私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

バッド・アンド・クレイジー 第11,12話

2023-02-25 20:09:15 | バッド・アンド・クレイジー 韓国ドラマ

自分の敵は有能はカウンセラーとして勤務する医師だと分かるスヨル。「君の替わりに殺してあげる」と自分の父親を殺めた少年が22年の時を経て自分の目の前にカウンセラーとして出て来たのだ。

自分を守ってくれたKという人格を使い、彼の魂胆を探ろうとするスヨルだが、何人もの学生をコントロールし不幸のどん底に陥れた彼故、そんなに簡単にしっぽは出さない。学校に保存してある面談記録の映像を不法に持ち出し、彼がマインドコントロールしている証拠を見つけるものの、決定的な言葉を使ってのガスライティングではないため、これでは絶対的な証拠にならないのだ。敵ながらあっぱれと言いたい悪魔ぶり。

かつて自分が犯人に仕立て上げた男性を再び手紙でコントロールし、更にはスヨルの目の前で男を殺め、病院のカウンセリングを通してスヨルの母親に「スヨルが殺人を犯したから庇わないと」と思い込ませ、警察にスヨルの家に踏み込ませその証拠品を押収させる。先の先まで読んで罠をしかけ、最後の最後で伏線を回収させるように殺人を行うのだ。

結局、医療機関行きとなったスヨルが満を持して脱走するのは何か月もかかるのだが、そんなスヨルは再びあのヤブ医者(本当のヤブ医者ではなかった。以前は精神病院の病院長だったのだ。それ故、いままで適切な治療をスヨンに施していたのだ)を頼り、カウンセラーが何故別人に成りすましているのかを探ろうとするのも、なんと彼はお見通しだったのだ。一体いつカメラを設置して同じ医者の彼を盗撮していたのか・・・ちょっと都合が良すぎるが、それだけ切れ者ということか。「上手く立ち回っていればいるほど、仮面を剝がされる事を恐れる」というヤブ医者の言葉を信じて、カウンセラーの仮面をかぶった殺人鬼に対峙するスヨル。

当初、黒スヨルと白スヨルが力を合わせ麻薬組織と対決する話だと思っていたら、突然のギアチェンジでスヨルの少年時代の暗い思い出が大きな比重を占めるストーリーになったが、終盤になってその麻薬組織の女社長がクローズアップされるという原点回帰のような展開。麻薬組織の女社長は運命の右腕をカウンセラーである殺人鬼に殺され、復讐を誓っていたのだ。彼女の常軌を逸した行動の数々を見て来たので、彼女ならではの狂気的で情熱的な復讐に、ありえないと思いつつ何となく納得してしまう。緻密な殺人鬼に対峙するのはあれくらいの熱量でないと無理だろう。

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ガスライティングという理不尽な行動に翻弄され、自分で自分を守って来たスヨル。イ・ドンウクのソフトな風貌でハードな二重人格を演じる為に、ウィ・ハジュンが別人格を担当という変わったチャレンジで乗り切るという風変わりな設定がなんとも不思議な感じだった。


バッド・アンド・クレイジー 第9,10話

2023-02-16 21:16:29 | バッド・アンド・クレイジー 韓国ドラマ

少女はスヨルと対峙する前にカウンセラーに刃物を向けたが、偶然居合わせた少年が発見した事でカウンセラーは大事に至らず・・・

スヨルに「10/2」という謎の言葉を残して命を絶った少女の行動も気になるが、飲食店でアルバイトをしている少年の動向も気になる。更に二人とも「地獄云々」という同様の言葉を口にしているのだ。

自分が黄色い雨合羽を着て、父親を殺めたのでは・・・と葛藤しながらも、自分の父親が亡くなった当時の事件を全て洗い出す事にするスヨル。(育ての母がどんな思いで彼を育てたかの告白がなんとも切ない)

しかし、少女が残した10/2という日付は自分の父親の命日ではない事に違和感を感じ、当時の似たような事件を探るスヨル。似たような事件で当時犯人と目された人物を見つけ出すも、どうも様子が怪しい。何通もの手紙に操られるかのように自白をした彼も、少女と少年と同様の単語を口にするのだ。

