私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 第15,16話

2022-08-20 20:53:58 | ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 韓国ドラマ

胃がんのチョン弁護士の留守中、別の弁護士の元で仕事をすることになるヨンウ、スヨン、ミヌの3人だが、新しいチーム長は、下の者には「俺が一番」上の者には「おっしゃる通りです」という非常に厄介な人物だったのだ。いなくなってわかるチョン弁護士の有難さだ。

スパムメールにより顧客情報が流出してしまった企業への高額罰金の弁護することになるチームだが、新しいチーム長は、「最近は企業に対して厳しい状況」というヨンウの意見をあっさりと無視した事で、弁護の方針をやや見誤り、チームは最初から窮地に追い込まれる。チーム長が変わった事で嫌でも上長に合わせないというスヨンやミヌと違って、ヨンウは合わせる意味も分からなければ合わせる事も出来ず、こちらも窮地に追い込まれるのだ。

そんなヨンウの窮地を救うのは、今までずっといけ好かない腹黒新人弁護士だったはずなのに、なんとスヨンの後押しに目覚めたミヌの英断だ。『ハッキングはいつからハッキングだと言えるのか?』という頓智問答のような争点を持ち出し、新人3人の団結力で乗り切るものの、新しいチーム長はそれでもすべてが自分ファーストだ。

第二段階の、情報流出させた会社VS個人情報が流出されたことで被害を受けた消費者という裁判は、ハンパダ(大海)VSテサン(大山)対決の様相になったかと思ったら、「ハッキングは僕がした」とテサンの元代表テ・スミの息子がヨンウに「自首の方法を教えて欲しい」と連絡をして来たことで全く別の様相に・・・「金のスプーンを持って生まれた来た事で、なんでも許される金持ちの子どもとは思われたくない」と自首にこだわるこの弟。

突然出来た弟の「自首したい」という意志を尊重したいヨンウVS息子を守り自分の社会的地位も守りたい母テ・スミ対決に、なんとかテ・スミに勝ちたいとライバル心を燃やすテサンの代表の思いも入る。ヨンウは、テサンの代表の思いなど知らず、自分を頼って来た若い高校生の思いに答えたいという思いと法を愛する気持ちでこの難局を乗り切ろうとするのだ。

ドラマも最終回、テサンに入った頃は、ただ、自分の法に対する熱い思いを貫きたいという自分だけの信念で突き進んでいた彼女が、彼女なりに回りに合わせ、更に勇気を出して自分の信じる道を進もうとしているのだ。ヨンウのひらめきと彼女の勇気の出し具合がなんとも気持ちのいいドラマだった。

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お仕事ドラマとしてみるなら、チーム長のチャン弁護士のキャラクターが最高だった。彼がいてこそヨンウが弁護士として仕事が出来ているんだなと思う展開の数々。そして彼女を春の日のような温かい心で包む同僚のスヨン。そしてヨンウのすべてを優しく見守るジュノ。私にとってドラマはエンタメでもあるが癒しでもある。本当はこんな職場はないと分かっていても、こんな素敵な職場を見せてもらえることは楽しかった。

 

 


ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 第13,14話

2022-08-13 20:01:25 | ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 韓国ドラマ

ヨンウ親子が住む物件の大家さんから依頼された案件の為、なぜだかチーム全員で済州島に乗り込む事になるハンパダチーム。

大規模ローファームのハンパダで、「お寺を観覧するつもりはなく、ただ道を通りたいだけなのに、なぜ観覧料を取られるのか納得できない」という非常に小規模の案件などは普通は受けないはず。しかし、済州島イコールイルカという図式のヨンウから、前のめりに「出張したい」という申し出を聞いたチーム長のチョン弁護士は、「争う金額は小さくても成功報酬はそれなりに高く、小さな案件が大きな案件に繋がるケースもありますから」となぜかチーム員全員で済州島に乗り込む事を代表に提案。

チーム員プラスヨンウの親友トン・グラミと彼女の勤務先のシェフも一緒に、ちょっとした社員旅行の体で済州島に乗り込むのだ。

いわゆる被告である道を通行する事で観覧料を取るお寺の住職は、非常に落ち着いた佇まい。お寺の敷地も建造物も広範囲に広がっており、その敷地内を大きな道路が走っているのだ。別に無理やり観覧料を取っているというわけではないのだ。観覧料は寺が保有している文化財の維持に使われているようなのだが、そのために必死になって観覧料という名の道路交通料を得ているわけでもなく、ヨンウが必死になって裁判を有利に持っていこうとしてもどこか空回りなのだ。暖簾に腕押し的な裁判の進捗状況に焦るヨンウ。

