パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

モーツァルトのレクイエム

2006年05月04日 22時14分41秒 | Weblog
そのレクイエムは変わっていた。
なにしろ途中から始まった。
本当に曲の半ばからで、前半がどんなだったか分らないが、
いきなり盛り上がった曲調ですすんだ。

「あれっ、どうしたのかな」
と思っても、いっこうに聞き慣れた形に戻る様子がない。

聞いているうちにその響きは、何故だか知らないが
フォーレのレクイエムを思い出させた。
晩年のクラリネット協奏曲、クラリネット五重奏曲、
ピアノ協奏曲27番、アヴェ・ヴェルム・コルプスをも連想させた。

少しすると、ラクリモサが途中で途切れ
「そうか、モーツァルトの書いた通りの音がこれなのだ」
と気づいた。

後で、スタッフの人に聞くと、最初がモーツァルトオリジナル版
ついで、ジェスマイヤー版が演奏されたとのこと。
(よく見ると、パンフレットにも書いてあったが)

これは、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2006
「熱狂の日」音楽祭2006 モーツァルトと仲間たちの
初日の公演題目の中の一つでのこと。

今年はチケットを頼むのが遅くなって
結果的に、大きなホールでのものしか手に入らなかったが
レクイエムは楽しみにしていたもののひとつだった。

オリジナル版を聞いて納得いったような気がした。
普段聞いているのは、モーツァルトにしては
生々しく、雑味が多いように思えて
(ジェスマイヤーもよくやっているけれど)
頻繁には聞こうと思わなかったのだが
オリジナル版は、もっと直感的ですっきりしていて
これぞモーツァルト!って気がした。

この演奏会は、前半部分だけで「儲け」と感じたのだった。
しかし、座席は1階の最後尾。
少しばかり音的にきつかったのが残念だった。

演奏は
谷村由美子(ソプラノ)ヴァレリー・ボナール・ビュクス(アルト)
ヴァレーリオ・コンタルド(テノール)ステファン・インボーデン(バス)
ローザンヌ声楽アンサンブル
シンフォンニア・ヴァルソヴィア ミシェル・コルボ(指揮)
によって行われた。
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