忙しくて旅行に出かける余裕がないときなどは、ガイドブックや地図を眺めながら「ヴァーチャル・トリップ」を楽しむことがある。
これは、野口悠紀雄先生が「「超」旅行法」で提案していたものだが、結構楽しい。
個人的には、上に挙げた古いガイドブックをランダムに読むのが好きで、「トイレで読む本」の一つになっている。
手元にあるのは改訂6版で、1998年5月1日発行のものである。
当ブログでは何度か強調したが、1998年は、日本の戦後史において非常に重要な年である。
すなわち、日本史上、かつてないほどに自殺者が増えた年なのである(特集:自殺は防げる データで見る日本の自殺)。
さて、当時、旅行産業はどうだったのだろうか?
最終ページを開いてみると、3ページ分が旅館の広告となっている。
6軒掲載されているうち、3軒は何とテニスコート併設で「合宿」向けと謳っており、それ以外の3軒は「温泉」(「寛ぎ」がキーワードである)を売り物にしている。
なんだか私には、この2つが当時の世相を反映しているように思えてきた。
依然として集団志向が強く、「合宿」が盛んに行われる一方で、犠牲強要競争に苦しむ人々は「寛ぎ」を求めている・・・。
この状況は、現在はどうなっているのだろうか?
というわけで、週末は富士五湖に出かけて確認してみることとする。