更に仕事だけでなく、ジュノと一緒にイルカを見るためにカメラを構えてもイルカは見えず、キンパプ以外口に出来ない彼女がジュノの姉の手料理を食べようと努力するものの、思ったようには上手くいかない。

そんな八方塞がりの中、倒れたチーム長のチョン弁護士。自分の病気の事を既に知っていたチョン弁護士は、懐かしの場所である済州島に、そしてそこで食べた肉ククスに思い入れがあったのだ。そんな懐かしい思い出の場所で手術前の最後の仕事をキチンとやり遂げたかったはずなのに、その重責は仕事を持ってきたヨンウの両肩にのしかかる。

そんなヨンウは「ジュノは自分を守ってくれているのに、私は彼を守る事も出来ない」との思いからジュノに別れを告げ、あっという間に仕事に集中する姿を見せるのだ。ジュノのショックはよく分かる。

ジュノのお姉さんの一言がヨンウの決断の後押しをしたことに間違いはないのに、その事には触れずに「付き合うのをやめましょう」というヨンウ。普段はなんでも包み隠さず話して、皆を固まらせる彼女だが、彼女なりのキチンとした思いがあるのだ。それが泣かせる。ただ、それが判りづらく、回りを混乱させてしまうのだ。ジュノだけはそんなヨンウの分かりづらい心情を理解して欲しかったのだが・・・

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具合が悪い中でもヨンウに適切なアドバイスをし、住職にもお寺の今後を考えた提案をして、いわゆるお寺と自分たちの事務所にウィンウィンの状況を作り出すチョン弁護士。元奥さんとの復縁は難しくとも、ヨンウ、スヨン、ミヌの新人弁護士のおかげで思い出の肉ククスを食べる事も出来、更に彼らもチョン弁護士の仕事を見て、自分たちも同じような逆提案をしてみせる成長度合いを見せる。チョン弁護士の包容力のある一面もこのドラマの見どころの一つだなと思う。

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Vibe - Drinking, 바이브 - 술이야 (윤민수 최고 전성기)


ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 第11,12話

2022-08-10 21:00:24 | ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 韓国ドラマ

違法賭博場での約束は有効なのかという、法律は何をどこまで守るのかという、法律素人の私にとっては、分かったような分からないような問題が法廷で争われる。

同じ穴の狢というのか・・・仲良く賭博にいそしんでいた3人が宝くじの賞金の分け前をめぐって争う事になるのだ。
ヨンウ達は「三人のうち誰かが当たったら、『三人で分けあう』と約束したのだから、分け前を貰って当然」という二人の弁護を引き受けるのだが、口約束を証明する人物が必要となる。
突然出現した妙に色気がある女性の「聞きました」という証言で、ハンパダチームは勝訴するのだが、タイミングよく登場した証人に秘密がないわけがない。
金の切れ目が縁の切れ目、分け前を貰った原告の男性は、油揚げ入りの美味しいキンパプ店を営んで生計を立てていた糟糠の妻を捨てようとするのだ。
依頼人を許せないヨンウが選んだのは、今まで融通が利かない事しかできなかったヨンウからは考えられない方法だ。

上司には口止め料のようにキンパプを食べてもらい、妻に世間話のように解決方法を伝授するヨンウ。そばで見守るジュノの助けを借りて少しずつ、彼女なりの方法で世間に順応していく様子を見るのは気持ちいいものだし、応援もしたくなる。

ただ、好事魔多し。ドラマの中の嫌な部分を一手に引き受けている同僚ミヌは、ヨンウがライバル弁護士事務所の元代表テ・スミの隠し子であることをかぎつけ、それをネタにテサンに転職を試みるのだ。もちろんテ・スミの方が彼よりも何倍も上手で、ヨンウのハンパダ退職を誘導出来たらという更なる条件を彼に提示。諦めればいいのに恐れを知らぬミヌは、弁護士にあるまじき行為に出るのだ。一人ぐらい悪者が居た方がドラマは面白いが、それにしてもいけ好かない方法だ・・・

