三連休の初日なのだが、諸事情により3日間どこにも行かずに家にいることになってしまった。
当然スンホンの情愛中毒もまだ見ていない。。。。。
ただ、公開を応援するつもりで、以前韓国でみた時の感想を再びアップしておこう。
韓国で見た直後に書いた感想なので、今読み返すと随分熱い・・・・
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1696年、ベトナム戦争の英雄で、現在は教育隊長という要職にある軍人ジンピョ。
夫にさりげなく二世誕生のプレッシャーをかける妻は、夫の昇進には内助の功が欠かせないといいながらも、夫が戦争での体験から悪夢にうなされ不眠症を患っている事は知らないのだ。
ベトナム戦争での英雄という自分に付きまとうプレッシャーに悩みつつも、軍という縦社会の中で自分の弱みを妻にも見せず、ただただいい夫であり、エリート軍人である彼の前に突然現れたのは、自分の部下の妻。
「僕の妻は隊長と誕生日が一緒なんです。」と、上長の気を引くためには妻をだしにすることなどなんでもないという、太鼓持ちが仕事のような部下の妻。何もなければ自分を律することができたであろうはずなのに、彼女が退役軍人に襲われたところを助けたことから、急に接近する二人の仲。
襲われた際に彼女が失くしてしまったピアスを探し出し、花束と一緒に彼女に差し出すその姿にはエリート軍人の面影はなし。
静かに揺れる鳥かごの前で微妙な笑みを浮かべる彼女。突然彼に「ピアスをつけてください」と自分の耳を差し出す彼女。
自分を律するに長けていたはずのエリートは、そんないくつかの揺れる思いに後押しされたようにあっという間に部下の妻との密会に溺れていくのだ。
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戦場で地獄を見ただろう彼が、同じように戦場で地獄を見ただろう片足を失くした軍人から襲われる彼女を助けたのがすべてのきっかけだったのだ。密会が始まってからも二人の間には軍という閉ざされた世界の中の存在が大きく影を落としているはず。
しかし、そんな大きな影から感じられる重苦しさは見ている方にはほとんど伝わってこない。
軍服という下にどれだけの思いを秘めているのか、ユニフォームという何の個性も感じられないその画一的な洋服の中にどんな思いを隠しているのか、何度も何度も我を忘れたような情熱的がシーンが繰り返されるのに、小物、風景等があまりにも綺麗に描かれすぎているので、その苦しい思いが伝わって来辛いのだ。
しかし一番の原因は、そんな情熱的なシーンでイニシアティブを取っているのが部下の妻を演じるイム・ジヨンに見えることだ。
もちろん画面上は二人が情熱に任せて・・・というシチュエーションなのだが、軍人ジンピョを演じるスンホンの姿を綺麗に見せるために新人の彼女が身を挺して頑張っているんじゃないだろうか・・・・・そんな思いが頭をかすめたのが一度や二度ではない。
そうでなくても、映画は全体的にバストショットの映像が多く、部下の妻への愛に悩むスンホンの横顔がこれでもかというほど堪能できる。
二人が情熱に任せて・・・・・というシーンはもっとスンホンの格好悪い所(部下の妻に溺れる男の弱さとか・・・)があった方がよかったのにと思う。
*****(一回では書きたりなかったようで、その後も映画の話は続く)
一人で映画を見に行くのはとても気楽なのだが、さびしいのはすぐに感想を他人と分かち合えないことだ。
いろいろ言いたいことは、後でゆっくりこのブログに書くことでかなり発散できるのでいいのだが、それでも見てすぐに言いたいこともたくさんある。そんな時は、隣の人たちの感想をこっそり聞き、心の中で「そうそう・・・」と相槌を打つことで解消している。
場所がソウルになってもやることは一緒だ。今回は隣に女子大生らしい二人連れがいたのだが、見終わってすぐに「ピアスが無くなったみたい・・・」と映画の中で二人が親しくなるきっかけになったせりふを真似しながら映画の感想を言い合っていた。
確かにあのセリフは真似したくなる妙な雰囲気がある。
映画の中でも、教育副隊長(?)の妻が『「ピアスが無くなったみたい・・・・」なんて、なんであんなときにあんな事が言えるのかしら?』とすかさず突っ込んでいた。
軍隊の縦社会がそのまま妻の世界にも浸透しているらしく、この映画の中でも夫の序列イコール妻の序列なのだが、この教育副隊長の妻を中心にした妻たちの集いが現実離れしそうな映画の雰囲気のバランスをうまくコントロールしていたと思う。いつでもどこでも二人の世界になりがちなストーリーなのだが、それだけではやや嫌味な映画になってしまう。
見ている時には、その軍人の妻たちパワーにリズムを乱されると思ったのだが、見終わった後では、あれがなかったら、ただただ浮世離れした映画になっていただろうと思う。
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1969年という時代を私が感じた場面。
オープニングシーンで主人公が一気飲みをやんわり断ろうとすると、上長が「バカ野郎!」と日本語で一喝するのだ。
(今も通じるのかどうかは知らないが、まだあの時代はこんな言葉が残っていたのだろうか・・・)
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原題(人間中毒)をキーワードに自分のブログ内を検索してみると、結構な数の
記事がヒット・・・・・