コンサート会場で売られているCDやDVDの中には、国内あるいはAmazonなどでは入手が困難なものがあり、そういうものを見つけると、私などはつい買ってしまう。
先日の東京・春・音楽祭「トスカ」の物販では、「小澤征爾 ストラヴィンスキー:バレエ《春の祭典》、オペラ=オラトリオ《エディプス王》 他」を買った。
Amazonでも買えそうだが、「春の祭典」、「アポロ」、「エディプス王」という取り合わせに惹かれたのである。
さて、家に帰って包装を開いてみると、「エディプス王」の台本は「ジャン・コクトー」とある。
そこで本棚を見ると、「ジャン・コクトー全集〈7巻〉 戯曲」があり、その中に「オイディプース王」が搭載されている。
「音楽と戯曲の再会か?」と思いきや、末尾の「解題」にはこう書いてあった。
「なお『オイディプース王』の出版や上演より先に、ストラヴィンスキーの要請に応じて、コクトーはラテン語の歌詞とフランス語のナレーションによるオラトリオ形式のオイディプース劇の台本を執筆し、1927年5月に作曲家自身の指揮で上演されている(本全集第八巻所収)。」(p591)
第七巻の「オイディプース王」は戯曲の台本であり、オラトリオ形式ではなかった。
そこで、真の「再会」を実現するため、第八巻を買うことにする。