内戦が激化するアフリカの国に平和維持活動の為、組織警察隊「FPU」を派遣する事になる中国。
国連から要請された部隊ではあるものの、政府軍とは反政府組織の対立が激化している中でアフリカから遠く離れた中国からの派遣ということで現地での活動の壁は思いのほか高い。
選ばれた隊員たちの志は高いものの、若さゆえの経験不足から、命の危険と向き合う現場ではやや空回りすることもあり、他国の派遣兵士達とも衝突が絶えず。
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オープニングから「国連常任理事国として「FPU」を派遣し、アフリカの国の安全を守る為尽力する中国」というアピール感の圧が凄い。
ただ、実際に派遣される「FPU」のメンバー達からは、内戦に巻き込まれた一般の人々の安全を守る為に尽力するという心意気、更になんとかして頑張りたいという若者らしい根拠なき自信の為に危ない橋を渡る事になる様子が感じられるだけで、彼ら自身の行動からはそんな圧は感じられず。
映画のサブタイトルにもあるように、若き勇者たちになる様子が、大量の火力、大量の弾薬、更には甚大な被害を引き起こす巨大台風等を背景に熱く熱く描かれる。安全を守る為に派遣された警察隊でありながら、更に「指示があるまでは発砲するな」という台詞が何度も繰り返されながらも、爆発の規模も飛び交う銃弾の量も半端ない。平和維持の為とは言葉ばかりでどう考えても戦闘としか思えない場面が続くが、若手メンバー中心の「FPU」はひるむ事がない。そしてホアン・ジンユー演じる分隊長とワン・イーボー演じる狙撃手の葛藤もアクションも、大量の火薬と弾薬の中でキチンと描かれる。
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与えられたミッションをクリアしようとする若者達の葛藤と迫力あるアクションシーンがキチンと描かれれば、映画としてのミッションも成功かと思うのだが、そこはもう一押ししたいという気持ちがあるようで、現実でも「国連常任理事国として「FPU」を派遣し、紛争地域の安全に尽力している」というアピールのあるエンディング。