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「社内結婚のカップルのうち、女性の方を希望退職に応じさせるには・・・」という生命保険会社からの相談に、法に触れずにさりげなく誘導する方法を教示した事があるハンパダ。

今回、結局保険会社を辞める事になった女子社員が原告となって訴えられた保険会社は、その弁護をハンパダに依頼。対する辞めるしかなかった女性たちの弁護を請け負うのは、街の中の小さな弁護士事務所の女性弁護士。

豊山(プンサン)の柳(ユ)氏であることが自慢の担当判事の「あなたの出身地は?」という故郷自慢の姿をしたマウント合戦も軽やかにかわす相手方の女性弁護士。悩みながらも、原告の女子社員相手に依頼主の有利になるような抗弁を行うヨンウに「あなたにこそ、うちのような弁護士事務所で働いて欲しい」とヨンウに弁護士の在り方を考えさせる言葉をかける彼女。

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韓国で人気の職業は、弁護士、検事、判事、医師等・・・いわゆるエリート専門職なのだが、韓国語ではこれらの職業は「ピョノサ、コンサ、パンサ、イサ」と最後にサが付く職業だ。

ヨンウの事を激励しながらも、さりげなく庇う同僚弁護士のスヨンはそんなサのつく職業の女性を狙う詐欺師のような男性に狙われ、凛々しい女性弁護士からは「私達の職業(ピョノサ)のサは、検事や判事などのように仕事と割り切って働く人と違って、学者(いわゆる学識者)のサなのよ。」と弁護士は人を助ける高潔な職業だと弁護士のすばらしさを教えられてる。

日本より何倍もサのつく職業にこだわりのある韓国らしい話だ・・・

そして出自自慢をしたい判事は、韓国らしい命名ルールで逆に一本を取られてしまう。
年長者を敬う儒教社会故、自らの属する世代をきっちり示すような命名ルール@行列字がいまでも残る韓国。

「同じ宗族なら、この漢字を使っている人は何代目」と分かるようになっている事で、誰が目上かが一目で分かるようになっているのだが、父系社会故、普通はこの漢字を使って命名されるのは男性のみ。同じ出身でも女性弁護士にはそのルールに従った命名がされていないと思った男性判事だが、なんと女性弁護士にも、そのルールに則った命名がされており、判事よりも世代が上の漢字が使われていたのだ。自分で蒔いた種で一気にテンションの下がる判事。軽やかにかわす女性弁護士もすごいが、娘にも行列字を使い命名した彼女の両親(いや父親か・・・)もすごいなと思ってしまう。
彼女が女性の権利を守る闘う弁護士になったルーツもそのあたりにあるのかもしれない。

そして会社の前で行われるデモの話・・・・
ヨンウがジュノと二人、水族館の前で行うデモはちょっと種類が違うかもしれないが、ドラマでも「最後まで責任を問う」や「誠意のある謝罪」という言葉が飛び交う場面は結構出てくる。私はどうしても「水に流せばいいのにな・・・」と思ってしまうのだが、それは逆に、怒りを増幅させるだけらしい。とにかく、「謝罪」「反省」VS「折衷」「妥協」はずっと平行線なのだ・・・


ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 第9,10話

2022-08-01 21:20:31 | ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 韓国ドラマ

母親の運営する小学生向けの学習塾のバスをバスジャックし、子供たちを山に連れて行き楽しい放課後を過ごさせたソウル大出身の息子。
誘拐の罪で起訴されるのだが、彼は自分を「子ども解放隊の隊長」と称し、日本語的には「おならプー」という有り得ない名前に改名している。しかし本人は「子どもは楽しく遊ぶべきだ」という主張を明るく皆に告げるのだ。

改名している時点で彼の本気度が伝わって来た。パンというごくごく普通の名字に名前をグポンと改名した事で、続けて読むとパングポン。パング(おらなの意)ポン(まさしくおならの音)で『おならプー』だ。。。

韓国では日本よりもずっと改名する人が多いそうだ。名字と名前、別々だとなんの問題もないのに、一緒に読むとまったく別の意味になってしまう名前が多いからだとも聞いた。名字の種類が少ない韓国ではフルネームで呼ばないと誰の事を指しているか分からないため、名前を呼ぶ時はフルネームが基本だと思う。彼の場合は改名が受理されやすいというのを逆手にとって、子どもが面白がる名前を手に入れたのだ。