事件は更に畳みかけるように起こる。飲食店でバイトしている男性のならず者の兄が殺害されるも、弟のわざとらしい作ったようなアリバイがあり、兄の殺害現場近くではスヨルがカウンセリングを受けた病院で見かけた少女の姿が防犯カメラの残っている。被害者と関連があるとは思えない加害者の存在。そして次々起こる殺人事件。

麻薬事件からシフトしたかと思ったら、もう怒涛の展開だ。そんな交換殺人と思われる事件の黒幕を追うスヨルも、事件に関わっている少年少女達の取りつかれたような状況を見て「自分も幼い頃、彼らと同じように何かを思い込まされていたのでは・・・」と疑い始めるのだ。

そんな展開に麻薬事件の事はもう忘れていいのか?と思っていたら、なんとそうではなかった。自分たちの麻薬が少女の父親殺しの引き金になったのでは?と悪い噂がたった事で、簡単に麻薬を売りさばいて韓国を出国する事が難しくなった麻薬製造チームの社長たち。けりをつけてから出国する事に固執した彼女たちに近づいてきたのは、なんと少年少女にあれやこれや吹き込んでいたと思われる人間。

ここで全部の関係が繋がって、スヨルにも本当の敵が誰だか分かる時がやって来た・・・

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スヨルがあれやこれやと頼りにしていた町の怪しげなヤブ医者だが、終盤を前に考えると、彼のスヨルに対するアドバイスはかなり的確だった。二重人格は肉体も精神もボロボロにするというアドバイス然り。更に「Kは幼いスヨルを守るために、スヨル自身が作り出した人格」だなんて、プロの医師の診断のようではないか・・・

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心理虐待をガスライティングと呼ぶのは、イングリッド・バーグマンが主演の映画@ガス燈にちなんでとの事。

 

 

 


バッド・アンド・クレイジー 第7,8話

2023-02-13 21:14:37 | バッド・アンド・クレイジー 韓国ドラマ

悪党そのものの行動を見せるチーム長は、極東から麻薬を持ち込んで壮大な商いをしようとしている麻薬製造チームと対等に渡り合って生きながらえようとするものの、クレージーさは麻薬製造チームの方が何倍も上だ。

スヨルとヒギョムの捨て身の作戦でなんとか彼らと対峙する事が出来たものの、チーム長は、顔が割れている麻薬製造チームの社長の右腕を捕まえる事でなんとか起死回生を図ろうとする。

しかし、そんな事でひるまない麻薬製造チームの社長は「これまで損をしたのを取り返さないと・・と」麻薬チーム長に押収した麻薬を盗み出せと究極の提案をするのだ。

破滅の道のはずなのに、もう選択肢のない彼は、一人残った自分の部下を脅しなだめながら、警察が押収した品物を盗み出すという暴挙に出て、結局一番最初の大きな悪事と同じ状況に自分を追い込むのだ。結局元に戻ると言ったらいいのか・・・・

スヨルとヒギョムの手柄ではあるが、麻薬チーム長を捕まえたからといって市場に出回っている麻薬を回収しなければ意味もない。更には麻薬を持った少女が自分の父親を殺害するという事件も発生。

自分もカウンセリングを受けつつ、事件の捜査を進めるスヨルは、カウンセリングを行う医師が少女のカウンセリングをしていることを知ると、彼が事件に関係あるのではとにらむのだが、少女の事件は何と自分でも忘れていた子どもの頃の記憶と関係している事に気づくのだ。

黒スヨルと白スヨルが麻薬組織と対決する話だと思っていたら、びっくりするようなギアチェンジでスヨルの少年時代の暗い思い出が大きな比重を占めるストーリーになって来た。


バッド・アンド・クレイジー 第5,6話

2023-02-02 21:10:43 | バッド・アンド・クレイジー 韓国ドラマ

ト元議員を秘密裡に輸送していたにも関わらず何者かに襲われ、ヒギョム以外は全員亡くなってしまったことで当然疑われるのはヒギョムだ。彼女の家が金銭面で問題を抱えていた事も分かる。なんとか麻薬の面から捜査の突破口を探そうとするスヨルとKの2重人格コンビ。輸送車に何か起こったのかを調査するために、目撃者を探す二人は、前のめりなヒギョムが自分たちと同様に麻薬の取引が行われていると思われるクラブに潜入しようとするのを、逆に怪しまれると二人で止めたりしてなかなかいいコンビだ。。。(もともと一人なのだから、コンビなんていうのもおかしいか・・・)しかし空き巣に入られたヒギョムの家から麻薬が見つかり、結局彼女は拘置所送りになってしまう。

