パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

読みたい本のリレー

2016年07月09日 08時33分22秒 | 徒然なるままに

自分のブログのコメント欄に、
ある方からお薦めの本を紹介してもらったことがあった
その本とは「落下傘学長奮闘記」黒木登志夫 中公新書クラレだ

大学が国立から法人化される時期に岐阜大学の学長になった方の
文字通りの奮闘ぶりを図表・データを交えて事細かに紹介している
この 黒木登志夫と言う人物は元来は学者さんで、40年間基礎研究を
してきた方、それが何かのきっかけで学長になってその仕事を全うするのだが
つくづく世の中には頭のいい人がいるものだといまさらながら驚く

この本は書店ではすぐに見つからないだろうと思い、Amazonでチェックしたが
やはり中古本の形でしか見つけられなかった
そしてその値段は、19円 配送料が257円 本体より配送料の方が高い
これは仕方ないとして、この本には普通と違う大きな特徴があった
それは内容のところどころアンダーライン(サイドライン?)が引かれていたことだ
前の持ち主が読んでポイントになると思われる部分に印をつけたのだが、これが案外興味深い
そんな本を手にするのは嫌だなと感じるひともいるかもしれないが、自分はなかなか面白かった
その線が引かれている部分は、前の所有者が現役の大学関係の人だったのではないか
と思われるようなところだった
そしてチェックされていた箇所は自分ならきっと注目しないだろうなと思われるようなところだった
(当事者と傍観者の違いか?) 

この本は思いの外読み終えるのには時間がかかった
問題が多岐にわたっていたのと、この学長さんのパワフルな頭の良さに
圧倒されて、ツラツラ読むのが憚られたせいだ
それで、悲しいことに読み終わって何が残ったかといえば
学長さんて大変だなが一番の印象
(もちろん国との折衝やいろんな計画の話も興味深かったが)

読書で何を感じるかは読み手のポテンシャル・能力によるのであって
自分がその程度の事しか感じられなかったのは、自分の脳力がこんなもん
という証明になるわけだが、これは仕方ない

でも、それでもいいこともあった
この本の中に紹介されていた本が、とても面白そうで、
次に読むべき本が決まったことだ
その本とは「空気の研究」山本七平著 

Amazonの内容紹介によれば
あらゆる思想や論理を超えて日本人を支配する「空気」及びそれに呼応して勢力を振るう「水」の如き怪物「通常性」の正体をあばきつつ独自の論証を自在に展開する 
とある
カスタマーレビューもなかなか高評価
ということで、ポチッとしたのは言うまでもない

本はすぐ来ることになっているが、少し困るのは厚い(少しばかり値の張る)本が
まだ読みかけの状態だということ
これも面白いのだが手応えがありすぎて徒歩の様なスピードでしか読めない
(生物はなぜ誕生したのか ピーター・ウォード/ジョセフ・カーシュヴィンク著) 

どうしても読みやすい方に手が行きそうだから
この読み見かけの本が最後のページまで行くか少し不安
(そうなったらそれはそれで仕方ないか)

ある本を読む、その本から触発されてまた別の本を読む
こんなことの繰り返しがきっと人の性格をつくっていくのだろう

※書棚をみるとその人の知性が分かる
音楽のアルバムの棚をみるとその人の趣味の良さが分かる
と言われることがある
自分の書棚にどんな本が並んでいるか
テレビでのインタビュー時に安易に書棚を映すと
失望を与えることになるかもしれない政治屋さん
一方、庶民はそんな機会があったら注意深くチェックして
隠れた本質を知るチャンスだ
 

コメント
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