ヨンウ達は子どもたちを遊ばせた彼に事情を聴くものの、彼は子供たちは解放されるべきだという主張を変える事はない。
ヨンウ達は子どもたちが、夜9時過ぎにファストフード店で夕食を摂る姿を見、夜10時過ぎのコンビニでおにぎりやカップ麺を買い漁る姿を目にする。しかしそんな彼らは、山で拾ったどんぐりを大切に保管し、たった数時間山で過ごした時間を楽しい大事な時間として覚えているのだ。

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知的障害のある女性とアプリで知りあった男性は、普通の恋人同士のように付き合うものの、彼は彼女のクレジットカードを使いデート代に使っていた事が分かる。彼女は小学生のような受け答えをし、彼の事は好きと言いながらも、自分を心配する母の言いつけに反論することも出来ない。ヨンウ達も男性の「本当に好きなんですよ」という言葉を信じていいか分からないのだ。

「彼がチェビ(ツバメの意:遊び人を指す言葉だ)な事を知っている?」と確認すると「知っています」と明るく返事をする彼女。(今は死語かもしれないが、日本でも年上の女性の愛人になっている若い男のこと『若いツバメ』などと言ったりしたはずだ。それが思い出され、更に切なくなる・・・)それは分かっていても好きですという、彼女の子どものような受け答えになんとも切ない思いに駆られるヨンウ。

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ヨンウ自身ははジュノに対する自分の気持ちをハッキリ確認すると、それをキチンと伝えようと、見ていて気持ちがいい位にストレートな態度でジュノの前に進み出るのだ。

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私も韓国の街角で幼稚園の送迎バスのようなカラフルなバスが夕方街角に留まっている事を見た事がある。
小学生は放課後学習塾に通ったりするが、中高生は学校に残って自習するケースも多く、お弁当は昼食と夕食の2食分を持って通学することが普通だと聞いた。
韓国語を教えてくれているSさんからは「韓国の中高生がクラブ活動をすることはない」と聞いた。勉強が忙しくクラブ活動どころではないのだという・・・・

 


ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 第7,8話

2022-07-27 21:33:32 | ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 韓国ドラマ

村の中心を通る大きな幹線道路の建設に揺れるソウル郊外の小さな村。
「なぜ、わざわざ村を二分するような中心に道路を通すのか?」と疑問を持つ村長たちは、ヨンウの勤務するハンバダに相談を持ち込むのだ。
建設関係の案件に明るくないチーム長とチーム員達の反応が悪い事を見て取った村長は「ここから車で一時間程ですから」とフットワーク軽く、半ば強制的にその足で彼らを自らの村に招待するのだ。村の真ん中には大きな榎の木があり(私には懐かしの♪この木何の木気になる木♪名前も知らない木ですからというBGMが聞こえてくる)村人たちは非常にフランクだ。すっかり村と村人に魅了されて下調べが厳しい案件を受けてしまう彼ら。

事務所の代表からは「ロマンに流されずに、政治的にも考えるように」と諭されるのだが、実際の裁判が始まるとその政治的という意味が実感するものとなる。

地方自治体側の弁護団はハンバダの永遠のライバルともいえる同じ大手のテサン。更に法務長官の就任の噂もある前代表テ・スミが全面に立って弁護を行うのだ。

村と村人の魅力に掛けて裁判に臨むヨンウたちと、地方自治体の建設計画の意図するところをしっかり汲み取り抗弁するテサン。ヨンウの抗弁に弁護士として感銘を受けている様子のテ・スミだが、仕事は仕事。出来る元代表は抜かりない。立ち退き問題もある工事につき物なのは、補償金だ。「もしかしたら補償金が増える可能性もある」というややざっくりした内容の書面を持ち、住民たちの心を揺さぶるテサン。

問題はそれだけではない。テサンの弁護士テ・スミの弁護ぶりにすっかり魅了されたウヨンの様子を見た父親は驚き、彼女が父親から独立しようとするのを止める為に、テ・スミが彼女を捨てて出て行った母親であることを打ち明けるのだ。

ショックを受けたヨンウに、ローファームの代表の娘だった彼女に農家出身の自分と結婚する選択肢は元からなかった・・・世の中の政治的判断を知らなかった自分が未熟だったんだ(なんと彼女と会う事を避けるために司法試験の受験までも諦めていた父親。政治的案件の解決はなんと人に痛みを残すものなのか・・・)・・・という父親の言葉に、「この案件は政治的解決を目指すべき」とひらめくヨンウ・・・