彼女が誰に嵌められたのか捜査すべく、手がかりのありそうは廃車工場に一人乗り込むスヨル。捜査は二人一組じゃないか・・・危なくないのか?と突っ込もうと思っていたら、やっぱり黒幕だった麻薬チーム長に捕まってしまう。輸送中の事故に見せかけト元議員を殺害した上に、麻薬を自分たちの物にした事で製造元ににらまれる事になってしまった麻薬チーム長。そんな彼は超一流の極悪麻薬製造人たちを相手に「ト元議員も殺したし、これから警察内部も綺麗に整理して仕事をやりやすくしてやる」と取引を持ち掛け、その一環でスヨルは拘束され、麻薬接種セットに指紋までつけさせられ、結局はチーム長の悪事を嘘の証言で覆し、すべて丸く収まったと警察内で報告する事になってしまう。

スヨルは持ち前の機転と根回しでここまで出世出来ているようなのだが、Kにも指摘されているようにどうにも詰めが甘い点が多々ある。チーム長の保身の為の根回しの良さを少しは見習った方がいいかもしれない。

チーム長の行動に不安を感じた(自分以外のメンバーがどんどん殺されていくのだ。不安に決まっている)チーム員にチーム長を逮捕の協力を求めるものの結局失敗。証拠の動画を手に入れる事は出来ず、更には拘置所から出られたにも関わらず再び命を狙われる事になったヒギョムと一緒にガスが充満したトラックの荷台に閉じ込められてしまうのだ。

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悪党そのものの行動を見せるチーム長だが、どうも行動の数々には小物感が漂う。本当の悪党は極東から麻薬を持ち込んで壮大な商いをしようとしている麻薬製造チームだ・・・

 

 


バッド・アンド・クレイジー 第3,4話

2023-01-30 21:23:35 | バッド・アンド・クレイジー 韓国ドラマ

自分が無事に警視になった喜びを、ト議員への飛び蹴りで表現するという行動に出る事になってしまったスヨル。それだけでなくそれを署内全員が見ている前で行うという前代未聞の行動に出るのだ。

普段は、警察官としての矜持を持ちながらも、適度に黒スヨルとして警察官人生を送ってきたスヨルだが、どうやら自分の中の白スヨルが出現すると、タガが外れ、白スヨルならぬクレージースヨルが発動するらしい。

一番の問題は、これが自分でコントロール出来ない事だ。

ただ、白スヨルで行動した際の記憶は非常に曖昧なため、少女の母親が自分のネックレスの中に仕込んでいた隠しカメラで撮影したト議員の悪行ビデオがどこにあるか分からない。混乱している元彼女であるヒギョムと探そうとするものの、出てこない。探し物は探している間は出てこないのだで、なんと実家の母親が持っているというビックリするような展開。それも驚く事ではなく、自分がクレイジー白スヨルになっている間に預けていたのだ。

ただ、映像は非常に不鮮明。「似ているだけで決定的ではない」と言い逃れもト議員ならやりかねない。それでも「やってやる」と決心を決めたスヨルだが、悪だくみはト議員の方が何倍も上手だった。学歴不足の為、順調なキャリアを積めないかもと心配するスヨルは着々と適度な脅しも使って裏金をこっそりためていたのだが、それをネタに、職場にそして実家に踏み込まれるのだ。万事休す。

しかし、スヨルも警察官の端くれ。ギョンテからのSOSもあり、ト議員をはめる為に一芝居打った事により解決。
そして、危機だったはずのスヨルの進退も、自らを「K」と呼ぶクレイジースヨルの寄付作戦により、お咎め無しとなるのだ。

