(チャイコフスキー「悲愴」)「本作の最も特異な点は第4楽章。フィナーレ楽章が速度の遅いアダージョであるばかりか、暗い感情に覆われたまま消えゆくような終わり方は、当時までの交響曲としてはかなり異例だった。あたかも死を悟っていたかのような音楽だったこともあり、かつては自殺説も出現したが、やはり病死で間違いないというのが現在の通説である。」
(ペトレンコ氏)「少なくとも私の個人的な考えでは、この曲の最後は、人間は死んだらそれで終わりだ、というメッセージだと受け止めています。」(公演パンフレットより)
チャイコフスキーの死因については、かつては自殺説や他殺説もあったが、現在では病死ということで動かないようである。
最近話題になっている「生まれ変わり」についても、彼はどうやら信じていなかったようだ。
さて、今年はラフマニノフ生誕150周年・没後80周年ということで、ラフマニノフの曲の演奏が多いが、辻井さんはコンチェルト3番をチョイスしており、秋に開催される「河口湖ピアノフェスティバル2023」でもこの曲を演奏する予定とのこと。
私は最前列の第一ヴァイオリン側に座って聴いていたが、この位置だと、多重音声の全体を味わうのが難しい代わりに、自分がオケ団員に紛れ込んだような一体感を味わうことが出来る。
「木を見て森を見ず」という言葉があるけれど、「木になれば森と一体化できる」という言葉が浮かんできた。