってほしい人」がウンヒのようだ。

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ハンスのように家族を海外に送り出し、自分は一人韓国に残る父親(キロギアッパ)が幸せいっぱいに描かれるドラマは見たことがない。どのドラマも、一人韓国に残る父親はどこか寂しく切ない。キロギは雁という意味。渡り鳥のようにさすらって苦労の絶えない生活だから・・・ということからキロギアッパと呼ばれるとの事。

済州島を舞台にしたこのドラマは、出演者がほぼ全員主演級という破格のキャスティングでオムニバス形式でドラマは進むとの事。