ト議員の拘束には成功したものの、麻薬がらみの事件については更なる敵がいるのが定番だ。
ト議員が牛耳っていたのはあくまでも流通部門。製造部門は流通部門に品物を下ろす事で儲けているのだが、自分たちが割を食っていると思った彼らは、全ての流れを自らが握れば全部の売り上げが自分たちの物になると企んだ。ト議員にイチイチ頭を下げる必要もない。主従逆転だ。ト刑事が自分の手足に使っていた不法滞在外国人たちもややレベルの小さい反乱を起こしていたが、それよりもっと規模も大きく、何より凶悪度のレベルが全く違う。

ト元議員は刑務所の中でも命を狙われるようになり、それを阻止し、亡くなった同僚の為にも何とか元議員を起訴に持ち込みたいヒギョムは秘密裡にト元議員を移送しようとするのだが、移送車は襲撃され、ト元議員は勿論、移送に関わったメンバーはヒギョムを除いて皆亡くなってしまう。

麻薬組織VS警察麻薬取締チームという新しい対立構造はこれからどうなるのか・・・どう考えても警察より麻薬組織の方が肝が据わっている感じだ。

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白スヨルVS黒スヨルなどとふざけては書いてはみたが、休む事なく入れ替わる人格と、休めない肉体・・・その疲労感は生命の危機にも繋がっていると、医者もどきの怪しい詐欺師に脅かされる生身のスヨル。


バッド・アンド・クレイジー 第1,2話

2023-01-24 21:13:01 | バッド・アンド・クレイジー 韓国ドラマ

警察内でキャリアと非キャリアの昇進スピードが全く違うのは日本も韓国も一緒だろう。
その上最終学歴が高卒であれば、警察学校そして警察での資格試験の成績がいくら良くても限界がある。

そんな条件に当てはまるスヨルだが、ちょっと頼りない兄の替わりに実質家長の役目も行い、母にお店を出してあげるだけの器量もある。彼は先輩に色々とすり寄り、なんとかして自分の昇進および昇格を確固たるものにしたいと色々画策しているなかなかの策士だ。

しかし今の職は「内部監査」となかなか厳しい職場。警察内部でも誰も親近感を持ってくれない部署だ。しかし、既に家族持ちの後輩からはそれなりに慕われており、先輩も小言は多くても、彼をそれなりに可愛がっている様子。

しかし、そんな彼の周りにフルフェイスマスクで赤と黒のライダースーツを着込んだ怪しい若い男がうろうろするようになってからなんとも不穏な雰囲気が漂うになった。
彼が長い物には巻かれろ的な判断をすると、突然飛び蹴りを繰り出す。ローンの払いが残っている車にも蹴りが入る。公衆の面前で各種嫌がらせが行われるのに何故か誰も気づかない。
幼い少女の「お母さんを探して欲しい」という思いに、交番の若い警官ギョンテの真摯な対応は、警察内の鼻つまみ者ト刑事の知るところとなり、ト刑事の鉄拳がギョンテに下るのだが、ト刑事が自分が頼ろうとしているト議員のいとこだと知ると、ト刑事へのスヨルの追及も急にトーンダウンする。当然これにもバイク男の鉄拳がくだる。

更に少女の母の失踪にト議員がかかわっている事を知ったギョンテの口封じの為にト刑事は全部燃やして亡き者にするという更なる力技の解決方法を繰り出すのだが、それをスヨルがいやいやながら阻止するのも得体のしれないバイク男の手引きがあったから。

少女の思いを感じ、警察官としてのひとかけらの矜持で原因を追究しようとするスヨルとパートナーのジェソンは、違法ペットの葬儀屋が少女の母殺害に関与していることを突き止めるも、ト議員の息のかかったト刑事はそれさえももみ消し、更に追求しようとしていたスヨルは、喉から手の出るほど欲しかったポストと引き換えに、実質ト議員の犬になってしまうのだ。
そして、やっぱりそこに登場するヘルメットバイク男。そしてそのヘルメットバイク男が自分自身だということに気づくスヨル。

「バッドアンドクレイージー」というタイトルは、まさに彼自身そのものなのだ。

ソフトな容貌のイ・ドンウクがバッド・アンド・クレイジーの両方を演じるよりも、やや無骨な感じのウィ・ハジュンがパワフルなクレージーを演じるのも面白いかもしれず。