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自分でも知らずに実の母親に憧れるヨンウだが、彼女的な政治的判断で自分の進むべき道を選ぶ彼女。

今回は肝心な所でクジラが見えるのではなく、イルカが空を泳いでいたようだ。ストーリーに関連してとは芸が細かい・・あのCGにかなり費用がかかっているようだ。費用はかかっても、あの空飛ぶクジラにすっきりとした思いを感じている人は多いだろう。


ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 第5,6話

2022-07-16 20:51:54 | ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 韓国ドラマ

ATM製作技術の特異性を争う訴訟を同じ新人弁護士であるミヌと担当することになるヨンウ。

上長であるチョン弁護士は「ウ弁護士は着眼点が変わっている」と、彼女の無断欠勤をとがめる事もせず、逆に彼女の肩を持つような態度だ。ミヌはアナウンサー試験にも受かる位しゃべりの技術もあり、弁護士として経歴を積もうとしているのに、突然やって来たヨンウにその居場所を脅かされてはたまらないと、誰もいない場所で周りに分からないように彼女を出し抜こうとあれやこれや画策するのだ。更に「競争者なのだから、(汚い手を使っても画策するのは)当然」という非常に感じの悪い物言い。腹黒弁護士というあだ名がつくのも当然の行動だ。結局、そんな彼に負けたくなくて、依頼人が嘘をついているらしいことが判っても、それを見ぬふりをしてしまうヨンウ。依頼人を勝たせる事が弁護士の仕事ではあるが、そんな自分の行動を恥じてしまう彼女。

就職しても厳しい競争が続くのはどこの国でも一緒だと思うが、韓国の若者は就職に向けて自分のスペックを上げる事を何よりも重要視するらしい。経験のある年長者に対しても、新しい技術に不慣れだったりITに慣れないような様子があれば、どんどん糾弾すると耳にした。競争が激しいので、そこには年長者を敬うという儒教の考えが入る隙はないらしい。ミヌの行動を見ながらそんな事も考えてしまう・・・

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ロースクール時代から一緒だったスヨンと一緒に、脱北者である女性の傷害事件を担当することになるヨンウ。若い二人は苦労して娘を育て、娘の為に5年も逃げてから自ら出頭した彼女にすっかり肩入れして弁護に臨むが旗色は悪い。二人の前のめりな弁護に裁判長も検察も辟易した態度を隠しもしないのだが、それでも二人は何とかして彼女が娘に少しでも早く会えるようにと刑の軽減をあれこれ画策するのだ。熱い二人の思いは空回りしつつ、でもそれでも清々しい・・・

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検事はなんとか優位に話を進めたいと「豊山(プンサン)の柳(ユ)氏でいらっしゃいますか?」と出身地の話を持ち出して裁判長に取り入ろうとする。安東(アンドン)の河回村(ハフェマウル)は両班(ヤンバン)の子孫が今でも暮らす歴史と伝統の村だ。仮面劇等が演じられるイベントも有名だし、韓国を訪れたエリザベス女王が伝統家屋を見学した場所でもある。

韓国語の初級テキストの「伝統芸能を知ろう」というレッスンで、この安東(アンドン)の河回村(ハフェマウル)の事を知ったのだが、この村の事を知ろうとすると、本貫(ホンガン)という出身地と姓の関係、いわゆる貴族である両班の事等、一緒に色々と韓国事情を学べるようになっている。「リュ・シウォンもこの名門豊山(プンサン)の柳(ユ)氏」などという芸能情報も一緒に知ったのだが・・・

本貫(出身地と名字)の事は日本人にはなかなか分かりづらいものだが、安東(アンドン)の河回村(ハフェマウル)の豊山(プンサン)の柳(ユ)氏の話は、非常に典型的なので分かりやすい。このこんな風に持ち出して、話を盛り上げようとするのだな・・・と実感・・・

 


ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 第3,4話

2022-07-10 19:04:56 | ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 韓国ドラマ

