Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

組織防衛(2)

2023年05月25日 06時30分00秒 | Weblog
 「團藤氏は1981年に伊丹空港の周辺住民が夜間飛行の禁止を国に求めた「大阪空港公害訴訟」の審理を担当しました。團藤氏が在任中に記したノートには、国の意向を受けた当時の最高裁長官が「判決前に介入した」として、「この種の介入は怪しからぬことだ」と怒りを露わにした内容が記されています。大阪空港公害訴訟の審理について元最高裁長官から「介入」があったことについて、調査チームは「三権分立に関わる重大な記述」だと分析しているということです。

 「裁判官枠が6人あり、高等裁判所長官を経て平均6年勤務するとすると、同期の中で最高裁判所判事になれる裁判官は1人しかいません。
 刑事畑の裁判官が、ちょうど2倍有利です。民事畑、刑事畑が人数で2対1、最高裁判事は民事畑、刑事畑が各3人ずつですから。

 團藤先生のお怒りはごもっともだが、裁判所に限らずどんな組織も、程度の差こそあれ「組織防衛」を図るものである。
 実際、裁判所がこの20年ほど裁判員裁判に注力してきたのも、見方によっては「組織防衛」の一環ということが出来るだろう。
 というのは、民事事件の新受件数は減少傾向が続いており、裁判員裁判と家事事件くらいしか、もはや予算獲得が期待できる分野が残っていないのである(今後しばらくは家事事件の制度改革が目玉になるかもしれない)。
 このため、裁判所内部では、刑事畑(刑事部と家事部を行き来することが多い)の裁判官が幹部の多くを占める現象が続いているように思える。
 だが、組織がじり貧になると、團藤先生が指摘したような「介入」も増えてくると思われる。
 この件は、「昔の話」と言ってすまされる問題ではなさそうである。
 
 
コメント
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