自分なりの視点で事件に向き合うヨンウの姿を見て、彼女と一緒に本格的に仕事をしていきたいと思ったチョンチーム長。自閉症の青年が兄を殴り殺してしまったのでは・・・という事件の弁護をヨンウと一緒に担当することにする。「私が自閉症だから弁護をさせるんですか?」というヨンウだが、チョンチーム長は彼女の弁護士としての能力をキチンとわかってくれているのだろう。これから弁護士として仕事をしていく過程で、自閉症である自分と向き合う事は避けて通れない事と思って彼女を担当にしたに違いない。しかし被告である弟から話を聞く事は難しい。更に兄弟の両親も、同じ病気のはずなのに会話することも難しい自分たちの次男と違ってヨンウが立派に弁護士として仕事をしている姿を見るのはやはりどこか辛いものがあるようだ。その上法廷では被告ではなく弁護を行うヨンウに対しての質問までもが飛び出す。自分が弁護をすることが依頼人の利益にならない事を悩むヨンウ。依頼人に向き合い、現場に出向いたことで依頼人を守る事が出来たものの、彼女は自分の弁護では誰も救う事が出来ないと、せっかく働き始めた事務所に辞表を提出するのだ。

自称無職となり、父親のキンパプ店を手伝う彼女の元に、彼女のたった一人の友達グラミが相談を持ち掛ける。グラミの父が兄二人から騙されるような形で不本意な相続をすることになったのだ。「脅迫されて捺印した契約は無効とすれば戦える」と自分でなく事務所のチョンチーム長を紹介するも「勝ち目がない裁判は自分で担当しろ」と背中を押されて、微妙な立場で弁護を行う彼女。「嘘をついている証拠がないなら、これから嘘をついている証拠を作ればいい」という彼女らしい発想の転換で、グラミの父親を守るヨンウは、再び事務所で働く事にするのだ。

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ヨンウがひらめく時にいつも頭に浮かぶ大きなクジラ。最初は「え・・・」と思ったが、このクジラの場面は、どうも中毒性があるようだ。びっくりするというより、「ああ ここでクジラが登場するかも・・・」と期待してしまうのだ。

彼女のたった一人の友人、ドン・グラミ。名字と名前を合わせてると「〇」という意味になる妙な名前を持った彼女のキャラクターも、何度も見ているうちに癖になる感じだ。


ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 第1,2話

2022-07-07 21:07:03 | ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 韓国ドラマ

前から呼んでも後ろから呼んでもウ・ヨンウという回文のような名前の新人弁護士。
海苔巻き店(キンパプ)を営む父と二人暮らしの彼女は、ソウル大学の法学部を出席で卒業した弁護士。自らの自閉症の症状を添付した履歴書を提出し、大きなローファームで働き始める彼女の最初の事件は、老夫婦の間に起きた悲しい事故だ。
認知機能が下がってきた夫の猜疑心に悩まされる妻は、思わずそばにあったアイロンを手にもって夫に立ち向かう。
夫は脳内出血で病院に運びこまれるのだが、その妻の弁護を担当するのだ。

一度読んだ本の内容を忘れる事がない彼女は、アイロンを手にした妻に「その時、ご主人を愛していましたか?」と何度も尋ねる。法律は「その時の気持ちが大事なんです」という彼女。そして、夫が倒れたのは本当に妻が手を挙げたからなのかを証人尋問で明らかにしようとする。

二つ目の「挙式中にドレスが脱げてしまった事に対する補償事件」では、ドレスを提供したホテルを相手に新婦の父が裁判を起こす。
パラリーガルのジュノとホテルの状況調査に乗り出すヨンウ。同僚から口伝えでキャラクター設定を伝授されると、嬉々として新婦のふりをして調査に臨む彼女。

経験は浅くとも、法律を熟知している彼女は「この事件の争点はこれです」と弁護士の経験値からはじき出される争点とは全く違ったものを持ち出して弁護を進めようとするのだ。
常識にとらわれず、しかし、きっちりと依頼人が有利になる争点を持ち出し弁護を進めようとする彼女。
この争点の導き方が、法律になんの知識もない素人の私には面白く、更にこのウ・ヨンウというキャラクターが、自分なりに皆の日常生活に溶け込もうとし、苦労しているのも伝わってくる。更にそれ以上に自分の力を信じ弁護士の仕事に楽しんで取り組もうとしているのも伝わってくる。

いつも心の中に愛らしいクジラの姿を抱いている彼女。油断すると口から出てしまうクジラ愛を止める術を知らない彼女・・・クジラは韓国語でコレ。コレはクジラ・・・絶対に忘れないと思う。